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第49話 弾かれた尊厳

 ◇


 境目の街にきた康達は要七に近づいた。


「無様だな、要七」

「やはり康!!」


 要七は笑っているゴスロリ男の娘を睨んだ。逃げることができず命乞いをしても無駄なのが分かっている。


「おれを殺してみろ!! 荒尾様が黙っていないぞ!!」


 自分の力では助からないので荒尾のことをアピールして、殺されないようにした。


「荒尾が?」

「そうだ!! 荒尾様はお前と違って、おれを評価してくださった!!」


 彼女にだまされていることを知らない彼は忠臣のような気分になっていた。


「それなら試してやる」


 糸が消えて要七は自由になり、康は式神端末を投げて渡した。


「それで荒尾に助けを求めてみろ。お前が大事な部下なら助けるだろ?」

「後悔するぞ!! 荒尾様がくれば、お前は終わりだ!!」


 助かるチャンスなので喜び、式神端末を操作する。


「あっ!」


 荒尾に連絡できないことに気づいた。


「大事な部下なら連絡できるようにしているだろ」


 康の言葉で理解したくないことを理解し、顔色が悪くなった。


「私達がここにくることは分かっていたはずなのになにもしていないから、お前達は捨て駒だ」


 荒尾は宝美玉で準備をしており、要七達を見捨てていた。


「おのれ、荒尾!! おれをコケにしやがって!!」


 利用されていたことを知って要七は怒りと悲しみが混ざり、式神端末をたたきつけた。


「荒尾の命令でも、お前は私の邪魔をしたから死んでもらう」


 殺す価値はないが、殺さなかったのに逆らったので処分する。


「死ぬことは決まっているが慈悲を与えてやるから自決しろ」


 死ぬのが嫌で絶望している要七を追いつめる。


「逃げたら、すぐ殺す」


 トランプの騎士隊がマシンガンを構える。


「ううっ!」


 要七は迷っており自分の刀とトランプの騎士隊を見た。


「死ね!! 康!!」


 恐怖でヤケになり、刀を捨て、懐からピストルを出して向けた。しかし、だれも要七の暴挙を止めない。


「うっ!!」


 ピストルを持つ手だけでなく体が動かなくなった。


「ピストルで自決するのか」


 ゴスロリ男の娘は邪悪な笑みを浮かべており、能力で彼を操って止めている。


「どこを狙う? 額? コメカミ? 目? 口?」

「ぐっ!? ぐうう!!」


 ピストルを持っている手が自分の手ではないように動き、要七は抵抗する。


「弾がよく見えるように目にしよう」


 無邪気な笑顔で要七を操る。


「いっ!! 嫌だ!!」


 いくら抵抗しても無駄でピストルを片目に向けた。


「死にたくない!!」


 目を閉じることができず、死の恐怖で顔はひきつり、涙を浮かべた。


「あの世で春也と銀知雄が待ってるぞ」


 操ってピストルを撃ち、銃声が響き、要七は死んで仰向けに倒れた。銃弾が貫通した片目から涙と血が流れていた。


「スッキリした」


 目障りなザコが死んだので康は喜んだ。


「死体を片づけろ」


 命令で雑兵蟻達が近づき、要七の死体を食べて消した。


「今のうちに街を変えるぞ」

「「「はい!!」」」


 建物に監禁されている領民達を解放せず康達は街を接収して自分達の街にしていく。メンダゴンは隠れて康達を見ている。






 要七はザコらしく死にました。

 「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「非正規団員の小事件集」と「ストイックな二人の殴り愛」も連載中です。

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