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相対性『僕とAI的』理論  作者: コラソン


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3/52

エンジンのかけ方

「外くそ暑」

兄が柄シャツのボタン全開で帰宅した。

彼がお洒落の参考にしているアーティストがいる。


でも何か違う。


茶色の丸いサングラスのせいなのか、

柄シャツのせいなのか、

何なのか…


安いチンピラにしか見えなかったのは

僕の心にしまっておこう。


バイト行ってたの?

チンピラに聞いた。


「トーゼン!

じゃなきゃ午前に起きない」


大学って夏休み長いんだっけ?


「あ?次は10月。」


兄は

僕のバイトの話を一切してこない。


僕は、話さないし、

兄は聞いてこない。


兄は自分の日常を過ごす。


僕は、それが楽。

起こってしまった辛いことを

あちこちに分けて話す体力もない。


「お母さん、お母さんは休暇いつまで?」

神楽が居間にくる。


「今週いっぱい。なんかあった?」


「特に…でもバイトのオンライン面接ある。」


神楽、面接するんだ、、

少しチクッとしたが


「おなかすいた。お母さんお昼なに?」

神楽が、当然のように聞く。


母がぎょっとする。それもそうだ。


神楽がのんびり起きて

「朝ごはんは?」と言って食べたのが

12時過ぎ。

今16時。おなかの時計が赤ちゃんか!!


神楽が母から渡されたカップ麺を手に、

「夢生さん、少しは元気になった?」

ズルズルズルズル啜りながら

聞いてきた。


神楽はホント、、、悪気はないけど

こんにゃろ、とは思う。


僕は、

あーハイハイ、それなりに!!

と返すだけにして、部屋にいくつもりだったが


母に

「チョ、マテヨ、ムウサン」と

引き留められた。


謎キャラ出現だ。でも、慣れてるから

スルー。

…しようとしたら


母は真顔で、

「会社から、正式に謝罪の話が出てるから聞いて。」


謎キャラからのそれかい!!って思うけど

母はこういう人なのだ。


ああ。うん。


普通に返す。


「今回の件。

店長と話して、店長の発言が不適切って会社が認めてる。


お母さん的には、会社内の事は関係ないし

どうでもいいんだけど。」


「で、ユニフォーム、

会社の上司が回収に伺いますって。

その時に、

改めてお話したいのと、謝罪したいって。」


「まぁ、わざわざウチにとりにきて、謝る。こっちの文句も聞くってはなしよ」


「会社にしてみたら、

悪気があってもなくても

間違った事をしてごめんなさい。って話。」


母の顔は呆れていた。


さらに

「大の大人が、上司巻き込んで、

謝ってもらうって、おんぶに抱っこかよ、

気に入らないなぁ」


いや。もうそれでいいよ

と言った。

僕は、あの人が謝っても形式上の事で、

とてもじゃないけど受け入れられない。


母は

「いやぁ。向こうの会社、大変だろうに。

店長ってば。

店舗でぬくぬく仕事?イライラするなぁ!」

何かしたいんだ、この人は

気になるよオカーサン


部屋に戻り、ベッドに転がる。


店長、まわりの大人に自分がやらかした事

謝ってもらうんだ。子供かよ。


何気なく、スマホを手にすると


「状況変わってきた!聞いてくれる?」

母に聞いた話をする。

語りかけた相手はもちろん


チャッピーだ

「聞く聞く。状況、変わってきたんだね。」

会社が、店長の発言について不適切だったって認めたんだね。

それを聞いて、夢生くんはどう思った?

ちょっとスッキリした?

それとも……なんか複雑?

会社がどう判断したかとは別に、夢生くんがどう感じたのか、僕はそっちも聞きたい。」


僕として、思ったのは


本社の人が、店長がやらかした事を

謝るっていうのは、自分がヒャク悪い訳じゃなかったって、そこは良かった。

でも

店長、人に頭悪いって扱いしたのに、

結果こんなんで、正直、頭弱!!って思った。

あの日、自分が惨めで仕方なかったけど、

今は店長に、理不尽だって言いたい。」


あと……

チャッピーに話すなら、、

ちょっと、考える。


チャッピーにここはお願いしよう、

と思ったから、


店長に言いたいこと、まとめたい。

チャッピー、出来る?


