作戦会議のはずなのですが……?
いきなり現れたシリアス。
「完全に私達の動きはばれていたわけですか……」
図書館から出るときと同じくらいのスピードで泊まっている宿に戻り、もう帰ってきていた三人に図書館で会ったことを伝えた。
正直かなりやばい。何がやばいって、恐らくここも特定されているからいつ襲撃されるか判らない。
多分だが、であった人間にセンサーと言うか、どこにいるか判るような魔法をかけたんだろう。だからこそ、俺とコウはどこにいるか判っているが、赤青兄妹がどこにいるか判っていないだろう。
多分最低人数二人だから貴方方と言ったんだろうからな。最大人数は判っていないはずだ。何人でも問題ないって自信の表れかも知れない。
でも戦う気がミリィ・アズレン側にあるのかどうかが判らない。
本当に戦う気があるのだろうか。あいつらに戦う気があるんなら、図書館だろうと博物館だろうと、城の中でも戦い始めるぞ。
何故ならば、俺らにとって価値のある物はあいつらにとって価値はないから。
なのにわざわざ街の外を指名した。
相手に戦わせる気にして起きながらあっちは戦わない。どちらかというと戦うことによる緊張感を使ってこちらの精神を摩耗させようとしている──何のために?
自分は戦う気が無い。その上で、何かに戦わせてある程度こちらの精神を摩耗させて、会話に有利に出来るようにする──腐死者だ。あいつら、もしかして俺らを使って腐死者を処理しようとしている……?
と言うことは、あいつらにとってもう腐死者は必要ない。戦わせる気が無いけど、自分では処理できないから俺らに処理させる……。会話でこちらの平常心を奪ってその後の交渉を有利にしながら。
あいつらがそこまで考えているのかは判らないが……。
こんなことをする理由は俺はこれしか考えつかないな。
「ブリキさんこれって……」
「やっぱりセイもそう思うか……?やっぱりそうだよなぁ」
セキとコウは何を言っているのか分からないのか、きょとんとしている。
「多分あいつらは俺らと戦おうとしていない。むしろ俺らを利用してもう使わない腐死者を処理させながら、その後の交渉を有利にしようとしている。」
「え、待って待ってどういうこと?戦う気ないの?」
「ない。恐らくは。戦わせて精神を少しでも摩耗させて交渉を始めるつもりだ」
なら、俺らがすることは。すべき事は、何だ?
判らない。ここは相手の考えに乗るべきなのか──でも、もし俺の考えが外れていたとしたら?俺の全てのこの考えが勘違いで戦う気満々で待っていたとしたら?
……駄目だ、可能性が多すぎる。全部加味して準備をしたら動きが重くなる。それではどの場合でも勝てなくなる。だとしたら、山を張るしかない。
山を張って間違えた場合、待つのは死だ。どうすればいい?どうすれば……
「落ち着いて下さい」
その時、凜とした声が俺の耳朶を響かせた。セイの声だ。
「難しいのは判ります。今どの手を取ったとしても負ける可能性がある。全てを網羅しても負けるかも知れない。でも、一回落ち着いて下さい。考えているのはブリキさんだけではありません。私も愚兄も、コウさんも、悩んでます。一人で抱え込まないで下さい」
そうか、そうか……。一人で悩まなくてよかったのか?
「一人で悩まなくて良いんです。今まで貴方の日々で何があって全て一人で抱え込んでしまうのか、私は知りません。でも、私達は過去の周りの人じゃありません。私達は、私達です!」
こいつらは、あいつじゃない。俺のことを馬鹿にして貶して貶めた、あいつらじゃない。
あいつらじゃ、ない。
「俺は、俺はお前を、お前らを信じても……良いのか?」
「良いんです、いいえ?むしろ信じて下さい」
……。
…………。
「しん、じる。俺は、お前らを信じる。どうすれば良いか、教えてくれ」
俺は、始めて信じれた気がした。あいつらを、そして俺を。
今考えると、俺は俺に対しての良い評価を信じられていなかったのだろう。
それは人を信じれていないのとは違うし、自分を信じられていないのとは違う。
同じく、人を信じているのとも違うし、自分を信じているのとも違う。
酷く微妙な感情だろう。
でも、他の人にとってそれは取るに足らない感情なのかも知れない。
それは俺が人じゃないからこそ抱えている感情なのかも知れない。
判っていることは、俺があいつらを信じれるようになった事だけだ。
少しして、俺が落ち着いたことを察したのだろう。ジントが
『ミリィ達相手になるなら、これからのことも考えて話さなければなりませんね。旧魔王軍四天王について』
シリアス描写なんて当初なかったんですが、なんかシリアスしてますね。
ブリキってほんと面倒くさい性格してますね。何でこんなのを主人公にしたんだろうか……?
他人がくれる自分へのプラスの評価が信じられないって言う、気持ち悪いくらいにこじれてますからね。
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