第9話 その手を選んだ
キルフスはエルニャの後を追って来た。
エルニャとサーシャ達がキルフスに気づいた時は既に直ぐ側に居た。
エルニャ「キルフス!」
サーシャ達「え!?」
するとキルフスはサーシャ達には目もくれず、エルニャに言った。
キルフス「帰ろう、エルニャ」
エルニャはキルフスの優しさに多少のためらいの気持ちもあったが、安心感の方が確かに優っていた。
エルニャがキルフスに近づこうとした瞬間、シャードがエルニャの手を掴んだ。
シャード「ダメよ!」
エルニャはシャードとキルフスの顔を見てためらい俯く。
キルフス「さ、行こう」
キルフスがもう片方のエルニャの手を掴もうとした。
シャード「動かないで!」
シャードは聞いた事もない様な低い声で言った。
しかし、キルフスはそのままエルニャの手を掴んだ。
その時、エルニャはキルフスと共に行くと決めて、シャードの手を離した。
エルニャ「ごめんね、私キルフスが好きなの」
サーシャ「エルニャ…」
メニ「エルニャ、その男は悪魔かも知れないんだよ!」
キルフスは笑顔で言った。
キルフス「悪魔?酷いことを言うんだな、俺は心からエルニャを愛してるんだよ、ね、エルニャ」
エルニャ「キルフス…」
シャード「貴方はキルフスじゃなくてサレオスよね?」
すると、キルフスは哀れむ様に微笑んだ。
そのままキルフスはエルニャを導く様に去って行った。
まるで、最初から決まっていたかの様に。




