作戦実行のはずなのですが……?
おひさしぶりです。
書いてはいた物の出していなかったのをポロッと出します。
これ以降は書いてないので、書くか、書かないか判らないです。
大鎌は、うん……。ちょっと、ね。やっぱり何も考えず書き始めるんじゃ無いんだなぁー、と。
作戦会議も済んだので、俺らは待ち合わせの場所──街の外へ行くことにした。
昼の街外もまま危険だが、夜はそれよりも何倍も危険だ。
なぜなら、昼では何もしない限り何もしてこない化け物共も夜になると何もせずとも攻撃をしてくるからだ。
セイとセキがいれば余裕だとは思うが、どんな物が出るか判らない。リスクは無きにしも非ずなのだ。
なので、横断歩道を渡る子供もかくやと言うほどの安全行動をする。右見て、左見て、右見て、のワンサイクルを三回ぐらい繰り返しながら進んでいる。
「遅いですわよ、遅刻ですわ?」
「約束よりも大幅に前に来てるのに遅いなら、全人類は遅刻しかしてねぇことになるぞ」
作戦会議が終わってからかなり急いできたので今は七時半だ。予定の時間は八時だから三十分以上の余裕をもって来ている。
「まあ、良いですわ。ワタクシがこれから話すことに、従いなさい。そして、すぐに忘れなさい。さもなくば殺しますわよ?」
「忘れることは出来ないだろうが、人に言うことは無い」
交渉は始まっている。まずは相手の牽制──いや、これは本命か。これを飲まない相手には交渉できないからな。従うかどうかはともかく。
「ああ、別に交渉することも言わなくて良い」
何を言うかも判っている──その答えも。
「条件付きのイエスだ」
「条件……?何ですの?」
「俺ら──俺と、コウもお前らの味方になること、だ。簡単だろう?」
俺らの目的は何だ?
ハクと一緒にまだ生活することだ。
そのために一番良い選択は?
ハクを所持してる集団の欲しい物を耳をそろえて持って行って仲間にして貰うことだ。
取り返す?その必要は無い、欠片も。
別に相手が悪の組織な訳では無い。いや、過去は悪の組織だったわけだが、その頭領であるハクが記憶を失っている今、同じ間違いをすることは無いだろう。
それに、この条件に相手は、
「何を言っていますの?戦力にならない──どこぞのクソ神のつばがついてる人間──」
「良いのか?ジントとパーカー持って街の中に逃げるぜ?」
そう、相手にはハクという人質がいるように、
こちらにも、ジントとパーカーという、人質がいる。
「……っ!」
ミリィは歯軋りの後、舌打ちをして
「おじさま?やってしまって下さいませ」
実力行使に出た。
駄目だな、ミリィ。ミリィ・アズレン、お前はまだ判っていない。
ジントが俺と協力関係にあることを。
俺らというおもりがいなければ、ジントはもっと巧妙に逃げられることを。
そして、お前に俺を仲間に入れる以外──否、俺の仲間に入る以外選択肢が無いことを。
暴れ出すガント。
その大盾が俺に迫る。
「みんな、任せた」
だが、残念だ。弱体化されているガントにいくら対策が無くとも訓練を重ねた三人で勝ちは判らずとも、負けるわけが無い。
相打ち?その前に話を終わらせる。ガントが動き出した今、それしか俺にも勝ち筋は無い。
全滅だなんて面白みのないシナリオは、認めない。もしそんな話なら──
「──人外の俺が、その話を終わらせる」
「……いや、いやですわ。ワタクシはまたスラリス様と、魔王の四天王としてまた、やるんですの!邪魔者は、要りませんわっ!」
「残念だが、それは叶わないし、叶えない」
このストーリーを考えた奴には悪いが、ここからはシナリオ通りには動けない。何だかご都合主義なお話がうろついてるが、そんなバッドエンドにはさせない。
「さて、ここからはお前もアドリブだ」
「わ、ワタクシはスラリス様と……スラリス様とぉぉ!」
殴られた。幼稚園生のようなジャイアントパンチ。大の大人がするような殴り方じゃ無い。育ちが良いのか、意味がわからなくて混乱して幼くなってるのか、定かでは無いがそこそこ痛い。
でも、この一撃で何を言うかが決まった。
「スラリス様と、いたいんだろ?一緒に」
「居たい、一緒に居たいですわ!また離ればなれなんてなりたくない!」
だからこそ、教えてやるよ。
今までの俺の人生で培われてきた、歪んだ思考、穢れた思想を。
勝ち組がたまに一回ここに来る程度で心が折れそうなときに、ずっとここにいる俺からのメッセージだ。
「じゃあなんでお前はそんなに頭を使ってるんだ?」
夜風がミリィのスカートを少しはためかせる。殴られた頬は冷たさを取り戻す。
「そんなに大好きなら、何で頭を使って行動できるほど冷静に俺と戦ってられるんだ?」
大好きな人を取られ、仲間だと思っていた昔馴染みは殆ど敵側について、挙げ句の果てに戦闘力でも勝てそうに無くて、こんな底辺の状態はさぞ辛いことだろう。
一度も体験したことが無い、苦痛だろう。
「冷静でいなければ、ワタクシはスラリス様を助けられない──」
「助けるだなんて殊勝な事なんて考えてないだろ?お前の中にあるのは独占欲だ。」
ドロドロの、黒く染まった独占欲。助けたい、何て正義を大義名分に使って隠された本当の心。
「そんなに汚い感情があるんなら、気付けよ。」
底辺から這いずり上がるには、いくら身体が裂かれても、いくら泥をリットルで飲み干すことになっても──足掻くことが大事って事に。
「足掻くんだよ、徹底的に。失敗が目に見えてても、どう考えたって勝てなくても、土下座しても、子供みたいに駄々こねても言い。」
大事なのは結果的に欲しい物が手に入るかだ。
「何をしてでも手に入れる。その気持ちが、子供みたいな諦めきれない心がお前にはあるか?」
ミリィ・アズレンはつばをゴクリと飲んだ。他のみんなは何も言わずに立ち止まっている。
きっと俺の顔は今醜く歪んでいることだろう。
今までの人生観と、価値観は常人とは違うと理解している。
でも、これが正しい底辺での進み方だ。
俺が生まれてからずっと生きてきたここの暮らし方だ。
「ある。ありますわ。お願いします。ワタクシにスラリス様を下さいまし。」
いい目になったじゃ無いか。
底辺に落ちていることも判らず普通の顔して馬鹿してる奴にくらべたら俺としてはよっぽど好感が持てる顔だ。
「交渉成立だ。俺らと共に行こうじゃないか。本当の黒幕を、俺らをこんなとこに陥れたクソ馬鹿をぶん殴るために──」
第一段階は終了。辛いのはこれからだ。