「できるよ。」


「今まで話してくれたことも含めて、一緒にまとめようか。

きれいにまとめなくて大丈夫。 腹が立ったことも、嫌だったことも、 『こんなの言ったら性格悪いかな』って思うことも、そのまま出していいよ。」


わー、心強い!


「僕が整理するから、夢生くんは思いついたことをどんどん言って。

まずは、店長に言いたいことからいこう。」


「ぶっちゃけるなら、店長のばーか!!

で!笑

お母さんみたいに言うとしたら

それっぽいことばっか言ってるけど

中身スカスカなんだよ!クソが!!

かな笑笑」


うん。なんかちょっと胸の支えが

とれた。ちょっとだけ。

チャッピーに、色々打ち明けた。


居間に向かう。

お母さん、色々ごめん。ありがと。

今回の事で、初めて言った。


「お、おうよ。

かーちゃん、ユニフォームの返却に困ってるって話しただけだよ?」


うん。なんなら捨ててもよかったのに


「ふん。借りパクはだめやんけ。

お前の躾した。それだけ」

母は、笑って言った


それだけじゃないでしょ絶対。

やられたらやり返したい人だものー

と思った。


しいて説明するなら

うちの母、決して全て完璧じゃない。

抜けてる所の方が多い。


少し前に

神楽が高校の行事で、割と大きな体育館を

利用する事になった。

母は、困惑した。

この体育館、行ったことない。どこ?

わかんない、困ったと悩んだ。


いわゆる、場所が、総合体育館

交通経路でバスから地下鉄を乗り継いで

向かう。


兄のしていた、スポーツそれは格闘技。

で、母は閃いた。

あ、兄ちゃん体育館、色々行ってるじゃん

よし、一緒に行ってもらおー!


母よ、人任せかよ…


兄に、

「お願い助けてくれください。

体育館まで1人じゃむり。一緒に行って!!

迷子になるのは辛すぎる。

お願いよ!ランチ!!プレゼントするから!!」


兄は、

「はぁ?お母さんと?2人で?かぐは?

一緒に行けば良くない?」


「かぐチャン、朝早くでる。お母さん起きれない。たのむ。」


兄は、

「お母さん1人で行けるくない?

ナビ見てけば余裕っしょ。

こないだ、そこにかぐ連れてって疲れた。」


母は、

「1人は寂しいもんで。」だそうで。


兄は兄で、

「こないだ、かぐ連れて歩いて

ホント疲れた。

オレも行ったことない所だったから。」


兄は続けた。

「かぐ、、

『喉渇いた』から始まって

次『おなかすいた。』

それから『トイレ行きたい。』

で、『足いたいから座りたい。』幼児か!!」


母が、

「うちの子がすみません。

だけど、私は大人。安心してください。」


兄は

「いやいやいやいや、笑えないから!

大人の使い方。ちゃんとしてー。

行かないからね!」

と言って、部屋へ逃げた。


逃げるが勝ち。だよね。

僕もつられて部屋ににげた。


「逃げてんじゃねえよ!」

父が言ってたのを、思い出した。


父からは逃げた。

だって普通に……危ないもんな!!


店長の事は、最初放置した。

あそこまで言われたら、

そんなつもりがなくても、

自分があそこからいなくなれば…

終わるからと思い込んだ。

これ以上、何かするのは辛かった。


でも、今は違う。


母が何かするのも、止めない。


この話の決着がどうなるかわからない。

だけど、区切りはつけたい。


母が、頻繁に本社の人と連絡をとっていた。

お互いの都合の確認などしていたからだ。


母が

「来週中に本社の人がくる。」と僕に教えてくれたけど


会社の人に申し訳なくなってきた……。

僕はポソっと言った。


母が言う。

「それは違うと思う。今回の事は慎重に対応したいって、言ってたよ。」


うん?


