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屍人と異能と  作者: ばーたのん
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幹部と虎狼と。

街には必ずギルドというものが存在する。「村」は規模が小さいため傭兵やその村の警備隊がいるが、「街」となるとギルドを開設する事が王都から義務付けられる。そのギルドにはいくつかの団体、いわゆるチームが登録されていて、最低4人~となっている。そして我がサイラルのギルドで5本の指に入るチーム「虎狼」がサイアリアに来ている虎狼は小規模で、たった6人で構成されている。


その6人はほんの数分前までゲルバナティスの幹部、ダギヌス、ソーマ、クノンの3人と交戦していた。虎狼メンバーは全員が異能の持ち主だったが、既にメンバーの3人が息絶え、1人は右足をやられ、1人はクールタイムでボロボロ、最後の1人もクールタイムに入ってしまう。


「おい鬼虎、右足はどうだ。動きそうか?」


「すまないが、使い物にならない。立っているのがやっとだ。餓狼…お前こそ、そろそろクールタイムだろうが。千虎……お前はもうクールタイムだろ。下がってろ。」


「鬼虎、餓狼。あいつらはおしゃべりの時間もくれないみたいだぜ。俺はクールタイムに入っちまったけど、異能に頼ってここまできたわけじゃねぇよ。」


彼らは冷静だった。冷静に焦っていた。この状況、相手が悪すぎる。殺す順番を決めているのか何かボソボソ話している。


虎狼は全員が好んで刀を使用していた。が、ゲルバナティスの幹部達には当たらなかった。鋭く空を斬る刀はあまりにも不自然だった。完全に間合いに入っているのにも関わらず奴らは懐まで、まるで散歩をしているかのように来る。


「は〜いそこ、油断大敵ってやつじゃない?」


肩くらいまで伸びた金髪に青い瞳。小型ナイフを手に持っている。18歳くらいだろうか。彼女の名はクノン。異能は衝撃波。自由自在に操る衝撃波は時には鋭くなり、時には大岩さえも粉砕する。


「それは貴様もだ。クノン。油断するな。」


筋肉質で大きな体に大きな剣。それなりの歳で威圧が凄い。彼はダギヌス。異能は風。彼が剣を振った直後、暴風が吹き、簡単に吹き飛ばされてしまう。


「てめぇら黙って殺りやがれ。その口がてめぇらごと消される前にな。」


体は平均的で、黒髪の男。彼の名はソーマ。ゲルバナティスの王の右腕として知られている。異能はスペシャリスト。扱う武器や攻撃の正確さが限界まで引き出され、相手の行動を読むことが出来る能力である。右手には剣。腰には小型銃を付けている。

幹部達は他にも異能があるようで、余裕そうにしているが、攻撃するスキは与えてくれない。

クノンがこちらに向かって歩き始める。虎狼3人は構えを取るが、気づいた時には遅かった。一瞬で視界から消えたクノンは餓狼の後ろに移動し、餓狼が振り返った時にはクノンのナイフが餓狼の腹を滑っていた。血が飛ぶがそれは餓狼ごと衝撃波で吹き飛ばされる。近くにあった家にぶつかり、崩れる。

しかし、虎狼は諦めていなかった。残された鬼虎と千虎は衝撃波が放たれた瞬間クノンを捉え、斬りかかっていた。フッと音を立てて消えたクノンは、宙に跳んでいた。上から衝撃が与えられる。異能が使えなくなった千虎はなす術なく地面に叩きつけられるが、餓狼の異能「不飛受の加護」によってダメージはくらうが反動はない。そのまま斬りかかる。完全に不意をついた一撃がクノンを襲う。しかしクノンは衝撃波で自分を飛ばし攻撃を避けるが、頬に小さく切り傷ができる。

クノンは立ち止まり、頬から垂れる血を服の袖で拭う。


クノンは呟く


「殺ス……!!!!!!」

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