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相対性『僕とAI的』理論  作者: コラソン


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凪さんと、テレキャス



Petit Diable(プティ・ディアーブル)


繁華街のビルの地下。凪さんの経営している

バーの看板を確認する。

ライブハウス「REBELLEルベル」から

徒歩5分くらいの場所にある。


ここかぁ。ザ·大人なバーに1人で入るのは

ドキドキする。


「すみません、凪さんいらっしゃいますか?」

僕がそう言いながら入ると、

凪さんがカウンターの奥の席に座っていた。


「こっち、隣座りなよ、でご注文は?」


え。僕お酒は飲んだことないし

今日は凪さんの大切なギターをお借りするから

その…

と言いながら、凪さんの隣に座った。


凪さんが笑う。

「夢生、真面目だねぇ。そうだね、烏龍茶で。」

カウンターの従業員に声をかけた。


僕は自分がお子様みたいな気がして

少し、むぅぅぅっとする。


「ふふ。そのうち夢生がお酒解禁したら、

ここで一緒に飲もうよ。いやぁ、楽しみだね。」


絶対ですよ?約束ですからね!



「約束は、絶対忘れないから。そうだな。その時まで、乾杯はとっておく。どう?」


じゃ、今日は乾杯しないで、そのまま失礼します。いただきます。そう言って手を合わせたら


「あっはっは!夢生、ちゃんといただきます、

するんだね~」


凪さんに笑われたから、


いーんです!!僕真面目なんです!!

と返したら


凪さんが真顔になって、

「夢生。君はそのまま変わらないで大人になってね。」

と、少し寂しそうに言った。


僕は凪さんの表情が気になった。

何故かはわからないけれど。


僕、ただのメガネのまんまですよ。

なんて言うと


「それ飲んだら、バックヤードにギター

置いてるから。行こう。」


慌てなくてもギターは逃げないよ、

と凪さんが言うくらい、僕は烏龍茶を

一気に飲み干した。


バックヤードは、狭い。

お酒のストックやら、ビア樽やら。

棚に剥き出しで並んだお酒に肘が当たらないように気をつける。落として割れたら大変だ。


すぐ扉が見える

凪さんが、「事務室。ここも狭いけど、入って」

と促されて入った。


ノートパソコンの置いてある、デスクと、

近くには、パイプ椅子。

ロッカーが3台、壁際にある。


デスクの横にギターケースが立て掛けてあった。

凪さんは、それを手に取ると、


「今日から夢生がコイツを使って。」

と、言って僕にはい、と言って渡した。


「あ、ありがとうございます。お借りします」


古びたギターケースを受け取る。

汚くない。むしろ丁寧に、手入れされているんじゃないかと思うくらい。


「あけてごらん。夢生に気に入ってもらえたらいいなぁー。」


そっと優しくギターケースを開ける。

中に入っていたのは


「覚える必要ないけど、これはね、

サンバーストのフェンダー・テレキャスター・カスタム。夢生、コイツをよろしくね。」

凪さんが、愛おしそうな目で見つめながら、ギターを紹介してくれた。



あ、あの!僕なんかが借りたら、ギターが

可哀相です!

やっぱりもっと、ちゃんとした…


凪さんが、僕の言葉をさえぎる


「ちゃんとしてるから、大丈夫だよ。」


えっ?


「ギターが可哀相なんて、夢生はギターに愛情があるよね。実はそこが大事。それとも

こんな古ぼけたのは、嫌?押し付けたりしないし、好みがあるからね。」


僕は!!このギター好きです!!

欲しいですよ! だってカッコいい!

古いんじゃなくて、

このギター、使い込んだ跡があるんです!!

同じ所に傷があるから。


凪さんがつけた傷。それって

世界に1つだけのギターなんです!!


無知な僕でもわかります!



僕は捲し立てた。


「なら、なおさら。夢生、貰って。技術は

今からでもつくけど、注ぐ愛情でギターが

生きるから。無知は、知ればそうじゃなくなる。」


「もっ貰う?僕、そもそもお借りするって…」


「ああ、要らなかったら夢生気まずいだろうなって思っただけだよ。最初から君に貰ってほしかったから。」


あの…どうして僕なんですか?


「まだ、教えてあげない。」


いや、聞きたいんですけど。


「そうだなぁ。夢生が僕のバンド時代の

オリジナル曲、弾けるようになったらね。

教えるから。出番の日はフェンダーを一緒につれてきて。」

凪さんが顔をくしゃくしゃにして笑った。


僕は今日、1つ宝物が増えた。





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