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勇士たちの決戦 終結

 オレフも“機神”の能力で魔力の流れを捉えていた。

 周辺で小さな地形変動が起こり、それが大地の霊力の流れを変えている。

 地形を動かしているのはあの鉄機兵だろう。

 端から見れば適当に地形を少し動かしているに過ぎないが、その最小限の変動によって大地の霊力の多くがここに集まっていた。

 “聖域”を模した空間になることで周辺の霊力が高まり、それを動力とする鉄機兵の力も一時的に上昇。それによってさらなる大規模の地形操作を行っているようだ。

 霊力の流れを全て計算した上で、どこを動かせばどのように変動するかまで正確に予測できなければ到底できない工作だ。

(君の仕業か)

 それが可能な人物はエルマしかいない。

 対峙する男爵が挑みかかってきた。

 オレフは勇士との戦いに専念する。

 大地の霊力が増そうと現在のオレフには影響はないが、彼女の動きを放置することは危険には違いない。

 それでもオレフは何を仕掛けてくるか待つことにした。

(エルマ──頼む)



「次はあっちよ。そのまま進んで!」

 内部に乗り込んだエルマが指示を出すと、地中を潜行する《グノムス》がその通りに動く。

 彼女の周囲のモニターには地形図と霊力の流れを示すグラフが映っていた。

 彼女はそれを一つも見逃すことなく読み取り続ける。

「こき使って悪いわね。まったく、あいつには振り回されてばかりだわね」

 移動を続ける《グノムス》の中でエルマが語りかける。

「あいつはね。自分を実験台にしてまで“機神”を滅ぼす方法を見つけようとしているのよ。しかもたちの悪いことに、あいつは肝心な破壊手段をまだ見つけていない……この戦いのなか、ぶっつけ本番でうちらに見つけさせようとしているのよ」

 エルマは憤慨するように顔を上げた。

「バカでしょう? 確かに全てがそろった千載一遇の機会を逃すことができなかった。それは分かるけど、後先考えなさすぎなのよ」

 そう言うとエルマはうつむく。

「……何が『人の愚かさをもう少し認めるべき』よ。分かってるわよ。馬鹿じゃない人間なんていない。だからいつの世にも科学者が後を絶たないんじゃないのよ」

 エルマが両拳を握りしめる。

 科学は研究者の叡智の結晶ではない。研究に生きた者の愚かさとそれを乗り越えようとした絶え間ない献身の集大成なのだ。

(オレフ、一緒に答えを見つけてあげる。いつか埋め合わせをする約束、ここで果たすわ)



