違う国の図書館のはずなのですが……?
さて、作戦会議は朝ご飯と共に終わり、今日は久し振りの別行動となった。
赤青兄妹は情報を得る為にギルドに、ついでになんとなく金稼ぎに依頼でもこなして貰う。流石に今回の旅全部俺持ちは釈然としないからな。せめてこの二人から金を貰うぐらいはいいだろう。
因みにこの旅行費、俺の中では割り勘になっている。それを言ったとき、三人とも驚いたような顔をしていたが当然だろう?
いくら俺が何も出来ないとしても、それと金とは別問題だ。時間が無かったから俺が今まで払っただけだしな。
まあ金の話はこれくらいにしておいて、話を進めよう。
コウの今日の仕事は買い物だ。
ミリィが魔法を使って攻撃してくるのはジントのおかげで判っている。あいつが今従えてる腐死者とか、セイを怖がらせた盾の大男とかは物理攻撃だが、それはもう仕方ないとして、ミリィの攻撃を少しでも弱く出来るならばと、市販品でどの程度効果があるか判らないが買ってきて貰う。
でも多分、所詮市販品なので、たいした効果は無いんだろうけど、それでも何も無いよりはまし──だと思いたい。焼け石に水の可能性の方が高いのが怖いところだが、今は希望的観測をするとしよう。
俺の仕事は図書館に行って資料を読んでくること。念には念を入れてだ。本命の情報としてはジントがいるが、一人の情報だけ信じているだけでは、情報外の攻撃や、動きをされたときに戸惑ってしまう。
徒労になるかもしれないが、ミリィのことやそれ以外にも大切なことを調べに行くのが俺の役目だ。
そんな感じに仕事を分担を終わらせたのが、少し前の話だ。今俺は部屋に戻って着替えている。服装は何が良いだろうか。初めて行く図書館だ。少しだけ、いや、かなりワクワクしている。
少し悩んだが、そもそものチョイス可能な絶対数が少ないので、すぐに決まった。黒いズボンに緑色のシャツだ。
ズボンとシャツ、と言う風に最近俺は言うようにしているが、この言葉を教えてくれたコウによると俺らの世界の服はあんまりその言葉のイメージと合わないらしい。しかし、横文字なのが格好いいので使っている。
靴をつっかえながら履き、ドアを開けて、俺は図書館へ歩き始めた。
図書館に行くためには街を歩かなければならないが、俟ち、と一括りに言っても王国と聖国ではなかなか違う物だ。
変わらないのは人の動きくらいで、王国と比べ神聖な雰囲気の家が多い気がする。
壁は白い石──大理石だろうか?で出来ているし、様々な細かい模様が彫られている。壁にくりぬかれた穴に嵌まっているガラスは、色が様々なステンドガラスだ。
そのステンドガラスが太陽光を反射して石畳の道にカラフルで透明感のある色づけをしている。
ほうほうと、美術に詳しいわけでも無いのに感心しながら歩いていると、結構すぐに図書館に着いた。
図書館もまた、神聖な荘厳な雰囲気を醸していた。何と言えば良いだろうか。王国の図書館は木造の暖かさと西洋建築物特有のドーンとした構えが魅力的だが、聖国の図書館は何だかパッと見、教会のような雰囲気だ。
とは言え、教会のように屋根が尖っていたり鐘があるわけでは無い。図書館として必要な最低限の場所だけ残したようなイメージだろうか。
聖国の図書館は王国の図書館とはまた違った趣と美しさがある、と言うのが結論だ。
話すと長くなってしまうので、ここら辺で止めておこう。長くなるだなんてまだ温い──何ならこれだけで単行本一冊……いや、シリーズ化できてしまうだろう。
いくらどんな図書館についての素晴らしい感想をシリーズで書こうが、結局するのは単なる調べ物だ。結局中に入っている本は基本的に全部同じだ。蔵書数が多かろうが少なかろうが、どの図書館にでもある本というのはあるのだ。
例えばこの『勇者アノードルフの冒険譚』。この前行った魔国に居るローウェン様を含めた勇者アノードルフ様と当時最狂と言われたスラリスとの争い、それに至るまでの道程を記した名著だ。
この世界で知らない奴などそれこそ過去から来た奴か、違う世界から来た奴かそのくらいだろう。
この本はそれくらい有名だ。だからこそ、王国の図書館にもあったし、聖国の図書館にも──
「やっぱりあったか」
ほらこんな風に、今この本は俺の手の中にある。
しかし何だか、同じ本がいくつもあるというのは不思議な気分だ。少し悲しい気分になる。まあ、仕方の無いことなんだが。
この手の中にある歴史的名著をさっさと棚に戻し、色々なことを調べるとしよう。
それにしたってさっきの『勇者アノードルフの冒険譚』も含め、このころの、勇者と魔王の争いの頃の本は物語も歴史書もたくさんある。正直その時代だけで小さな図書館ができるくらいあるんじゃないだろうか。
その中から必要な情報だけ探す──おおっと、あれのことも調べないといけないんだった。
やりたいこともやるべき事も沢山ある。だから、今日はきっと大忙しだ。嬉しくて楽しい、忙しさだ。
朝イチで書き終わると、今日の朝に投稿するか、次の日の朝に投稿するか、悩みます。なので間をとって今日の午後に投稿しました。
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ありがとうございます。感想貰えたらもっと嬉しいんですけどね。
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