発展
「おい! いきなりお前ら何すんだよ!」
「黙れ。 ここはキックスシンカの一族が収める国だ」
そう言うと男達は黒い筒状のような物を取り出してノヴァに向けた。
「……なんだよ。 それ」
「これは銃という。 河原一族が作った物だ」
「……河原一族? それって刀国の?」
「……河原一族と親しかった奴らか? それとも空田の一族と同じくお前らもこの無人島へ移住しに来たのか?」
「えっ?」
オルレイはいきなりの事で思考を停止してしまった。
「……どうするお前ら? お嬢様かカリシーさん。 朧、空田に連絡しねぇと」
「だが、こいつらがなんの為にここに来たか分からない以上どうする? これ以上お嬢様に何かあれば死んだミュルシャさんに申し訳が立たない」
「どうしましたか? 皆さん」
「っ!? お嬢様! ダメですこんな所まで歩いて来ては! お嬢様は身重なのですよ!」
「いいのです皆さん私がそうしたいと思うからここにいるので」
すると青い髪に珊瑚の瞳をした女性が歩いて来た。
「……うわぁ」
オルレイから見てもとても美形な少女が目の前に現れた。
「皆さんすみません。 私の部下が手荒な事をしてしまって」
「……い、いえ!」
オルレイは思わず手と首を振って無事をアピールする。
「……申し遅れました。 私はリターナ・シンカキックスですよろしくお願いしますね? 発展途上の島ですがどうぞご覧になって下さい」
そう言ってオルレイ達はリターナに案内されながら街並みを歩いた。
「「「「「「「何これ?」」」」」」」
オルレイ達は目の前に広がる景色に戸惑いを覚えた。
それもそのはずだ。
目の前の景色に広がる景色は地球から呼ばれた世界召喚人がいれば東京だ渋谷だの騒いだろう景色が広がっているからだ。
そう言っても過言でないほどビルやアスファルトのタイル、風力発電やソーラーパネルなどが街並みとして並んでいるのだから。
「……これは一体?」
「それはですねこの無人島で一人で暮らしていた小原明さんという方の知識と我らシンカキックスの組織力、そして空田雄一という人が連れて来た異能力者や河原一族の皆さんと半年で作り上げた街? のような物です」
「ま、街ってこんな風に発展していいものなの?」
「例えばこういうのもありますよ?」
リターナはポケットから取り出すと四角い箱のような物が出て来た。
「……なんですかこれ?」
「スマホって言うらしいですね」
「……スマホ?」
「すごいですよね。 この箱一つでアニメやらとかゲームとかそういう事が全部出来るそうです」
「……もう何がなんだか。 っていうか半年でよくそういうのを作れましたね」
オルレイは素朴な疑問を声に出した。
「まぁほとんど河原一族がすごいのです。 この島にある鉱石や植物からどんどん技術を発展させてしまいましたからね」
「……河原一族。 ここまですごいとは」
雷月も唖然とした口調で声を出す。
「……ちなみに今人工島に住んでいる方々の人数は?」
オルレイは恐る恐る質問をした。
「まぁざっと一万人二千人ぐらいですね」
「……一万人でこれほどの発展を?」
ラティリオネですら冷や汗を掻いて街並みを見回していた。
「ところでなんでこの島に来たのですか?」
「あ、それはねヴァレスト帝国っていう国と戦争する為に戦力が欲しくてこの島に来たの」
「……それは無理ですね。 まだこの無人島も発展途上ですから残念ながら力になれませんが道具なら渡せると思います」
そう言うとリターナはポケットから黒い箱を取り出した。
「……なんですかこれ?」
「トランシーバーというらしいです。 スマホを作る為の試作段階で作ったのが何個かあるのだ持って言って下さいああ、後銃もありますのでどんどん持っていって下さい」
「……もう何がなんだか」
オルレイは異世界の発展に驚愕するしかなかった。




