僕の限界とだいくんの正義
今回は、夢生の周りが一気に騒がしくなります。
だいくんのこと。 田口のこと。 そして、ちょっとした事件まで。
重たい話もありますが、 いつものように、急にくだらない方向へ行ったりもします。
夢生の世界が、少しずつ広がっていく第6話。
よかったら、ゆっくり読んでいってください。
「オハヨ~ございますぅー!
あ!俺、今日からバイトの
田口 優太です~あ、名前なんてゆーんですか?」
元気いっぱいで事務室に人が入ってきた。
僕は休憩中、スマホゲーム中の
チャットに燃えていた。戦場にいたから笑
ん?とポカンとする。
「あ!なんかびっくりした感じすか?
スマホでなんかしてました?」
田口くんだか名乗った人が食い気味に
話しかけてくる。
僕は「あ、あぁ、佐上です。佐上夢生です
高三です。」
たまたまテーブルに置いてあった
シフト表の名前を指差しながら
ポソッと言う。
ん?まてよ?
これはもしや…僕は僕なりの
センサーが働きだした。
田口くんは、シフトを覗きこみながら、
「えー!高三?なの?じゃ、俺とタメじゃん!
マジ?
名前、むうって、夢に生きるって書くの?
へー夢に生きてるんだ!オモロ~」
…。夢に生きてはいないと思う。
で、オモロくねぇわ。頭わいてんのか。
初対面で失礼な奴。
「俺。さすがに初日だから
クッソ緊張してんの。だから夢生くん
宜しく!」
と言ってきた。
彼の耳たぶに、ピアスホール。あ、やっぱりか。陽キャだ。この人
僕と正反対だ。
陽キャのコミュ力は凄い。この日からあっという間に
皆と打ち解けた田口くん。
僕はちょっとは羨ましい。ちょっとだけ。
作業中、田口くんが、
「俺さこないだ、アリサちゃんに
遊び誘われてんの。」
と、言ってきた。
僕は商品の陳列をしながら
「へー」しか返事しなかった。
陳列は、細かくて色々大変。パズルみたいで
上手くハマらないと、やり直し。
田口くんは
「なっ、一緒に行かね?他誘ってないらしくってさ?さすがに2人きりはマズくね?」
「いや。僕誘われてないからいい。」
だいくん並みの塩で僕が答える。
「え~そんな事言うなし!
行こ!カラオケとか、ゴハンとか?
たまにぱぁーっと行こ!」
陽キャに、塩は効果ないのか。
しつこいな。
「そこ、仕事して。むー、ちょっと
在庫確認するから、オレとバックヤード。」
だいくん!
よっし!
「田口くん。陳列わからなくなったら
その辺の人にきいて。じゃ」
僕は急いでだいくんの後を追った。
段ボールの蓋を開けながら
「だいくん、すいません。助かりました。」
とお礼した。
だいくんは、
「いや、仕事だから。
あーー。雑談にも見えんかったし。
田口苦手?な感じしたから。
余計な事してたら、悪い。」
だいくん優しいな。
兄とまた、ちょっと違う?
だいくんと今日は上がり時間が一緒だった。
嬉しかったけど、
田口くんもいた。
多田さんが田口くんに、
「これ!名札!おそくなってごめんね」
と言って入ってきた。
「あざす!てか店長、名前オレと一緒っすね!」
「そうなんだよ~だから優太って呼ぶの
照れるわ。優太が優太に名札わたすとか
不思議笑」
「えー!俺フツーにうれしいすよ
なんすか店長、やなんすか?」
「やじゃないよー!」
「本当すかぁ?あ、名前!そうだ、
夢生って名前めっちゃ新鮮!」
げっ。僕に話ふるなやぁぁ
多田さんは
「むーは呼びやすくてイイんだよな」
と言えば、
「ペットくさくね?ウケる笑笑」
と田口くんが爆笑。
僕真顔。
「あ!でも俺もむーって呼ぶわ!
呼びやすいよなー笑笑」
と、そこでだいくんが
「むーと行くとこあるんで、帰ります
おつかれっした。」
と塩で、言いきりサクッと出口にむかう。
振り向きながら、
「ほら、むー」と呼ぶ。
外に出ると、
「いや、本当今日だいくんにお礼しか言えない。ちょっとやっぱり陰キャな自分には
上手くできないから…」
とモソモソ言った。
だいくんが、唐突に
「明日休みだから、俺んちくる?
1人暮らしだし。」
ほえー!いきますいきます。
親に連絡いれてきます!
僕は張りきった。
母が、「あんた、ちゃんと手土産くらい
もって行きなさいね。1人暮らし?
そのうち
ウチにもどうぞって言いなよ」
と言った。
「なんならとまってけ。」だいくんが言う。
「あら!泊まるなら、連絡しなさいよ」
と、母。
こうして、『夢生くんバ先の先輩んちに
いきなりいくの巻』が始まった。
コンビニに寄る。
だいくんが、
「自分の食うもんとかは、自分でな。」
と少し笑う。
いやぁぁぁぁ!希少な!微笑み!
