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屍人と異能と  作者: ばーたのん
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歩いて歩いて歩いて落ちた。



ーーーーーー気付けば俺は歩いていた。


起き上がってからまず身体を見た。

身体中は大やけど、さらには喉に剣を突かれ手も足も動かない。そのはずなのに小一時間経った今の身体には血まみれだが傷一つない。首を突かれたのは気のせいか……?火傷はただの妄想……?そんな事を考えて、考えて、考える事をやめた。


服は家ごと燃えてしまったから、誰のものがよくわからないが勝手に無事な服を拝借させてもらった。少し大きいが贅沢は言ってられない。これから向かう王都バラーミラへ裸で入ったであろうものなら、容赦なく護衛兵に斬られるだろう。



ーー王都バラーミラ。でかい王宮にでかい商店街やらなにやら全てがでかい都市。一度親父に連れられて行ったことがある。物心付いたばかりだったからか、信じられないほど大きな建物や光景に驚きはしゃいで叱られたっけな。


ーーーーーーーーーあ……。


そういえば家族はどうしたんだ。実際死ぬところを見た訳では無いし、亡骸を確認したわけでもない。まぁ、助かるわけないし燃えていたら誰だかすらわからないか……。


何よりもう引き返すのがめんどくさい。馬車も全滅していたため歩くしかなかった。どれだけ歩いただろうか。5時間は歩いた気がする。気付けば山道で、振り向けば小さく黒く色を失ってしまった村が見える。辺りはまだ明るいが、直に日も沈むだろう。


ーーーーーーーーーーーー今日は野宿か………


少し先に他の木より一回りは大きい木が見える。ここらへんは夜になると危険な獣がちらほらいるから、容易に登れない木はちょうどいい。



昔からこういう遊びをしていたせいか、木にはひょひょいと登れた。山の頂上付近まで来た上に、ここらじゃ一番と言っても過言ではない木に登っていたが、他の山が遮って王都はまだ見えない。


ーーーーーー4日はかかりそうだな………

とは言っても一番この山が大きいため、少しばかりの達成感がある。


それにしてもここらへんは雨が降ったせいか少し滑……ッッッ


走馬灯ってやつを2度も見れるとは……と滞空時間の長さを感じた後、頭から地面に直撃。岩と岩がぶつかり砕けたような音がゴキゴキと聞こえた。今度こそ妄想でも気のせいでもない。確実に脊椎まで粉々で息もできない。


ーーーーーー惨めな死に方だと笑われに行ってこよう。


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