闇の民
1度書いたものが消失したため、覚えてる範囲だったのでおかしいところがあるかもしれない
肩より少し長い青髪がさらりと揺れる。そして少女は不思議そうに見つめる。
ーーーーーーどうして獣に襲われなかったのか。そこまで多くはないと言っても、落ちた音と人間の臭いに誘われない獣はいないだろう。あの時、たしかに落ちて首が折れたはずなのに……。夢だったのだろうか。
「目立った傷無し、食欲有り……と。アタシはここから数時間のとこにあるサイアリアって村から、アラールル村に行く途中だったんだけど、もしかしてアラールル村の人だったりする?」
今のアラールル村に行った所で、燃えて灰になった家と無残な死体が転がっているだけだろう。
「残念だけど、今のアラールル村には近づかない方がいい。変な集団に襲撃されて、もう誰も生きちゃいない」
「ならトトは逃げてここまで来たって事?」
ーーーーーーその通りだ。何も出来ずに逃げてきた臆病者。ただ膝をついて死を迎えるのを待っていたクズ。
「アタシはサイアリアの精鋭兵。アラールル村の方角から黒い煙が上がってるもんだから、アタシら精鋭兵3人が派遣されたんだ。まぁ2人とはぐれたけどね!」
ーーーーーー迷子か。こんな少女まで兵にするなんて、よほど兵力が足りていないのだろうか。サイアリアは村の中では大きい方で、商業も兵力も平均以上だと聞いたような。
「もしかしてだけど、変な集団って黒い布で全身覆ってて、炎とか出してなかった?」
ーーーーーーその瞬間、あの炎と、ヤツらが鮮明に脳裏を横切る。恐怖と絶望と死体を残していったヤツらを、ヒティアは知っているのか?
「きっと、闇の民の仕業だろうね。トップクラスの暗殺者や犯罪者の集団だよ。ヤツらは何処からか現れて、確実に獲物を仕留める。何があっても正体を明かさない。よく逃げきれたね。」
ーーーーーー闇の民。殺しのプロ集団って事かよ。そんなヤツらが10人以上で襲ってきたら、アラールル村の兵力じゃ確かに無理だな。そもそも兵というような兵は数人しかいない平和な村だったし……
「トト、その腰にぶら下げてるご信用のナイフは随分血まみれだけど、1人でも殺れたの?」
「そんなわけないじゃないか…。これは逃げる時に拾った物だよ。俺はそんな度胸も力もーーーーーーっ!?」
ヒュッと風が頬をかすめた瞬間、ヒティアは鞘にしまった剣で何かを弾く。弾かれて落ちたのはーーーーーーーーーーーー小型のナイフ。しかもこの形…大きさは違っても雰囲気が、闇の民の剣とそっくりだ。もしかして……という疑問はすぐに解決した。俺はナイフを構える。これが正しい構え方なのか、というのは後から考えよう。今はいつどこから飛んでくるかわからない攻撃を避ける事しか頭にない。
「4…いや5人?噂をすればってやつだね。」
ヒティアはボソボソと相手の気配を感じながら、今にも人を殺しそうな目で辺りを睨んでいる。あぁ、この感じ……闇の民だーーーーーーーーーーーー。