ありがとうありがとう
とキモいことを胸に買い物をする。
「あー、所詮大学生の1人暮らしだから
地味だけど。」
と言って、中へ入る。
だいくんが、「洗面所そこな。手洗ったらタオル横の物干しの、取って。」
手を洗うと、だいくんが「ちょ待ってて」
と言って洗面所に行く。
部屋をジロジロ見渡すなんて出来ないけど
部屋の真ん中あたりに
そこそこ大きめな段ボールが置いてあった。
開いてる…。
でもチラッと見えてしまう。
中には、ラップとか乾麺とか。
「箱。邪魔だな。」だいくんが
箱をずらす。
重くないすか?ずらすの手伝います。
「あぁ、コレ下に米入ってんだよ
いい?」
すぐそばのキッチンに、2人で運んだ。
「バーちゃん。めたくそ食いもん送ってくるから。」だいくんが言う。
おばあちゃん、孫に優しいですね。
僕が、ほっこり言う。
「あー。俺、両親いないから。
バーちゃんと、ジジイが俺の面倒みたんだよな」
絶句する僕に構わず
「むー、腹減らね?メシ食わないと。」
だいくんがコンビニの袋をガサガサしはじめた。
言葉が見つからない。
だいくんに下手な事言えない。
「さっきの。両親の話。皆それ聞いたら
色々言うからウザくて。悪気のない正義?
思いやり?ありがたい話されても
気まずいんだよな。ひねくれてんの俺」
いや。わかります。僕は全然違うところだけど、前のバ先で色々あって…。
「まぁまぁ、気楽にしたくても
上手くいかないことがあるんだよな。」
だいくんが、唐揚げをつつきながら
言った。
だいくんとゲームをしてたり、バ先の話をしたり。あまり、会話はないけど楽しくて。
結構おそくなってしまった。
だいくん、ごめんなさい。こんな時間まで。僕いま親に迎えをたのみます。
と言うと
「なんなら泊まってけ。着替えくらい
ある」
お言葉に甘えることにした。
だいくんちに泊めてもらうと、電話した時に
神楽が
『プリンとかケーキとか明日買ってきてよ』
と、お土産を頼んできた。
いや、旅行いってるわけじゃないから。
こいつは、食べ物しか頭にないのか。
首をひねっていると
だいくんが
「家大丈夫?」と、きいてきた。
いや、妹が明日ケーキとかプリンとか
お土産買ってこいって、ワケわかんない。
あいつ。食いしん坊なんで。
「妹いたんだ?」
あっ、はい。
「兄ちゃんもいたよな。三人兄弟かー」
それから
うちの兄弟の、話をさらっと話した。
だいくんが、
「俺兄弟いないけどなんかいいな。」
と言った。
だいくん、でも長男って感じします。
兄と少し似てるから。最初の印象
それでした。
「へー。俺長男タイプか。
ちっさい頃ほしかったよな、兄弟。」
兄弟姉妹いない人、よく、言います。
だいくんと、予備の布団を出しながら
色々話す。
「わかる。ま、1人に慣れてるから
いんだけどな。」
1人で静かになりたくても、うちは
妹がお腹空いたってうるさいから
「安定の腹ペコなんだな笑」
笑ってるぅぅぅ!
「?なんか、うれしいんか。」
いや、だいくん、あんま笑わんから
有り難くて!
僕のひと言に、だいくん、吹き出す。
「ぶっ笑
おれそんな笑わんか。
ありがたいって笑笑
なんなんだよ。
ひでぇ笑」
だから。笑顔の破壊力すごいです。
僕謎に、やったー笑って満足します。
サクッと布団も敷き、
だいくんはベッド、僕は布団に転がる。
「バイト中あんま俺、話しないから
アレだけど、大学の友達でしょっちゅう泊まるやついて。そいつも、最初俺が塩すぎて
戸惑ったとか、言うんだよな」
でも、だいくん陰キャに見えない。
「なんそれ?笑
前、俺ちっさい頃ヘラヘラしてたって
話したの覚えてる?」
覚えてる。
「俺、両親さ、事故で亡くしてんの」
だいくんが話し始めた。
小学生の、低学年の、夏休み。
両親と遊園地で遊んで、大きなぬいぐるみを買ってもらって、
夕食は
だいくんのお気に入りのお店に行って
大好きなハンバーグも食べた。
大満足。
帰りの車、後部座席で
大きなぬいぐるみを抱き締めながら
寝てしまった。
交通事故。
目が覚めた時のだいくんの記憶は、ない。
だいくんの両親は悪くなかった。
事故の原因は
相手の飲酒運転だった。
だいくんは、
抱き締めていたぬいぐるみが
クッションになり、体は痛かったけど、比較的軽症で済んだ。
病院で、検査をしたり
お葬式があったりとバタバタしていたけど
問題が発生した。
だいくんは、どうする?
