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反転術師は成長とともに  作者: ルーザー
1章 反転する運命

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34/40

26話 よし、レベルを下げよう!!

――次の日。俺は冒険者ギルドへ向かっていた。

今日もレオンは大兎討伐だ。


「レオン、今日も頑張ってるな……。」


俺はギルドの扉を開ける。

すると、昨日と同じように――。


「昨日の女、知ってるか?」

「エレナ・スカーレットだろ?」

「教会の神官からスキルを奪ったらしいぞ。」

「しかも犯罪職って話だ。」

「一体何者なんだろうな。」

「…………。」


俺は黙って聞いていた。


「噂になるの早くないか……?」


昨日の今日でここまで広まるとは思わなかった。


「まあ、正体が俺だってバレてないならいいか。」


今日は別にやりたいことがある。俺はギルドを出て人のいない場所まで移動した。


「さて……。」


今日はエレナとしてやることがある。

それは――。レベル上げ。いやレベル下げか。

現在のエレナのステータスは――。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【LV】-2

【本職】テイカー Lv-2

【副職】暗殺者 Lv-2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「でも、一つ気になることがある。」


俺は腕を組む。


「そもそも、魔物を倒したら本当にエレナのレベルって下がるのか?」


俺はまだ実際に確認していない。


「いきなり大量に倒して、全然下がりませんでした……なんてことになったら最悪だ。」


なら、まずは実験だ。


「一匹だけ倒してみよう。」


俺は周囲を確認する。そして――。


「性反転《アニマ・リヴァース》。」


光に包まれる。

身体が変化し、髪が伸びていく。


「……よし。」


エレナ・スカーレットになった。


「アタシのレベルが本当に下がるのか……試してみよう。」


森へ向かう。



---


少し歩くと、一匹のゴブリンを見つけた。


「いた。」


エレナはゴブリンを倒す。

そしてすぐにステータスを開いた。


【LV】-2

【EXP】ー50/-400


「……減ってる。」


もう一匹ゴブリンを倒す。

そして――。


「……経験値は動いてる。」


さらにもう一匹、そしてもう一匹。


「……。」


エレナはステータスを確認する。

その瞬間――。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【LV】-3

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「……下がった。」


エレナは目を見開く。


「本当に下がるんだ。」


これで分かった。

魔物を倒すことで、エレナの負の経験値が溜まり、一定量に達するとレベルが下がる。


「なるほどね。」


エレナは剣を構える。


「だったら――。」


ニヤリと笑う。


「今日は、とことんやりましょうか。」



---


そこからのエレナは凄まじかった。


「ゴブリン発見。」


一体。


「《スラッシュ》。」


また一体。


「次。」


さらに一体。


「まだいるわね。」


次々とゴブリンを倒していく。

十体。五十体。百体。


「……まだまだ。」


気がつけば、ゴブリンの群れをいくつも壊滅させていた。


【LV】-6


「まだ一つ……。」


エレナは休むことなく森を進む。

そして――。


「……あら?」


今度は見覚えのある魔物が現れた。


「ホーンビット。」


理仁として何度も戦った魔物だ。


「ちょうどいいわね。」


ホーンビットを倒す。

また一体。さらに一体。


「《スラッシュ》!」


十体。五十体。百体。

ホーンビットも次々と倒していく。


【LV】-8


「いい感じね。」


それでも止まらない。

ゴブリン。

ホーンビット。

ゴブリン。

ホーンビット。

ひたすら魔物を倒していく。



---


昼を過ぎても。夕方になっても。

エレナは狩りを続けた。


「……多すぎない?」


自分で始めたことなのに、エレナ自身が呆れるほどの数だった。

この一日だけで――。

ゴブリン数百体。ホーンビット数百体。

合わせれば、軽く300近く。

それでも負の経験値はまだ溜まっていく。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【LV】-10

【本職】テイカー Lv-7

【副職】暗殺者 Lv-10

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「本職は……やっぱり遅いわね。」


副職に比べて、本職のテイカーはなかなかレベルが下がらない。


「まあ、これはこれで面白いわ。」


さらに狩る。



---


そして、日が沈み始めた頃。

最後のゴブリンを倒した。


「……。」


エレナはステータスを開く。


【LV】-18

【本職】テイカー Lv-10

【副職】暗殺者 Lv-10


「…………。」


エレナはしばらく画面を見つめる。


「……やった。」


今日一日で、エレナのレベルは――。

-2から-18。

本職は――。

テイカー Lv-2からLv-10。

そして副職は――。

暗殺者 Lv-2からLv-10。

そして新しいスキルも手に入った。

【暗殺者】から『忍び足』と『状態異常耐性』、『暗殺』を覚えた。テイカーは何も覚えてくれなかった。

暗殺以外は常時使用できてるらしい。


「副職はレベルマックスになったらしいわ。」


さっきアナウンスさんが教えてくれた。

エレナはステータスを閉じる。


「でも……これで準備はできた。」


昨日奪ったスキル。

副職転換《サブ・チェンジ》。

これを使う時が来た。


「副職転換《サブ・チェンジ》。」


すると、目の前に職業の一覧が表示される。


【副職を選択してください】


【剣士】

【魔法使い】

【僧侶】

【盗賊】

【狩人】

【鍛冶師】

【薬師】

【鑑定士】.....


「……。」


エレナは一覧を眺める。

そして――。


「これにしましょう。」


【魔法使い】

【副職を変更しますか?】

  【YES/NO】


「YES。」


――ピコン。


【副職を変更しました】

【旧副職:暗殺者 Lv-10】

【新副職:魔法使い Lv-1】


「成功ね。」


エレナは自分のステータスを確認する。


【LV】-18

【本職】テイカー Lv-7

【副職】魔法使い Lv-1


「これで自由に副職を変えられる。」


エレナは少しだけ笑う。


「……今日は疲れたわ。」


エレナは人目につかない場所へ移動する。


「性反転《アニマ・リヴァース》。」


光が身体を包む。次の瞬間。


「うし、戻った。」


俺は自分の身体を確認する。

そしてステータスを開く。


【LV】15

【本職】反転術師 Lv10

【副職】見習い剣士 Lv10


「……エレナのほうが強くなっちゃった。」


俺のステータスは何も変わっていない。

当然だ。

今日、戦っていたのは俺じゃない。

エレナだ。


「エレナはエレナか…。」


俺はステータスを閉じる。


「ま、俺は俺だ。」


そして俺は、フィルネ村へ戻っていった。

――その頃。

森には、ゴブリンとホーンビットを大量に倒した痕跡が残っていた。

そして翌日。

冒険者ギルドでは――。


「昨日、森で何があったんだ?」

「ゴブリンとホーンビットが……大量に倒されてたらしいぞ。」

「誰がやったんだ?」

「分からない。」

「……まさか。」


一人の冒険者が呟く。


「エレナ・スカーレットじゃないか?」


――また一つ。

エレナの噂が広がっていくのだった。

スキル説明コーナー


『忍び足』・走ったりしても足音がしづらくなる。

『状態異常耐性』・毒や麻痺などのものに耐性がつく。

『暗殺』・自分より弱い相手の背後から一撃入れる技。

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