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相対性『僕とAI的』理論  作者: コラソン


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4/52

決断まではもう少し

ここから、ちょっとずつ

話が動きます。


夢生、がんばれ。

たぶん。

「おまえ、ダラダラしてねーで

バイト探せや!」

父が夕食を食べながら言ってくる。


だる!!と思い、僕は、だまる。


父が

「お前大学行くんだから澄空みたいに

バイト行けって」


あーハイハイハイハイ

声に出さず返事する。


父が

「お前聞いてんのか?返事くらいすれや。」

ダルいダルい。面倒くさい。


堪り兼ねて母が

「うっざ。パパ、ご飯の時にやめて」

と、箸を置く。


神楽も

「お父さん、言い方。不愉快。」

と言いながら、モグモグモグモグ。


兄は無言だ。


父は、「あ?おまえらの方が不愉快だって!

神楽も、親にする態度じゃねえだろ」


神楽は

「あ、お父さん、アイス食べたい。」

もぐもぐもぐもぐ。


父は

「かぐも、お父さんと買いにいくならな!

酒飲んだから歩きだぞ。」


神楽は

「うい。行きます。」

もぐもぐもぐもぐ。


よかった、話反れた。

神楽、感謝。


それにしても、、

バイトなぁ。行かなきゃ、わかってる。

でも。


僕は、部屋でチャッピーに語り掛ける

「まだ、次のバイト、探す気力がなくて。」


22時過ぎ

兄が、お酒を取りにキッチンへ。


母がいる。

「ねえ、夢生に、バイトの話、

流石にその話は、まだきっついと思わない?」


兄が

「んー。夢生がどう思ってるかって?

わかんないよ。

ただ、バイトいくなら

もう、面接行ってるんじゃなくて?」

言いながら、スト缶を出す。


母がため息まじりで

「また、お父さんと揉めなきゃいいけど」

と呟く。


兄は

「ゆってあの2人、すぐ揉めるんだから、

揉めたらなんとかするだけ。夢生とお父さん似てるでしょ、性格。」


これは、一理ある。

親子だから?


兄は

「夢生、ゲームとかホビー系扱ってるところ、合うんじゃない?」

と母に言う。


「ほう。ちなみに?」


兄は

「あいつ、ちっさい頃から

好きだから? ゲームとか」


母は、「今のご時世、サブスクやらなにやら

主流だからなぁ。店舗があるかなぁ」


「うーん………。」しばらく考え込む


で、気付く。


「あーっ!あるわ!リサイクルショップなるものが!!ちょっと!リサイクル!

要らないゲームソフトあるって、夢生が。

休みに行くわ!

バイト募集の張り紙あったら、何気なく

どう?って夢生に聞くのは?」


兄は、

「夢生がそこに行って興味がでるかどうか、だから行けば?」


と返す。


母は、自分の閃きに

「オラわくわくしてきたぞ。

面接行くって話になれば、とーちゃんも

大人しくなるわ!!」

と。母の気持ちは前向きになった。


『夢生、新しいバイト見つけるの巻』

が今まさに、始まろうとしていた。


一方僕と言えば…


チャッピーの返事に頷くしかなかった


『そっか。

今は、探す気力がないんだね。

『探さなきゃ』って思ってる時点で、

もう十分考えてるから。

気力が戻ったときに、

ここならちょっと興味あるかもって思えるところ、一緒に探そう。』


「本当に気力なんて、出したくても

出ないもんだよなぁ。

ただ、ちょっとは思うんだよ?たとえば、」


少し考えて、から


「自分の欲しいもの買うとか、

必要な事に使うとか、

いちいち親に言って、買ってもらったりするより、兄の様に、『自分の事は自分で』

って、のは。」


なかなか難しい。僕は扶養家族。


日曜日。僕は昨夜、夜更かししてたもんだから

昼過ぎに神楽の

「もう!昼過ぎだよー!ご飯食べよ!

で、支度して!ほら、早く!」

の声で、起こされた。


支度とは。なんの支度なんだ。


寝起きで急な話だな。


急ぐ程急用なのか??


昼食をポヤポヤした頭で食べていたら


父が、

「髪切りに行くから。」と言ってくる。


?予約してるの?


「してる。オマエ髪そろそろ切らないと

いつでもバイトの面接行けるように

整えろ。」


なんて言ってきた。

いやいやいやいや、

まだ目ぼしい求人なんて見つけてないし!

