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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和3年11月最終週~12月第1週

11月29日(月曜)

 オミクロン株に関し、昨日に世界保健機関(World Health Organization; WHO)が「感染力が強まっている可能性は有る」ものの、重症化率等の特性は「依然として不明」。「症状が他の変異株と異なるとの情報は無い」。「密を避ける等の感染防止策は有効」との声明を出した由。南アフリカ、ボツワナ、香港に続き、欧州ではベルギーを皮切りに英国、独逸(ドイツ)伊太利(イタリア)阿蘭陀(オランダ)丁抹(デンマーク)でも感染者が確認され、仏蘭西でも8件の疑い症例が出た。豪州(オーストラリア)でも感染が確認され、各国はアフリカ南部からの入国を制限。

 更に日本時間の29日夜、先進国首脳会議(Group of Seven)が緊急の保健相会合を回線(オン)接続(ライン)で開催。「WHO等の国際機関とも協力して今後もG7各国で連携して対応に当たる」「研究開発を促進して行く」、「12月に再び保健相会合を開催する」等の内容を盛り込んだ共同声明が、議長国の英国から発表された由。

 オミクロン株の世界的な感染拡大に対し、日本国総理大臣の岸田(きしだ)文雄(ふみお)氏が「緊急避難的な予防措置」として「先ずは外国人の入国に就いて」、「11月30日午前0時より、全世界を対象に禁止を致します」と宣言。今月8日から例外的に認めてきた商取引 (ビジネス)目的の短期滞在者や留学生、技能実習生を含めて、全ての国からの入国を原則停止とする措置は当面、明日から1ヶ月間に渡って実施され、26日に一日当たり5千人へ緩和したばかりの入国者数制限も再び3500人に引き下げ。英国や独逸を含む「オミクロン株が確認された14の国と地域」から帰国する日本人に対しては「指定された施設」で、接種完了者で在ろうとも「14日間の隔離」が義務付けられる由。

 更に岸田総理は東京都知事の小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏と会談し、オミクロン株への対応等について協議。小池知事は水際対策の強化を求めると共に、来月から始まる新型コロナの3回目の接種について「2回目接種からおよそ7か月で抗体がかなり減少する」との都の研究分析結果を報告し、「2回目接種から原則8か月」とされる3回目の接種の前倒しを検討するよう要望。岸田総理は「国と都としっかり連携しながら対応する」と応じたとの事。

 本年8月から9月に「マスク未着用で中学校を訪れ、反ワクチン文書を配布」「市議会で所謂、鼻マスクを押し通そうとして退席を命じられる」等の行動で世間を騒がせた大分(おおいた)臼杵(うすき)市の市議、若林(わかばやし)純一(じゅんいち)氏が「マスク着用を強要され、発言を禁止された」のは「憲法が保障する表現の自由の侵害」として臼杵市と市議会を相手取り、「マスク着用義務や議会内の発言禁止処分の取り消し」「100万円の損害賠償」等を求めて提訴。会見に同席した弁護士も「マスク着用義務不存在確認等請求事件」故に「私達はマスク無しで」と言って「マスク非着用で会見に臨んでいた」由。

 昨日に放映されたABEMA TVの番組でも、独自取材に応じた若林氏が持論を展開。「コロナがそんなに怖い病気では無いのではないか」「ワクチンは将来的に何が起こるか分からないじゃないか」、「マスクをさせられる理由とか意味とかが有りますかね」、「自分に降り掛かった火の粉ですから、払うと云う主張が出来る」「問題提起が出来る」「逆に言えば、(まさ)に其の好機(チャンス)」等と語り、11月30日からの市議会にも「今後はノーマスクで行く」と言い張った模様。臼杵市や市議会、市民には良識に基づき、毅然とした対応を望みたい。


11月30日(火曜)

 本日に日本政府が「オミクロン株の感染者が日本で初めて確認された」と発表。患者は一昨日に阿弗利加(アフリカ)南部のNamibiaから入国した30代男性で同国の外交官、ワクチンは2回接種済だった模様。入国時検査でCOVID陽性と判定され、解析の結果、オミクロン株と判明。成田空港に到着した際は無症状だったが、其の後に熱発を認め、医療機関での隔離を開始。当該男性と飛行機に同乗した71人も濃厚接触者と判断され、経過観察となった由。本日会見で官房長官の松野(まつの)博一(ひろかず)氏は「水際(みずぎわ)措置(そち)が有効に機能していたと考えている」と語り、感染者初確認を受けて政府は関係閣僚の会議を開く模様。

