第5話 閉ざされた扉
エルニャは長い道のりを早足で歩いて来たので息がきれている。
そしてキルフスの住む6階建てのアパートの近くまで辿り着いた。
呼吸を整えると、意を決してアパートの中央にある階段を登って行った。
その様子をキルフスが隠れる様に部屋の窓から見ていた。
エルニャはアパートの中の階段を三階まで登った。
そしてバッグから合鍵を取り出すと鍵穴に差し込み回した。
しかし鍵は途中までしか回らない。
何度か鍵を回そうと試したが回らず、ドアノブを回してドアを開けようとしたが鍵は掛かったままだ。
動揺したエルニャはドアを叩きながらキルフスの名前を呼んだ。
エルニャ「キルフス!いるんでしょ?ねぇ、お願い此処開けて!」
部屋の中からキルフスが叫んだ。
キルフス「煩い!帰れ!」
エルニャ「どうしたの?私何かした?ねえ、お願いだから開けて、話がしたいの!」
しかしキルフスは返事をしない。
エルニャ「お願い、もう一度やり直そうよ…お願い!」
ドアの前でしゃがみ込んでしまったエルニャは、両手で顔を押さえながら泣き出した。
しかしキルフスはドアを開けなかった。
キルフスの態度に諦めざるを得ないと思い、エルニャは失意を抱きながら、その場を後にするしかなかった。
一度だけ立ち止まって振り返ったが、ドアが開く事は無かった。




