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第40話 《始祖》レイナーレ



「ダメダメダメ! 待って! ストップ! それはダメ!!!」

「気持ちはとってもわかるけど! あっくんはだめぇ!」

「ただでさえ恋人に裏切られたあとなんだからコロッとあたしたちの方に倒れちゃったら困るんだよ!」


 俺が思わず硬直してしまっていると、一斉に三人が動き出した。

 エルミーは庇うように抱きついてきて、フレイとマリアは大きく手を広げて壁になった。

 ありがとう……こんなの、急に言われて動けるわけないって……!


「あっくんが魅力的なのはと〜ってもよくわかるのだけど、わたしたちもあっくんのこと大切に想ってるのよ。だからちょっと……染めるのは待ってほしいっていうか」

「せめてわたしたちが堕とすまで待って! お願いします!」

「アベルはこの二人みたいな趣味は持ってないから!」

「エルミーちゃ~ん? ちょっと言い方が酷くなぁい?」


 ()()()()()()はよくわかるフレイとマリアが必死に説得を試みる。


「ハハハ! そこまで心配しなくてもいいさ。やはり男では嫌だよな?」

「……あら?」

「えっ?」


 先程のしっとりとした湿度を含む情熱的な言葉とは裏腹に、レイドレークはカラッとした笑い声をあげて聞いてきた。


「そ、そうだな……悪いけど、男同士ってのは、趣味じゃない」

「むしろ男もイケるほど多淫なら、結魂ゆいこんなどしないだろうな」


 俺もミリアとの恋愛では紆余曲折あったものだ。

 だからそういうのに対しても、嫌悪はしないが……理解もできない、ノーマルなんだ。

 好感情を抱かれるのは嬉しいが、行き過ぎたのは御免被りたい。

 だが次の瞬間、レイドレークは耳を疑うような言葉を発した。



「お前が男ならば、オレが変わればいいだけだろう?」



「……は?」

「「「え……?」」」


 唖然とする俺たちを尻目に、レイドレークは椅子から立ち上がって歩き出す。その一歩一歩と同時に――レイドレークの姿が……形が、変わっていく。


「吸血鬼の特異能力は、固有魔法の《血魔法》の他に種族固有スキル《変身》がある。力の少ない者でさえ、獣やコウモリになれる代物だ」


 俺より高かった身長は若干低く、体の線は細く。しかし足は長く、太く、しなやかに。


「――で、あれば」

「な……」

「えぇ……!?」


 バリトンからソプラノへ。逞しく筋肉に包まれた体は、柔らかく丸みを帯びた形に変わる。胸は姉妹以上に大きく膨らみ、ウエストは細く括れていく。

 やがて、髪が腰ほどの長さに伸びた頃――


「真祖であるオレならば……性を変えることなど造作もない、ということだ」


 そこにいたのは、あでやかな真紅の髪や鋭い眼はそのままに――絶世の美女へと変わり果てた、吸血鬼の姿だった。


「「「「……は? えぇぇえええ!?」」」」


 あまりのことに、俺たちは絶叫してしまった。

 そりゃそうだろ!? 引き締まった筋肉の細身イケメンが十秒足らずで凛々しい紅髪美女になったんだ! しかも凄くデカい大玉スイカが曝け出されている。


「ハッハッハ! オレほど《変身》スキルを習熟すれば、性別の垣根などあってないようなものだ! つまり今この瞬間からは、オレは完全な女! おっぱいもこの通り、そして……フフッ、()もあるぞ?」


 紅髪の美女は弾けるような笑いから一転、蕩けるような声を紡ぎつつ、体をくねらせながらその大きな胸を『むにゅう……っ』と揉みしだき、下腹部から又座をいやらしく撫でる。


「は……!? いや、仕組みはわかったけどなんで……!?」 

「永く生きていると暇でな。たまに性別を変えながら過ごしているんだ。これで、お前の趣味にも合うだろう?」

「お……おおぅ」


 それだけのために女に変身を……? 俺のことを好きだなんて、本気だったのか……!?


「いや、いやいや……だとしてもだ。男だったのに、女になって男に抱かれるとか、嫌じゃないのか?」

「そもそもオレに決まった性別はない、どちらもオレだ。数千年の生の中で、恋人も何人かいたが、男女どちらもいたからな」


 寿命の差で死に別れたが、と。彼……彼女? はしみじみと呟く。

 数千年も生きていれば恋人もできるだろうけど……長命で性別も自在だからこその価値観、なのか?

