せけせま。
多田さんの所への出勤は減った。
辞めても問題なかったけど
僕は、どうしても多田さんから
離れたくなかった。
あの太陽みたいに明るい多田さんの側に居るだけで、頑張ろうと思えた。
その気持ちを、本人に話した。
「むー、辞めないでくれてありがとう。
って、ライブハウス?何処の?」
ライブハウス「REBELLEルベル」って所です。
「え?ソコのオーナーの名前は?」
海原さん。
海原凪さんです。
多田さんは、絶句した。
えっ?知り合いとかですか?えっ?
「知り合いも何も。俺、その人のライブ
良くて通ったし、彼とは顔見知りから、だんだん…気がついたら結構仲良くなってさ。ギターがかっこよかったなぁ。」
あ、僕凪さんからギター借ります
フェンダーのテレキャス。
「えっ。そのギター、借りるの?
まって、夢生。かなりびっくりなんだけど。」
いつになく、多田さんの顔が、真顔で
らしくなかった。
何かある…とかですか?
「うーん。ゆーたそこでライブしてるよな?
俺ライブ行くよ。凪さんには
俺の事伝えていいから。」
えっ?えっ?
多くを語らない多田さんは
きっと凪さんについて何か気になっている。
フェンダーのテレキャス。
わからないけど、僕は凪さんの
宝物を、預かるんじゃないか。
何かある。凪さんの過去に。