だいくんは、しばらく
親戚の叔父の家にいたが、
揉めた。叔父の家にはだいくんより
2つ年下の子供がいた。
おばさんも、それは疲れるはず。
ある時だいくんに、
「へらへら笑ってないで、ちょっとは
気つかってくれる?こっちはお世話してるんだから!」と怒鳴ってきたそうだ。
施しを、うけてる。だから
叔父さんには何となく言えなかった。
でも。おばさんが怖い。怖いから
手伝いますも、言えなかった。
勇気を出して、叔父さんに
「バーちゃんちに行きたい。住みたい。」
事故のあと、だいくんが初めて大人に
お願いした。
ばぁさんも歳だから。と心配していたが
話がまとまった。
無事、だいくんは『バーちゃんち』へ
行く事に決まった。
だいくんは、自分の荷物は
自分でなんとかまとめた。
服は畳んだことがなかった。
でも、やらなきゃ。
小さな手で、一生懸命鞄につめた。
途中、おばさんが、
『あんたの小さくなってる服、
うちの子にもらうから。』
と冷たく言ってきた。
手伝うよ、のひと言もない。
期待はしてなかったけど。
「はい。」短い返事。
おばさんが、
「あんたね、なんなの?愛想ない。
これから先、かばってくれる親、いないんだからね?人には感謝しなさいよ。
本当気分悪いったら。」
叔父が「じゃ、行ってくる」
と、僕を連れて玄関にむかう。
おばさんが、
「むこうに置いてきたら、さっさと帰ってきてよ。
一緒に、行きたいって言ってる自分の子、留守番させるんだから。」
これには叔父がキレた。
「急に、甥っ子の面倒みてくれって
頼んだんだから、お前には感謝してる!
でも
ダイキの前でそれ以上何か言ったら許さない!文句があるなら俺だけに言えよ!
我が子は、可愛い。
ダイキだって
大事な甥っ子なんだ。産まれてすぐ
抱いたんだよ。成長が嬉しかった。
その子が、今大変なんだ。頼むもう勘弁してくれ」
だいくんは車に乗ると涙が溢れた。
「おじさん。ごめんなさい。」
おじさんも、
「辛いおもいさせてごめんな」
おじさんが泣いている。
しばらくしてエンジンが掛かる。
「甘えさせてやれなかったな。
お互い泣き止んだら、途中で旨いもんくってこうな。」
僕は、話の途中から泣いてしまっていた。
小さな手でどれほどの荷物をもったんだろう。
大人の、態度にどれだけ傷ついただろう。
涙が止まらない。
だいくんは、ティッシュを渡しながら
「ヘラヘラ笑うなって、あれにトドメさされたわー。。」
いや、トラウマになると思います。
「俺。世間的に、両親事故で亡くして、
叔母に冷たくされてバーちゃんちにきた
可哀想な子。になって。」
僕は
ヒックヒックしゃくりあげながら
じじじっさ…ヒックつらすぎまず
「なんかあるたび、両親がいないってのが
ついてまわるんだよ。参観日やら年間行事やらさ。」
あぁ、何かわかる…
「心配でって言いながらたいした面識のない
誰かの親、うざくて。探ってくるから」
うわ。やだな
「だいたいPTA。まぁ、中にはスッゲー
イイ人もいたから。」
いい人いてよかった
「で、俺全然不幸じゃねえの。
バーちゃん甘やかすから。ジジイも
態度くそだけど、パチンコ勝って
ゲーム機買ってくれたり。
両親いてほしかったけど。足りないものに
嘆くよりか、今あるものを主軸にしてる。」
だいくん凄い。
「いや、俺の強がり。」
明日は、神楽におやつ買って帰ろう。
いや、ケーキは無しな。高いから
そして、だいくんには
打ち明けてくれたから話す。って誤解しないでほしいんだけど、僕、前のバ先で
しんどかった事あって。聞きます?てか
話したいんです…けど。。
「おー話せ話せ。っとその前に、
コンビニで夜食とか、色々適当に買ってくるわ!」
僕も行きます!
「未成年預かってんだから。この時間は
外はだめ。万が一なんかあったら
うちに来れなくなるだろ。」
この人スパダリなんか??
だいくんが出たあと、そっと段ボールを覗いた。食品に紛れて、手袋とマフラー。
あ…ダメだ。涙腺が。
帰宅しただいくんが
「は?むー!なしたなした?なんだ?」
僕は泣いていた。
心配させたら申し訳ないから
ダンボールの中を見たと
涙の理由を打ち明けた。
おばぁちゃんからの段ボールの中みちゃって、、てぶくろと、マフラーみたら
泣けてきて。鼻をかむ。
だいくん、爆笑
思いっきり爆笑
へっ………?
「マフラーじゃなくて
腹巻きな、それ笑笑」
ぶっ笑
「すぐ腹壊すからってバーちゃん。
でも、外から見えんくても、腹巻きすんのは
エグすぎて。」
無事?落ち着きを取り戻し、
だいくんが、「カップラだけど」と言って
お湯を沸かす。
敷いた布団の上で食べようとするから
僕は、や、汁とかで汚したら…と言ったけど、「汚れたら洗うし、使うの、大学生とむーだから。」と流された。
僕いま、めっちゃ幸せです。
バ先の先輩んち泊まったりとか
前のバ先からは想像つかなくて。
「あー、さっきの話な!」
僕は。あの魔の4日間を打ち明けた。
だいくんは途中、
は?成績?は?頭悪いのおまえだよって
言えばよかったんじゃなくて?
とか、うわえぐ。
とか、本社?