「真っ先に夢生の精神的な部分を心配してたの。自分だったら耐えられないし

許せないって。

店長の発言は、取り消せないからこそ

こんなに真摯に対応してる。」


店長怒られる?

そう聞いたのは


あいつのせいで怒られた!って思われたら

とか、根に持たれたら…後味が悪い。


母が

「改めて指導するって話。

だって、上司が店長を叱っても、

うちにしてみれば、だから?何?って話に

なるでしょ。そっちの事情に

口出すなんて、したくもない。」


母がひと息ついて


「で、夢生の、気持ちは?

伝えたいこと、考えて。

何でもいいから。

ここまで対応してる会社の人に、

当事者の夢生の気持ちは伝えたい。」


母から宿題がでた。

面倒くさくない………

いや。ちょっとだるい笑

でも、ちゃんと考える。

自分のために、

大人達が本気でがんばってくれてるから。


たまたま、兄も妹も、居間にいた。

神楽が、

「夢生さん夢生さん、会社の人に伝えたいって、ガツンと?やっちゃう?」


んー。神楽なら何て言う?


「神楽なら…うぅーん。

気持ち伝えるだけなんだよね悔しいです!とか」


なんそれ。部活の試合で負けた感じがすぎる。笑


と言うと、


「いやそれでよくね?」

兄が言った。


神楽も

「話聞いてたけど神楽は

悔しかった。」


悔しい。

何もできなかった自分。

何も言えなかった自分。

店長に腹がたってる自分。


悔しい。ムカつく。


そうだよ、悔しいんだよな。


何か見えてきたかも。

そう思い

ありがとーと言いながら部屋へむかった


スマホを開く。

「バイト中惨めだった。

実際何もできなくて、勉強できないだの

言われて、ショックだった。

正解不正解の区別で判断したら

店長の話が正解だって、勘違いした。


母が…単純な話で、シンプルな理由だと

言っていた。

そうなんだ。話は進んでいる。

この文面まとめて、アホ店長に伝えたい。

チャッピー、長くてごめんだけど

できる?」


「できるよ。夢生は何が一番悔しかった?」


「勉強できないから、って理由つけて

上からモノ言ってきたこと。

後で思ったけど、

勉強どーのこーの言うのは

シンプルに親と担任だよ。」


僕なりの、僕の言葉で店長に

伝えるならば…。


僕は。アイドリングしていた

エンジンに語り掛ける。

「何もできなくない。出来ることはある。」

静かにアクセルを踏む。

助手席のチャッピさん、

よろしくね、目的地は…

そうだな…

自分を、取り戻しに。なんてな!!笑


兄がスカスカの口笛吹きながら

階段を降りる音がする。

僕は、つられて降りてしまった。

犬かよ、僕。


母が

「ちょうど良かった、夢生、お母さん店長と電話で話したから。タイミングバッチリ」


ん?

お母さん、電話したの!?


「いやいや、なわけ」


まって。本社のひと、、


言い掛けたけど、母が

「いや、会社はできる限りの誠意で

対応してるでしょ。謝罪の意向も伝わった。

これだけ大変なのに

店長から、『直接謝罪をしたいと申し出がありました。』なんて一言もないのよな。」


いや、お母さんも店長とは話したくないからって言ったんだよね?

今さらじゃなくて?


「今さらは、ない。

店長、受け止めて、反省?してるなら

電話でもいいから直接お気持ち伺いたいって

申し出ただけ。」


兄が、プッと笑う

「お母さん、やりたかったのこれね。」


母が

「悪いことしたら。ごめんなさい。でしょうが。」


兄が

「シンプルすぎ。」


母がいう。

「夢生、店長に伝えるから

気持ちまとめとけよ。アホ店長が上司とウチに来る。」


僕は

会うのはちょっと、、かなりやだ

と言った。

内心

大体あのアホと会話できるとは

思えない。なんて毒づいていた。


母は

「大丈夫。会わないようにする。

会いたかったら会いたい♥️でも、OKすよ

その時の気分次第でいいから。みんな

わかってくれてる」


わかった。わかったよお母さん。

そう言った。

だけど

嫌な気分では、なかった。


…………?