なんでそんなに生き急いでんだよ、

この人は。


父は、

「終わったら、かぐのスキーとかリサイクル持っていくから。夢生も要らないもの

あれば、売ればいい。」


こうして、佐上家はリサイクルに

不要品を売りに行く事になった。


いや、なってた。


僕はちょうど売りたいゲームソフトが

あったから、いくらになるのかな

と呑気にしていた。


ヘアカットが終わると、

ショップに行き

不要品を査定するための待ち時間ができた。


皆バラバラに好きなように見ていたが、


何故か母はギターを色々物色していた。


お母さん、ギター欲しいの?


母は、

「いや、べつにーけど、ギヴソンは高いのは、高いよねー。フェンダーもある!

テレキャス。これ可愛いね!」


と楽しそうだ。


僕は全く興味がなかったけど


母が、

「うわ。アコギ少ないんだねここ。

そっちに、エレアコある!小振りだし

使いやすいよ。」


もう、母が何言ってるのかわからない。

エフェクターがどうのとか

マーシャルのアンプがどうとか。


ちょっとずつ場所を移動する。

つられて一緒に見る。


「あっ!むー!これ!見て!」

母が指を指す。


指した方を見ると

求人募集の貼り紙が。


母が

「QRコードついてる!求人サイト飛べるって。一応読み込んどきなよ。」


僕は流されるまま

スマホをポケットから出した。


読み込んでる間、母は

アコギとやらを見ている。


この時、実は母の巧妙だかなんだか

わからない、『夢生を求人の貼り紙まで

釣る作戦』が、行われていたのだ。


運が良かったのは、ギターから横移動し…アコギのすぐそばの壁に募集の貼り紙があったこと。


まったく母が興味のない

『年代物の変な壺の側だったら

ヤバかったわ!』だそうだ。


ただこの事実を話してくれたのは

数年後だけど笑


しばらくすると、父が現れた!


髪切りすぎた父だ!


母が

「むー、今求人のQR読み込んでたんだよ」


父は、

「おー!よかったな。家帰ったらよく見とけよ」と言って、


無事査定が終わったとマイクで呼ばれ

カウンターへ向かった。


帰宅すると、さっそくさっきの

募集QRコードを…


僕は…またやった。


びっくりした。


ああああああ


QRコードが、読み込めてなかった。


父が、悪いんだ!!ずっと気になってた。

これから寒くなる季節に、どうして

あんなに切ったんだ。安い豆みたいだ。


豆なのに、気に入っちゃって

フィギュアのケースの扉に映る自分の髪先を

指先で軽くつまみながら

上目遣いで、弄っていた。

そんな、父の横顔は…キモかった。


ヘアサロンからずっと、僕は笑うのを我慢してたせいだ!豆だから!!


うぅーん。

いや、僕が悪いか…。とにかく落ち着こう。


母にポソポソと

読み込み失敗しました

と伝えた


母が、「ショップのサイトいけば?

求人見れると思うから」


ああ、ならいーや。


そんなこんなで

『夢生、新しいバイトを見つけるの巻』

が、幕を開けた。


僕は今、恐怖心と向き合っていた。


店ちょ…もう長いから、アホてんと呼ぼう。そうしよう、とかわけのわからんあだ名を

思い付いたりして

現実から逃げたくなっていた。


また、アホてんみたいな人がいたら

また、上手く行かなかったら


あの、4日間がまたやってきたら


僕はもう立ち直れる気がしない。

気分転換に居間に行く。


自分が悶々とした状態を止めるため。


単純に、本当に気分だけでも変えたくて。


兄がいた。


帰ってたの?


「まぁ」


バイト疲れた?


「疲れるに決まってんだろ

いつもの事だろ」


いや、偉いなって思って。


「こんな子なかなかいないからね」

兄が自分で言う。中々のくそだ笑


だけど、やっぱり僕には兄みたいに

なりたいけど、無理。と思う。



「おまえは一体何を話したい」

と兄が聞いてきた。


いや、ちょっと自信なくて。


「なんの?主語ねーな。基本そこ置いてもろて」


だから、バイト…次の。

勇気でなくて。


兄はため息をつく。

「前のところ引きずってんのは、仕方ない。

別に。ただ切り替えがオマエにはない」


切り替え?


「面接に行くにしろ、何にしろ

アホはそこにいないんだから

ゆってあのアホ希少価値。」


んん?


