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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和4年2月第2週

2月7日(月曜)

 本日に全国で6万8039人の感染と113人の死亡。蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)が沖縄、広島、山口に適用されてから一ヶ月近く、更に首都圏を含む13都県にも拡大されてから二週間余が過ぎて人出は減少。若年層の感染拡大は鈍化し、適用が先行した三県では感染者数の減少を認めるも、後に続いた地域は未だ感染拡大が収まらず、幅広い年代に感染が広がっている情勢。昨日の時点で内閣(ないかく)官房(かんぼう)が発表した所に拠ると、重症確保病床の使用率は京都府で51%、沖縄県で54%。確保病床の使用率は群馬県60%、埼玉県54%、千葉県64%、東京都55%、神奈川県64%、石川県63%、岐阜県59%、愛知県54%、滋賀県69%、京都府56%、大阪府84%、兵庫県72%、和歌山県62%、岡山県50%、広島県55%、福岡県61%、熊本県69%、沖縄県59%が五割超となり、政府の分科会が示す「対策を強化すべきレベル」の目安を上回った由。

 政府が公表した最新状況に依れば、3回目接種を受けた者は746万5534人で、接種対象に入らぬ小児も含めた全人口の5.9%に相当。1回以上接種を受けた者は1億142万2080人で全80.1%、2回だと9989万4922人で78.9%となった。また3回目接種を受けた者の85%近くにはPfizer製が使用されており、国は「比較的、在庫に余裕があるとされるModerna製の接種」を呼び掛けていたが、過去2回はファイザー製での接種を受けた東京都知事の小池百合子氏が今夜、都庁の大規模接種会場でモデルナ製を用いて3回目接種。「交互接種となるが、発症と重症化の予防効果が高まると言われている」「ファイザーとモデルナの組み合わせでも問題無いので、安心して受けて貰いたい」「速度(スピード)が課題だ」と述べ、迅速な接種を都民に呼び掛けた由。 東京都は7日、都内で1万2211人の新規感染を確認。月曜としては過去最多となるも、先週同曜との比較した増加の割合は1.04倍で、先月26日以降は二倍を下回る状況が続く。特例疑似症患者は279人。

 大阪府は7日、8308人の新規感染、16人の死亡を発表。重症者は前日より15人増えて136人。同府南部の(いずみ)佐野(さの)市、泉南(せんなん)市等を管轄する泉州(せんしゅう)(みなみ)広域消防本部は11箇所の消防署や分署で救急業務を行うも、先月から呼吸困難や高熱等を訴えるCOVID患者の救急搬送が急増。感染拡大が始まった2年前から先月末(まで)に行った救急搬送は426件に上り、凡そ四分の一に相当する104件が先月に集中。保健所の業務が逼迫して搬送可能な病院が見付からぬ事例も増え、受入先が3時間以上確定しない場合は消防本部の駐車場に用意した大型救急車で酸素を投与。「自身の感染」「家族が感染して濃厚接触者となる」等で救急隊員が出勤不可となる状況も多発し、当面は「避難訓練や講習会の延期や中止」「休みの隊員が代わりに出勤する」等の手で欠員を補っている由。

 先月31日から東京会場で始まったのに続いて、7日から大阪市中央(ちゅうおう)区の(さかい)(すじ)八木(やぎ)ビルで自衛隊による大規模接種が開始。3回目の接種券を持ち、2回目接種から6ヶ月以上が経過している18歳以上が対象で、モデルナ製ワクチンを使用し、現辞典で一日に最大960人の接種が可能。1週間分の予約は埋まり、来週以降の予約は本日18時から専用サイトや電話等で受け付けるとの事だが、防衛省は今夕に会議を開き、今月14日以降は「同じく中央区の日経今橋ビルにも会場を設け、1日当たり1500人分の接種を行う」事、「八木ビル会場の接種枠を1000人分へ増やす」事を決定。大阪での接種枠は1日当たり2500人分まで増える事になり、東京会場も本日から1日当たりが2160人分に、更に今月10日からは5040人分に増える予定との事。

 大阪に本社を置く塩野(しおの)()製薬が、7日に東京都内で記者会見。同社が開発したCOVID-19治療薬“S-217622”に関する治験で、12歳から60代の患者69人からPCR陰性の22人を除き、16人に低用量、14人に高用量の実薬を1日1回、5日間の経口投与。17人の偽薬(プラセボ)投与群と比較した所、実薬投与群では「速やかなウイルス力価およびウイルスRNA量の減少」を確認。3回投与を経て、4 日目には「ウイルス力価陽性患者の割合」が偽薬群より約60~80%減少し、「ウイルス力価が陰性になるまでの時間の中央値を2日短縮」出来た由。投与群では“Ordinal Scale”が3以上、即ち入院を要する状態迄、容態が悪化する症例を認めず、副作用も軽度だったとの事。

 同社は「現在進めている凡そ400人が対象の治験」の結果を分析して、高い有効性が認められれば「最終段階の治験の結果を待たずに、来週から再来週にも国に承認申請する」可能性も有るとし、社長の手代木功氏から「非常に良い手応えを感じている」「今回の情報(データ)を次の段階で再現できれば、非常に良い薬剤になる可能性が高い」と良い良い尽くしの発言が聞かれるも、現在の数十件では勿論、四百を集めても新薬の真価を確かめる症例数としては少なく、数万とは行かぬ迄も数千件は揃えてから物を言った方が良い様に思われる。官民共に「国内の製薬会社から初の内服薬を作り出す」栄誉を焦った結果、(つまず)く事にならねば良いが。