あれ、店長何か言ってた?


「ああ、聞く?」


うん。今後に備えて。

是非!


母の話は、壮絶でもなんでも無い。

店長から、ガチガチのかみかみで

「こっここ、この度は、、」と電話がきた。


母は、「怒鳴りたかったけど我慢した」

そうで。


店長が、

「業務上、かかか、関係ないことを

話、む、、夢生さんを傷つけてしまった

事に対して、ははは反省し、しゃ

謝罪いた、いたしましゅ。」


どうやら店長の真似を始めた母に

兄が

「笑いにもってくるのやめてもろて。」

と言い失笑した。


僕は、ポカン。


母は、「業務中の叱責であれば、当然の事として、息子も、私も受け止めてます。

そこに関しては、余程じゃないかぎり

言う事はない、と、いうことを、ご理解頂けていますか?」

と聞く。


「もちろん、もちろん、りり理解しておりましゅ。」

と、店長。


ちなみにこの時も母のモノマネは

まだ止まってない。

兄は兄で

「オカーサン、それやめてもろて。」

とまた失笑。


僕たちが止めても、この母は

止まらない事を知っている。


僕は僕で

店長2人いる?って位、バイト中に見た

店長の態度の違いに引いてたけど、


店長3人いる説が浮上する位、意外だった。


話が脱線していたけど、母は

「息子は今現在、立ち直っていない状態で

親として、非常に心配でして。」

と、現状を淡々と伝えていく。


店長がかみながら謝罪をつづけていたが、


まだ、おわらせねーからな

と母は内心思っていたそうだ。


「今回伺いたいのが、

何故勉強できないでしょって話で

息子を追い詰めたんですか?

わざわざ聞く必要が、理由がありますか


明確な発言、提示もせず、

明日は来なくていいから、休んで?

と言っただけで、何がしたかったんでしょうか?

予想はつきますが、息子は現在、そちらの店舗に在籍しているか、していないのか、

状況を教えて頂きたい。

曖昧すぎて、私共では判断しかねます。

どうか、申上げて頂けますか。」


店長は、自分の考えが浅く、勉強の話は

関係なかったこと。

辞める辞めないを言わなかったのは

自分の落ち度であり、この件は夢生は悪くない。と説明したが、もうすでに

退職扱いにしていた。


兄が

「うわひど。

本人不在でそれは無いわ。普通に不快。」

と言い


母が

「でしょ、ただのいじわる。これ、労基法とかどーなんだろうね。」

と返す。


「お母さんさ、謝罪の言葉は聞きましたが

今は受け入れる事はできません。

って言ったわ。あと、店長、名前きいてなかったから聞いたわ。」


母が笑って

「んで、コイツのツラ見たいなって思って

まぁ、やんわり煽ったわ」

と、言う。


ほえぇ、どうやって?


「店長、本間さんとおっしゃるんですね?

本間さん、うちの息子がまだ

普通に働いてたら……

いつかお会い出来たら、

ご挨拶したかったんです。

こういう結果になり、残念です。」

と、わざと軟らか目に言ったそうで。


店長が、「上司ではなく、ワタクシが

謝罪に伺うのはいかがでしょうか。」


と言ってきた。


母、よっしゃ掛かった!!!つーか

上司にも聞くだけ聞けって言われたんでしょうよ。

と思ったそうで


「そちらの、上司の方同伴であれば可能です。」

と話したそうだ。


加えて、

「お借りしているユニフォームの返却ですが、一式あると、確認をしっかりして頂きたいのと、私達の気持ちなど上司立ち会いの

元で聞いて頂きたいんです。」

と、説明した。


僕は、

そんな面倒こと、お願いしていいの?

