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反転術師は成長とともに  作者: ルーザー
1章 反転する運命

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21話 生きて帰る、それが仕事

「まずは、このクソ兎を片付けるぞ。」


レオンが剣を構える。目の前には、残り二体の大兎。

さっきまで俺を追い詰めていた二体が、レオンを警戒するように唸っている。


「レオン……。」

「どうした?」

「俺も戦う。」

「……お前、MPほとんど残ってないだろ。」

「……うん。」

「だったら無理するな。」

「でも、さっき一体倒せた。」


俺は剣を握り直す。


「俺も少しなら戦力になれる。」


レオンは少しだけ黙った。

そして――。


「分かった。」

「え?いいのか!?」

「ただし、無茶はするな。」

「分かってる!」


なぜか、レオンが少し笑ったように感じた。

その直後――。


「グルルル……!」


大兎の一体が地面を蹴った。


「来るぞ、リヒト!」

「分かった!」


大兎が一直線に突っ込んでくる。


「スラッシュ!」


俺は剣を振る。――ザンッ!

大兎の動きを少しだけ逸らす。


「今だ!」


レオンが一気に距離を詰める。


「スラッシュ!」


――ズバッ!

レオンのスラッシュが大兎を捉える。やっぱり精度が違う。大兎の腕が飛んだ。


「グァァッ!」


大兎が後ろへ飛ぶ。


「すごい……!」

「感心してる場合か!」


もう一体が俺たちの横から迫ってくる。


「リヒト、右!」

「――っ!」


俺は咄嗟に横へ飛ぶ。大兎の攻撃が目の前を通り過ぎる。


「危なっ!」

「そのまま距離を取れ!」

「分かった。」


俺は後ろへ下がる。レオンが一体の大兎を引きつける。


「こいつは俺が抑える!」

「じゃあ、俺はもう一体を!」


俺は残った大兎を見る。

怖い。

でも、さっきとは違う。今は――一人じゃない。


「行くぞ!」


大兎が突っ込んでくる。

俺はギリギリまで引きつける。


「まだ……。」


さらに近づいてくる。


「今だ!」


横へ飛ぶ。そして――。


「スラッシュ!」

――ザンッ!


攻撃が大兎の足元を捉える。


「グァッ!」


大兎が体勢を崩す。


「今なら!」


俺は剣を構える。これでMPはなくなる…。


「俺の会心の一撃だぁぁぁ!!『スラッシュ』!!」

――ズバッ!


大兎が地面に倒れた。


「……倒した。」


俺は息を吐く。


「よし!」


レオンの方を見る。


「レオン!」

「こっちも終わらせる!」


レオンが大兎の攻撃をかわす。そのまま大兎の懐へ入り込んだ。


「スラッシュ。」

――ザンッ!


大兎が怯む。


「これで――終わりだ!」

――ズバッ!


大兎がその場に倒れた。静寂が戻る。


「……。」


俺は剣を下ろす。


「終わった……?」


レオンが周囲を確認する。


「……ああ。」

「俺たち……勝ったんだな。」

「ああ。」


俺はその場に座り込んだ。


「はぁ……。」


もう体に力が残っていない。


「疲れた……。」


レオンが俺を見る。


「当たり前だ。大兎三体を相手にしたんだからな。」

「一体は俺が倒した。」

「ああ。」

「もう一体も俺が倒した。」

「ああ。」

「最後の一体は――」

「俺が倒した。」

「……。」

「何だ?」

「全部俺が倒したことにできない?」

「できるわけないだろ。」

「ですよね。」


俺達はは苦笑する。そして、倒れた大兎を見る。

前は一体にすら勝てなかった。

それが今日は――。


「俺、少しは強くなったかな。」


レオンは少し考える。


「……ああ。」

「本当?」

「神官の彼女を見捨てずに戦ったことは冒険者としては間違いだ。」

「……そっか。」

「だが……、よく頑張ったな。リヒトが通りたい道が助けることなら俺は否定しない。」

「っ…………。」


俺は笑った。


「よし。」


剣を握る。


「もっと強くなるぞ。」


レオンも笑う。


「その前に――。」

「?」

「村に戻るぞ。」

「あ……。」


俺は自分の状態を思い出した。

HPもほとんど残っていない。

MPも空っぽ。


「……そうだな。」


俺は立ち上がろうとする。


「……あれ?」


足に力が入らない。


「レオン。」

「なんだ?」

「肩、貸して。」

「……仕方ないな。」


レオンが俺の肩を支える。

俺はレオンに支えられながら、森の出口へ向かって歩き始めた。

――今日も、俺は生きて帰る。

それが、冒険者の仕事だから。

リヒトは気づいていませんが大兎3体分の経験値が入っています。つまりすごくレベルアップしてます。

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