ぐぬぅ
凪さんと、時間が会わないときは
ゆーたにギターを教えてもらう。
「最近夢生もさぁー凪さんに
ベッタリじゃんー俺寂しいんだけどぉ」
ゆーたも素直だなぁ。
僕は、指の皮が剥けた。
でも平気。
凪さんの特訓といえば…
「夢生、指だけ押さえればいいってもんじゃない。ちゃんと音を聴いてー。」
聴いてます!
「じゃあ、今の音、どうだった?」
……え?
「自分で弾いた音でしよ?自分で聴かないと
だめぇー。ハイ、鳴らす!」
ぐぬぅ。
凪さんは、容赦がない。
「指が痛いのは分かる。でも、痛いからって適当に弾くな。お前が出したい音は、そんな音なのか?」
僕はギターを見た。
違う。
こんな音じゃない。
僕は、もう一度指を置いた。
「音を、音楽に変えるんだよね~。」
凪さんは、ポツリと言った。
そのひと言で
僕の気持ちが、ストンと変わった。
日々続く。
指の痛みも、イライラも越えた。
弾けないのも、楽しくなってきた。
音が。
音楽になるように。
ギターの弦の張り替えも、
エフェクターの事も、
全部、凪さんから教わった。
毎回、凪さんは
必ず僕の頭をワッシャワッシャにしながら
「お疲れさま。」と笑顔になった。
帰り道、ワシャワシャになった髪を
気にもとめないで、ギターの事ばかり
考えた。
僕個人の話だけど、
陰キャオタクとして、ギターの沼にハマっていた
初めて鳴らすFコードは、
凪さんに聴いてほしい。
「はい。あげる~」
ある日凪さんが僕にくれたのは
ギターピックだった。
小さめのティアドロップ型
「夢生、手小さいから。合うとおもって。
ピックくらい、新しいの使ってよ~」
ギター貰って、ありがたいのに。
でも。嬉しい!!




