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反転術師は成長とともに  作者: ルーザー
1章 反転する運命
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7/10

2話 初の勝利

スライムから逃げ続けて数分。


「はぁ……はぁ……。」


木にもたれかかりながら、荒い息を整える。


「なんとか……撒いたか。」


周囲を見渡す。さっきまで追いかけてきていたスライムの姿はもうない。


「危なかったぁ……。」


異世界に来て一時間も経ってないのに、もう死にかけるとか聞いてないぞ。


「ゲームだったら最初のスライムなんてチュートリアルだろ……。」


この世界、難易度高すぎないか?そんなことを考えていると。

ガサッ。

また茂みが揺れた。


「ま、またスライム!?」


俺は慌てて木の棒を構える。すると草むらから現れたのは、小さな四足歩行の生き物だった。

茶色い毛並み。丸い耳。子犬ほどの大きさ。

そして額には、小さな一本角が生えている。


「……。なんだこいつ。」


ウサギ……いや違う。犬でもない。鹿でもない。


「まぁ、異世界だから当たり前か。」


生き物は俺を見ると、一歩後ろへ下がった。しかし次の瞬間。


「キュイッ!!」


勢いよく飛びかかってきた。


「うおっ!?」


間一髪で横へ転がる。その生き物は勢い余って木へ激突した。ゴンッ!!


「今だ!!」


俺は木の棒を両手で握り締め、思い切り振り下ろした。

バキッ!!

木の棒は真っ二つに折れた。


「え?」


だが、その一撃は効いていたらしい。生き物はふらつきながら数歩歩き、そのまま地面へ倒れ込む。やがて体は淡い光となって静かに消えていった。


「……勝った?」


恐る恐る近づく。何も残っていない。その時だった。

ピロン。

どこからともなく軽い音が鳴る。目の前にステータス画面が現れた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


レベルアップ

斎藤理仁

Lv1 → Lv2

経験値 0/20

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


能力上昇


HP:100 → 110


MP:80 → 85


筋力:10 → 12


魔力:10 → 12


俊敏:10 → 12


器用:12 → 14


精神:20 → 22


幸運:5 → 5


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「おぉぉぉ!!ちゃんと強くなってる!!」


思わず声が出る。

さらにもう一枚の画面が開いた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【本職】

反転術師 Lv1 → Lv2

職業経験値

0/100


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「本職まで上がった!?」


そうか。ヴェルノクス様の言っていた《成長》のおかげだ。


「これなら……ハズレ職でも何とかなるかもしれない。」


俺は少しだけ笑みを浮かべた。


「……それにしても。」


さっき倒したあの魔物?


「あいつ、何だったんだ?」


名前も分からない。どれくらい強かったのかも分からない。この世界では、ゲームみたいに魔物の名前が表示されるわけではないらしい。


「まぁ、そのうち誰かに聞けば分かるか。」


そう呟くと、俺は再び歩き始めた。しばらく森の中を進むと、木々の隙間から細く立ち上る煙が見えた。


「あれって……。」


煙。つまり、人がいる。


「村か!?」


俺は自然と足を速めた。森を抜けた先には、木の柵で囲まれた小さな村が広がっていた。


「助かった……。」


異世界で初めて見る、人の暮らし。その光景に、俺は心の底から安堵した。

戦った魔物の名前はまたいずれわかります。

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