「うぉおおッ!」

 マークルフの猛攻をオレフが退きながら躱していく。

「逃げるか、てめえ!」

『これが時間稼ぎなのは分かっている』

 オレフの右腕からツタが伸びて槍に絡まった。そのままツタで繋いだ槍を鞭のように振り回す。

「リーナ、奴を立ち止まらせるな!」

 槍を振り回すオレフの攻撃を躱して懐に飛び込むと、飛び膝蹴りでオレフのアゴを捉える。

 地面にツタを潜り込ませようとしていたオレフは回避できずに背後の岩盤に叩き付けられた。

「てめえの動きがようやく読めてきたぜ!」

 立ち上がるオレフにさらにマークルフは突っ込む。

 オレフが槍を振り回そうとするが、マークルフの右腕の合体手甲を向けられると槍を止めて再びマークルフの拳撃を浴びる。

『クッ!?』

「忘れるなよ。てめえが槍を持っていようがこっちは切り札を使えるんだ」

 槍さえ合体手甲で掴めれば〈アトロポス・チャージ〉を強行できる。オレフもそれを思い出して動きを躊躇ったのだ。

『マークルフ様、これは!』

 リーナがモニターに表示したのは戦いを見守るマリエルたちだ。

 マリエルがこちらに向かって足許の崖を指差す。

 そよ崖の壁面にはいつの間にか文字列が刻まれていた。

「妖精のじいさんか。リーナ、拡大して映しだしてくれ」

 オレフがツタを放って攻撃するのを空を飛んで躱したマークルフは、表示された文字列を一瞥した。

『何と書いてあるのですか?』

「傭兵たちの使う暗号文だ」

 マークルフは宙で留まるとオレフを見下ろす。

「『オレフの“鎧”を不安定化させて決めろ。槍を取り戻した時が合図』──そう書いてある。リーナ、おまえの思った通り、この戦いは存在が強固な方が勝ち残るらしい」

 オレフも頭上のマークルフを見上げた。

『何が書いてあるか分からないが、策はあるようだな』

 向こうにも読めない暗号文に警戒しているようだ。

 マークルフはゆっくりと降下していく。

「エルマに策があるようだ。俺にも分からねえが、槍を取り戻した時が合図らしい」

『そうか。ならば取り戻してみせよ』

 オレフも槍を構える。

『マークルフ様、喋ってしまっては──』

「構わねえ。向こうも最初からすんなり槍を渡す気なんてねえよ」

 《戦乙女の槍》はツタに絡まってオレフの手に握られている。力ずくでは引き離せそうになかった。

「奴が俺に槍を使わせねえのは、下手に〈アトロポス・チャージ〉を撃たせないためだろう……行くぜ」

 マークルフは推進装置の光を背に急降下する。

 オレフは間合いを離すと無数のツタを放ったが、背中を向けて推進装置の噴出でツタを逸らして宙返りする。オレフの頭上を越えたマークルフは背後から蹴り飛ばす。

『ヌッ!?』

 地面に倒れたオレフの背中にマークルフは跳びかかり、そのまま槍に合体手甲を伸ばとうとする。しかし、ツタが伸び、槍を覆うように巻き付いた。

 槍を掴もうとしたマークルフは慌てて飛び退き、オレフも体勢を立て直す。

『槍さえ掴めてしまえば〈アトロポス・チャージ〉を恐れて槍を放す──そう考えたのだろうが槍を直接、掴めなければ意味はない』

 オレフがツタに覆われた槍を構える。

『見え透いた狙いは止めてもらいたい。そんな浅い考えでは槍は返せない』

「……浅い考えでなければ槍は返してくれるってことか?」

 マークルフが爪先で地面を叩きながら言った。

「じゃあ、少し深い考えでいくか」

 その途端、オレフの足許の地面が割れた。その亀裂の中にオレフは呑み込まれる。

『これは──』

「大地の霊力が強まっているここはグーの字の領域でもあるぜ」

 マークルフは隙を突いてツタごと槍を掴むと、その腕ごとオレフと一緒に地面に呑み込ませる。

「そのまま閉じこめろ、グーの字!」

 マークルフの合図に答え、亀裂が閉じた。オレフと槍を掴むマークルフの腕は地中に埋もったままだ。

「ツタで絡めたのがあだになったな!」

 マークルフは槍を掴んだまま合体手甲の起動に入る。地中に埋まった状態では槍に絡まったツタはすぐに解けない。同じ黄金の武具であるツタに包まれている状態ならそのまま〈アトロポス・チャージ〉の武器として使えるのだ。

