第10話 空っぽの証明
エルニャとキルフスは幸せな毎日を送っていた。
だが、時折エルニャは不安に駆られる事があった。
『また前みたいな事になったらどうしよう』
そんな不安が過るのだ。
そんなタイミングでキルフスは、ふとした一言を口にした。
キルフス「最近、お前重くないか?」
エルニャ「えっ?…」
エルニャは、突然の言葉に胸が締め付けられた。
キルフス「いや、別に深い意味はないんだけどさ、最近お前、俺の顔色うかがってる感じがしてさ」
エルニャ「ご、ごめん…」
キルフスはため息をついた。
キルフス「ま、いいや、気にすんなって」
エルニャは不安になった。
キルフス「ごめん…」
エルニャ「えっ?」
キルフス「そんなつもりじゃないんだ」
キルフスは優しく言った。
キルフス「ホントは大切に思ってるよ」
エルニャ「本当?」
キルフス「ああ…」
優しくエルニャの頭を撫でる。
エルニャ「良かった…」
だが、その安堵は一時的なものに過ぎなかった。
それは日常的に繰り返されていた。
そして、それから数日後の事。
キルフス「…あのさ」
エルニャ「何?」
キルフス「お前、なんでそんな必死なの?」
エルニャ「えっ?」
キルフス「正直見ててキツイんだよ」
キルフスは更に続けた。
キルフス「合わせてんだろうけどズレてるんだよ、てかお前って中身空っぽだよな、俺が居ないと何も決められないし、そういうのマジで無理」
その時、エルニャは崩れた。
エルニャ「…あ…」
キルフス「もういいって」
キルフスは背を背けベッドから立ち上がった。
エルニャ「ま、待って…」
エルニャの手はキルフスを掴もうとしたが、空を切る。
キルフスは部屋を出て行った。
それから、どれくらいか分からない。
エルニャは長い間その場に立ち尽くしていた。
ただ、空っぽになった感覚だけがあった。
エルニャ「…どうして…私が…悪かった…」
そんな言葉が繰り返されていた。
エルニャ「…私が…悪い…」
その答えが一番深くに沈んだ。