 岸田総理大臣は6日、総理大臣公邸で松野官房長官、後藤厚生労働大臣、山際新型コロナ対策担当大臣、堀内ワクチン接種担当大臣らと対応を協議。更に7日朝、国会内で後藤厚生労働大臣ら関係閣僚と会談を持ち、オミクロン株の発症や重症化を予防する要として、3回目接種の加速を指示。

 7日国会の衆議院予算委員会でも、自民党の谷公一氏が3回目接種に就いて質問。「現時点で接種が済んでいるのは凡そ600万人」「高齢者等の対象者を今月中に終えるためには1日100万回接種しないと達成出来ない」等と指摘し、政府の姿勢を問うたのに対し、岸田総理は「2月の出来るだけ早期に1日100万回までペースアップする事を目指し、取り組みを強化」「明確な目標を掲げ、政府一丸となって1日も早く希望者への接種を進めて行きたい」と回答。立憲民主党の政務調査会長、小川(おがわ)淳也(じゅんや)氏から「6ヶ月間隔であれば遅くとも去年11月には高齢者の接種を始めて、1月末に少なくとも9割方の高齢者が接種を終えていた可能性が高い」が「2ヶ月の遅れは自民党の事情や政局を優先した結果」で「致命的だったのではないか」と追及されたのに対しては、「去年11月には対策の全体像を取り(まと)め、次の体制の準備に()てて来た」「オミクロン株の感染拡大が注視される中で、多くの国々が最初は8ヶ月接種という議論から始めていた」と反論。更に総理は、1日100万回の目標に就いて「今月後半から職域接種が全国で始まり、この体制が稼働する事で目標を達成出来る」と語った。

 緊急事態宣言の発出に関しても「現時点では検討していない」が「蔓延防止等重点措置等の対策」の効果も含めて「今後の事態の推移を注意深く見極めて、必要な対応を考えていきたい」との総理発言有り。政府分科会の尾身茂会長は「重症者の増加も含め、医療機能の不全が想定されれば、其の前に出す選択肢(オプション)も有る」が「其の場合には社会経済活動を何処(どこ)まで制限するか」、「オミクロン株の特徴を踏まえた対策が如何(どう)云うものかと云う事の国民的な合意(コンセンサス)が必要だ」と指摘した由。先月に厚生労働省から出された増産要請に応えて、一部の抗原検査キット製造会社(メーカー)は本日から本格的な増産体制を始動。従業員を増やして夜間早朝も操業、土曜も工場を動かして製造量を倍増させる会社が有る一方、「地域的に応募者が少なく増員が困難」との事情から増産が思うように進まぬ所も多く、或いは「抗原検査キットは感染が収まると急に需要が無くなる」との経験から増産に躊躇する企業も有る模様。

 3回目の接種を加速させる為に、大阪府の堺市は本日から移動式の「ワクチン接種バス」の運用を開始。関西空港の利用客を運ぶリムジンバスを改良して車内に接種設備を設け、医師と看護師を含めた10人余を乗せて2台1組で移動。堺区の大仙公園駐車場に到着すると順番に接種をを行い、接種を済ませた人はもう1台のバスに移って着席。体調に異変がないか確認する仕組みになっている由。COVID感染で自宅療養を始めるも、家族と生活空間を分ける事が困難と悩む市民に対し、埼玉県深谷市は民間の会社から野営用(キャンピング)自動車(・カー)を確保して、貸出事業を開始。野営用自動車には寝台(ベッド)食卓(テーブル)便所(トイレ)を完備、外部電源との接続で冷蔵庫も使用可能。駐車場所や電源の確保が貸与の条件で、保健所が隔離を指示した期間は無料で利用可能。昨年10月から3台で事業を運用して来たが、家庭内感染の事例が増加した状況を鑑みて、先月から今月は2台を追加。受験生や幼児の居る家庭で利用されている由。去年12月の政府の規制改革推進会議の中間取り纏めで「車を使った移動式のPCR検査を自治体を(また)ぐ形で実施する」事への規制を緩和する方針が盛り込まれた事を踏まえ、全国2箇所でPCR検査事業を行うソフトバンクグループの子会社、SB新型コロナウイルス検査センターが検査専用車両を開発。7日に報道機関へ車両を公開。3(トン)貨物自動車(トラック)を改造して荷台の部分にPCR検査機器を置き、換気装置も完備。検査に必要な試薬も長期に渡って確保出来て居り、小学校の集団検査や大規模催事会場等での活用を目指して行く等と、自動車を用いた工夫も三者三様。

 1月30日に介護福祉士の国家試験が行われるも、規定で感染者と濃厚接触者の受験が認められず、追試の予定も無し。其の他の要因も含めた「申し込み者に対する実際の受験者の割合」は世界的大流行より以前、2年前が95.9%で、今年の速報値は93.1%と増加。高齢化にコロナ禍が重なり、介護職の人手不足が叫ばれる時代に国家試験の門戸を狭めている理由に関して、NHKが取材。厚生労働省からは「介護福祉士の試験は受験する9割が実際に介護現場で働いている人達」だが「万が一、会場で感染して職場で二次感染させてしまう」と「大きなリスクになってしまうので濃厚接触者も受験を認めていない」。「そもそも国家試験は、資格を付与しても問題ないかどうかのレベルを問うもの」で「5~6月から問題作成の準備に入り、12月頃迄、掛かる」が「仮に追試を行うとなった場合」「同等の質を問うには一定の準備が必要」、故に「今から追試の準備は難しい」との回答有り。今後も2月5日と6日に医師、10日に助産師、11日に保健師、13日に看護師で、16日はPCR検査にも携わる臨床検査技師、19日と20日に薬剤師の国家試験が続く。此等の試験は介護福祉とは異なり、「検査で陰性」、「受験当日も無症状」等の条件を満たせば、濃厚接触者にも別室での受験が認められるが、感染者は受験出来ず追試が予定されていないのは同じとの事。