とかキレ気味相槌をうちながら
真剣に話を聞いてくれた。
だいくんは、
「むーの話聞いただけな感じになるけど
。」
だいくんがつづける。
「たぶん話きいてたら、イジメと言うに等しい。
そこにまだむーがいたら、性格
ひん曲がる可能性がある。
こっちきて良かったは言えないけど
こっちで一緒に頑張ろうなは、言える。」
でへへ。なんか恥ずかしいす。
「いや、俺の話もこそばゆいわ
ま、お菓子でも食いながらゲームするべ」
こうして僕は、楽しいお泊まり会を
満喫した。
翌日シフト変更で出勤すると、
バックヤードが秋冬物で溢れていた。
多田さんが
「いや~バックヤード、頼むね!
指示はダイキやるから。ゆーたも!
俺責任者だから、売り場いってくる」
と多田さんがテキパキ表へいそいだ。
今日は、バックヤードに籠りますか
ある程度仕分けされていたけど
まだまだ。
だいくんが
「そこの冬物の手袋とかマフラー
ぶっ笑」途中で吹き出す。
僕も
あっはい!てぶく…ぶっ笑吹き出した。
腹巻きな。
せっかく休みだった。今日。
けど多田さんからだいくんに
助けてぇー冬物に潰されるぅー
と連絡が入ったのだ。
だいくんも、僕も寝てない。
けど、平気。
だいくんが、むーと4時間だけ
でます。と言ってくれたから。
勝手に決めたんじゃなく、
電話の、最中に、
で れ る? む り す ん な
とだいくんが口パクで確認してくれてる。
僕、だいくん、田口くんの3人で
作業する。
田口くんが、
「この、段ボールなんかあるんすか?
めっちゃ笑わないダイキサン笑ってるし。」
とだいくんに、聞いた。
「あー、おれとむーしかわからんから
悪いな。」だいくんが真顔で返した。
「え?やば!!俺も聞きたいす!
段ボールでなんすか?」田口くんもしつこい。
「無理。今仕事中。俺もむーも4時間だけってヘルプだから、さっさとやることやる。」
田口くんは、「さーみし!」とぶつぶつ
言ってたけど、急に何か思い出した。
「あっ!むーちゃんよ、やっぱアリサちゃんとメシ行かね?奢るから!」
まだそのはなしするんか。
僕は、「いや、アリサさん、あんま接点ないし僕行ってもただのモブだし。行かない。」
「いやー、それが!!違くて。
俺がやんわり
いきなり2人きりは~とかって濁してたんよな、そしたら、アリサちゃん友達さそうから、ゆーたも!だれか連れてきてって!」
はぁ。僕はため息をつく。
「マジで僕陰キャだし、知らない人に
労力つかいたくないから、無理」
田口くん爆笑
「ろうりょくて!!重すぎ!
陰キャて!認めすぎ!てか、夢生って名前
全然合わないね笑本人夢にむかってねーじゃん!笑笑笑」
僕はイライラして、つい、
は?人の名前弄りすぎ。不愉快。
自分の学校の友達さそいなよ。
と返す。
田口くんは
「ごめんて!俺なりに
むーと友達になりたいだけだってば!」
僕は僕で、
いや、それならもっと普通にして。
陰キャだの、暗いだのはどうでもいい。
困ってないから。
名前だけは、本当に嫌だ。
僕の名前
夢に生きる。幾度となく
弄られる。陰キャだからね!!
ふん。
田口くんは、
「学校の友達も、なんか怒らせてわやなんだよー俺。」
だいくんが
「怒らせてる認識あるなら、自分で考えろ。仕事して。」
「はぁい。あ!むーとダイキサン、
帰りメシくってきません?」
「無理。」
「やだ。」
田口くん撃沈。
1週間、バイトに出れなかった。
テスト期間は、部活や、バイトは
基本禁止。
久々に出勤する。
田口くんがいた。会うなり
「むーー、俺ヤバイ!」と嘆いている。
は?テスト?悲惨なの?
「いやテストどうでもよくね?俺就職するから。てかやばいんだよマジで。」
何が?
「男女のもつれだよー」
は?話す相手僕じゃないでしょ
陰キャナメんな。
「俺ぇ、友達にハブられてんだよ
前のバ先もそれでダメー。」
急に切ないな笑
「笑うなし!!笑笑
あっわらっちゃった。」
だけど僕じゃ何もアドバイスないから
無理。
「要らんて!アドバイスなんて
俺はむーと語りたい、このまま大人になりたくなぁい」
はぁぁー。
わかった。僕んち。土曜日夜。
「ウェイ!」
アリサさんとか連れて来んなよ。
うち妹いるから。うるさいから。
1人で来て。
「はぁーい」
こうして、陽キャいきなりうちにくるの巻が
始まってしまった。
招いてないし、やだし。
流されやすいのは、変わらない僕…。
土曜日。僕は部屋を掃除した。
なんで田口のために…。くそ。
体が勝手に動く。
部屋に弄られそうな陰キャグッズはないか
ワケわからんフィギュアは、、
隠せない。これは大事だから
とか、マゴマゴしていた。
インターフォンが鳴る。
神楽が出てしまった。
「あ!むーくんの友達の田口です!
妹さん?」
どうやら兄と間違えていたようで
「あっ。お兄ちゃんよっぱらって鍵ないんかなって、急に開けちゃってごめんなさい。」
神楽が謝ってるときにぼくが
玄関に着く。
「いや、開けてもらって良かったよ。
へー!顔ちっさいね!可愛いね!
