始まりの共闘
「そう怒るなよ。俺はヒティアと一緒に闘いに来たんだ。」
少しキレ気味のヒティアは頭の上にはてなを浮かべる。それもそうだろう。異能も知らず、ただ平凡な生活を送っていた一般人が戦場に立って戦うなどありえない。
まぁ見ててくれとヒティアの肩に手をおく。この時、トトの目はヒティアの背後から忍び寄る1人のゲルバナティス兵を捉えていた。
「バル・バラール」
ヒティアは目を見開く。そりゃそうだ。自分と同じ異能を、しかも身近な人間が使えるだなんて知ったら誰でも驚くだろう。力が溢れるのがわかる。
ゲルバナティスの兵が持っていた剣を振りかざした瞬間、1秒の間もなくトトの拳は兵の腹へと届いていた。元々力が強くはないトトの拳は致命傷には至っておらず、怯んだ兵の後ろへ周りナイフを首で滑らせる。その傷は深く血が飛び散り兵はそこで命を落とす。
「トト…?どうして……」
「そんな事より、ほら。」
トトが指差す方向から、ゲルバナティスの兵が10人ほど向かってきている。理由を説明している時間はない。
「バル・バラール」
ヒティアも異能を発揮する。その瞳は蒼より蒼く、何よりも冷たい。
「さっさと終わらせて話を聞かせてもらうからね。」
日々訓練を積んでいるヒティアは同じ異能でもトトとは差があった。兵に向かって走り出したヒティアに追いつけない。
「全部、話すさ」




