話
「あのぅ貴方たちは達一体?」
「ワタシはカルマコロネ。 隣にいるのがラティリオネ様だよ。 よろしく」
「……よろしく」
灰色の髪に黄金と銀の瞳のオッドアイをした白いワンピースを着た少女は棒付きキャンディを舐めながらそっぽ向いた。
「……えっと子供?」
「……失礼しちゃうわね? これでも数千年を生きる精霊なんだけど?」
オルレイがラティリオネを子供扱いすると眉を顰めて全身から魔力を放ち、大気を揺らした。
「……ご、ごめんなさい。 見た目で人を判断しちゃいけないよね。 気分を悪くさせてごめんなさい」
「……別に素直な人間は好きよ。 ……なんで泣いてるの?」
「い、いやなんか貴方を見てると何故か涙が出て来て」
「……変な子ね? ほら雨でも舐めて落ち着きなさい」
「ありがとうラティリオネ様」
「……別にラティリオネだけでいいわ。 ほら泣かないの! ああもう! 調子が狂うわね!?」
そう言ってラティリオネは何故か顔を赤面させながら浮き上がり、オルレイの頭を優しく撫でた。
「……なんか顔を合わせて数秒で泣くとか子供のなの?」
「う、ごめんなさい」
「ほらあーやーまーらーなーいー!!」
そう言ってオルレイの頬をラティリオネは挟んだで笑う。
「とりあえずテントに向かいましょう。 貴方達の体冷えてくる一方でしょう? ついて来て」
そう言ってラティリオネはオルレイ達を案内してくれた。
「……おいカルマコロネ。 ラティリオネっていう精霊はあんなに優しいもんなのか?」
「いやあんなラティリオネ様は初めて見るね」
そうニヤニヤしながらノヴァの質問にカルマコロネは答える。
「お前その耳エルフか?」
「そだよー」
「よく狩られてなかったな。 ここ数年は異常魔力を持った魔女と魔人そして、魔力を多く持つエルフは狩られる対象だってのに」
「まぁワタシは捨て子だったしね。 それで助かっただけだよ。 ほら見えた。 あれがテントだ」
「……大きい」
オルレイは大きなテントに驚きながら中に入った。
すると見知った顔を見つけた。
「ロテナ!!」
「……オルレイ達か」
その顔はとてもやつれていて悲しい目をしていた。
「……ブリットとリーゼは?」
「……死んだ」
「っ!?」
「た、誰? 誰にやられたの!? ロテナ!!」
「……アザイアと言う男だ」
「……アザイア?」
「うん。 彼はねぇ闇っていう特殊な力を持っていたのだけど何故かねぇこの世界に上手く適応できなかったらしいんぁ」
「……適応出来ない?」
地面に寝っ転がりながらカルマコロネがロテナとオルレイの会話に混ざる。
「どうやら闇っていうのは無界っていう世界の産物だったんだけど世界と混ぜちゃったのがいけなかったみたいだねー結局彼らが持ってた闇はどんどん弱まって焦ったあいつはこの世界に生まれた精霊って存在に目をつけてこの傭兵の国だったヴァレスト帝国を手始めに征服したって訳!」
「……なんで貴方はそんな事分かるの?」
「……それはねワタシの異常魔力の力記憶の継承」
「……記憶の継承?」
「うん。 ワタシのおばあちゃんさ、リオナ・クダンって言うんだけどワタシその子孫なんだぁ。 本当はアタシも青髪なはずなんだけど異常魔力のせいで銀髪、銀の瞳なっちゃた」
「……そうなんだ」
「まぁとりあえずおばあちゃん達はこことは違う世界にいた異世界人でね。 アザイアと戦ってたみたいなんだけど切り札としてアデュース様とラティリオネ様を女神アルミアって人が作ったんだ」
「……女神? 切り札?」
「うん。 アザイアの方にはアドネシアって言う魔女がいるでしょ?」
「えーと雨を攫って行った人?」
「まぁそうだね」
「それがどうしたの?」
「いやさそのアドネシアって言う魔女が強すぎてこちらにも切り札になる人が必要だ!って なって、おばあちゃんと一緒に戦ってた女神様が命を代償に誕生させたのがラティリオネ様とアデュース様だったんだぁ」
「けれど三年も経たない内に私達は眠りについたわ」
「で、五年で見つけたワタシすごくない?」
「……カルマコロネ少し黙って少し話が複雑になるから」
「はーい」
するとラティリオネが手を叩いて、カルマコロネを黙らした後、指を立てながら話始めた。
「とりあえず詳しく言うと……まずその一、アザイアがこの世界に来て闇による世界侵略しようとしたけど闇が弱まったのでヴァレスト帝国を征服に手をつけた」
「うん」
「その二。 奴は闇の代わりに精霊と言う存在に目をつけて精霊を狩るのと同時に魔力確保の為に人を大量虐殺それと並行に強い種族を作る為に亜人狩りを開始。 それを止めるべく、リオナ・クダと女神アルミアは抵抗だがアドネシアが強くて敵わなかったので、女神アルミアが命を引き換えに私とアデュースを誕生させて死亡。 私達はアドネシアと戦い疲れたので眠ってた。 そしてその三。 リオナは戦いの後に死亡。 その孫であるカルマコロネは私達を探す為にあちこちふらふらしてた。 これで分かった?」
「……すごい情報を言われている気がするけどよく分かりません」
今オルレイが言える事はこれだけだった。
「……そう。 じゃあ建設的な話として戦力を集めましょう。 アザイアを一分一秒でも滅殺する為にとりあえず国丸ごとの軍隊は必要よ。 しばらくしたら西のリルア国に向かった後に南の無人島に行く予定だからよろしく」
そう言った後、ラティリオネは眠ってしまった。
「……すごい話をした後に寝た」
「俺もそう思う」
「あのー僕の事置いてけぼりにしてない?」
「……いきなりそんな大きな問題を話されても」
オルレイ、ノヴァ、雨、雷月は途方に暮れた。
「まぁまぁ。 混乱してしょうがないでしょう今はとりあえず寝れば?」
「で、でもこんな時に急に眠くなれそうにない……よ?」
そう言うと瞼が重くなって来た。
「……あれ?」
甘い匂いがする。
甘ったるくなく、すっきりとした匂い。
「……みんな?」
するとみんなが既に意識がない事が分かった。
「安心しなよ。 安眠グッズのアロマだからさ」
それが最後にオルレイが聴いた言葉だった。
「ぐぅ」
そのままオルレイは深い眠りについた。