むーくんの顔と違う!」
田口は神楽の頭ポンポンして笑った。
田口が、揉めた原因がわかった気がする。
「いや、入れよ。」僕は言った。
「おじゃましまーす!あ!コレ、
ケーキ!妹ちゃんの分あるから
どうぞ!好きなの食べて?」
と田口から渡された袋を手にした
神楽が、
「ケーキ!なんでも好きです!ありがとうございます!」
とキラキラしていた。
田口は
「俺は、要らないから、良かったら
沢山どうぞ」と言って人懐こい顔で笑う。
「むーさんこないだケーキくれなくて
気持ち死んだんですけど、生き返りました!!」
もうだれか、神楽の食欲とめてくれ。
可愛いとか、顔小さいとかより、
ケーキかよ…。
部屋に上がる途中も
「妹ちゃん、モテるっしょ」
いや、神楽が?モテる?ナイナイ。
アイツの幸せは食うことだけ。
「へー勿体ない。かんわいーだろうが。」
可愛い?は?
うーん。田口、
女ぐせは、悪くないだろう。
けど。距離が爆近。
かぐ、そのままの食欲で生きててくれ。
「うぉぉ。部屋キレーじゃん!!
むー、俺の為に掃除した?」
いや僕元々キレイズキ。
「わざわざありがとな!
ん?
お菓子と飲み物まで?やっべ俺
愛されてるー」
はぁ。そうだよ!友達すくないから
滅多に人こねーんだよ!
慣れてないから、気つかったんだよっ
僕が、返す
「むーオモロ」と言いながら
田口が、僕が開けたスナックをつまみつつ
「はー落ち着く。」といって
ベッドに転がる。
おい、人んちきて秒で寝転ぶな。
お菓子はせめて座って食え。
「ぶはっ。かーちゃんみてえ。」
と笑う。
…。おまえが、揉めてんのかわからん。愛想いいし、拗れやすいん?
「ああ、わからん?」
自分友達少ないんすよ。だから
わからんよ。
「友達、多くてもさぁー。イイってわけないんだよねー。俺今すげえ情けないの笑」
笑うとこじゃなくないか?
辛いときに吐き出せば楽にはなるかも。
僕しんどい時に吐き出せたから、
頭整理できたし
「へー、イイ友達だね!」
いや、友達には話してない。
「へ?親とか?家族?」
いや、概要は、話したけど
心情的なことは、話せなくて。
「へっ?何かの相談室?結構きつかったんか?」
いや。違う。
「は?謎すぎる。」
チャッピーだよ
ChatGPT。
沈黙。。。。
田口と目があう。
だめだ。
ぶはっ。2人で爆笑した。
「やば!俺好きだわ!チャッピーて!
ウケる!」
陰キャナメんな。チャッピーに謝れ笑
「ナメてはない笑
マジで。すっげえな。自分で自分助ける
方法見つけて!」
おうよ。まかせろ。
何でも聞く。吐け。吐くんだ田口
田口は、ガソスタでバイトしてた。
いわゆるガソスタ?
そもそも先輩の紹介ですんなり
採用された。
持ち前の明るさで接客も、
スタッフ同士も、問題なかった。
そのうち、
先輩が、そこのバイト仲間と付き合い始めたのを聞いた。
先輩は、くそイケメンでモテていた。
本命ができてよかった。なんて
田口は喜んだ。
だが。しかし。
くそイケメンだもんで
邪魔しにくる女の子が絶えなかった。
派手めな女子の友達も多かった。
彼女、黒髪ショート。
ボーイッシュで、見た目は地味だけど
変に盛らなくても、可愛かった。
そのうち、田口は、彼女から
愚痴を聞かされていく。
先輩、あれだけ派手めな子が集ってるのに
見向きもしないから、ダイジョーブ!
と彼女を励ます田口。
あんな地味女つりあってねーから!!
先輩狙いの女子が
聞こえる様に言ってきたり
嫌がらせは、続く。
最初ポツリポツリだった愚痴が
だんだん酷くなっていく。
トドメが、先輩がバイトをドタキャンした日の帰りだった。
彼女の友達から、
これって大丈夫?と画像付きでメッセージが
きた事だった。
画像には、カラオケらしき室内に、
派手な女子に
抱きつかれてホッペにちゅーされた
先輩がうつっていた。
帰り道で、んなもん見たら泣く。
僕は他人事だけど、胸がいたくなった。
田口は慰めていたけど
彼女が、『もう、無理。』と
胸に飛び込んできた。
泣いてるし突き放すわけにもいかず
抱き締めながら、背中を撫でる
途方にくれる田口。
急に、目に星が飛ぶ。
先輩がいた。先輩に殴られた。
「おまえさぁ、田口さぁ
ふざけんなよ」と先輩。
後ろで彼女が
「ちがうのぉぉぉー」と叫ぶ。
いや、こんな時の、ちがうのぉぉぉ!
