風穴
「何? 女が裏切った!?」
城でゼギムスは怒りの声を上げて騎士を睨む。
「ど、どうやら敵が女と交渉して敵側についたとの事!」
「どうして即刻殺さなかった!?」
「そ、それは!」
騎士の歯切れの悪い言葉にゼギムスはストレスが溜まり拳を強く握りしめた。
「何故だ! 何故こんなにも上手くいかない? ジェクー! さっさと邪魔者を殺せ!」
「はいはい。 分かりましたよ王様」
そう言ってジェクーはゼギムスの声に従い、城を出た。
「お前もさっさと行け!」
「は、はい!」
ゼギムスはその場から動かない騎士に命令を出して玉座の空間から退出させた。
「ぐっ! 王族と貴族を殺し私の国を盤石な物にしなければいけないのだ! どいつもこいつも私の邪魔をするな!」
誰もいない玉座で大きなひとりごとを話すゼギムス。
だがその空間に一人だけその声を聞いる者がいた。
「やっほー久しぶりだね? 教皇さん」
「誰だ?」
いつの間にか目の前に黒いフードを被った女がいた。
その女は鎌を持っている。
「……お前は誰だ?」
戦慄する。
汗を掻いて恐怖が今ここで逃げろと告げている。
「じゃあ思い出させてあげる」
そう言って女がフードを脱いだ。
「あ、ぁぁぁぁぁ!?」
ゼギムスは恐怖した。
何故ならかつて自身の手駒であったカルマ・コロネが目の前にいるのだから。
「お、お前は死んだはずだ!?」
「まぁ、あいにくと生きているんだよね。 あぁ後ヴァサラは革命軍の一員として雇う事にしたからよろしく」
「なぁ!? か、勝手な事をするなぁ!?」
思わず玉座から立ち上がってゼギムスは怒る。
「あっそう。 じゃあね」
「えっ?」
いつの間にか上半身と下半身が玉座と一緒に丸ごと真っ二つに切断されていた。
何も分からずゼギムスはその命を落とした。
「まぁ国の浄化にはなったからいいね。 最後にいい仕事したじゃんバイバイ教皇さん」
そう言ってカルマコロネの姿は陰に消えた。
「はぁはぁ本当にこっちなの? ヤヌィ!」
「ええそうよ」
一方オルレイ達はヤヌィの案内で城を目指して走っていた。
すると目の前に一人の男が現れた。
「いけませんねぇヤヌィ僕を裏切っちゃあ」
「がっ」
「ヤヌィ!?」
目の前の男が放った風の魔法でヤヌィの心臓に風穴を開けた瞬間を見てオルレイは思考が止まった。