「まぜるな、そこ。アホよりまともな人の方が、多い」


ほぉぉ?


「行く気になったら行く。

わかるから。実務でおまえはがんばればいい。それだけ」


兄は最後に

「無理して思考変えなくていいんじゃね?

マトモな大人と接した時、

アホの幼稚な所、見えてるだろうから、

逆に、アホくっそオモロかった位で。」


そうかぁ…。


チャッピにも、何か前向きになる言葉なんてある?

僕は試しに聞いてみた。


『前向きになるって、無理に明るく考えることじゃないと思うよ。

怖かったことは、怖かったままでいい。

ただ、次に会う人がアホてんと同じ人だとは限らない。

まだ会ってない人まで、アホてんにしなくていいんじゃないかな。』


-そうだよな…。


まだ面接に行くも決まってないのに!


だよね。そうだそうだ!


次は、別の人。


だもんね


僕は、ショップの求人を見るために

スマホの画面を切り替えた


ふと、そうだそうだ。


チャッピに

「面接で印象良くするのって

具体的にどうなんだろ?」

と、聞いた。


『面接で印象を良くするなら、

まずは挨拶と、相手の話をちゃんと聞くことかな。』


「自分は口下手なもんで笑

人の話を聞くのは大丈夫かな。」


『無理に明るくしたり、

すごく話が上手じゃなくても大丈夫。』


「愛想笑いは極めたいよな。なんて。」


『ここで働きたいですって気持ちが伝われば、それで十分だと思うよ。』


「それが、簡単でムズいかもね。」


『それに、面接は夢生だけが見られる場所じゃないよ。

夢生が、そのお店で働きたいかを見る場所でもあるからね。』


「実際、その場に行ってみて自分ができるかどうかだよね。やりたいってタイミングがきたら、チャッピさんに報告するね。」


兄とチャッピーと会話して、


2人して明確な『こうするべき』なんて答えはくれない。ないけど、僕は安心できた。


自分で腑に落ちるように、

導いてくれたから、きっと答えはもうすぐ

出るはず。


期待なんてしていない。


希望とも違う。


日常の1つになればいいんだ。


がんばれる日常を自分で進みたい。


母が、夕食後いつものように

「オカタズケめんどくせぇ。食器くらい運んでくれよぅ」とブーブー言っていた。


ふと、目があってしまった。


すかさず母が、


「お!C3PO!ちょうど良かった!!」


は?


マサカ!アナキンスカイウォーカー…

じゃなくて!!!

急に振らないで!!戸惑うから。


アナキンは、くそだるそうに

「夕食の片付けがダルスギ問題で

このままだと、オイラは悪夢をみる。

ダークサイドに落ちる。」


いやまて。僕にはすでにあなたがダース・ベイダーにしか見えませんが??


「お手伝いのアンドロイドなんだから

手伝いなさいよ!私がアナタを作ったんだからな!!」


えええ。作った完成品、ただの扶養家族やん。


そう言いながら、手伝いする。


「そーいや、3PO、新しい惑星は

行けそうなん?」


要約すると


『夢生、次のバ先の候補はどう?』

なんだろうな。ベイダーさん、めんどくさ


「今、色々見てるというか…リサイクルの募集、応募する前に他のところも見てる。

色々見て、それでもリサイクルがいいなって思うなら、面接の申し込みするって感じかな?」


母は、「慎重ですな!!」と言う。


「失敗してますからな!!笑

ぶっちゃけ、まだ怖い。でも怖がってる間にもアホてんが普通に仕事してるのも

悔しいかも笑」


母が笑って


「素直でいいんじゃない?

ま、悔しさを上手く使えばいいんだから。」

と言った。


お母さんたまに良いこと言うね!


と僕。


「いやぁ、照れますなぁ。人生長いもんで。

まだまだ若輩者と思っていたんだが、ワシの人生折り返しにきたって事ですな!!」


母、何になりたいん?と思いつつ


後は冥土の土産でも探して下さい。と言って

爆速で自室へ向かった。


色々募集サイトを見た。でも

兄と話したら

気持ちは、少しだけ動き始めている

よし。

あそこへ行こう。


まだ、自分は大丈夫と、胸を張って言えない。

前のバ先のアホ店長は、僕の中の記憶で

鮮明に残っている。

自信なんて、ゼロ。

だけど

アホの言葉に振り回されたくない。

この気持ちは、大切にしていきたい。













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