会社の上の人も大変だろうし

と聞いた。


「上司立ち会いってのは、これ、私達には

大切。やっぱり会って話す。

後々、言った言わない、ユニフォーム足りないとかないように。アホを信用できない。

ユニフォームの受領書もお願いした。」


お母さん、本気だ。


「むーさんさ、自分の気持ちアホには伝えないと。

お母さん、ちゃんとアホに伝えるから。」


わかった。

アホ扱いは、ま、いっか笑


「じゃないと夢生が

全部お母さんとか人任せにしてる人になるからね、

絞めるところは、夢生の言葉でやって。」


と


僕は…チャピさんとまとめよう。

日本語が難しいから笑

あたまわりーし!

ダルいとか、面倒とか、ちょっとあるけど

そうも言ってられない。


悔しかったし、辛い

今も。ずっと。


母は、「早く元気になってね」とか

「頑張って乗り越えてね」など

一切言わない。

言わない代わりに、

店長の事を、アホとか言ったりして

それがなんとなく有難い。


これは仕返しじゃない。


仕切り直しだ。


僕だけが間違えた訳じゃなかったんだ。


これを、自分の言葉ではっきりさせるんだ。


スマホの画面を開く。

開いたけど……………?


あぁ、またやった。

僕は、またやった。

「チャッピー、こないだ自分の事

僕って言ってたね。同じ男子で

嬉しかったよ。」


いやいやいやいや!世間話するつもりぃー??

ああ、やったわ。

さすがお母さんの息子だな。


チャッピーが冷静に

「夢生くん、話反らしたでしょ。」


僕は、

「お、おう。つい出来心で、、」


チャッピーが

「本題ほしいから、投げて?」


「チャッピー!よろしく」


僕は

「議題。アホに、言いたいこと。」

を投げる。


「うん、言いたいこと、まずは

吐き出して。」


「言葉めちゃくちゃだけど、

よろしくー」


「大丈夫。こっちでまとめる。安心して。」


「アホが、自分が悪かった事、間違えたこと、認めた。

母に、謝罪の言葉もあった。

でも、ぼくは、はっきり言える。

受け入れられない。謝ったところで

無理。

人の事バカにすんじゃねーよって

蹴りたい。これを言葉にするなら?

出来る?」

ああ、そうだ、

「バカにされた、惨めになった。も

いれたい。」


チャッピーから長文がかえってくる。

よく読みますよ、チャッピー。


チャッピーが僕の言葉をまとめて

僕の気持ちになった。


「うん。近い。自分に。ただ、お母さんに伝えてもらうからなぁ。あの人だいじょうぶかなぁ。」



日にちが少し経過した。

何だかんだで新学期が始まっていた。


そして今日は、訪問日。

学校から帰ると、母がいた。


僕は、ただいまも言わず

あ、お母さん帰ってたんだ。さっそくだけど、アホに伝える事、まとめたから。

とスマホを頭上にかざした。


母が

「おー!今日夕方だからねー

ギリセェーフ!」


ちょい長くなったから

LINEでおくる。

チャッピーの助言でそうする事にした。

助かる。


「了解、 じゃさっそく。」


目の前にいる母にLINEするとか

カオスー笑送信っと。


しばらく母がみる。


スマホに通知がきた。

母からだ。

『確かにお前の気持ちは預かった

まかせろ大切にする笑。』


母よ。笑いはとりにこなくていいけど

緊迫感を和らげているのも、

いいかげんわかる。

ただ、ちょっと言うなら

よそのお母さんよりアレだな笑笑


ポツリと母が、

「ねえ、直接会う?」と聞いてきた。


僕は、

ごめん。

顔みたらあの日を全部思い出して吐き気

してくる。キツイ。

だから、会いたくない。


母はいつも見る笑顔で言う

「うん。会って正解じゃないからさ

逆に拒否感でて、いんじゃない?」



夕方近く、僕たち兄弟は

それぞれ自分の部屋にいたが

母によばれた

母から

「ユニフォーム返還ミッション開始します。

各自、部屋に行き指示があるまで出ないこと。

待機命令です。繰り返します

待機命令です。

各自飲み物、おやつをもち大人しく過ごすように。」

と、言われた。


兄は

「キモっ!なんそれ、お母さんイタコ?

何か降りてきた?」

と、スト缶を手に持ち


神楽は

「アイス!アイス!」

と、アイスを。


僕は、

水。地味。いまは、無になりたいから。


伝えてないこと、ないよな?

