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26 殺されかかったその後の出来事

 私は話し終えた。

 ホリィは少し考えている様子だったが、

「それで終わり?」

「そうよ。気がついたとき、私は家で寝てた。怪我は治療されてて、きいたらマリちゃんが助けてくれたって」

「ああ、マリはそのときどうしてたの?」

「婆ちゃんと一緒にいたのよ。婆ちゃんがマリちゃんを守ってたの」

 つまり、あの木々の山の下に婆ちゃんと一緒に埋もれていたということだ。

「クラリィは誰が助けてくれたの?あんたの話の様子だと、自力でどうにかできるような感じじゃなかったけど」

「そうだよ。婆ちゃんのことは、父さんが連れてきた騎士たちが助けてくれた」

「騎士?」

「そう。そのとき近くに騎士隊がいて、婆ちゃんがあの男に攻撃されてたとき、騎士に魔法で連れてきてもらってたんだって」

 何のことはない、あのときの驚異的な速さは魔法で移動していたからだったのだ。

 そして、父を連れてきてくれた騎士たちが、婆ちゃんを助けてくれたらしい。騎士は貴族であり、漏れなく強力な魔法使いだった。婆ちゃんたちの上を覆い積み重なっていた木々はあっという間にのけられただろう。

 ホリィは黙ったままその辺を飛び回っていたが、ふっと止まると私の方を振り返った。

「なんていうか、不思議ね」

「不思議?」

「んー、あんたの話きいたけど、今の話の内容で煉獄が発動するかなって。あんたがミスして怪我しただけのことでしょ?」

 身も蓋もなく言われて私は少し腹が立ったが、事実なので自分の感情はおくびにも出さずに肯定した。

「そうだけど」

「それって、なんかおかしくない?魔法による直接的な攻撃だったら煉獄は作動するけど、魔法を使った結果巻き込む感じで相手に被害を与えたのだったら煉獄は作動しないじゃない。あんたが怪我したのって、直接的な攻撃のせいじゃないでしょ」

「……そうだけど。でも、煉獄は作動したよ。私、見たもん」

 宙から突如現れた巨大な手と、それに包まれるあの男を。

「んー……、まあいいけど。わかったわ。前に何があったかはきかせてもらったから。後は、魔法の練習ね」

 ホリィに言われ、私は机の上に置いていた、図書館から借りてきた魔法についての本に視線を向けた。

「やっぱり、魔法の練習しないとダメなの?そりゃ、魔素術よりも魔法の方が威力が強い術が多いけどさ」

「そういうことじゃないのよ。まあ、魔法と魔素術の違いを知れば、何で魔法が必要かわかると思うわ」

 私は、面倒くさいことになったな、と思った。


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