『マークルフ様!?』

 リーナの戸惑いの声と同時にマークルフも表情を変える。

 無数のツタが地中を貫き、砕けた地表からオレフが飛び上がる。

 槍に絡まっていたツタの一部がマークルフの合体手甲の双刃に絡まっていた。付与の役目を果たす刃を覆うことで〈アトロポス・チャージ〉の使用を阻止してのだ。

『要は撃たせなければいい』

 ツタが解けて槍はオレフの手許に戻る。オレフが間合いを離して着地した。

『地中でツタの動きを封じてそのまま撃とうとするとはな。それに地中の伏兵……まったく油断はできないな』

「い~や、すでに油断してるぜ」

 マークルフは不敵に笑った。

「そのツタを解いてくれれば十分だ。俺は槍を取り戻した時が合図と言ったが、俺がとは言ってないぜ」

『何ッ!?』

 地面から伸びた鋼の手が槍の石突き部分を掴んでいた。

 その瞬間、周囲で連鎖的に地響きが始まった。《グノムス》がその力で維持していた地形変動が一気に元に戻っているのだ。

 センサーが急激な魔力変動を確認する。

 形成されていた大規模な疑似“聖域”が一気に崩壊し、魔力が激流となって流れ始めたのだ。

『これは──』

 オレフが片膝をついた。

 その全身を覆う黄金のツタが悲鳴をあげるように輝きが明滅する。

 マークルフにも急激に“鎧”の重さが加わり、同じように膝をついた。

「リーナッ!」

『──動けます!』

 マークルフを支えるように“鎧”が軽くなる。リーナが“鎧”の維持に努めているのだ。

 だが、オレフの方はまだ立ち上がることができずにいる。

 かつて“聖域”外で戦ったマークルフはすぐに状況を把握した。

 黄金の“鎧”は“聖域”の均衡作用に大きく影響されるが、一度に魔力が激流のように流れて均衡作用が大きく乱れている。それが“鎧”の維持にも大きく影響しているのだ。

 しかも、自分たちよりもオレフの方がが“鎧”の維持に苦しんでいる。

 理由は分からないが、それも含めてそれがエルマの策なのだろう。

「今度こそ返してもらうぞ!」

 マークルフは飛びかかると、オレフを蹴り飛ばした。

 力を失ったオレフは槍から手を離して弾き飛ばされる。

 マークルフは《グノムス》が掴んだままの黄金の槍を合体手甲で握りしめた。

「俺の槍、確かに返してもらったぜ!」



 蹴り飛ばされたオレフは地面に手をついて起き上がろうとする。

 急激な魔力変動が黄金の装甲を急速に不安定化させていた。

 同調する神女もその維持に苦しんでいるようだ。

(──エルマ)

 オレフは気づいた。

 対峙する“狼犬”たちも“鎧”が不安定化するはずだが、オレフが感じているほどには影響を受けていない。

(そうか、それが君の狙いか)

 “狼犬”の“鎧”は両腕が破損していた。しかし、それが逆に不安定化による武器化の解除を阻んでいる。例えれば曲がった錠前が外しにくいという事だ。

(俺との戦いで破損することまで折り込み済みか。抜け目がないな、さすがだ──)

 オレフはふらふらになりながらも立ち上がる。

(だが、“機神”はこの程度で滅ぶほど甘くない──まだだ、もっと踏み込んで見せろ)



