☾ ─ 月影の誓い─ ルミナ編 プロローグ
※本章の【裏】ルミナ編は、第一章【表】リア編よりも以前の時代を描く物語です。
ここから始まる過去10年間の出来事は、ルミナ編から第二章、第三章、そしてその先の物語へと続いていきます。
そして、この過去の出来事のすべてが、やがてリア編で描かれた現在へと繋がっていきます。
【月影の天使】
私の名前は、ルミナ・ミラード。
……そうね。みんなは私のことを『蒼月』とか、『月影の天使』なんて、勝手に呼んでいるみたいね。
フン、好きにすれば?
私は、ある日大切なものを全部、失った。
その悲劇の果てに、静かに人生が狂い始めたの。
そこからの記憶は真っ白。
どうしてこんな力があるのかも、なぜ一人なのかも、まったく思い出せない。
ところどころ思い出せてきてはいるんだけど…
だから、思い出すために前に歩く。
無秩序な暴力を排除するためにも。
私が都市伝説? どうでもいいわ。
いつも何してるかって?
……普通に過ごしてるわよ。悪い?
みんなして私をツンデレとか言うけど、私はツンデレなんかじゃないわ。
な、なによ?その目は!
ツンデレじゃないって言ってるでしょ!
フンッ!
私の視界は、誰より速く、誰より正確に世界を解析するの。
私の身体は、鍛錬というレベルを遥かに超えているわ。
壁を走り、空を舞い、闘いのスキルは超一流。
なに? 野蛮? 女の子らしくないって?
うるさいわね。ほっといて!
でも、この力は誰かを守りたいという、たった一つの本能的な痛みから生まれてる。
それだけは、身体が覚えてる。
だから、誰かと深く関わるのは、ちょっと怖いの。
記憶がないし、いつかこの力で傷つけるかもしれないから。
でも結局、口から出るのは、
「別に、あなたのことなんて助けてないわ」
「早く治して。迷惑だから」
……そんな思ってもいない、不愛想な言葉ばかり。
だって、素直に温かさを知ってしまったらまた孤独になったとき、もっと辛くなっちゃうじゃない…
え?可愛いとこあるじゃんって?
そうよ、当たり前でしょ!わかればいいのよ。
だって私、女の子だもん。
これは、冷たい殻を破ろうとする、面倒で、不器用で、でも切実な絆を守ろうとする少女の物語。
あなたが、私の記憶の空白と、この力の秘密を見に来るの?
別に、構わないわ。
じゃあ、物語の続きを始めましょう。
夜の闇を舞い、人知れず悪を裁く少女。
『蒼月・月影の天使』
は、なぜ生まれたのか。
超人的な強さの裏にある、言えない理由と空白の記憶。
不愛想な言葉の裏に隠れた、不器用で切実な優しさ。
孤独と戦い、居場所を見つけ、大切な者を守ろうとする一人の少女の物語。
冷徹な論理と熱い本能が交差するとき、真実の扉が開く。
蒼い月の下で、私はまだ自分を知らなかったあの日から…。
とにかく読み進めてみて。
きっと、私の事、もっとわかってくれるわ。
それじゃー楽しんでね。
太陽が希望なら、
月は忘れられた記憶を照らす光。
―月影の誓い― ルミナ編
☾ 次はいよいよ
《PROJECT♾️HEART-X 第13話》
(ルミナ編 第一話 未来断片) へ続く!




