呆気ない死
「へへ、オルレイ・アース! お前の子供達は俺のお母様が実験台にしているんだ」
「実験台!?」
「ああそうさ。 お前の子供は魔力の質がいいからなぁ亜人の血を入れても壊れなさそうでいい」
「……なんて悍ましい事を!」
オルレイは魔力を滾らせて、そのまま長杖でラグナルと自称する男の子頬をフルスイングしようとしたが突然飛び出して来た杖にそれは防がれた。
「……アドネシア!」
「久しぶりですね魔法使い。 あなたの子供は失敗作でした」
「……なんですって?」
「あなた達三人の子供にそれぞれラミア、タロス、セイレーンにサキュバスの血を入れて実験しましたが全くと言っていいほど外見的に変化が見られなかったので家に送り返しました」
「……何を言っているの? わ、私とノヴァの子供を人体実験に使ったの!?」
「はい。 元々精霊の魔力を使って作る妖霊計画と最強の人類を作るキメラ計画を実行していましたがもう既に妖霊実験が終えているのでキメラ計画の被験体は最後にあなた方の子供がいいかなぁって」
「……許さない」
オルレイの口から出た言葉は憎悪だった。
「魔法戦で私に勝てるとでも?」
「殺してやる!」
そう言い放ってオルレイは炎に雷、風を起こして雪を全て蒸発させるほどの火力を叩き出した。
「……あなた災害が何かですか?」
「……うるさい」
そのままオルレイは直線上にポロンの極太の光のレーザーを射出して空を割った。
「……この国を滅ぼす気ですか?」
そんなオルレイの全力の魔法をアドネシアは余裕でシルガで防ぎ、オルレイと目線を合わせる。
「そんな事はしないただ子供達をかえぐぁ?」
体痺れる。
力が入らない。
胸元を見てみると雷が自身の心臓を通ったのが分かった。
「ノ……ァ」
オルレイはノヴァの名前を呼びながらその命を落とした。
「はぁはぁ。 手強い相手でした」
アドネシアは肩で息をする。
「……呆気ないもんだったな」
ラグナルが背後からそんな事を言ってくる。
呆気ないとは思っていない。
むしろ魔法戦でよく油断せず自身と互角に戦ったものだとアドネシアはオルレイの事を評価した。
「この女の遺体どうすんだ?」
「……そうですね。 地下に捨てておきましょう」
そう言ってアドネシアはオルレイの体をリルア王国へと転送した。
「……これは魔術師としての礼儀です。 勘違いしないでください」
そう言いながら何故かアドネシアは涙が止まらなかった。




