亀裂、変わる関係
「まぁとはいえ、ほら着きました。 ここにこの島の代表者三名がいます」
「……え?」
オルレイ達が辿りつくと二階建ての一軒家があった。
「おじゃまします!」
するとさっきまで黙っていたカルマコロネが中に入って行った。
「……もう何がなんだか分からんな」
雷月も思わず口を出した。
「……え? 僕はめちゃくちゃかっこいい街だと思ったけどね?」
「俺はよくわからん」
雨は目を輝かせ、ノヴァはあまりにもの技術発展に苦笑いをした。
「私のような亜人はいないようだな」
「……まぁ亜人の国は刀国にあるらしいですね? 空田さん曰くこの島を異能力だけの島を作りたいという事で亜人がいないのです」
「……そうなのか」
ロテナがそう言って頷いた。
「と、とりあえず中に入ろう! ロテナ!」
「そうだな」
そう言ってオルレイ一行は中に入った。
「こんにちは」
「……客か? リターナ」
「私ゲームしたいんだけど?」
「皆さん紹介しますね? この三人が無人島楽園のリーダーをしている三人です。
左からソラタ・ケントさん、シンリュウ・オボロさん、コハラ・アカリさんです」
「よ、よろしくお願いします。 オルレイプリジスです」
「ノヴァ・アース」
「六夜雷月」
「凛 雨」
「ロテナ・プリジス」
「カルマコロネ」
「ラティリオネ」
「皆さんようこそ無人島楽園へ」
オルレイ達が自己紹介をすると代表者の一人ソラタ・ケントさんが歓迎してくれた。
「あのう少し気になったんですけどソラタさんって刀国の発音だと、どういう発音なんですか?」
「おや? 刀国の言葉が分かる人間だったのかじゃあ改めて僕は空田賢人よろしくそして隣にいるのが小原明君だ」
「……よろしく」
奇抜な格好をした小原という少女は頭を下げた後にどこか照れ臭そうにそっぽむいた。
「……早く話をしてくれないか? 子供が待っているしそこにいる氷竜についても話を聞きたいのだが?」
一人の黒髪の女性が声を発した途端に空気が重くなる。
「あ、なたは? 一体?」
思わずオルレイは思わず声を上擦らせて女性を見る。
「私は心龍朧だ。 ちなみに私に嘘は通じんぞ? 皆の心が私には丸聞こえだ」
「……え?」
「そこのオルレイという女」
「は、はい!」
思わず指を指されてオルレイは肩を萎縮した。
「お前はだいぶこの街に戸惑っているな。 安心しろこの街は安心安全でお前が心配する事は何もない」
「あ、ありがとうございます」
「次にそこの茶髪の女」
「なんだ?」
雷月は朧に向かって思わずクナイを抜いて投擲しようとしていた。
「お前は全てを警戒しているな? 忍びか? いい練度だ。 ここで暮らせばさらなる発展がある」
「……そうか言葉だけ受け取っておく」
そう言って雷月はクナイをしまった。
「次にそこの黒髪に青い瞳の男」
「……」
「お前はそこの灰色髪の女オルレイの事が好きだな?」
「……イウナヨ!!」
ノヴァはそう一言言うと気絶してしまった。
「の、ノヴァ!?」
オルレイは思わずノヴァの元に走り、体を揺らした。
「ろ、ロテナ!! い、いきなり何!? の、ノヴァが私をす、好きってお、おかしいよね!?」
オルレイは自身が冷静ではない事に気づいていなかった。
いつのまにか右手に電流を集めてノヴァの肉体に流そうとしている事に全く気づいていなかった。
「オルレイ。 落ち着きましょう? と、とりあえず話し合いは解散! 解散!」
するとロテナが大きな声をあげてオルレイを落ち着かせ、その場は一旦お開きとなった。
「終わったか。 じゃあ家に帰らせて貰う」
そう言って朧は立ち上がり、そそくさと出ていってしまう。
「おい待てよ! 朧!」
そう言って雨が追いかけて行ったがオルレイは気が動転していてそれどころではなかった。
「……何これ」
「なんも話し合ってないね?」
ラティリオネの冷たい目線とカルマコロネの呆れた口調がこの無人島での話し合いを締め括った。
「おい! 朧! いきなりノヴァになんて事言ってんだよ!」
雨は朧を追って走る。
「……氷竜ではなくなったお前に興味はない。 うぐっ!?」
「おい!?」
すると朧が膝をついて吐血した。
「おい朧どうしたんだよ!」
「……雨頼まれてくれないか?」
「なんだ?」
「私の子供を育ててくれないか?」
「はっ?」
雨はいきなりの言葉に固まった。
「実はな,もう寿命が私にはない。 そして急にあんな変な事を言ったのは吐血している所を誰にも見られたくないからだ」
「そうは言っても僕は仲間達と一緒に戦わないといけないんだ!」
「いや、無理だ。 自分でも分かっているはずだ自分にはもう竜の血と剣術が出来る程の体力がないと」
「それは!?」
「おい、今の話は本当なのか?」
「……雷月」
「おい雨! お前はもう氷竜ではないのか!?」
雨の肩を雷月は揺すった。
「……そうだ。 僕はもう戦える身体じゃないでも平和に暮らしたいと思っている自分もいるんだ」
「……そうなのか?」
「ああ、それとよければ雷月。 僕と結婚しないか?」
「……いきなり何を言っているんだ! わ、私は今、真面目に話をしているんだぞ! 雨! はぐらかすな!」
「はぐらかしてないよ。 ずっと昔から好きだったんだ。 この楽園で一緒にに暮らさないか? 実はお前も戦いの日々に嫌気がさしていたんじゃないのか?」
「……そ、それは」
「別にここに暮らしてもいいんじゃない?」
「カルマコロネ?」
するといきなりカルマコロネが話に混ざってきた。
「別に今すぐにヴァレスト帝国と戦うわけじゃないんだしさぁ。 別に結婚して子供産んで幸せに暮らしたとしても、子供産んでからの戦うのも一緒じゃない? 十年あるしさゆっくりこれからってのを考えてもいいんじゃない?」
「……そうだなカルマコロネ。 お前の言う事にも一理ある」
「雷月。 ここにいる間に答えを貰えるかな?」
「……分かった」
こうしてぎこちなく放狼の幼馴染達の関係は変わっていこうとしていた。




