真相を知ったはずなのですが……?
知れば知るほど知らないことが増えていく、と言うのは誰の言葉だったか。今の俺はまさにそんな感じだ。
すげぇなこの言葉。言い得て妙。まさに俺の言いたいことを判りやすくかつ簡潔に言葉にしている。語呂も良くて結構お気に入りだ。
「だから?」と言うような不躾な返答をする気は無い。むしろジントがこれを言ってくれた──俺らにこの話を出来るくらいに心を開いてくれたと考えれば、そんな真似はいくらコウであっても出来ないだろう。
「──すまんな。今ジントとブレストしてる」
ジントと話す場合はブレスト……ブレインストリーミングで正しいのだろうか。どちらかというとブレストは独りよがりな感じがしていて得意なことの一つではあったのだが、他の人とブレストする日が来るとは思わなかった。
もし一般の人で多人数ブレストをやろうとした場合、脳に電極ぶっさすしかないからな。
なかなかリスキーなやり方だ。
「ブレスト?俺どちらかというとフリーだわ」
「誰が泳ぎ方の話をここでするんだろうな。判れよ。ブレインストリーミング、脳内会議だよ」
知らない人いたよ、ブレスト。しかもこんな近くに。
あれ、もしかしたらブレストは一般的な言葉では無いんだろうか。
「何だぁ?いきなり難しそうな横文字使っちゃってー!あぁ、ある年齢になると訪れる、無意味にかっこいい言葉とか「俺まだ本気出してないだけ」とか言いたくなっちゃうあれか?判る判る俺もそうだっ──」
「違う、中二病じゃ無い。今までの俺の全人生をもって断言できる。だからそんな不名誉な属性を俺に付けるな」
間違えても口には出せない、過去の記憶だ。読書数を重ねれば、そりゃあ同じような本を読むことも多くなるわけで、その中にファンタジー作品が沢山あってその影響で一時期何でも無いただの古ぼけた、何と書かれているかすら判らない、辞書みたいに分厚い本を「ネクラノミコン」だなんて名前を付けて片時も離れず持ち歩いていたことなんて無い。
まさか、バックにいれないで、わざわざ手で持ってたりなんかしない。
今はその記憶と共に俺の部屋の本棚にしっかりと隠されているんだから……。
てか、こいつ判る判るとは言ってるけど、絶対中二病じゃ無かったよな。
「じゃあ、あれか?あのーなんか無駄に長い横文字を使いたがる奴ら」
「意識高い系でも無い。ああ言うのは外資系の鼻高サラリーマン共だ」
俺が意識高い系ならもっと今までも横文字使っているだろうに。
『……私が勇気を振り絞って話した後に夫婦漫才をされると少し、人では無いにしろ傷つきますね』
『ああごめんそんなつもりは無いんだ。てかあいつは男だから少なくとも夫婦では無い』
少し悲しそうな声だ。やっべえ泣かせちゃう。
そりゃあ、今まで必死に隠してきたことの僅か一片にしろ、話すのは大変だろうからな。その話の直後にこんな話してたら、凹むわ。
俺だったらキレて何も話さなくなるわ。
「まあでも──」
わかった情報はあった。今はそれだけで十分だ。
「え、そういえば、コウのパーカーが四天王の一人で、お前の妹?ってのは流石に冗談だろ?」
何が悲しくてこんな元魔王軍共に囲まれなければいけないんだか。って言うのもあるが、もし本当にそうだとしたら、何故コウと同じ時代──過去にあったんだ?
それに紅く染めたと言っていたが、ここに来たときのコウのパーカーは真っ白だった。
多くの過去が見えたとしても、疑問は未だ絶えないのだった。
ジントから聞いたことを、三人に話すと、早速セイが口を開いた。
「だとしたら、私達がする行動はなんでしょうか……?」
「やっぱり、武器持って戦闘モードでガンガン行こーぜじゃね?相手の戦力も未知数な訳だし」
「俺はコウに賛成だな。奴さんがどんなこと考えてるかは知らないが、武器を持っていかないのはリスキーすぎる」
セイの次はコウ、その次はセキが次々に口を開いた。
俺も意見出さないとな。
「多分、あっちは俺らがそう考えることを予想してある程度の戦力を持っていくだろうな。そうして戦いが始まったが最後、こちらが勝てるはずが無い」
「おいおい、最初っから決めつけんなよわかんねぇじゃん?」
「いくらブリキさんでも、それは今まで必死に稽古をしてきたコウさんに失礼ですよ!」
おおっと違う意味に取られてしまったみたいだ。三人とも落ち着いて考えれば判るだろうに。
「勘違いさせたならすまん。別に戦闘力的に勝てないって言ってる訳じゃないぜ?」
「じゃあなんで──」
「ハクがまだあっちに取られてるだろうが。ここですぐ戦って勝ったとしても、ハクが帰ってこなきゃ意味が無い。そのための行軍だしな」
「でも、それなら尚更相手を地に伏せさせてから交渉した方が良いんじゃ無いか?」
今度はセキだ。
「あいつらぐらい強かならむしろ、ハクを脅迫材料にすると思う。それに、あいつらが俺達に会いたがっている理由は全く違うところにある。多分だけどな」
その理由は、そう。
「魔王とその四天王──ハクとジントとミリィとガントと、そのパーカーでローウェンの所まで行くのが目的じゃ無いか?」
すると、それを聞いたジントはいつもは表に出ない感情を──安心を言葉に含めこう言った。
『大正解です』
多分ここら辺から今まで見せたり隠したりしてきた(隠せていない可能性大)伏線が沢山出てくる気がする……!
パーカーが四天王だったりとかな!(これに関しては伏線を張った記憶が無い)
PV12399件、ユニークアクセス4407人です。
投稿すればするほど一日のPVが減っていくという謎現象ですね……。
定型文 是非この作品に対する批評等、良いのも悪いのもお待ちしております。




