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反転術師は成長とともに  作者: ルーザー
1章 反転する運命
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9/12

4話 駆け出し冒険者『レオン・ヴォルト』

他の冒険者の会話を聞いてみたらどうやら近くにゴブリンが沢山湧いたらしい。魔物って倒したら銅貨とか落とさないかな…。


「あの…すみません。」

「ん?」


俺はとりあえず話をしていた二人組に話しかけに行ってみた。コミュ障がなんだか異世界に来てから少しずつ楽になっているような気がする。


「ゴブリンってどこにいるか詳しく教えてくれませんか?」

「いやー。俺は今回のゴブリン討伐はパスするから横のこいつに聞いてくれ。」


茶髪のいかにも剣士っぽい人物には断られてしまった。横の人は…。


「あぁ。別にいいぞ。」

「……。」


なんかいかにも自分は陽キャですって感じのオーラを出している金髪の、鉄の鎧を着た男だ。右手には剣。左手には盾を構えている。


「じゃ、早速依頼を受けに行くとするか。君、名前は?」

「えっと、俺の名前は斎藤理仁です…。」

「『サイトウ・リヒト』か。珍しい名前だな。俺の名前は『レオン・ヴォルト』。駆け出しの冒険者さ。よろしくな、リヒト。」


なんだろう。いかにも勇者っぽいかっこいい名前だな。ちょっと苦手だわ、こいつ。


「あの、依頼を受けに行こうとしているところ悪いんだが俺冒険者登録するお金がなくて…。その〜…。」


真顔でこっちを見てきやがる。こいつ。


「っぷ。はははははは、なんだよそれ。初めて見たぜ?無一文でギルドに来るやつ。」


顔が真っ赤になった。クソ、やっぱりこんなヤツに頼るんじゃ……。


「じゃ、ここは奢らせてくれ。」

「…。は?」


何を言っているんだ?こいつは。


「まぁ、そうだな。君の冒険者登録代は俺が払ってあげるって言ってるんだ。」

「なんでそんなことするんだ?自分で言うのもなんなんだがまだ出会って数分の得体のしれない男だぞ。」

「俺がそうしたいって思ったからするんだよ、リヒトくん。まぁ、新人を見捨てるのは性に合わないからが本音かな。」


やっぱりむかつくわ。こいつ。だがこの話は俺にとってものすごくありがたい話だ。受け入れて損は特にないだろう。


「ただし。」

「ただし、なんだ。」

「依頼の報酬は半々でいい。その代わり素材は少し多めにもらう。これでお互いWinWinだろ?」


なんだ、この世界では魔物を倒すと素材が出るのか。まぁそんぐらい別にいけど。


「わかった。その話のってやる。」

「そうこなくちゃな!!」


なんだかんだレオンは意外といい奴なのかもしれない。けど、なんか純粋すぎるというか…。これから詐欺にあってそうだな、こいつ。

レオンは懐から革袋を取り出すと、中から銅貨を五枚数え、受付へ置いた。


「これでこいつの登録頼む。」

「ありがとうございます。そちらの方よかったですね。それでは、登録手続きを始めます。」


受付嬢は微笑みながら書類を一枚差し出した。


「まず、お名前をお願いします。」

「えっと……斎藤理仁です。」


受付嬢は丁寧に文字を書き込み、小さく頷く。


「これで登録は完了です。」

「え、こんなに簡単なんですか?」

「はい。はい。村へ入る際に犯罪者かどうかの確認は済んでいますから。ですが、冒険者として活動する前に、いくつか説明があります。」


俺は姿勢を正した。

ゲームだったらこういう説明は飛ばすところだけど、この世界ではそうもいかない。


「まず、冒険者にはランクがあります。」


受付嬢は壁に掛けられた木の板を指差した。

【F → E → D → C → B → A → AA → AAA → S → SS → SSS】

11つの文字が並んでいる。


「新人は全員Fランクから始まります。」

「やっぱりそうなんだ。」

「依頼を達成したり実績を積むことでランクは昇格します。ただし、自分のランクより二つ以上高い依頼は受けられません。」


なるほど。

いきなり最強の魔物討伐なんてことはできないわけだ。


「もう一つ、大切なことがあります。」


受付嬢の表情が少し真剣になる。


「依頼中に発見した魔物の異常発生や災害などは、必ずギルドへ報告してください。」

「報告しなかったら?」

「悪質と判断された場合、資格停止や除名になることがあります。」


意外としっかりした組織なんだな。


「以上になります。何か質問はございますか?」

「大丈夫です!」

「それでは――。」


受付嬢は小さな木製の札を差し出した。


「こちらが冒険者証になります。失くさないようお気を付けください。」


受け取ると、手のひらほどの大きさの木札には、

冒険者 Fランク サイトウ・リヒト

と刻まれていた。


「これで俺も冒険者か……。」


思わず顔が緩む。異世界に来て初めて、自分がこの世界の一員になれた気がした。


「よし。」


レオンが笑いながら立ち上がる。


「じゃあ、初仕事に行くか。」

「ああ。」


俺たちは依頼掲示板の前へ向かった。

大量の依頼書が並ぶ中、レオンは一枚を剥がす。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【討伐依頼】

ゴブリン討伐

場所:フィルネ村北の森

推定数:十~十五体

報酬:銀貨一枚

依頼ランク:F

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「これだ。」

「銀貨一枚……。」


銅貨十枚分。

俺からすれば大金だ。


「怖いか?」


レオンがニヤリと笑う。


「正直、めちゃくちゃ怖い。」

「ははっ、それでいい。怖くなくなった冒険者ほど早死にするからな。」


そう言うと、レオンは背中の盾を持ち上げた。


「俺が前に出る。リヒトは無理をするな。最初は生き残ることだけ考えろ。」

「分かった。わざわざありがとな。」


受付で討伐依頼の手続きを済ませると、受付嬢が一礼した。


「お気をつけて。ご武運を。」


ギルドを出ると、昼の日差しが村を照らしていた。

レオンは北門へ向かって歩き始める。


「ゴブリンの巣までは歩いて三十分くらいだ。」

「そんなに近いのか。」

「だから村も困ってるんだよ。」


俺は木札をポケットへしまい、レオンの後を追う。

まだこの時の俺は知らなかった。

この討伐依頼が、俺の価値観を大きく変える出来事の始まりになることを。

二人はフィルネ村を後にし、静かな北の森へと足を踏み入れた。

はい。違和感は若干あるかもしれませんがそれは次回解決していこうと思っているので気にしないで読んでください。けどかなり矛盾している部分があったら教えてくださるとありがたいです。

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