 立ち上がったオレフに向かってマークルフは槍を構える。

「リーナ! これで決まる! 全て出し切れ!」

『はい!』

 合体手甲が起動し、最後の切り札の発動に入る。

 地面から《グノムス》が姿を現した。

「男爵!」

 胸の装甲が開き、そこからエルマが顔を出す。

「エルマ、離れろ! 巻き込まれるぞ!」

「元同僚の不始末ですから、うちにも手伝わせてください!」

 エルマがマークルフに小さな金属片を見せると、取り出した革袋を《グノムス》の手に握らせる。

 マークルフの脳裏でエルマの意図と自分がやるべき事が繋がった。

「うちには構わず、あいつを止めてください──お願いします!」

 エルマの瞳に切なる願いを見たマークルフは黙って推進装置を全開にする。

「うおぉおおッ!!」

 マークルフはオレフに突進する。

『グゥッ!?』

 オレフは避けることもできずに体当たりをまともに喰らった。

 マークルフはそのままオレフの身体を後方へと運んでいく。その先にあるのは自己防衛の命令に従い、静観していた“機竜”だ。

『またしても撃つつもりか、〈アトロポス・チャージ〉を──』

「今度こそ決める!」

 明滅する装甲を纏った両者が“機竜”へと迫る。

 “機竜”も危険を感じたのか、首をもたげて威嚇の唸りをあげた。

「その命運、ここに断ち切る!」

 合体手甲の双刃が輝く。手にする《戦乙女の槍》に破壊の力が付与され、その姿も輝き始めた。

『──いけないッ!?』

 リーナが悲痛に叫ぶ。

「何だと!?」

 合体手甲が明滅し、槍の輝きも明滅する。手甲の明滅が激しくなり、手甲そのものが光へと変わりかけていた。しかも槍と反発して火花を散らしている。

 制御の難しい〈アトロポス・チャージ〉の発動が手甲の不安定化を加速していた。しかも光から装甲に戻ろうとしても槍が火花を散らし、光の状態に戻ってしまう。同じ戦乙女の武具である槍の存在が手甲の再構成を妨害している形だ。

 おそらくエルマも想定しきれなかった不安定化だろう。このままでは〈アトロポス・チャージ〉を発動できない。

『マークルフ様、槍を放してください!』

 リーナが叫んだ。

『先ほどと同じようにオレフを武器に使って発動させてください!』

「しかし──」

『今度こそ最後まで撃ち切って見せます! この一撃しかないんです! 私にも一度ぐらい無茶をさせてください!』

 マークルフは一瞬、目を閉じる。

「──頼む!」

 手を離れた槍が後方へと消えていく。

 手甲が再構築され、双刃の輝きが再び増した。

『またわたしを利用するか! しかし、このままでは結果は同じだ!』

「黙れ!」

 マークルフはオレフを“機竜”の胸元に体当たりで叩き付けた。

「この一撃だけは邪魔はさせねえ!」

 オレフの全身からツタが伸び、マークルフを捕縛しようとする。

 同意に敵意と判断した“機竜”が頭上から口を開き攻撃しようとした。

「エレナ=フィルディング!」

 マークルフは叫んだ。



『エレナ=フィルディング!』

 黄金の鎧の勇士からの合図を受け、エレナは左手の指輪を掲げた。

 指輪の魔力を通してエレナの命令が遙か遠くの本国にいる“機神”へと伝えられる。

 やがて、“機神”から命令実行の応答が届いた。

(これがわたしのできる最後の手助けだ──死ぬな、“狼犬”!)

 これから始まる破壊から逃れるため、エレナは後ろへ逃げる。

「姉さん! 逃げて!」

 マリエルが戦いの渦中に残ったままの姉に向かって叫ぶ。

 エルマは戦いを見届けようとしているのか、《グノムス》の中から顔を出したままだ。

「姐さん代理、早く隠れて!」

「巻き込まれますぜ!」

 アードとウンロクがマリエルの両腕を掴むと強引に避難させる。

「代理を巻き込んだら後で姐さんに怒られますからね」

「それだけは勘弁でさあ!」



 “機竜”が攻撃を止めたかと思うと、その装甲から鋼の骸骨たちが上半身を現し、オレフにしがみつく。

『──竜牙兵!?』

 同時に《グノムス》が革袋を投げつけた。

 革袋がオレフの頭上に当たり、中身がばらまかれる。

 散らばった金属片が“機竜”の装甲に吸い付くとそれらも鋼の骸骨へと変化した。

 エレナの命令を受信した“機竜”が魔力を与えて〈竜牙兵〉たちを復活させたのだ。

『これはッ!?』

 “機竜”の体表に張り付くようして復活した鋼の骸骨たちがオレフにしがみつき、その黄金の装甲に噛み付く。装甲は傷つくことはなかったが、噛み付く数が増えるごとに全身のツタの明滅がさらに激しくなり、ついにツタ自体の動きも止まった。