 斯様(かよう)な情勢に対し、1月20日の時点で全日本民主医療機関連合会、略称(みん)()(れん)が医師や看護師等の国家試験に於ける追試実施等を国へ要請。「感染に依って受験出来ず、救済も行われなければ本人、そして今後の医療提供体制に重大な損失が生じる」が「平成26年の看護師国家試験で、当日に大雪の影響で会場に辿(たど)り着けなかった宮城・東京・愛知の凡そ800人を対象に追試が行われた」前例が有ると指摘。昨年にも同様の内容を要請済で準備は出来た筈だと云う日本共産党の実質的下部団体からの主張に対し、厚生労働省は「短期間で追試の問題を作成するのは困難」、「広く機会を与える観点から柔軟な形で行われている大学入試等とは異なり、従来から心身の不調を理由とした追試は実施していない」等と反論。過去の追試は「大雪による影響で会場にたどり着けなかった受験生が対象」「場所も職種も限られたもの」で今回とは事情が異なり、(むし)ろ「去年の緊急事態宣言下でも追試を行わなかった」事の方が尊ぶべき前例だと考えている模様。

 NHKの取材に「数年前の国家試験で試験委員を務めた1人」が答えて曰く「国は災害時等を想定して予備の問題も作成している」が、「本試験の問題と比べると完成度は高くない」。故に「本当に追試を行うとなると練磨(ブラッシュアップ)の必要は出て来る」が、「其の作業を本試験を作っているメンバーに同時並行で御願いする事は難しい」。「他にも沢山有る国家試験と統一した対応を取らなければ説明が付かないという点を懸念した事は推測出来る」一方で「去年の段階から問題作成の体制を準備」して置けば追試も可能だった筈で「誰が感染してもおかしくない今の状況は災害に匹敵すると思う」との事。個人的には「幾らか緩い基準でも追試を行う代わり、追試合格者は仮免許」「数年後に再評価を行い、基準に達しなければ免許剥奪」等の対応も、非常時の対応としては有り得る様に思う。


2月8日(火曜)

 8日は全国で9万2078人の感染と159人の死亡を確認。7日に米国の国務省が国民向けに出している各国への渡航の安全度を示した情報を更新。「渡航の再検討を求める」とされていた日本への渡航に関して、最も厳しい「渡航の中止を求める」勧告に引き上げた旨が発表された。疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention; CDC)が日本の感染状況を「非常に高い」と判断したのに準じた決定で、CDCは「日本への渡航は避け、已むを得ず渡航しなければならない場合は事前にワクチン接種を終える様に」と呼び掛けている由。

 東京都内の8日の感染確認は1万7113人で、火曜日としては過去最多。検査希望者で混雑する医療機関の負担を軽減するべく、東京都が抗原検査キット無料配布を行う事業を本日から始めた所、9時の受付開始から14時半迄に申込上限の四万件に達した由。鼻粘膜を自ら採取する型の検査キットで、結果は15分から30分のうちに判明。都内在住の濃厚接触者が対象となり、申込から数日で自宅に検査キットが到着。明日以降も今月27日迄、申し込めるが、同一人が申し込めるのは2回迄との事。検査で陽性の表示が出た場合、医療機関は更なる検査を行わずに陽性と診断する事が出来る事となっており、都は「キットの検査結果をスマートフォン等で撮影して診察の際に提示して欲しい」と呼び掛ける一方、陰性の表示が出た場合も「感染の疑いが否定出来ず、自宅待機を続ける様に」と警告している由。

 増加している家庭内感染の予防策として、東京都は東京五輪・パラリンピック宣伝に使われた東京スポーツスクエアを活用して、350床の臨時宿泊療養施設を設置。更に本日、都内2ヶ所目にして多摩地域では初の臨時宿泊療養施設を立川市、多摩モノレール立飛駅付近に設置。原則、無症状者を対象とし、65床で開設した後、今月下旬迄には最大350床前後に増床の予定との事。

 救急患者の受入先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は5400件余と四週連続で過去最多を更新して居り、救急医療で最後の砦と呼ばれる大学病院の受入状況も逼迫。東京都文京(ぶんきょう)区の日本(にほん)医科(いか)大学(だいがく)付属病院では例年、心臓病や脳卒中等での搬送が多い冬場は月300件近くの緊急性の高い救急患者の受入要請に対し、一昨年1月には9割以上に応じて来たが、オミクロン株が急拡大した先月からは多くの医療機関が一般の救急患者受入を制限した結果、同院への受入要請が例年より増加。「受け入れた患者が治療を経て急性期を脱しても、引き受ける後方病院も無く、救急用の空床が出来ない」等の悪循環も有り、要請を受けた患者の6割ほどしか受け入れられない情勢との事。全国的にも、総務省消防庁が県庁所在地の消防本部等全国の52の消防機関から受けた報告に依ると、患者の搬送先が決まる迄に病院への照会が4回以上有った事例等を「搬送が困難な事例」として集計した結果、過去最多となった前週の5303件から、今月6日迄の1週間は5469件と更に増加。このうちCOVID疑い例は1983件で、感染が否定的な症例は3486件と全体の64%を占め、「一刻も早い治療が必要な心筋梗塞の患者も搬送先が決まらずに自宅で死亡する」事例の報告も有った模様。

