青年の言い間違いへ行く
青年は、トラニアで一方的に合流したこの冒険者パーティーに対して、一つの悩みを抱えていた。
だが、不満を口に出せないのは、強いお姉さんたちが怖いからだった。
もちろん青年は馬鹿ではないので、この集団がトラニア最強であることはとっくに見抜いていた。
さらに、リレイアの加入によって、美人冒険者も四人いる。
ここでボンヌを美人として設定するなら、美人は五人に増える。
そのため、ガードを除けば、生物学的男性は青年しかいない。
トラニア世界観の公式美人が基本的に四人以上いるうえ、その美女軍団が嫌悪感もなく青年の面倒を見てくれている。
美人冒険者たちと共にいることは、青年にとって間違いなく幸せなことだった。
また、この美しい女性たちは全員、生物として年を取らず、その寿命も無限である。
美人として生まれると早死にするという噂はあったが、少なくともこの四人の美人は全員人間ではないため、それには当てはまらず、その美貌は永久だった。
後に青年は老いて老人になるだろうが、彼の墓に花を供える四人の美人が今の姿から少しも変わらないこともまた明白な事実だった。
このような理由から、他の冒険者たちは青年をほとんど公共の敵と見なし、嫉妬、羨望、怒り、そしてその他の闇の感情を十分に暴走させていた。
持たざる者が持つ者を穏やかに見つめるような視線など、トラニアの冒険者たちには存在しない。
ともかく、青年の知らないところですでに彼を妬む人々が増え始めており、未来には彼らが結成した団体がさらに組織化された集まりへと成長し、体系的な活動を行うことになる。
一行は魔物を討伐し、青年のクエストアイテムであるカルニボアの牙を大量に確保して、ナドラ支部へ戻る途中だった。
リレイアが現れてから、厄災の狂気が歌っていた歌も止んだ。
するとパワーバランスは完全に一行側へ傾き、魔物討伐も順調に終わった。
「実は僕、寂しいんです。同い年の冒険者を紹介してください。」
突然立ち止まった青年が真面目な表情で言った。
「そう? でも私じゃ満足できないの? 見た目はこうして青年と同じ年頃なんだけど?」
エドが腰に手を当て、可愛くも妖艶なポーズで青年に魅力をアピールした。
「そのようなけしからんことはおやめください。」
しかし青年は少しも揺らぐことなく、エドの魅力をはね返した。
青年はエドが自分より年上であることを見抜いていた。
エドだけではない。
ガードは言うまでもなく、ボンヌでさえ何百歳にもなりそうで、ロレラは古代の魔女、リレイアは千年エルフ、そのうえベリアは魔王だった。
青年から見れば、一行の平均年齢はどれだけ低く見積もってもゼロが四つは超えているように思えた。
「できれば共に老いていく仲間との冒険を楽しみ、そのときめきを感じてみたいんです。自分なりのバケットリストなんです。」
青年は重みのある冒険が嫌いではなかったが、それでも青春を望んでいた。
だが、青年の最後の一言が問題になった。
「ブンッ!」
青年の目の前をかすめるように何かが風を切りながら飛来し、止まった。
「よくも老いていく仲間ごときを偉大なるエド様と比較しましたね。この発言は見過ごせません。ただちに魔王守備隊を通じて責任を問わねばなりません。安心してください。青年の余罪は追及せず、拷問と殉教で簡単に終わらせましょう。」
突き出された槍の穂先は、揺るぎない意思を持ったまま青年の目の前で微動だにせず横たわっていた。
「いや、ガード様の前で不敬な発言を吐いた以上、この件は我々異端審問官が担当する。幸い私の職権で順番を無視し、青年を最優先で尋問しよう。テンプル騎士団に青年の身柄を譲れ。我々も余罪は追及せず、尋問と殉教で綺麗に終わらせよう。」
レアも激怒した。レアの場合は「尋問と殉教」だった。
「いいえ。お言葉はありがたいですが、こちらの魔王守備隊で先に調査し、その後まだ息があれば異端審問官に譲りましょう。」
ベリアがレアの提案を丁重に断った。
「ほう、言うことはもっともらしいな。しかし私の知る限り、魔王守備隊はこの千年間一度も誰かを拷問したことがない。それに比べてこちらの異端審問官は毎日客であふれている。」
レアが魔王守備隊のプライドを傷つける。
「いいえ。量より質です。異端審問官たちが毎日過剰尋問していることを知りながら自慢するのですか。賄賂の授受もあると聞いていますが?」
ベリアが異端審問官たちの不正を問いただした。
「些細な問題だ。一部に誤りはあるが、それだけで全体が間違っているとは言えない。」
レアはベリアの正確な分析に腹を立てたが、ベリアの挑発に乗って青年の身柄をベリアに奪われることを懸念し、冷静に自分の感情を抑え込んだ。
「とにかく、この事件は色々な意味で不名誉なことが起きないよう、私たち魔王守備隊が引き受けます。」
「いや。この問題は異端審問官の役割だ。」
レアとベリアは青年に尋ねることもなく、青年の身柄の問題を巡って真っ向から対立した。
「これはハニーが悪かったね。もし死んでも心配しないで、私と一緒に不死者カップルになって幸せに暮らそう。」
青年が助けを求める視線を送ると、ボンヌから爽やかな返事が返ってきた。
そして、別れの挨拶すら告げなかった。