「てめえはいろいろと研究し尽くしてきたらしいが、こっちにも戦ってきた経験があるんでな!」

 マークルフはかつての“機竜”との戦いで知っていた。魔力を吸おうとする〈竜牙兵〉の噛み付きは黄金の“鎧”にとって、その維持を大きく阻害する作用があることを──

 マークルフは合体手甲を突きつけ、オレフの首を挟み、最終攻撃の発動に入る。

『──そんな!?』

 システムが警告表示を出す。

 オレフの“鎧”が不安定化したため、〈アトロポス・チャージ〉の発動に必要な付与ができないのだ。

 このまま無理に押し通せば不発か暴発となり、どちらにしてもオレフを倒すことはできない。

『……残念だが……そこまでか』

 オレフが手甲を引き離そうと右手を挙げるが、マークルフは左手でその右手首を掴む。

「ふざけるなよ。俺には戦乙女という武運の女神がいつも傍にいるんだぜ!」

 マークルフはオレフの右手首を掴んだまま左手を“機竜”の装甲に押しつける。そして合体手甲を引き抜くと、今度は両者の腕を挟むように突き刺した。

『何をする気だ!?』

 〈アトロポス・チャージ〉発動を続行し、両者の腕が付与される破壊力の輝きに包まれていく。

「どちらかが倒れるまでの勝負と言ったな」

 マークルフたちは戦いの時、槍の他に〈アトロポス・チャージ〉に耐えうる武器をもう一つ用意していた。それは黄金の“鎧”を纏うマークルフたち自身だ。しかし、それは文字通り最後の手段となるものだった。

「その挑発、乗ってやるぜ!」

 破壊の輝きが両者の腕から全身へと広がっていく。

 マークルフがやろうとしているのは、オレフが不安定化した分を自分たちで補い、〈アトロポス・チャージ〉を敢行することだった。

『共倒れになるつもりか!?』

「この一撃だけは最後まで撃ち切る!」

 一部の負担を引き受けるだけとはいえ、〈アトロポス・チャージ〉の負荷に耐えきれる保証はない。

 そして発動したとしても、マークルフとオレフ、どちらが残るのかは分からない。

 両者を包む輝きが明滅を繰り返し、やがて“機竜”の巨躯を呑み込むほどまでに膨れあがった。

 付与される破壊の力と戦乙女の力が反発し、両者の黄金の“鎧”に火花が散る。

 リーナの苦悶が感じられた。

 膨大な力の制御、そして自らの存在を砕こうとする圧力に抗う彼女の負担が、マークルフの肉体にも燃えるような激痛となって伝わってくる。

『──マークルフ……様!』

 リーナが苦しい声でマークルフに呼びかける。

「ここにいる! リーナ、俺も引き受けてやる! その痛み、遠慮せずに俺に渡せ!」

『大丈夫──でも、一つだけお願いが──』

「何だ!」

 全身を焦がすような苦痛。付与される破壊力は“鎧”だけで止まらず、マークルフの肉体をも蝕もうとしていた。

『──離さないで、くれますか?』

 苦痛の中、マークルフの脳裏にはっきりと彼女の声が届く。

 勇士を護らんとする戦乙女の尊厳と、吹き飛びそうになる自分の存在への恐怖が混じり合った声だった。

 マークルフはいつもの──いつも彼女に向けるような不敵で、そして穏やかな笑みを浮かべた。

「……本当にリーナは殿方の事を分かっちゃいねえな」

 マークルフは右手を握りしめる。その手を覆う黄金の籠手をリーナの手と思いながら──

「戦乙女にそこまで懇願されて離すような男がいると思っているのか? 安心しろ。俺は“戦乙女の狼犬”だぜ」

 マークルフはありったけの声で叫ぶ。

「おまえと一緒じゃなきゃサマにならねえだろ!!」

 そして、輝きは臨界点に達した。



 閃光が夜の闇を吹き飛ばした。

 破壊の力の奔流が一帯を駆け巡り、マークルフとオレフ、そして咆哮する“機竜”の影も破壊の光の中へと消えていく。

 決戦の終結を告げる、勇士たちの全身全霊を懸けた最後の一撃だった。



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