ヘカテー
「トト……お前は警戒を怠らずにそこにいろ。」
「でも…」
それ以上の言葉はでてこない。確かにトトは今目の前にしているヒティアとは闘えないし勝てないとわかっている。ラーヤが実際に闘うのは見た事がないが、様子からしてラーヤより強いのも確実だ、逃げ場はない。倒すしか方法はない。
「そろそろいいかしら?この身体はとても戦いやすそうでウズウズしているの。ふふっ」
「あぁ、かかってこい。お前にヒティアの身体が使いこなせるかな?」
「こんなところかしら……?」
瞬時にラーヤの懐に入ったヘカテーは既に自己強化の異能を使用していた。そしてそのスピードから繰り出される拳はラーヤが防ぐ前に腹に直撃する。
しかしラーヤは吹き飛びもしなければ顔色一つ変えない。逆にヘカテーは少し驚いた顔をしている。
そこにラーヤの蹴りでヘカテーが吹き飛ぶ。
近くの住宅に直撃し、崩壊する。立ち込める煙の中、ヘカテーは立っていた。
「あらら?おかしいわね…」
「ふん。そんな細い腕でいくら強化した攻撃をしてもそれはヒティア本人にしか使いこなせない。残念だったな。」
「…………。」
ヘカテーは予想外の出来事で、ラーヤを睨みつける。攻撃が効かなかったが、ヘカテーはヒティアから姿を変える様子はない。ヘカテーは剣を抜く。それと同時にラーヤも剣を抜くが、抜き終わる前にヘカテーは動き出した。目にもとまらぬ速さで抜刀。しかしそれはラーヤを斬り裂く事はできなかった。
「俺の硬化能力はお前じゃ絶対に斬れない。」
「それは……どうかしら?」
「斬れたとしてももう遅い。お前は今死ぬ。」
その直後、超スピードでラーヤが抜刀。しかしヘカテーはそれを紙一重で交わす。ヘカテーの顔に少し斬り傷ができる。
ヘカテーはその傷に手を当て、笑をこぼす。
「あらあら、なかなかやるわね。」
「その余裕も今だけだ。堪能するといい。」




