戦いの終結と冷たい戦いへのご案内
「の、ヴァ? なんでジェクーを殺したの? ……まだ情報を手に入れる事が出来たかもしれないのに」
オルレイはノヴァのいきなりの行動に驚いて質問する事にした。
「……すまねぇなんかあいつにムカついたただそれだけだ。 それとあいつはもしかしたらこの町全体を吹き飛ばすつもりだったかもしれないし、あいつは癇癪を起こしていたからどうあいつが行動するか予想出来なかった」
そう言ってノヴァは頭を下げる。
「……理由があるならいいの。 突然の事過ぎて私が混乱しちゃっただけだからそれだけは言っておくね」
そう言ってオルレイは苦笑いを浮かべた。
戦闘でうまく立ち回る事が出来なかった。
十年の研鑽を経て自分は強くなったつもりだった。
「肩を落とすな」
「そーそ。 僕達があのままあいつの動きに夢中になり過ぎてレイミーが殺されなかっただけでも幸運だったでしょ」
そう言って雷月と雨が肩を叩いて笑った。
「そうだね。 ありがとう雷月、雨」
そう言ってオルレイは笑った。
「さぁ……親玉を殺しに」
「えっ?」
恐ろしい。
一目見てそう思った。
何故なら騎士達が既に全滅しているからだ。
「……誰がやったの?」
「さぁな扉も開いてやがる」
そう言ってノヴァが城の中へ入って行き、一行は玉座の間に着いた。
「……えっ?」
レイミーが思わず口を開けて手を当てた。
「……教皇が死んでる」
「こ、こんな簡単に革命って終わっていいものなの?」
「おい! ヴァサラ・ヴァレストもいない!」
「そんな!」
「一体誰がこの城を制圧したんだ?」
「さぁな? とんでもねぇ死神にでも恨まれたんじゃねーのか? この教皇」
そんな飄々とした口調でノヴァリルアの戦いを締め括った。
「はーあ。 めんどっちー」
そう言って馬車の上でカルマコロネは大きく背伸びをした。
「お前さんこんなおいぼれジジイを戦場に連れ戻すなんてイカレておるぞ?」
白髪に灰色のマントそして細身ながらもしっかりと筋肉が見える老人ヴァサラ・ヴァレスト本人である。
「よく言うよ地下牢で鎖に繋がれずに筋トレしてたおじいちゃんに言われてもなんも感じなーい」
そう言ってカルマは口を尖らせて笑う。
「はぁ。 挙句の果てにザオキ、ジェルソン、タジフ、カドマサ、トムズそ奴らも生きていたとはのぅ」
そう言ってヴァサラは髭を撫でる。
「まぁ? ゼギ・ショナルとベリッタに感謝してよね? あの二人が戦力強化の為にあんたの部下を必死で探してたの! まぁトムズさんはヴァサラ提督が帰って来るまで力を貸さん! とか言ってめんどくさかったんだから」
「ぶわはっは! それはすまんなカルマ・コロネ」
「まぁおかげでアザイアを殺しに行く準備が出来ているからいいんだけど?」
そう言ってカルマはリンゴを取り出して食べる。
「おお! ワシにもくれんか!」
「えー? 戦いに疲れた女の子相手に物ねだるって盗賊じゃない? それって傭兵の流儀に反しない?」
「ぶわはっは! そうじゃなぁではお前さんの隊と合流するまで断食といくかの!」
「いやまじで水だけは飲んでねおじーちゃん」
そんなふざけた会話をしながら二人はヴァレスト帝国の寒い戦場へと向かっていた。




