1話 俺のこれから
「なんでお主が死んでおるんじゃ?」
「あれ?俺ほんとに死んじゃった?」
なんてこった、俺は死んでしまったらしい。
ここは真っ白な虚無空間、ガリガリで立派な髭を生やしたいかにも神様っぽい爺さんが座っているだけだ。
「おかしいのぉ?」
どうやら俺が死んだことは想定外のことらしい。
「あの、改めてあなたは誰ですか?俺の、私の名前は斎藤理仁。見ての通りただの一般人です。」
ここで語尾を俺にするのは流石にいけないと思って咄嗟に変えてしまった。
「そうじゃのぉ、とりあえず自己紹介はしておくかのぉ。儂の名前はヴェルノクス、この世界の神様じゃ。」
おぉ、ほんとに神様だった。神様にしてはそんなに強そうじゃないな。
「なんで私はその、この虚無空間(?)に来たんでしょう。」
「さぁ、知らないぞ。」
ですよねー
「お主が死ぬのはたしか、もう少しあとだったはずだ
ぞ。」
「どういうことですか?」
「ニンゲンは生まれてからいつ死ぬのかすべて決まっておる。まぁたまにお主のように早く死ぬものも現れるがな。」
「つまり私は…」
俺はあの子供を助けて死んだんだよな?これで無駄死だって言われたら俺はもう…
「あぁ、無駄死じゃな」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ俺って無駄死したのか?こんなことならあの子供を見捨てれば…いやそれはないか。
「後悔してるな、お主。だが安心するとよい。あの子はあそこで一生治らない大怪我を受けるところじゃったぞ。お主がそれを助けたのだ。お主は死んだが…」
「あ〜、はいはい、よかったですよ。その子が怪我しなくて。」
まぁ俺としては少し救われたか?
「っていうかここはそもそもどこなんですか?」
「ここはそうじゃのぉ…『神界』じゃ」
「神界?」
なんだ、神様の世界か…なんかすごくないかここ!?
「なんで俺は神界なんかに…」
「神界は天界の少し下にある。天界はそうじゃのぉ、お主たちの言う天国じゃ。死んだ魂は天界に移動し、そのまま魔界か天界どちらに落ちるのか判決をする。」
「え?じゃあなんで俺はその間にある神界なんかに…」
「お主の生きたいという感情がどうしても下に引っ張って落ちてきたようじゃな。」
「え、しょーもな理由。なんか勇者に選ばれたとかじゃないん?」
じゃあ俺って生きてゲームがすごいしたいっていう気持ちだけで神界に来ちゃったの?すごいな俺。
「気持ちだけでここに来たニンゲンを見るのは久しぶりじゃのぉ」
「あ、俺以外にも居るんっすね。」
なんかもう敬語とかどうでもいいや。
「ここに来たものは毎回とあることをしておる。」
……来る。
RPG好きなら誰もが一度は夢見る、あの言葉が。
「お主──異世界へ転生してみる気はないかの?」
「…………」
「きたーーーーーーっ!!これだよ! これこれぇ!!俺が待ち望んでいた言葉はぁ!!」
人生終わったと思ったら、まさかここから始まるなんて。
……まあ、一回死んでるんだけど。
見てくれた方、訂正点などがありましたら教えていただけるとありがたいです。