 テーブルに向かって歩いてくるのを、エルミーたちは止めない。固唾を飲んで見守っている。


「性別を自由に変えられるとな、そういうのはどうでも良くなるんだ。オレの恋の基準は、心から惚れたかどうか。――自身が心から惚れた相手にこそ、オレは恋をする。性別は変えられるんだ、惚れた奴に合わせられるのは便利だろう?」

「レ、レイド――」

「『レイナーレ』」


 俺の言葉を食い気味に被せてきたレイドレーク――いや。


「レイドレークではない。オレは女のときは『レイナーレ』と名乗っている。これからこの姿の時は、そう呼んでくれ」


 目を細めたレイドレーク――レイナーレは、微笑みながらそう頼んできた。 


「お……おう……わかった。というか、その……前、閉めろよ! 今、女じゃないか!」


《始祖》が、女になったのは理解した。好意を向けられているのも。……でもそれなら、せめて相応の態度をしてくれ!

 男のときから開けっ放しだったアロハシャツの前がそのままなせいで、デカすぎる胸が丸見えなんだよ!


「そ、そうだよ! 女の人になったのはわかったから気をつけよう!? 全部見えちゃってるよ!」 

「おっぱいすっごく大きいわね……! わたしと同じ……それ以上?」

「あたしは姉さんと同じサイズだから……ってことはあたしよりも!? さっきまで男の人だったのに……なんだか敗北感が大きいなぁ」


 三人が言うように、女性になったレイナーレにはとても大きな果実が実っていた。

 フレイとマリアもかなり大きくて、理性をガリガリ削ってくる質量兵器だけど……チラ見する限り、レイナーレはそれ以上のボリュームを誇るように思える。

 ボタンを留めていないアロハシャツなんかで隠せるはずもなく、さっきからその大山の頂点――少し色素が異なる部分が見え隠れしていて……!

 落ち着け、コイツは《始祖》なんだ……!


「なんだお前ら、緩く開放的なのがアロハシャツのいいところだというのに。アベルになら見せても良いし……ん? あァ、なるほど♪ わかった、閉めるから待っていろ。んっ――」


 最初は眉毛を寄せていたレイナーレだったが、急にニヤリと笑うとシャツのボタンを一つ一つ閉めていく。

 そうすると……。


「……っ!? うお……っ!?」

「ふぅ、少しキツイな。男だったときよりも胸周りが大きくなっているから、なァ? 前を閉めたらこう……ぱっつん、ぱっつんになって、みちみちに押し込められた乳の谷間が……な♡」


 とにかく巨大だった胸が締め付けられ、その抵抗にシャツのボタンが悲鳴をあげる。

 パツパツになったシャツの隙間から、むっちりと柔らかそうな胸が今にも弾け出そうになっていた。

 指先を、ミチミチと音を立てそうなシャツの胸に引っ掛けて、隙間にできた深い谷を見せつけてくるレイナーレ。

 そんな()()は獲物を狙うような猛獣の……『女』の顔をしていた。


「開放的なアロハシャツを閉じたことにより押し込められた爆乳……それによっていつボタンが弾け飛ぶかわからないスリル! なるほどたしかにこれはエロい! 天才だなお前は!」

「なんでそんなに男の情欲を知り尽くして語ってんだよ!」

「さっきまで男だったからな!」


 クソっ! 男だったから男が好きそうなことはよくわかるってか!

 たしかにエロいよ、よくわかる。しかもそれを爆乳美女がわかってて見せびらかしてくる。

 目を背けようとするも、最近溜まりに溜まっていたこともあってどうしても視線が引き寄せられてしまう。


「へぇ……アベルってああいうのが好きなんだ」

「参考になるけど……ちょっとこれ、マズくない?」

「レイドレ、いやレイナーレさん、強すぎる……!」


 エルミーはちょっと不満げに頬を膨らませており、フレイとマリアはなぜか戦々恐々としていたのだった。




どうも、死なば諸共の赤月ソラです。

名前を見てピンときた方へ。

あの作品、アニメは最新でも2012年(13年前)だ……!


やっと来ました、ようやく出せました。癖の塊。

男心を完全に理解した、猥談にもノリノリの経験豊富な両性類未亡人爆乳紅髪吸血鬼!!!

肉食系を超えて肉食獣レベルの積極性を誇るヒロインです。どうかよろしくお願いします。

彼女(彼)はふたなり(両性具有)とは違うし、トランスセクシャル(性自認の不一致)とも違う、両性"保有"です。

押し倒すことも出来なかった処女三人に加わった新たな起爆剤にご期待ください。

ちなみにとてもデカいです。筋肉そのまま胸に回したくらいに。

だけど他のヒロインズも負けてないってことをお伝えしましょう。


〜サイズ感〜

エルミー(巨)<フレイ=マリア(爆(大))<レイナーレ(爆(特大))


・エルミーは"ある"。けど周りがデカすぎる。

・フレイとマリアはほとんど同じサイズ。とてもデカい。それぞれちょっと特徴が異なる。

・レイナーレはさらにデカい。身長が高いので体型は不自然じゃないけどとても目立つ。

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