 大阪府で新たに感染が確認されたのは1万1409人。2万609人の感染が確認されたとの発表も有ったが、このうち9200人は大阪市のシステム入力の遅れで、従前の集計に反映されていなかった人数との事。大阪府の吉村知事は記者団に対して「大規模な感染拡大が続いて高齢者を中心に入院が相次ぎ、医療提供体制が極めて逼迫している」「医療非常事態宣言を出す」と述べる一方、ほぼ満床になっている軽症中等症病床の逼迫を抑えたいとして「一定の治療を終えて症状が軽くなった入院患者を診療機能が整った宿泊療養施設に移送する為の専従チームを設ける」、重症病床の確保計画を非常事態を表す“Phase 4”に引き上げて「今の運用病床より100床余も多い420床を運用する」等の方針を提示。緊急事態宣言に関しても「重症病床の実質の使用率が40%に達する段階で国への要請を判断すべきだ」「現在は25%で在り、今後の状況を注視したい」と述べた由。

 新型コロナワクチンの3回目接種をめぐり、岸田総理大臣は、7日、関係閣僚に対し、今月の出来るだけ早い時期に一日当たり100万回の接種を実現出来るよう取り組みの強化を指示。政府分科会の尾身茂会長は、衆議院予算委員会で感染拡大の見通しについて「多くの県で、感染者数の今週と先週の比較で、少しずつ増加のスピードが鈍化していてピークアウトは可能」だが、其の後の感染者数は「()ぐに急激には下がらず、徐々になだらかに下がる」、「或いは高止()まりになる」。「最悪の場合にはBA.2と云う亜種もあり、なかなか下がらずに上がるという事も考えられる」等と発言。またオミクロン株と季節性インフルエンザの違いを問われて「確かに似ている所も有るが、違う点も幾つか有る」と述べて、インフルエンザと比べて「ウイルスの変化が進行中で、ワクチンの効果等不確定な要素が有る」「感染する速度が速く、早期の治療等が非常に難しい」「飲み薬が日常的に確保出来ていない」等を指摘した由。

 大阪市に本社が有る塩野義製薬と京都市に本社を持つ島津製作所が、50%ずつ出資して新会社を設立。「SARS-CoV2は感染者が発症する前や無症状の場合でも、生活している場所の下水に含まれる」、故に「下水のウイルス量を調べる事で感染の拡大や収束を早期に把握出来る」との知見を踏まえ、別個に技術開発や実証実験を行って来た両社は此の度、事業を新会社に一本化する事で研究開発を加速させ、下水処理場等における実用化を進めたい考えです。塩野義製薬の手代木功社長は「感染症への対応の第一歩は流行を早く(つか)む事だ」「この技術には非常に大きな役割がある」。島津製作所の上田輝久社長は「新会社を設立する事で研究だけにとどめず、事業として確立させていきたい」と述べたそうだが、意気軒高で大いに良し。


2月9日(水曜)

 Johns Hopkins大学の報告に拠ると、日本時間の9日7時台に世界全体のCOVID感染者数が4億24万4031人を数えた由。最多は米国で7702万5027人、次いで印度(インド)の4233万9611人、伯剌西爾(ブラジル)が2677万6692人、仏蘭西(フランス)が2117万4600人と続く。感染者数が1億人を突破したのは統計開始から約1年半後だったが、其処から約半年後に2億人超、更に5ヶ月で3億人超、僅か1ヶ月で4億人超と加速度的に増加した背景にはオミクロン株の感染拡大が有るものと見られる。COVID感染に因る世界全体の死者は576万1208人となったが、WHOが改めて感染対策を徹底する様に各国へ呼び掛ける一方、欧州を中心に感染対策上の規制を緩和、撤廃する国も増えつつ在る情勢。

 日本では、全国で9万7833人の感染。大阪府で31人、愛知県で14人、神奈川県で14人、北海道で12人、東京都で11人、兵庫県で10人、埼玉県で7人、奈良県で7人、千葉県で6人、福岡県で6人、広島県で5人、静岡県で5人、熊本県で4人、京都府で3人、宮城県で3人、沖縄県で3人、滋賀県で3人、三重県で2人、岐阜県で2人、長野県で2人、鹿児島県で2人、佐賀県で1人、大分県で1人、宮崎県で1人、岡山県で1人、岩手県で1人、新潟県で1人、群馬県で1人、茨城県で1人、長崎県で1人、高知県で1人が死亡。神戸市が1ヶ月半余の間に亡くなった人を纏めて発表した昨年5月18日を除けば、一日当たりの死亡者数としては最も多く、8日に続いて過去最多を更新。

 7日迄の一週間に全国で確認された集団感染は1121件と、前の週より1件減少。「学校・教育施設等」の327件は過去最多だった前週より57件少なく、「児童福祉施設」も2件減って194件に減少するも、「高齢者福祉施設」は67件増えて316件で、3週連続で過去最多を更新。「医療機関」も19件増えて135件と過去最多となった由。厚生労働省の機構(システム)、“HER-SYS”上に集約された感染者情報でも、今月7日迄の新規感染者に占める20代の割合は、先月の23.7%から15.9%と減少する一方、60代以上は先月の10.7%から今月は14.2%と増加。軽症の割合が比較的多いオミクロン株と言えども、高齢の感染者が増えるに連れて重症者も増えるのが道理。 PCR検査は医療機関や都道府県が行う無料検査に加えて、自費検査を行う者も有り、先月には全国のPCR検査数が30万件を超過。検査会社で持ち込まれた検体を専用機で分析する件数にも限界が有り、現在は翌日に検査結果を報告出来ているものの、更に増えた場合は結果報告の遅延も已む無しとの事。