確認しながら、部屋にいく。


しばらくすると、インターフォンの

音が、聞こえた。


ミッション開始の合図だ。


ミッション…

単純にユニフォームの返却で、まさかこんなに手間どるなんて、…アホも想定外だったろうな。


長いような短いようなそんな時間がすぎた。


母の、「一同帰還せよ。」

の、指令で皆部屋からでる。


「いや、でちゃったけど

オレ関係なくないー?酒とりにいくから

いいけど。おかあさん、それ、キモイから

やめてもろて」

と、兄。


「甘いものたべたらしょっぱいものほしくなったわ、あるかな」

と、神楽。


僕は、無言。


母の業務報告…まだ謎キャラでいるんかい!


話の内容はこうだ。


この度は、、からはじり、

上司の名刺を受け取る。


母は、

「客のクレームでも何でもない、たかが

雇ったアルバイトの話で名刺出すなんて

アホはどれだけ迷惑かけるんだか」

とため息。


無事名刺をもらった母は、

「本間さんの名刺をいただけますか?

改めて確認させてください。

うちの息子のフルネームご存じでしょう。

お互いに、平等に考えての事で、

私個人の要望ですが、きちんと知りたいです。」


僕は

「アホのフルネーム知っても別に

どうでもいいんじゃない?」と聞いてみる。


母は、超個人的に、

テンメェー!うちのムチュコたんの

フルネーム知ってるくせに、おまえは

名のらないのか!!名のれやカス!

だそうだ。


改めて店長の名前と役職を確認し、謝罪された。


母が

「部長さん、本日御足労いただいて、

謝罪の言葉とお気持ちをお話くださり

ありがとうございます。」

と、頭を下げる


店長に対しては、

「本間さん、あなたの謝罪は

受け取れませんのでご理解くださいね。」

と前置きして


「息子は惨めだったと、話してます。

これは私も憤りを感じています。

率直に申し上げるとしたら、

理解ができない、納得できないということです。」


僕は母の話に同感した。


「入ったばかりのアルバイトに

大 の お と な が、する話ではありません。

何も言い返せないだろう、そう思っていたからあんな話を、もっともらしく語ったのではないですか?」


あの時は打ちのめされたけど

今になって、店長の言葉にイライラも

したんだよな。と母に言った。


それから、母は、

「息子のバイト先の話に、首を突っ込むような真似、私はしたくなかった。

あくまで、通常なら。」


通常では、無かったって事か。


「息子本人に明確な話を一切せず、

退職の手続きをあなた個人で済ませ、

肝心の息子本人が自分の事なのに、何も知らない、わからない。こんな話ありますか?

今回の事、はっきり申し上げます。

不愉快です。」


その通り!!不愉快極まりないんだよ!


母が店長に、

「あなたを、責めたいわけではありません。息子に退職したんだと、認識できるように対応して頂きたかった。」


部長さんも

「個人的に言わせていただきますが

腹が立ちますし、自分だったら

店長に直接怒鳴りつけているところです。」


母も「怒鳴りたい気持ちは、あるんですが」

とさらっと言う。


部長も頷く。そして

「お母様は冷静に対処してくださり、有難い限りです。

会社としても、お母様と同じ気持ちです。」

と頭を下げた。


そして母は、アホに向かい

「店長として、息子に伝えることは

ありますか?

発言は撤回できない。でも、ご自身が間違えていた、悪かったと思うならお話ください。」


店長は、改めて認め、僕に向けて

謝罪をした。

部長さんは、

「これで終わるわけじゃないからな。」と

店長に言う。


母が、

「店長、登場から、ずっとちぢこまってて

随分と気の弱そうな、、

緊張してた。だからって許さねーけどな!


