テンプレイベントのはずなのですが…?
睡眠時間が私の精神を削る…
「…さて、と。一先ず潜入は出来たわけだが…」
冒険者となるために所謂ギルドにいく途中、赤いの…セキは妹の青いの…セイにこう言った。
「思ったより楽だぞこの任務」
「楽…と言うより楽しいですよね。ちょっと癪ですけど」
「何だ、まだブリキが嫌いなのか?」
「嫌い…というわけでは無いんですけど…」
セイは少しため息をついた。
元々あまり男子は得意では無かった。年上なら落ち着いているから平気だし、年下ならあやす感覚でなんとかなる。しかし、同年代となると同じ年齢くらいの男子とあまり関わったことが無く、かといってセキほどにコミュ力があるわけでも無い、セイには少し辛かった。
「まあ、少しは優しく接しておけ。いざというときに助けになるかもわからないからな」
「そうですね…がんばって色目を使って…」
「思考が斜め上行き過ぎだ!仲良くなっておけって事だよ」
「わかってますよ。ジョークです。ジョーク」
セイは大丈夫だと言っているが本当に大丈夫だろうか。
セイがあまり男子が得意で無いことは兄であるセキも勿論わかっているのでその心配も勿論あるのだが、今回のブリキとセイは驚くほど仲が良い。
普段のセイを知らない者にとってはわからないかもしれないが、おそらく凄い無理しているのだろう。無理する前に教えてほしいものだ…と、セキは少し兄としての頼りなさを嘆いた。
「…あれが冒険者ギルドですね。初めて来ました」
「俺らは協会で今まで暮らしてきてたし、孤児院みたいなもんだから金の心配が無かったからな」
冒険者ギルド…と言っても小汚い酒場だ。
普通の酒場と違うのは大きさと客が武装しているか否か位だろう。
ドアから入って右側最奥に依頼書を張り出す掲示板。右側の壁はすべて受付になっていて、さらにカウンター番号によって納品用、依頼受注用等々いくつかの種類に分かれている。
左側はまさに酒場であり、依頼終わりの一杯や依頼を始める景気づけの一杯。特に何もしないけど一杯など、ただの酒場だった。
二階もあるようだが…いまいちよく見えない。
「取り敢えず登録しに行くか」
「そうですね。いつまでも入り口にいても邪魔でしょうし」
少しだけ並んでいる列の最後尾に並び、少し待っていると柄の悪そうな、男冒険者がセイとセキに向かって来た。
「ようよう兄ちゃん達。そんなちみっこいガキのくせにいっちょ前に冒険者になるってのか!」
「一応その予定だが」
「そうかそうか。それじゃあ俺らがてめぇが冒険者にふさわしいかチェックしてやるよ。けんかでな!ガハハ!それでもしてめぇが負けたら嬢ちゃんを…」
すると少し殺気を漏らしながらセキは聞き返した。
「セイを、どうするって?」
「お、落ち着けよ。別に俺らは取って食おうって訳じゃねえ!ただ、俺の姉ちゃんは俺と一緒に冒険者を初めて少しして期待の新人って言われ始めた頃に魔物に殺されちまった。あの気持ちをもう他の奴に味合わせたくねぇんだよ…」
「そうだったのか…忠告ありがとうございます。でも、多分大丈夫だ。多少の覚えはある」
「…みてぇだなあ。それなら良いんだ。頑張れよ、新入り!」
少し安心したような表情で臨む冒険者は去って行った。
「意外といい人でしたね」
「…そうだな。人は見かけによらないというかなんというか」
「次の方ー!一番受付までお越し下さーい!」
「呼ばれたみたいだな。行くか」
「はい」
↓↓↓↓↓
セキは深く悩んでいた。
本当のことを書くべきか。
冒険者登録に必要な個人情報は名前、年齢、性別、出身地などたくさんあるのだが、問題なのは宗教である。
彼らは邪教徒である。
馬鹿正直に書けば連行されること間違いなし。かと言って他の宗教を嘘ついて書くとしてもそれはそれで信仰心が疑われる気がする。
しかし、邪教徒で無ければ基本的に宗教なんて何でも書けてしまうので空欄にも出来ない。
「どうするか…」
「奇遇ですね。私も偶然そこだけ埋められていません…」
「もしかして宗教をお忘れになっているとかですか?」
若めの受付嬢が少し不安げに頭をかしげる。
「忘れてるわけでは…無いんだが…」
「大丈夫ですよ!邪教徒でも無い限りどの宗教を書いても何も変わりませんから」
「「その邪教徒だから困ってるんだよなぁ…(小声)」」
二人の声は受付嬢に届かなかった。
「そうだ!新たな宗教の名を使って偽装すれば良いんだ!」
「どんな名前にするんですか」
「クレナイ教とかどうだ?」
「クレナイ…紅…コウですか」
「何だ、駄目か?」
セキは少し不安げにセイの顔をのぞき見る。
セイは少し納得がいかないようで、少し不満が放たれている。
「…わかりました。そうしましょう」
「ああ、それじゃクレナイ教っと。すいませーん。これでお願いします!」
世界に、後の三大宗教に数えられるクレナイ教が出来た瞬間だった。
がんばって括弧が並ばないようにしました。
どちらが読みやすいでしょうか?




