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6、コンゼツ根絶計画  作者: 黒十二色
第二章 自殺者根絶計画
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23、記憶回復、そして再会

 制服姿の時田まことが、ファミリーレストランに降り立った。

 時田まことが、まず最初に敢行したのは、記憶の修復である。記憶消去とはいっても、正確に言えばデータがぐちゃぐちゃに壊された状態で押し込められているだけであり、霊界警察なんてものに所属している人々には、皆、その記憶を修復する能力が与えられている。能力の使用には申請が必要だが、申請しないで使用したからといって、何がどうなるわけでもない。この能力の使用制限に関しては形骸化した決まりごとなのである。

 時田まことは、記憶を修復した上で、嶋縞子と桂はんなに向けて、誇らしげにこう言った。

「よばれてとびでて、まことちゃんです!」

 復活した記憶が馴染むまでの間、しばらく固まっていた二人であったが、やがて記憶を取り戻し、それぞれの反応を見せた。

 桂はんなは自分でも何故そんな行動に出たのかわからないまま怯えて後ずさった。嶋縞子は思い切り抱きしめた。もしも彼女が卵だったら、つぶれてしまうくらいに強く。

「あうー、嶋ちゃん。苦しいです」

「まこと……まことぉ……」

 桂はんなは、しばらく何が何やらわからない様子で立ち尽くしていたが、かつてロリコン根絶計画を手伝った時の記憶がよみがえってきて、時田まことが普通じゃない死に方をしたことを鮮明に思い出した。トラックに跳ね飛ばされたのに、彼女の体がどこにも無かったこと。

「えっと、そっか、時田まことって、あのときの……」

 関連して、桂はんなは、最悪のロリコンのことも思い出した。

「あのときは、ごめんね……。私のせいで」

「そんな、桂さんのせいじゃないです。ロリコン野郎のせいですよー」

 かつて、時田まことと至近距離で出会ったロリコン野郎は、あろうことか時田まことに抱きついたりした。セクハラ野郎というか痴漢野郎に成り下がった。そこで桂はんなは、時田まことに逃げるように言った。しかし、逃げている途中で巨大トラックに飛ばされたのだ。目の前で人が撥ねられたにもかかわらず、ロリコン男はその場から逃げた。それはかつて桂はんなが目の当たりにして、消されていた記憶。

 やがて、時田まことは、嶋縞子に解放され、窓際向かいの席に座った。

 桂はんなは仕事そっちのけで二人と話し出す。二人がけの席だったので、座席は無く、その場にしゃがむ。

「えーと、じゃあ、つまり、目的は何? そっちのメガネは確か、教室でまことちゃんを守ろうとしてた、しっかりしてそうな感じの……ってことは、ロリコンへの復讐が目的?」

 今度は、嶋縞子が首をかしげた。

 縞子は、知らないのだ。ロリコンが更生しなかったから時田まことが消えたということを。

 半霊体になってしまった小さな少女は言う。

「事情を説明したいところですが、嶋ちゃんには知って欲しくない気もしますです。でも、正直言って、あのロリコンに文句を言いたい気持ちもあるわけで……」

「そういや、混野はどうなったの? あの後。まだのうのうと生きてる?」

「はい。どういう形であれ、ロリコンではなくなったので、ロリコン根絶計画は成功ということになりました」

「はぁ? 人殺しといて成功って何よ。霊界警察にゃ人間性ってもんがないのか」

「まあ、霊界警察は皆、半分くらい死んでるから、仕方ないですよ」

「いや、言いたいのはそういう事じゃなくてね……」

 そんなとき、嶋縞子は、「あの、話が見えないんだけど」と説明を求めた。

「ですから、私は、ストーカーじみたロリコンにやられちゃったんですよー」

「え……」



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