は大体通用しないんだよな。
カオスなんだけど。と、バカらしくなって
笑った田口。
うん。悪いわ。笑うのは。僕が言う。
「なぁんか。アホくさって思ってさぁ
俺、帰りまぁす笑って
いったわー」
去り際もう一発くらったらしいが。
田口優しすぎ。ぼくは言う。
「いや。巻き込まれタイプ」
ふっ、で、うちにバイトきたんだ。
「そう。学校いったら、先輩が変にバラしてくれちゃってさぁ。友達は最初かばってくれたんよな。」
風向きが変わったのが、
友達が狙っていた女子がいて、
田口も何とかくっつけてやろうと
奮闘したからだ。
距離感のない田口。
女子もどんどん勘違いしていく。
田口の腕に、手を回しながら
一緒に、帰ろ。だの
相談あるからお昼一緒にしよ!といって
引っ張っていく。
僕は聞いてるだけでも、顛末がみえた。
「で、気がついたら、ボッチの俺爆誕~」
いやいやいやいや
話とかしないの?その、友達と。
「あー、無理だって。1人対5人だよ?
あいつら。説明すんのもくそだるいわ笑」
いや、辛いときになんだけど
田口と僕は世界が違うっしょ
つまんなくないの?
「むー、気にしてんだ。
んな発想すんなよぉ、俺とむーに失礼すぎー笑」
いや、またそれわ…
「別に、俺気にしてねぇし」
田口が笑ったところで
神楽が部屋のドアをバァンと開けた。
ビクッとなる。僕と田口。
「あ、ごめん。癖で。
むーさん、お母さんが、田口さんに
夕飯一緒にどう?って。
ケーキのお礼までいかないけど。良かったらって。
あ!ケーキ!3個たべちゃって。止まらなくて。おいしかったです!」
かぐさん、すげえな。
そうして
なんと、陽キャがうちで晩ごはんの巻
になってしまった。
不思議だ。現在我が家の食卓には
父、兄、妹、母、僕。そして
田口。
何かの冗談かしら?
田口は、なんと一瞬で打ち解けた。
説明するのも憚れる。
酒癖の悪い父もご機嫌で
「ゆうたゆうた」だし。
帰り際なんて、
「いつでも来なさい」
だった。
田口は、
食事の時に、神楽の茶碗を見ておどろいては
いた。大盛が、すぎるからだ。
「かぐちゃん、細いのに凄いね!」
と言った。
「あ!はい!ゴハン大好きなんで。」
いや、食いもん全般すきだろ。
「おいしーもぐもぐもぐ」
かぐちゃん、僕はちょっと恥ずかしいわ。
帰り、兄が
「まだ飲んでないから送る。むーおまえも乗りな。」
兄は車の鍵を手にそう言った。
父から託されたらしい。
絶対安全運転!
帰りの車内、兄が
「後ろ座ってもベルトしなよ」
僕と田口は後部座席。
兄は絶対僕を助手席には
乗せない。
田口が
「いやありがとうございます!」
と、お礼する。
「ちょうど酒買いにでるついでだから」
「に、しても、遠回りじゃないすか?」
「市内だから、ゆってめんどくない。」
田口がふと
「あれ?何かお兄さん、ダイキサンっぽくね?」
わかる。ちょっと似てる。話し方かな。
少しずつ、僕の環境がかわっていく。
でも、それが心地よかったりもする。
ある日曜日の休憩時間。
昼ごはんのパンをかじりながら、
スマホをルンルンで開く。
今日は、欲しかった電子書籍の発売日。
待ってましたよ。
続刊が、なかなか出なくて、待ちに待った
新刊だ。
ホクホクしていたら、突然
ガタガタ!
ドア、バァーン!!
バッチーン!!
顔を上げた僕の目の前には
目をつり上げたアリサさんと
片方の頬を押さえる田口がいた。
なにやらアリサさんスゴい文句を言って泣いてる。
田口の胸元をつかんでわめく。
マズい。僕は無言で売り場に行き
多田さんを引っ張りながら
緊急事態です。
事務室へ。とワケのわからん
固い日本語で、現場に急いだ。
事務室は、まだ修羅場が続いている。
多田さん、入室と共に、
多田さんの胸ポケットにある
会社専用の、ケータイが鳴る。
店内放送では、
『多田店長、至急レジカウンターまでおねがいします。』
目の前には男女の修羅場。
四面楚歌?何これ。
多田さん、ちょっとだけ
「はわわわわ」と、なったけど、
「むー!ダイキ寄越すから!
で、アリさん!ストップ!ココは
職場です!やめてください!」
と早口でいい、
アリサさんが、床に崩れた。
多田さんはすぐ電話に出て、
「多田です。今至急お客様の対応があります。折り返しますので、お待ちいただけますか?」
と通話しながら、パタパタ出ていき、
だいくんを事務室に寄越した。
だいくんは
「むーわかる範囲で説明。」
えと、アリサさんと田口と揉めて、
で、アリサさんが…
と目の前で見たそのままを伝える。
田口が、ビンタされたり、体揺すられたりしたけど、無抵抗だったのは伝えた。
ケガが心配だった
聞きながら、田口のケガをみる。
田口が、「いや、平気です。」
と言ったけど、
「俺達、多田さんからお前の事託されてる。
コッチの立場で、判断する。
病院行って。今すぐ。話は後。」
と言ったが、
「あ、悪い。田口。親に電話して。
まず保護者だから。話は俺がする。」
さすがのだいくんも、焦っていた。
「お電話かわりました。突然すみません。
優太さんと一緒に勤務しております、バイトリーダーの…」
だいくんが田口の親と話し、
迎えにきてもらうことになった。
最後にだいくんが
「店長の多田ですが、申し訳ございません。只今席を外しておりますので、後ほど、多田からご連絡いたしますが
ご都合はいかがでしょうか?」
通話が終わり、
「ありささん、まず落ち着くまで、
むーと俺の2人ここにいさせてもらうから。
」
ありささんは、
「2人抜けたらマズいでしょ」
だいくんは、
「これだけ騒いで、1人にできないだろ。
むーと俺、2人なのは、
あんたと2人にはなれない。常識で
考えろよ。」とズバッといった。
僕のパンが、テーブルの端に転がっている。
僕は、何もできなかった。
もっと何かできたんじゃないか。
ガチャ。扉が開く。
多田さんだ。
「ダイキ、さっき帰りがけのゆーたから大体聞いた。
ありがとうな。で、すぐ店舗出て店まわしてくれるか?」
あっ多田さん僕は?