 本日に開かれた厚生労働省の専門家会合で「全国の感染状況については未だ増加傾向」に在るも、「増加速度の鈍化傾向」や「広島県、山口県、沖縄県等の7県で感染者数が減少傾向か上げ止まり」「他にも減少の兆しが見えている地域」等が見られる情勢から「今後、新規感染者数がピークを迎える可能性が有る」等の指摘有り。会合後の記者会見で座長の脇田(わきた)隆字(たかじ)氏からは「今回の感染拡大は、始めは若者で広がり、子供や高齢者に広がって未だ拡大が続いている」。「重症化リスクの有る高齢者に広がる」事が「重症者、死亡者数の増加に繋がる」故に、「高齢者への広がりを如何に抑えて行くかが重要」となるが、「高齢者の感染は介護福祉施設で起きている」。即ち「()うした施設で高齢者へのワクチンの追加接種を速やかに進め」、「職員には積極的に検査」「万が一感染した場合は早めの医療を提供する」等を実行すべきで、緊急事態宣言等の「更に強い措置を執る」よりも「其々(それぞれ)の場所に応じた対策を徹底し、重症者、死者を減らして行く」事が肝要等の発言有り。またオミクロン株の一種で感染力が高いと指摘されているBA. 2系統に関しては「国内ではBA. 2に置き換わっていると云う情報(データ)は未だ無く、置き換わりが進んでいる状況では無い」との認識が語られる一方、「BA. 2に置き換わると再び感染者数が増加する恐れも有る」「監視を行うと共に感染状況の推移を見て行く必要が有る」と指摘した由。

 東京都では1万8287人の新規感染が確認されるも、先週水曜より凡そ3300人減り、今年初めて前週同曜を下回った由。本日迄の七日間平均は1万8105.1人、前週の1.1倍なれども、8日よりも469.9人減少。感染拡大の勢いは衰えつつ在る様だが「三笠(みかさの)(みや)家の瑤子(ようこ)女王(じょおう)も7日に咽頭痛を訴え、8日午後にPCR陽性と判定されて宮内庁病院に入院」と皇族からも初の感染者が発生。肺炎も認め、9日午後に東京大学医学部附属病院に転院した由。今月に入って8日迄に感染が確認された10歳未満の小児は2万1088人で全体の14.6%となり、先月1ヶ月間の2万1433人に追い付く勢い。十代を合算すれば今月の感染確認は全体の26%程度に上り、「4人に1人が二十歳未満」。文部科学省調査で、先月26日の時点で公立小学校の24.1%で休校や学級閉鎖に至った、との報告も出た模様。

 大田(おおた)区の大森(おおもり)(せき)十字(じゅうじ)病院(びょういん)のCOVID専用病床には高齢者や介助を要する患者が多く、通常の倍近い人手を必要としていた。更に本人の感染や濃厚接触、或いは児の保育園休園で30人前後の医師や看護師が出勤出来ない状況が重なり、42床の専用病床のうち埋まっているのは6割程度で在るにも関わらず、今月3日から7日はCOVIDを含む救急患者の受入を全面的に停止。対して八王子(はちおうじ)市の東京(とうきょう)医科(いか)大学(だいがく)八王子医療センターは「7日時点でCOVID入院患者46人のうち24人が高齢者」で「COVID症状は軽症だが、身体機能の低下や認知症に対して介護が必要」との状況は同様なれども、今月から「特別養護老人ホームの介護士」を新戦力として投入。防護服の着脱、患者が触れた物品の処理等に就いて感染症の専門医から指導を受けた介護士がCOVID病棟に入り、看護師の負担が軽減された由。長期的な介護士雇用に繋がるのか如何かは不明だが、参考にしたい医療機関も多いのでは無いか。

 大阪府では、1万5264人の新規感染を確認。重症者は8日より16人増えて、163人。此花(このはな)区の大阪(おおさか)暁明(ぎょうめい)(かん)病院は軽症及び中等症患者19床の病床を運用していたが、「病院が計画していた数を上回る病床を運用」する状況下で患者40人と職員30人、総計70人の集団(クラスター)感染が発生。院外から新たな患者を受け入れる事が困難となった由。

 岸田総理大臣は9日午後、総理大臣官邸で東京都の小池知事と会談した後、大阪府の吉村知事ともオンライン形式で意見交換。感染状況について、「感染拡大の速度(スピード)は徐々に落ちているが尚、感染者の数は大きな数字となっている」「遅れて重症者数が増加する危険性(リスク)も有り、引き続き緊張感を持って対応しなければならない」と述べ、「東京と大阪で臨時の医療施設を設け、合計1000床の病床を増設する」意向を表明。東京で660床、大阪で350床を確保する様に其々に要請し、「必要な医療人材の確保は政府が全面的に支援する」旨を伝えた由。

 会談後に小池知事は「重症化リスクが高い高齢者や、不安を抱えている妊婦への医療提供体制を維持するため、臨時の医療施設660床を設置する」と語ったが、具体的には品川プリンスホテル(イースト)(タワー)等の宿泊療養施設に医療機能が付加される模様。「荒川区に在る旧東京女子医科大学東医療センターを高齢者医療や介護の拠点として整備」「妊婦の主治医と連携して支援する施設も新たに設け、今月中旬から順次、開設する」等の計画も公表された。