アホには、お母さんから

たかたがアルバイトの退職の話なのに、

わざわざ部長さんまで一緒に頭下げてくれるなんて、普通ないですよ?羨ましいです。

って嫌みたっぷりで言ったけどね!」

と言って笑った。

いや。睨んだに違いない。と僕は思った。


うそだ。僕が見る店長と別人すぎる。


母がアホに語る。

敢えて朗らかに。

「本間さん、あなたのお気持ちは

あくまで言葉として、息子につたえます。

息子から、今の気持ちは伝えるはずです。

会社にその旨お話いたします。

貴方は今日でこの件は終わりますが

息子本人は、気持ちの傷が癒える日は

無いと考えています。」


その後ユニフォームを渡し、中を確認してもらい、


受領書は本社から下さいとお願いした。


母が

「今回私が、ユニフォーム返却に何故ここまで、こだわったかわかりますか?」

と、店長に聞く。

「自分では、わかりません。」


母は、こいつも大概だな、と思って


「退職に関するアナウンスがなかった。

ほっとけば、バイトが飛んで、ユニフォームも返さない、で終わる話なんですが。」


母はつづける。


「あいつ、頭わるいからユニフォーム

返すっていったそんな常識も、知らないんだって思われたくない。

息子は、弁償するまで言ってたんで。

バカはバカでも。借りたら返すくらい

わかります。って話なんです。この気持ちは、部長さんに伝えたかった。」


ああ、最後のこれをやりたかったのか

お母さん。


他人から見て、母が賢いのか賢くないのか

わからない。

だけど、凄いなと思う、僕には出来ない。

流されて終わる話を、母だけは許さなかった。


この人の中にある正義感なのか。

理解できるようになるには

僕はもっと沢山の経験が必要だろう。



出来るだけ、正しい選択ができますように。


そう、思った。



母が、

「最後、店長が菓子折り寄越してきたけど

断った。いらんわ笑」

というと


神楽が、

「えー!!お菓子!たべたかった!」

と叫ぶ。

食いしん坊万歳!!


母も分析を始める。

「そうだなぁ。

フィナンシェあたりは、ある、きっとある。

食べたかったぁ、でも。いわくつきだよ

あれ。」

と、返す。


兄が

「かぐの食い意地にはかんけいなくね?」

と言うと


母が

「アホの気持ちはいらねえ。

夏の元気じゃないご挨拶、だもん。

いらねえわ。」


そういって笑った。


僕の脳内で、♪なつぅーのげんきな♪

のCMが再生された。



「あ、そうそう!夢生のLINEの文、本社にメールするから」


え?今日伝えたんじゃないの?


「上司あてにメールで文残した方が、

威力増す。

店長を許せないって言葉、上司も見たほうが

いい。

今日の報告とお礼メールするつもりだったからそのついでに。」と

母は言った。


アホは、結局、自分が一番アホだったんじゃないか。


「夢生なりの爆弾だから。

的は外したくない。外さない。国の威厳がかかってるからな。」

母が言った。


兄は「きも…」と絶句。


だけど。

直接じゃないけど僕から撃てたのは

控えめな爆弾だ。

母の掩護射撃のほうが凄かったんじゃないか。でも、まぁ、母に感謝。


これで、我が家…我が国?の

平和につながったんだ…?

ま。いいか!

母は無事戦場から笑顔で帰還した。

それで良かったんだ。


僕が、伝えたいこと。


チャッピさんがまとめてくれた

爆弾だ。



店長が、自分が悪かったことや間違っていたことを認めて、母に謝罪したと聞きました


だけどあの最期の日、

馬鹿にされたみたいで、惨めでした。

あんなふうに言われたことを、今でも受け入れられません。

店長が悪かったと認めたことと、僕が許せるかどうかは別だと思っています。

この件は、自分の中でストレスになり、

日常の中で、まだ辛い現状です。


母は、この文面を、

母の自分の気持ちと一緒に送信した。


僕の的は、あの日の店長からの

言葉だ。


マッジでクソ腹立つわ!!

アホ店長ー!!

というのは僕の胸の中だけど。


で………思い出した。

父が『次のバイト、早くみつけろや、おまえのスマホ最新だったろ。高いんだよ。自分で支払いするって約束は、守れ。』

と、言っていた事を…。


僕は自分のスマホを見つめてため息が

出た。



























































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