「二人ともやめろ。青年の発言がどれほど不遜でも、今回は許そう。」
ガードが状況を整理しようとした。
「ですが、それではなりません。」
すると今度はレアとベリアが同時にガードへ食い下がった。
「二人ともやめて。今クエストの最中だってことを忘れたの?」
エドも大したことではないと考え、二人にクエストへ集中するよう求めた。
「ですが……。」
レアとベリアが揃って泣きそうな顔をした。
「考えてみれば、これまで青年の内面の安定化については無頓着だったようだ。青年と同年代の男性冒険者を探してみるのがよさそうだな。」
ガードが再び言った。
「ですが……。」
レアとベリアは、まるで主人の前で様子をうかがう子犬のように、ガードとエドの目をまともに見ることができず、おどおどしていた。
そして本能的に、レアとベリアはガードとエドが本気で怒っているのかどうかをうかがった。
「そうだね。私たちは青年の生理現象にあまりにも無頓着だったんだ。本当は気を遣ってあげるべきなんだけど、気にかけているうちにみんなもう死んでいなくなっているんだよね。青年にとっても私たちはかなり負担になっているだろう。」
エドが同意する。
「負担ですって!? 青年が本当にそのような不遜な見方をしていたというのですか!?」
エドの口から出た言葉に、レアとベリアは合唱するように一オクターブ高い悲鳴を上げながら、青年を鋭くにらみつけた。
「目が二つしかないから状況把握ができないようだな。」
レアが青年を見ながら脅すように言う。
「正気に戻るまで顔に目を追加して差し上げましょう。」
その横でベリアが上品に文章を完成させた。
「お二人とも、できれば最後まで話を聞いてから怒っていただきたいものです。」
青年は、ガードとエドのことになると理性的な判断に問題のあるこの二人組に対して、次第に尊敬など感じられなくなっていった。
「ガード様、エド様、本当にありがとうございます。そして、もしパーティーに追加してくださるなら、男性冒険者よりもやはり女性冒険者をお願いします。」
青年は異端審問官と魔王守備隊からたった今釈放されたことへの感謝を伝えた。
「青年も人間種族だから、人間種族固有の本性はどうしようもないようだね。ははは。」
エドは青年の気持ちを読み取り、その正直さに笑い出した。
エドの立場からすれば、この程度の陰険さは可愛いレベルだった。
「青年の気持ちはよく分かるが、その言葉もまた問題だ。」
ガードが頭痛をこらえた。
そして次の瞬間、その頭痛は現実になった。
「エド様の前で女性冒険者を望むとは。その色欲的な心は許されません。ただちに魔王守備隊を通じて責任を問うべきです。」
ベリアの目が再び冷たくなった。
「いや、ガード様の前で軽薄な言葉を続けて口にした以上、これは不敬罪だ。直ちに異端審問官へ引き渡して処理すべきである。私の権限で異端審問官をここに呼び出そう。」
レアはいつの間にか自分のムライムから水晶玉を取り出して手に持ち、本当に異端審問官を呼び出そうとしている。
「……。」
状況が繰り返されると、ガードとエドは言葉を失った。
「私の権限で一度止めたのだから、今度はお前に任せる。」
そしてガードはエドに状況を引き渡す。
「え? どうして話がこんなことになるんだ。」
エドは目の前の状況を収拾する方法を考えながら、困った表情を浮かべる。
「先に行く。もうこの問題は私の手を離れた。」
そう言うと同時に、ガードは青年を連れて先頭に立って歩き始めた。
「青年は私と行く。終結処理は簡単には終わりそうにない。」
もはやレアとベリアの言い争いに青年がそばにいる理由はなかった。
言い争いの始まりは青年だったが、すでに青年とは無関係な話になっていた。
もともと二人は仲が悪く、日頃から積もり積もった対立が、ついに青年の件で爆発したのである。
もはや本来の趣旨から離れていっていた。
「それでよろしいのですか?」
青年は状況を理解できず、ためらいながらガードについて行きつつ、エドのほうを振り返る。
「うん。むしろそのほうがいいと思う。久しぶりに少し体をほぐさないとね。」
エドもそう言うと同時に、青年に早く立ち去れと手振りした後、頭を左右に振り、肩を回しながらストレッチをする。
「ちっ、ちっ、ちっ。」
ロレルはレアとベリアを振り返り、情けないというように舌を鳴らすと、すぐに嬉しそうな表情でガードの隣に歩み寄り、ガードと歩調を合わせた。
「ハニー。女同士の喧嘩には途中で口を挟むものじゃないよ。むやみに近づかないで。お互い疲れて喧嘩をやめるか、行くところまで行くかするだろうけど、横で見ていると無駄に退屈になるから。」
ボンヌも、女同士の喧嘩には途中で割って入るものではないと青年に忠告する。
すると青年もガードのほうへ足を向け、急いでその場を離れた。
「魔神魔法・次元隔離。」
エドが魔法の呪文を唱え、ほどなくしてレアとベリア、そしてエドが別の次元へと移動する。
「あっ!」
そしてその冷ややかな空間で、ふと正気を取り戻したレアとベリアは、自分たちの後ろに現れた巨大な存在の気配を無視することができなかった。
「聖神様!」
レアの悲鳴はかき消された。
「どうか慈悲を。」
続いてベリアの言葉もかき消された。