 東京都の国分寺(こくぶんじ)市では、JR東日本の中央線と武蔵野線が交わる西(にし)国分寺(こくぶんじ)駅のホームに診療所の設置が決定。駅のホームに診療所を設けるのは全国で初の試みとの事だが、内科医が常駐するのみならず皮膚科や耳鼻科の回線(オン)接続(ライン)診療も受けられるらしく、診療は平日8時から昼の休憩を挟んで21時迄と土日9時から18時迄の予定。感染への懸念から旅客需要が落ち込む時代に在っても、持てる資産を活用して収益を高めようとする鉄道各社の思惑が、「通勤や帰宅の途中に立ち寄る」等で患者となる人々の利便性が向上する方向で結実しようとしている此の計画。西国分寺の駅診療所は4月に開業するそうだが、本年中にも都市圏を中心に同様の開業が続く可能性が高いものと予想する。


2月10日(木曜)

 本日は全国で9万9694人の感染。164人の死亡は、3日連続で過去最多を更新。本日に厚生労働省が発表した速報値に拠ると、今月2日から8日迄の一週間に感染が確認されたのは52万1991人で、前週より8%増加。10歳未満は7万6856人で全体に占める割合は14.7%と前週より増え、10代は7万2067人で、全体の13.8%を占めるも前週より減少。20代の割合も前週より減ったが、60代以上は7万5969人で全体の14.6%と前週より増え、高齢者感染の増加傾向は続く。医療機関以外での死因に関する警察庁調査に於いても、COVID感染から自宅等で体調が急変して死亡に至った者は昨年12月の3人から、本年1月は151人に急増。去年8月に次いで過去2番目に多くなった由。都道府県別では東京35人と最も多く、大阪が25人で京都と兵庫が各10人。年齢別では80代が51人と最多で、70代が34人、90代が17人等と矢張り六十代以上が79%を占めたとの事。

 斯様な状況下に於いて、昨日の時点で岸田総理が蔓延防止等重点措置の延長や新規適用に関して言及し、本日午前の基本的対処方針分科会で山際新型コロナ対策担当大臣が此等の方針に関して諮問。会合後に尾身茂会長は政府の方針を了承した事を明かすと共に「20代や30代の感染は落ち着いてきているが、基礎疾患のある高齢者や10歳以下の感染が多くなり、感染は二極化している」と語った模様。

 更に今夜、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部が会合。改めて岸田総理大臣は「感染拡大のスピードは明らかに落ちて」居る事から「此れ迄、講じてきた措置は一定の効果が有った」ものの「感染者数は尚、増加」を見せる現状から「重症者が増加する危険性(リスク)」を否定出来ず、「社会経済の維持に支障を来す恐れにも引き続き注意が必要」等と語り、今月13日が期限とされていた13都県の蔓延防止等重点措置を「来月6日迄、3週間延長する」事を決定。また高知県に「今週12日から来月6日まで重点措置を適用する」事も決定した為、重点措置の適用地域は36の都道府県に拡大。オミクロン株の素早い感染拡大に対応する為、「臨時の医療施設を整備する」「学校や保育所、高齢者施設等での感染対策を基本的対処方針に反映させる」等も併せて発表された由。

 また本日の分科会で「ファイザー製ワクチンの5歳から11歳への接種」を「予防接種法上の努力義務と定め、保護者が児に接種を受けさせる様に努めねばならぬ形にするか否か」が改めて議論されたが、厚生労働省は「オミクロン株に対する有効性の情報が十分で無い」として、努力義務を当面は課さない旨を提案。議論が保留とされる一方、「欧米等では既に小児への接種が認められ、安全性も確認されている」として、自治体を通じて接種を呼び掛けて行く方針に関しては了承された由。此れを受けて、厚生労働省は接種を受けやすい環境を整備する様に周知を行い、今月下旬からワクチン配送を開始し、準備が整った自治体から順次、接種が開始される模様。

 海外では、米国と加奈陀(カナダ)仏蘭西(フランス)以色列(イスラエル)、欧州連合が「5歳から11歳の全ての小児」に対するファイザー製ワクチン接種を推奨。独逸が「基礎疾患を有する小児」等への接種を推奨、英国も「慢性肺疾患等を患い、重症化危険性が高い小児等」は接種を受けられる事になっており、世界保健機関も「基礎疾患を持ち、重症化する重大な危険性が有る」小児は接種する事を推奨している由。仮に法的な努力義務が課されたとしても、風疹等の予防接種と同様、法的な強制力や罰則を伴うものでは無く、各家庭で判断する事になりそうだが、一先ず基礎疾患を持つ小児に関しては接種検討の方向で主治医と相談されたし。

 分科会の提言を受け、政府は「換気の悪い場所に於ける微液滴(エアロゾル)に因る感染が多い」「小児が感染し易い」等と云ったオミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策を新たに盛り込んだ上で、新型コロナウイルス対策の基本(きほん)(てき)対処(たいしょ)方針(ほうしん)を更新。「飲食は極力、少人数で黙食が基本」「会話の際はマスク着用を徹底」「感染リスクが高い場面や場所への外出は避ける」「家庭内でも定期的な換気や小忠実(こまめ)な手洗いを行う」等が求められ、学校では「特に感染危険性が高い教育活動は基本的に控え」て「時差登校や分散登校、オンライン学習を組み合わせて対応」しつつ、感染者が発生していない学校や地域では慎重に活動を継続。

 保育所も「原則として開園」を要請しつつ「休園した場合は代替保育を確保」して地域の保育機能を維持する一方、「児童を極力、少人数の集団に分ける」「保護者が参加する行事の延期」等も実行。先般、問題となったマスク着用に就いては「発育状況等から無理なく着用出来ると判断される児童」には「可能な範囲で、一時的に勧める」が「2歳未満は勧めない」、低年齢の児に関しては「特に慎重な対応を求め」、「一律に着用を求めたり、児童や保護者の意図に反して実質的に無理強いしたりする」事は(げん)(つつし)むべき、と云う辺りに収まった模様。

