気にするほどでも無い誰かの話。
ちょっと待っておくれ…
これでお茶を濁させて…
我思う故に我あり、なんて言葉があるが。
我が思わなかったら我は無いのだろうか。
さて、例えばの話。
誰かが何も考えず何もせずいたとする。そのものは我が無いのだろうか。
物理的に言えば否だ。
我の肉体あるやん。普通に。
しかし心、精神面で言えば無いと言っても良いのだろうか。
ではしかしそのものが何も思っていないとはどう判断するのか。
その人は何も思っていないのにどうやって何も思っていないと判断しているのか?
そもそも我とは何だ?
調べる。調べる。調べる。調べる。
何で調べれば良い?
人の言葉?
駄目だ。それは汚れて正しいかわからない。
石版?
駄目だ。個人の意見が混じっている。
ならば辞書。
私はあれを見たとき、驚いた。
この辞書には世界のすべての情報が載っているのでは無いか。
善意のこもった人が作った情報の叡智が手のひらサイズの紙の束に集まっている。
当然私は欲しいと親にねだった。
しかし、残念ながら辞書なんて高くて買えないと。
仕方なく私はお小遣いを少しずつ貯めるようにした。
とは言っても子供のお小遣いだ。高が知れてる。
それでも、貯めた。
貯めて貯めてそれでも足りなくて私は自立した。
14で成長が止まり私はあまり大きくならなかったが、別にそんなことをは気にする必要も無く仕事を求める手はいくつもあった。
そこでも私は必要最低限のお金以外のお金をすべて貯めた。
貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。貯めた。
ようやく、ようやくあの頃に見た辞書とおなじ値段を貯めきった。
本屋に行くと、それはあった。
そのまま放置された少し劣化した辞書。
私はそれを本屋のおじいさんに渡して買った。
おじいさんもなかなかぜんぜん売れない物だったのであの頃より何倍も安く売ってくれた。
最高の気分だ。
辞書を買って貯蓄もたんまりとある。何年分の給料か。
今までとおなじ生活を続けても死ぬまで生きていける。
私は辞書を抱きながらその日に死んだ。
不幸…なのだろうか結果的に私は人より上の存在に、所謂神に辞書への愛を認められたらしい。
故に辞書の神にされた。
辞書の神とはなんぞ?と言う疑問はさておき、じかんが余りに余った私は辞書を何度も何度も読んだ。
それはもう、全ての単語を暗記するほどに、
それはもう、その言葉が出てくるページ数まで完璧に把握するほどに、
まさに舐め回すように。
すると何を勘違いしたか、人は私のことを崇め始めた。
知神と。
ならば私は自分に名を付けよう。何、人の頃の名前など忘れた。
まあ、適当に辞書からもじってショナル、と。
是非この作品に対する批評等、良いのも悪いのもお待ちしております。