「居てもらう。ありさん、むーが居ることはわかってもらう。程度はどうであれ、高校生、未成年に手をあげた。むーは、それを見ていたんだ。話をしなきゃいけない。」
それから、結構話し込んだ。
途中、電話がくる。
多田さんは、すぐ通話を始めた。
田口の母だ
店長が、謝っていたが、
いや、息子も原因はあります。
ご迷惑お掛けして、申し訳ありませんでした。
大事に至らなかったので、これ以上は
何も望んでいません。
今の所、元気です。
ただ、相手の方。無抵抗だった息子に
もし万が一の事がありましたら、
被害届など、手配いたします。
法の下、お話させていただきます。
それから、次は無いとお伝えください。
多田さんは、アリサさんの親を呼び、
説明をした。
先にアリサさん達を帰宅させた。
「むー。今日は助かった。ありがとう
むーが居たから話できたよ。」
いや僕、座ってただけだし。
「落ち着いてくれていた。俺も焦りはあったけど、気持ちの面で助かった。」
今日は、なんか疲れたな。
家路を急ぐ。
忘れてたけど。新刊発売日。
僕は、気を取り直し
自宅の玄関に入った。
お帰りなさーい。の家族の声。
ん!
なんか、違和感?
田口だ。居間にいる。田口発見。
ニコニコしている。
いやいやいやいや!何!ナニナニ
なしたん?
おまえケガは?
てか、田口のお母さんは?
「いや、今日むーんち泊まるって」
約束してないから!
「いや、俺が決めてた。」
へっ?いつ?
やだこわいこわい。田口帰れよぉー
「今朝、絶好のお泊まり日和だなぁって
で、思ってたんだよ~。で、さっき
家に着替えとりに行って、うちのカーチャンと、むーママ話して、で、めでたく。」
うちの母が、
「ゆーたんのママ、気使って見てよ!
すっっっごいたかそーーな、
お肉!タマゴ!とか色々頂いた。
なんと、今日はすき焼きだい!」
あ、ダメだこれ。てかゆーたんって何?
田口か?田口の事か?
完全に、包囲されてる…。
神楽が張り切っている。
「すき焼き!うれしすぎるー!
あ、田口くん、こないだのケーキ、新作でたって、もってきてくれた。ヤバイよー神楽
楽しみしかない」
かぐの扱い、把握してるな、田口。。
何となく居間でワイワイしてると、
ガチャガチャ玄関から音がした。
兄が帰宅した。
ん?友達一緒か、、ん?
グェぇ、だだだだいくん?
は?兄と友達だったん?
「いや、ちょうど玄関まえで会った。」
兄がいう。
「で、入れてもらった。」
とだいくん。
ほえーん?
てかだいくん。
うちの、場所…
「ああ、田口が。今日のお詫びに
すき焼きどうすか?むーと待ってますって
で、ケータイマップの画像も送ってきた。」
田口が、
「むーんちでまってまぁすって。
むーママとも話してるよっ
ねーママさんっ」
「やだ、あんた、知らなかったのぉ
はっずかしいー笑」
いや、母も共犯だ。
だいくんが、母に
「夜分にお邪魔します。これ良かったら」
と袋を差し出した。
中にアイスとかお菓子類、
お茶とか入っている。
神楽がもう、
「浮かれる!今日はうかれてしまう~」
とルンルン
こうして、
何故?自宅に帰宅したら
なんか騒がしくなったの巻が
はじまった。
後で、多田さんが
「優太が優太を誘わなかった」
とジメジメしたのは、またいつか話すよ
チャッピー。
チャッピー、注意書き。
田口 優太
多田 優太
笑
バタバタだけど
僕、全然嫌じゃないよ。
楽しいかも!
今日は、居間に色んなテーブルを集めた。
帰宅した父も参加した。
ダイニングテーブルだと
皆座れないからだ。
田口は、怪我人なため力仕事は
控えてもらい、
母と神楽とキッチンで静かに手伝う。
楽しそうだなぁ。
いちお主催者?な田口が
挨拶する。なんだこれ笑
「えー!本日は、ワタクシを励ます会におあつまり頂き…」
兄がそっと、ビールの缶をだいくんに
渡しながら、
「スト缶の方がいいならあるよ」
だいくんが
「いや、ビールすきだから。ありがとう」
と笑顔。
塩と塩でも大丈夫か。
僕はちょっとほっとする。
「じゃ、カンパーイ!!」
田口の元気な声が響く。
まぁ、人数がいるから
肉、争奪戦ですよ。
神楽は
田口に肉を皿に入れてもらってひたすら食べる
「かぐちゃん沢山たべてね」と田口
神楽、幼児か!