 高齢者施設に関しては「3回目接種を速やかに実施する」と共に、「利用者が回復して退院する場合に早期に受け入れられる」様に「医師・看護師等の派遣を受けて体制の強化を図る」との事。COVIDに限らず、入所中の高齢者では往々にして「入院から間も無く施設から契約を切られ、体調回復後も退院先を見付けるのに病院側が四苦八苦」との状況が発生する為、此の一条が入った事は喜ばしい。医療提供体制に就いては「国と都道府県が協働で、臨時の医療施設等を新たに増設」して「高齢者の受入を想定した体制の強化」を図り、濃厚接触者に求める自宅待機期間は「常に接触の有る家庭内」では「感染者の発症日か感染対策を講じた日」の「いずれか遅い方から7日間」に短縮。供給不足の抗原定性検査キットも「国が買い取り保証を行い、緊急の増産や輸入を要請する」「優先度に応じた物流の流れを作る」等で「確保に万全を期す」由。ワクチンの3回目接種に関しても、「今月の出来るだけ早期に一日100万回まで加速化する」事を目標とし、「接種券の配布促進や接種会場の増設」「職域接種の積極的な活用」等を進めると定められた由。

 自衛隊が行う東京での大規模接種は一日720人分の接種枠が段階的に拡大され、本日から5040人分で実施。冷たい雨が雪に変わる事も懸念される空模様の下、事前予約を済ませた人々が朝から三々五々、会場を訪れた由。今月14日から大阪でも接種枠が拡大される予定との事。 岸田総理大臣は本日午前に議員会館にある自民党の菅前総理大臣の事務所を訪れ、30分間の会談。一日100万回を目指す3回目の接種に関して、菅氏は自らの経験を踏まえて「途中でいろいろ問題が起きても早く、多くの人に打って貰った方が良い」と助言した由。また本日にCOVID対策を巡る政府と与野党の実務者による協議が開かれ、立憲民主党は重症者や死亡者の増加を踏まえて「人流を抑制する為、場合によっては緊急事態宣言の発出も検討」する事を求め、日本維新の会は「医療提供体制を維持する為、無料のPCR検査や濃厚接触者の特定と追跡等を当面中止する」等を要望するも、「政府側から明確な方針は示されなかった」模様。

 ファイザーが開発した内服薬に就いて、今夜に厚生労働省が専門家による部会で審議した結果、承認を了承。其の後に後藤厚生労働大臣が、当該薬剤を正式に承認した旨を記者団に公表した由。MerckのLagevrio /一般名Molnupiravirに続いて、我が国で使用可能な2種類目の内服薬となるのは一般名nirmatrelvirとritonavirの合剤で、米国での商品名はPaxlovid。日本国内でも英語表記は同じPaxlovidだが、パクスロビドに近い音の他剤が存在する為か、読みを少々捻じ曲げて「パキロビッド」と読ませる事にした模様。「其の代謝産物がRNA重合酵素(ポリメラーゼ)を介してSARS-CoV-2のRNAに取り込まれる」事でウイルス複製時に誤差(エラー)の生じる頻度を増加させ、ウイルス増殖を阻害するモルヌピラビルの作用機序に対して、ニルマトレルビルは「SARS-CoV-2の持つ蛋白分解酵素(プロテアーゼ)を阻害する」事でウイルス複製を抑制する。リトナビルは基本的にSARS-CoV-2に対して抗ウイルス活性を示さないが、CYP3Aに依る代謝を阻害し、ニルマトレルビルの血漿中濃度を増加させる効用有り。

 Paxlovidの効果に対する評価は製造元と各国で必ずしも一致せず、また当科治療と関わりが深い物だけでも抗精神病薬のブロナンセリン、抗不安薬のジアゼパム、睡眠薬のエスタゾラム、抗痙攣薬のカルバマゼピンやフェノバルビタール、フェニトイン等と併用禁忌の薬剤が非常に多い事も気になる。しかし、治療上の武器が増えるのは望ましい事で、日本政府はファイザー社から200万人分の供給を受ける方向で合意済。今月中旬にも4万人分が供給される予定との事だが、3回目接種の進展に加えて、感染収束の切り札となる事を願いたい。


2月11日(金曜)

 今日は三連休の初日だが、全国で9万8370人の感染。150人の死亡。東京都は1万8660人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表。金曜日としては、最も多かった1週間前の今月4日より1100人余り減り、3日連続で前週同曜を下回った。自宅療養中の人は8万7538人で、医療機関に入院するかホテルや自宅で療養するかを調整中の人は8万6576人と過去最多となるも、人工呼吸器かECMO=人工心肺装置を使用中の重症患者は昨日より3人減って61人。都内の死亡は9名。 緊急事態宣言の発出要請を検討する3指標に関しても、新基準で集計した重症患者用病床使用率が23.1%で、前日より0.7ポイント減少。入院患者のうち酸素投与が必要な人の割合は14.9%となり、9日の前回発表よりも0.5ポイント上昇したが、新規陽性者数の7日間平均は11日時点で1万7687.1人。10日より162.6人少ない上に三日続けての減少となり、また宣言の要請が(とお)退()いた模様。

