1話 始まりの森
暖かい風が頬を撫でる。
小鳥のさえずり。
木々の葉が揺れる音。
鼻をくすぐる草木の匂い。
「……ん。」
重たい瞼をゆっくりと開ける。
そこに広がっていたのは、見渡す限りの森だった。
「ここは……。」
俺はゆっくりと上半身を起こす。柔らかい草の感触。青く澄んだ空。日本では見たこともないほど巨大な木々。
「……。」
数秒間、景色を見つめる。
そして――
「異世界だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
思わず叫んでしまった。
「マジできちゃった!!ホントに来ちゃったぞ!!」
俺はその場で飛び跳ねる。
「異世界最高ぉぉーーーーーー!!」
テンションが爆発する。前世では引きこもりだった俺も今は子供のようにはしゃいで楽しんでいた。
「そうだ!!」
異世界に来たのならあるはずだ。自分自身の『ステータス』が。多分出し方は分かる。
「『ステータス』オープン!!」
目の前に青白い光が集まり、一枚の半透明な画面が現れた。
「おぉぉぉ!!」
ゲームで何度も見たあの画面。俺は興奮しながら読み始める。
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名前:斎藤 理仁
種族:人族
年齢:22歳
性別:男
LV:1 経験値:0/10
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【本職】
反転術師 Lv1
職業経験値 0/100
【副職】
なし
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HP:100
MP:80
筋力:10
魔力:10
俊敏:10
器用:12
精神:20
幸運:5
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【ユニークスキル】
・成長
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【スキル】
なし
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【魔法一覧】
火 なし
水 なし
風 なし
土 なし
雷 なし
氷 なし
光 なし
闇 なし
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【称号】
異世界転生者
神に選ばれし者
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「おぉ……。」
本当に異世界なんだ。俺は思わず画面を何度も触る。ちゃんと指も反応する。
「スキルの説明とかないかな?《成長》を押してみてっと。」
文字へ触れると、新しい画面が開いた。
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《成長》
・職業レベルの成長速度が大幅に上昇する。
・副職にも同じ効果が適用される。
・技術、魔法、スキル熟練度など、あらゆる「成長」が速くなる。
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「……………。ありがとうヴェルノクス様。」
思わず笑みがこぼれる。反転術師はハズレ職かもしれない。でも、このスキルがある。きっと何とかなる。
「よし!」
俺は勢いよく立ち上がった。
「まずはレベル上げだ!」
ゲームなら最初にやることは決まっている。魔物を倒す。経験値を稼ぐ。レベルを上げる。最強になる。
「よーし、最弱モンスターでも探しますか!」
そう意気込んだ、その時だった。
ガサッ。
近くの茂みが揺れる。
「ん?」
ゆっくり振り返る。もしかして青くて可愛らしいあのスライムか?!
「「……。」」
見てみると青くドロドロと溶けたような形のスライムがいた。ド◯クエのスライムのような可愛げなど微塵も感じない。
「ピギィィーーーーーーー!!」
「うわぁぁぁぁ!!」
急に襲いかかってきやがった。だが相手は最弱のスライム。たぶん勝てるだろ。うん。きっと。
「これでも食らいやがれぇぇ!!」
俺は落ちていた木の棒を拾いスライム相手に切りつけた。
ペチョ。
うん、切れるわけがなかった。相手はドロドロネバネバしている。こんな棒でダメージがはいるとは到底思えない。
「あれ?もしかして俺詰んでる?」
もしかしてステータスの筋力10ってめちゃくちゃ弱い?スキルも特に何も持ってないし。
「逃げろぉぉぉぉ」
異世界転生初戦。俺の戦績は勝つどころか、敗走。しかも相手は最弱のスライムだった。ほんとにこの世界で生き残れるのだろうか。
異世界での初戦はスライム!!
木の棒で勝てるわけなく敗走でしたね笑。
次回はちゃんと戦闘に勝ちます。お楽しみに!!