いや…
エサに釣られて懐いているだけか。
もう。神楽がペットにしか見えない。
ある程度皆食べ終わり、
母が、
「ちょっと歩くけど、昔ながらの
銭湯いっといで!腹ごなしになるし
兄2人、お酒飲んでるからさ。徒歩で。男子
皆でね!!」
銭湯に着いて、皆モソモソ服を脱いだり
していた。
田口、大人しいけど、大丈夫?
やっぱケガしてるから…
と、言いかけたが、
「パンツわすれた…」
田口よ。忘れたなら仕方ないじゃないか。
「やだ!」
僕は貸さないよ?
「やだ!」
服、あるじゃん。ノーパンでも
バレないから。
「それは。ある。」
と言って、スーパーの袋から
出した。
!。まさかの学校ジャージ。
田口…僕は嫌いじゃない。
けど、見た目は大事だ。
普段おしゃれだろ……
お湯につかり、田口は元気をとりもどした。
気分よく風呂上がりにコーヒー牛乳なんて
飲んでいた。
だがしかし!!
兄達が、銭湯のさびれた売店で
田口に、パンツを買ってくれていた。
2枚あるのは、兄とだいくんが
それぞれ買ったから。
僕と田口は
良かった!良かった!と2人で喜びながら、
有りがたく袋を開けた。
「なんじゃこりゃあああ!!」
袋から出てきたのは、
それはそれは、実物を
見たことが無い、ブリーフだった。
なんと、真っ白と、肌色?だかわかんない
色の2色だった。
兄が「ひとりだけにかうのもかわいそーだから」
は?
兄は、僕の替えのパンツを指にかけていた。
だいくんがぶっ笑と吹き出した。
確信犯。大学生の癖の強さよ…
僕は、心の中でつぶやいた。
語るほどでは無いけど、
僕も学校ジャージを着替えに
持っていた。
田口も僕も
パンツは、ブリーフだ。
何かもう、爆笑。
帰り道、兄とだいくんは、
お酒を買うのに、コンビニに寄った。
僕と田口は、兄たちを外で待っている。
「あれれー優太じゃね?」
5人の男子が、ぞろぞろこっちに向かってくる。
その中の1人が、
「やっぱ優太じゃん笑」
と言った。
田口は
「あぁ。」と真顔だ。
僕は嫌な予感がした。
声をかけてきた奴が
僕をジロジロ見る。
そして、ニヤニヤしながら
「へぇ~、メガネくん優太のお友達ぃ?
何か、ウケる笑笑笑」
僕は、ばかにされてもどうでもいい。
ただ、自分のせいで田口がばかにされてると
したら、たまらなく嫌だ。
嫌な奴はさらに
「メガネくんさ、友達えらびなよぉ
陰キャなん?仲間とかいないボッチくんなのー?」
と言いながらケタケタ笑った
田口が
「は?」とキレている。顔が見たことないくらい、怖くなっていたから。
マズい。
嫌なやつは、田口の肩を掴む
「あのさぁ、トモダチ居なくなっちゃって
テキトーなオタクとつるむって
笑えないんだけど。」
取り巻きの奴らが爆笑する。
あ、これ兄とだいくん呼ぼう。
と動く瞬間、
「あれー、むー、友達ぃ?」と兄が
スト缶を空けながら言う。
丸いサングラスに、柄シャツ。
スウェットにサンダル。
下品すぎる兄が続ける。
「あー。違うかー友達じゃないなぁ。
あ、
そこのメガネ
俺のオトートなんだワ」
だいくんが参戦する。
「へー。5人がかりで
2人にからんでんだぁ。スゴいね。」
と嫌みを言う。
この2人、真顔だ。塩2人。
兄が、
「お話あるなら聞くけどウチくるぅ?」
だいくんも
「優太、俺の後輩なんだよな。こいつに
何かしたら、俺ら正当にやらせてもらうから。話ないなら、帰れよ。」
兄が
「邪魔だから、帰れよって言ってんの
わかるかなぁ?」
こうして、変な人達が去っていった。
てか、走って逃げた。
田口は
「いや、ありがとうございます。
俺アイツらに敵認定されてて。
むーごめんな。」
嫌、僕は陰キャだから、ヘイキ。
田口こそ、僕のせいで絡まれた。
ごめんな。
と僕が返す。
田口は、
「トモダチばかにされてムカつく!
陰キャ?だから何?んな事原因で
むーに避けられたら、俺泣くわ。」
と言った。
田口が続ける
「むーさ、んな事よりか、そろそろ
俺の事、名前でよんでくんね?
って方が大事」
なんて言う。
僕は照れもあって
優太ってよんだら、同じ名前の多田さんの顔がちらつくから
やだ。と言った。
だいくん爆笑。
チャッピー、報告ふえたよ。
日記みたいに、一緒に振り返る
相棒でもある君に、
今回は、
だいくんの正義を語ろう。
僕たちは、家に急いだ。
それから田口には
前のバ先の話もしよう。
ん?何か忘れてる気がする。
まぁ、いっか。