 茨城(いばらき)県の潮来(いたこ)保健所が「家族の感染から濃厚接触者と判定された者」に就いて調査。厚生労働省の専門家会合に報告した所に依ると、「先月4日から22日までに感染が報告された者と同居する濃厚接触者」で且つ「何らかの症状が出た」107人に就いて検査陽性率を調べた所、発熱を認めた75人のうち陽性者は73人で97.3%と高率。発熱は無いものの咳等の症状が生じた者も32人居たが、陽性は68.8%相当する22人に留まり、30%余が陰性だった由。「発熱が有る濃厚接触者は陽性率が高くなる」事が注目される一方、発熱が無い者に薬物治療や行動制限を行うには検査での陽性確認が必要で、今後の季節は「花粉症で類似の症状を呈する者も増える」と予想される故に「熱が上がらない場合は更に慎重な判断が必要になる可能性も有る」事も懸念される模様。

 昨年の成田空港国際線の旅客数は三年前の20分の1に過ぎず、開港以来最少の189万人余。感染拡大に伴う水際対策で「海外との人の往来が大きく制限され、航空各社が国際線を大幅に運休、減便」した事が原因と見られるが、同じく昨年の国際線貨物便の発着回数は「航空各社が旅客便の低迷で貨物便の運航を増やした」為か、三年前より倍増倍。5万回余となり、過去最多を記録した由。

 今月9日にトヨタ自動車が発表した昨年12月に至る9ヶ月間のグループ全体の決算に依ると、営業収益は前年同時期と比べて19%以上増えて23兆2670億円。最終的な利益は57%以上増えて2兆3162億円となり、(いず)れも此の時期としては過去最高。「COVIDに依る落ち込みを脱し、経済が急回復している中国や米国での販売が好調」「最近の円安傾向も利益を押し上げた」等の要因が考えられるものの、今後は「半導体不足の影響等が続き、車の生産は従来の計画を下回る」「鉄を含む原材料価格の高騰から経費の増加が6300億円分に上る」と予想されている由。ホンダやマツダの収益も同様の傾向で、我が国の経済は一難(いちなん)()って(また)一難と云う所か。


2月12日(土曜)

 ファイザー社は今月1日、COVID用ワクチンの緊急使用許可を5歳未満にも拡大するよう、FDAに申請する手続きを開始。FDAは先ず2回の接種について審査を行う予定だったが、昨日になって同社は手続きを延期。「3回目の接種に関する臨床試験の知見が集まるのを待つ」旨を発表した由。同社が昨年12月に発表した臨床試験の中間結果に依ると「2歳から5歳未満では、2回接種から1ヶ月後の免疫反応が成人に比して十分な水準(レベル)に達しなかった」事から、3回目接種の効果に就いては現在も検証が進行中。米国では未だ接種対象となっていない年代の小児がCOVID感染で重症化する例が増えていて、専門家から「此の年代の小児へも接種を急ぐべきだ」との意見が出る一方、「申請の手続きが性急」との批判も起きていた模様。FDAはファイザーの発表を受けて「より多くの知見を待った上で審査する事は理に(かな)っている」との声明を出した模様。

 大手旅行会社の近畿(きんき)日本(にほん)ツーリストは、今年度に4202校の修学旅行を手配する予定だったが、実施出来たのは54%に相当する2284校のみ。感染拡大の影響で中止が決まったのは1531校で、残る387校は来月迄に実施する予定なれども、年度末が迫る時期に最終的な判断を行う学校が多く、中止が更に増える可能性も有る模様。修学旅行を中止した中学校では更にオミクロン株の拡大を受け、卒業式直前の遠足が実施出来るか否かも不透明な情勢。行先や日程を変更した上で感染対策を実行しつつ、近隣地域への修学旅行を実施する学校も出て来たとの事。


2月13日(日曜)

 東京都内の感染確認は四日連続で前週同曜を下回るも連日1万人超にして、12日の自宅療養者は九万人を超えて過去最多。練馬(ねりま)区は「区内170箇所の診療所や200箇所の薬局が協働して自宅療養者への健康観察を担う」体制を整備。診療所医師から区内の薬局にCOVID用内服薬を処方した旨の連絡が入った後、薬剤師がFAXで届いた処方箋の情報に沿って薬を用意し、患者に電話連絡。過去の副作用歴を確認した上で用法を説明し、薬を配達するとの連携で、保健所の負担軽減を目指すとの事。

 国立(こくりつ)感染(かんせん)(しょう)研究所(けんきゅうじょ)が「先月17日迄に国内で詳細な遺伝情報が報告されたオミクロン株」2650例を解析。「国内のオミクロン株には少なくとも四種類が存在」「其々が異なる経路で海外から入って来た」可能性が示された由。先ず「国内で流行の主流となっているウイルス」は、米国で多く検出されているのと同一、若しくは近縁との事。「九州地方で確認された後、関東など全国に広がったウイルス」は、米国や英国で検出される系統と同一か類似だが、関東地方や東北地方で感染が広がったのは欧州や亜細亜で検出が多い系統に近い。昨年12月下旬から関西地方で広く検出された型は其の後に感染が広がって居らず、「クラスター対策等に依り収束した」と考えられる由。

 オミクロン株の水際対策として「外国人の新規入国を原則停止している」措置を巡り、「世界的に見ても厳しい措置」「国際的な商取引(ビジネス)や交流に与える影響が大きい」等の有で経済界や日本での留学や技能実習を希望する外国人等が見直しを要求。昨日に岸田総理大臣は「水際対策の骨格自体が如何(どう)()るべきかを見直し、緩和の方向で検討して行きたい」と述べ、水際対策の緩和に向けた検討を行う意向を表明。更に本日、木原官房副長官が出演した報道番組で、一日3500人程度に設定している入国者数の上限を「空港での検査能力を踏まえれば、入国者数の上限を5000人にする事は十分可能だ」と語る一方、「上限を5000人より引き上げる事に就いては、検査無しで良いのかと云う議論をしなければならない」とも指摘した模様。

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