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第45話 侵攻地上げ屋

 ◇


 勇牧家との戦闘が終わってもやることはたくさんあり、康は元殿坂家の洋館で部下を集めて会議をした。


宝美玉ほうびたまを攻める」


 ゴスロリ男の娘は隣の中心地を攻めようとしており、反対する部下達はいない。


「宝美玉を攻める理由は?」


 黒のジョーカーが主のために働く者達の代表になって彼の意思を聞く。


「宝美玉は全能寺家の息がかかっている。敵対しているのでつぶして領土の安全を確保するのは当然だ」


 敵を滅ぼして平和にする意思を伝えた。


「全能寺家の援助で宝美玉は特殊な支配体制で砂塵の残党の人材を出している」


 星奈が調べた情報で宝美玉のことは分かっている。


「特殊な支配体制で強いうえに遠征だ。厳しい戦闘になる」


 いくら隣の中心地でも鮟鱇田から出て戦闘をするので地の利や補給線の問題がある。


「そこで鮟鱇田と宝美玉の境目にある街を接収して補給できるようにする」


 境目に街があり、そこへいって物資の生産と補給ができる街にすれば遠征の問題はよくなる。


「帝馬を殺したので勇牧家は怒っており、遠征をすれば鮟鱇田は空になり攻められてしまいます」


 反対はしないが黒のジョーカーは自分達がいなくなった領土のことを心配している。


「雑兵蟻をいくらか残し、守りの指揮は真に任せる」


 出し惜しみはせず、遠征でほとんどの戦力をつれていくので鮟鱇田の守りは薄くなってしまう。増える雑兵蟻はもう対策があり、遠征に向いていない者達で守るしかない。


「お任せください。この真。命をかけて鮟鱇田を守ります」


 彼は死ぬ気で守ることを誓い、胸を叩いた。


「がんばろう、親父」


 霞は鮟鱇田の防衛と思っていたが、父の考えは違った。


「いや。霞は遠征に加わるんだ」

「えっ!?」


 娘だけでなくゴスロリ男の娘も驚いたが理解した。


「親父だけじゃ大変だろ!?」


 娘は父の心配をしている。


「馬鹿者!! お前は遠征で康様のために働くんだ!!」


 真は霞を叱った。康の遠征を優先しており、優秀な戦力が多いところに娘をいかせる。


「鮟鱇田を守るために私は死ぬかもしれない!! お前はこの父の分も生きて康様に尽くさないといけないんだ!!」


 主と同じように娘のことが大切で、その気持ちが伝わっている。


「親父」


 最後の別れになるかもしれないので霞は涙を浮かべた。泣いてくれる娘を見て、父は満足していた。


「康様。娘は必ず役に立ちます」


 真は頭をさげた。


「ああ。勇牧家が攻めてきたら戻って滅ぼす」


 一緒に団員の仕事をした霞の父親を犠牲にするのは辛い。


「街を接収すれば領民達の反感があるかもしれないが、逆らう者達を私に従うようにする」


 人望がないので、ゴスロリ男の娘は領民達のことを気にせずに力で服従できる。


「明日、境目にある街へ向かう。接収だが、全能寺家が街に部隊を送って戦闘になるかもしれない」


 全能寺家の息がかかっている中心地なので、こちらの動きに気づいて動くことができる。

 遠征はこの接収で決まり、奪うことができても継続的に補給ができる街にしないと終わる。


「この第一歩で遠征を制する!!」

「「「はい!! 康様!!」」」


 ゴスロリ男の娘の言葉で部下達はひとつになった。













 遠征のための接収が始まります。

 「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「非正規団員の小事件集」と「ストイックな二人の殴り愛」も連載中です。

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