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ようやく見つけたはずなのですが……?

試験休みはやっぱり良いですね。すぐ次の回が書けます。

え?勉強?なにそれうまいの?

「そちらの方、ご用件は何ですの?本の貸し出し?それとも、本の場所を教えて欲しい、とかですの?」


 何事も無かったかのように、ミリィ・アズレンは俺に話し掛けてきた。まるで俺のことを忘れているかのように。


 いや、実際忘れているのだろう。俺と会ったのはハクが連れ去られたあの少しの間だけだし、その上あの時ミリィ・アズレンはハクのことしか興味が無かった。


 俺のことなどそもそも眼中に無かったのだ。


 忘れていたのではなく、覚えていなかったのだ。

 忘れるまでも無く、憶えていなかったのだ。


 こっちがどんな思いを感じてここまで来たか、こいつは知らないだろう。俺達が、折れそうな心を必死に、必死にボンドで治しながら歩いてきた道を、こいつはジャンプの一回で飛び越えるような奴だ。


 鼻で笑いながら、もしかしたらジャンプをするまでも無く、お得意の魔法で俺達のずうっと先に行くのだ。


 腹立たしい。非常に、非情に腹立たしい。


 だからこそ、俺は大きく息を吸ってこう言わせて貰おう。

 コウの、セイの、セキの、ジントの、そして何より連れ去られたハクの思いを背負って……。


 相手の目を見て、まっすぐに見て。


 あ、やっぱ駄目だ。


「あ、貸し出しです。えっとこの本と、この本を、お願いします」


 ……一つだけ、恐らく冷たい目で見られているであろう事を踏まえた上で、言わせて頂こう。

 ここで名乗ったところで、良いことは無いのだ。どう転んでも俺が死ぬだけ。もしあの三人が俺が帰ってないことを不審に思って図書館に行ったとして、その結果ミリィ・アズレンに会って戦闘になったとして、激戦の末に勝ったとして。


 そうなったとして、結局俺が死んでしまっては無意味では無いだろうか。


 勿論、ハクが助かったらその行為は無意味ではないし、もし勝っていなかったとしても蛮勇だとしてもミリィ・アズレンに立ち向かっていったその行為は無駄とは言わせない。


 とはいってもだ。ミリィ・アズレンはハクが大好きだからこそ、ハクに危害は加えることは絶対に無いだ。なのに俺は、ハクに会いたくて、また話がしたくてこんな作戦をしているのだ。


 無事ハクを助けられたとしても、俺がいなかったら……なんか駄目だろう。


 もしかすると、酷く自己中心的な行動かもしれないが、それでも、俺が死んでしまっては意味が無いのだ。


 まあ、そういうことだ。決して直前になってチキッたとか、そんなことでは無い。臆病者であることは認めるが。


「判りましたわ。この本とこの本ですわね……。それじゃあ手を出して下さるかしら?」


 図書館で本の返却がされない、と言うのはどこにでも起こりえることだろう。酷く迷惑な上に、そんは事で図書館を使いにくくなるならちゃんと返した方がどう考えても良い気がするが、そうしない奴がまあ、不特定多数いるのだ。


 そんな奴のために、今俺が手の甲に押されている透明なスタンプがある。これは特殊な魔力が込められていて、提出期限を過ぎると真っ赤になって浮かび上がってくるのだ。


『返却期限が過ぎています』と、赤ででかでかと書かれるのだ。それだけならまだ良いだろう。それでも返さなかった場合これと同じ文面を大音量でアナウンスし始める。


 期限が過ぎてから一週間ぐらいは赤スタンプだけなのだが、一週間を過ぎると一日に一回、朝の七時くらいに、アナウンスされる。次の日は朝の七時と夜の七時。次の日は朝の七時と夜の七時と昼の十二時。次の日は朝の七時と夜の七時と昼の十二時と夜の十二……と、一日ずつ言う回数が増えていく。


 それ以降は知らない。多分手に激痛でも走るんじゃ無いだろうか。勝手な憶測だが。


 因みにこのスタンプは専用の液体で拭き取ると消える。因みに図書館ごとに違うから、例えば聖国の図書館で借りて、王国の図書館の液体で消す、と言うのは出来ない。


 勿論俺は返却期限内に返すつもりだから特に問題は無い。手の甲を素直に出して、スタンプを押して貰った。


「……ありがとうございます。それでは」

「返却期限は、二週間ですわよ。それまでにきちっとに返して下さいまし。それと──」


 先程言ったが俺は、ミリ・アズレンは俺のことを覚えていないと思っていた。眼中にも無いと思っていた。


「夜に、また会いませんこと?そうですわね……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、夜の八時に待っていますわ。()()()()()()()来て下さいまし」


 俺達の動きが、人数が、完全に知られているなどと、思ってもみなかった。


「……判った。それじゃあまた夜に」


 俺は、弱みを出さないように、急ぎ足で図書館から立ち去った。


「そんなに急がなくても、貴方方の行動は全て、手に取るように判りますわ。所詮、少し特殊な一般人ですもの」


 図書館の扉を出るときに、受付からミリ・アズレンの声が反響して聞こえてきた。

先日、久し振りに感想を頂きました。ようやくこれで二つ目です。

スクショ一枚では撮り切れないぐらいの文章量で頂いて、嬉しすぎたので同じくらいの文章で返信させて頂きました。


PV12199件、ユニークアクセス4311件、総合評価108ポイント、感想2つです。


定型文 是非この作品に対する批評等、良いのも悪いのもお待ちしております。

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