仇討ち
「……久しぶりに家に帰れるなぁ」
そう言いながらノヴァはアラディスの街並みを歩く。
ここ最近ノヴァは唱独術というものに対しての研究を進めているオルレイの為に様々な遺跡を巡り、使えないものはないか古代の文字や知識などをアラディスに収めていた。
すると唱独術というものはやはり魔力に加えて理論と文字が必要になるという事が分かったのだ。
さらにこれは脳から分泌されるホルモンと魔力の質が全く違う異能力者でも違うという事が分かっているし、さらに異常魔力持ちでもこの技術は扱えるという事が分かったのだ。
「オルレイ喜ぶかなぁ?」
ノヴァがそう言った時だ。
「……父さん!!」
紫髪に赤い瞳を宿した少年がノヴァに抱きついて来た。
「……お前サタか?」
「か、母さんが! 母さんが!」
「おいお母さんがどうした?」
「はやく家に来て!」
息子のサタに手を引かれながらノヴァは家に向かった。
「……オルレイ」
オルレイが目を閉じて眠っているが寝息を感じない。
「おい! オルレイ!」
そう言ってノヴァはオルレイの首に手を当てた。
「……冷たい。 そして何も外傷がないし、顔色も悪くなっていない。 ……ビキバガを心臓に受けたのか」
ノヴァはオルレイの体を見てそう判断した。
「……お母さん!」
「お母様!!」
「……お前達なんでそんな見た目が変わっているんだ?」
目の前の光景にノヴァは頭の整理がつかなかった。
まずゾズマが金髪に青い瞳を宿している。
シフォルは十八歳くらいにまで身長が伸びている。
「……実はね父さん。 俺達肉体を改造されたんだ」
「……肉体改造?」
「俺はラミアの血を入れられたんだ」
「僕はタロスって言う種族」
「私はサキュバスとセイレーン」
「……なんだって?」
肉体改造。
それは神の領域だ。
しかも亜人の血を入れた場合人間では肉体強度が足りず崩壊するのだが自分の息子、娘は肉体が崩壊せずにしかも外見変化を促しているのだからすごい。
「……とりあえずお前達は灰の放狼に保護されていろ」
「お、お父さん僕達も戦うよ!」
「そうだよ父さん!」
「そうよお父様!」
「……お前達が死んだらオルレイは悲しむ」
「「「……分かりました」」」
そう言って涙を流す息子、娘達をノヴァは優しく抱きしめた。
「……帝国許さねぇ」
そう言ってノヴァは帝国に乗り込む事を決めた。
たった 一人で。
「出発だ」
「何をしているノヴァ?」
オルレイを墓に入れてアラディスを出ようとした時だ。
背後から声が聞こえた。
「……ロテナか」
「お前一人でオルレイの仇打ちに行かせる訳ににはいかない私達も連れて行け」
「……ワタシも友達殺されて黙っているほど器用じゃないから」
「アドネシアを倒しに行くんでしょ?」
「ああ」
「みんなで倒しましょう」
そう言って四人は決意の顔でアラディスを出た。




