蒼い瞳と青い髪
アラールル村は今日も天気が良い。
「今日は肉屋のおばちゃんとこに行ってきてね」
ーーーーーーーーーーーーえ……?
「聞こえてるの?ちょっと?トト?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー母さん?なんで…生きて……
「急に黙っちゃって……約束、したでしょ?」
不思議そうな顔でこちらを見てくる母親。座って新聞を読んでいる親父。寝起きの妹。当たり前の日常。
「な……んで…?」
思わず口に出てしまう。太陽の光が窓から差し込み、外からは小鳥の鳴き声が聞こえる
「早く準備して行ってきてね、そこに80ミューラ置いてあるから、いつものね」
「え、あぁ、うん。」
家族そろって不思議そうにみてくるもんだからついお金を受け取ってパパッと外に出た。
ーーーーーー眩しい……
太陽ってこんなに眩しかったっけ……。そういえば最近曇り空だったからな……。いつも通りの風景。日常が、家族が、村が、全てが戻ってきた。
今までのは夢だったんだ。
それしかない。それにしても長い夢だった。そして怖かった。死の恐怖。得体の知れぬ者達の襲撃。失う辛さ。全てが夢だったんだ。ほら太陽だってあんなに眩しくて…………
ーーーーーーーーーーーー熱いーーーーーーーーーーーー
熱すぎる。暑いのではなく、熱い。燃える。村も、家も、家族も、自分も。辺り一面が真っ赤に染まる。気付けばヤツらは村にいた。火を放ち、人を斬り、破壊する。もう、何も失いたくない。
黙って見ているのだけは、もう嫌だ!!!!!!
目の前には2人、いや3人。全員背を向けている。今なら殺れる。傍に落ちていた剣を手に取り、斬りかかる。
みんなの、敵!!!!!!
剣は相手の背中を深く斬りつけ大量の返り血がかかる。イケる、あと2人……。素早く構え直し、一気に飛びかかった。が、横から飛んでくる炎の球はそれよりも速いスピードでトトの身体に直撃する。
ーーーーーー熱い、死ぬ…………ッ
「ねぇ……、大丈夫?」
大丈夫なわけが……誰だ……?こんな中、ただ立ち尽くす少女が1人。炎のせいで顔は見えない。視界がぼやける。
「おーい」
何を呑気に……その瞬間、頬に強い衝撃を感じる。
「おはよっ」
ーーーーーーえ?
大きく蒼い瞳に少し長い青髪。
「すごいうなされてたけど、大丈夫?」
「君は……」
「アタシはヒティア・マハ。あなたは?」
笑みを浮かべた少女はその見た目に似合わないボロボロの服と獣感があふれる肉を焼いていた。
「トト……ディーナ」
もう戻ってこないいつも通りの日常は夢だった。それにしても、木から落ちて……
「お腹……空いたでしょ?食べていいよ」
そういって差し出された肉は、美味しそうとは言えない臭いだったが、確かに腹が減っていた俺はありがたく頂く。この太陽の位置だと、朝の10時くらいか。
「トト、君…昨日の夜そこの木の下で寝てたけど、獣に食べられたかったの?」
ーーーーーーーーーーーーあぁ……どうなってんだ。