 米国の製薬会社Moderna の最高(チーフ・)経営(エグゼクティブ)責任者(・オフィサー)Stephane Bancel氏は、英国Financial Times紙の取材に対し、オミクロン株に対しては「デルタ株と同じ水準(レベル)の効果は得られないと思う」「私が話を聞いた科学者全員が『()れは上手く行かないだろう』等と述べた」と述べ、オミクロン株に対する現行のワクチンの効果は「既存の変異株よりも低くなる」との見解を示したとの事。ウイルス表面に存在するスパイク蛋白質に多数の変異が生じている事が理由として挙げられる一方、「ワクチンがオミクロン株に対して、どの様に作用するのか」との資料は「2週間以内に得られる筈」で「此れに特化したワクチンの大規模製造には数ヶ月を要する」との展望も語られたそうだが。目算通りに開発が進んだとしても、審査を経て実用化に至るには、更に時間が掛かる事だろう。

 本日に都内で、立憲(りっけん)民主(みんしゅ)(とう)代表選の投開票。決選投票の末、(いずみ)健太(けんた)氏が、元首相補佐官の逢坂(おおさか)誠二(せいじ)氏を破って新代表に選出された由。泉氏は2003年に初当選から旧民主党政権で内閣府政務官を務めて旧国民民主党の政調会長などを歴任、旧立民と旧国民等が合流した昨年9月の立民代表選にも立候補したが、枝野氏に敗れていた模様。政権交代等の高望みは一先ず捨て、地道に野党第一党の立て直しを図って頂きたいが、共産党との関係をどうするか等の課題は山積。


12月1日(水曜)

 昨日に国内第1例が報告されたばかりだが、本日も国内2例目となるオミクロン株感染者を確認。本日会見で松野官房長官が発表したところによると「感染が確認されたのは20代の男性」で「先月27日に秘露(ペルー)から成田空港に到着」、「現在は医療機関で隔離されている」との事だが、ナミビアから入国した第1例の濃厚接触者では無かったらしく、厚生労働省が詳しい経緯を調査中との事。今の所、公式にはペルーからオミクロン株感染発生の報告は出て居ないそうだが、既に水面下で感染が広がっていた可能性も有るか。

 オミクロン株感染拡大を防止する目的で、国土交通省は「今月末迄の1ヶ月間、日本に到着する全ての国際線は新規予約を停止すべし」と、先月29日付で国内外の航空会社に要請。「オミクロン株の実態が分かる迄」「感染拡大を食い止める為の緊急避難的な予防措置だ」との事で、全日本空輸を傘下に持つANA Holdingsや日本航空のみならず、日本の空港に路線を持つ全ての海外航空会社が要請の対象となる。停止日までに受け付けた予約は通常通り搭乗可能で、「日本から出発する国際線」や「国内空港が(のり)(つぎ)地点となる便」は措置の対象外。

 オミクロン株への水際対策として「外国人の新規入国を原則停止」「一日当たり入国者数の上限を3500人程度に引き下げ」等の手を打って来た日本政府が更なる対策強化に踏み切った形だが、帰国希望の日本人も予約受付停止の対象に含まれる為に「航空便の予約を取っていない日本人は帰国出来なくなる」事が物議を(かも)した。「日本からの出国便は引き続き新規予約を受け付ける」ものの、今回措置で帰国出来なくなる事への恐怖が、出国希望者の抑制を招くものと予想される。

 識者からは「日本人も含めた帰国者全てが対象になるのは過去に類例が無い」、「日本人保護の観点からは強すぎる措置」だが「入国時の隔離を厳しく行う措置を従前通りに継続するのならば何故、新たな予約が出来なくなるのか」等の批判が出た。全日空と日本航空は要請に従い、昨日から到着便の予約受付を中止したが、12月は海外在住の邦人が年末年始を国内で過ごすべく予約が増加する時季で、帰国を予定していた駐留者達も困惑。今回の措置に関し、航空会社の関係者からは「水際対策は重要だが、日本人も含めて新たな予約が出来ないのは厳し過ぎる」「感染状況を見ながら対応が緩和できないか今後、国土交通省と交渉したい」との声有り。

 本日から3回目のCOVID用ワクチン接種が開始。先ずは2回目の接種から原則8か月以上たった医療従事者104万人が接種の対象となり、更に来年1月には新たに医療従事者200万人と、65歳以上の高齢者61万人、2回目迄を早期に接種した64歳以下の42万人も対象になる見込み。2月には医療従事者183万人と高齢者1160万人、64歳以下の73万人。3月には医療従事者89万人、高齢者1624万人と64歳以下の435万人が対象に入る上に、企業や大学等で168万人対象の職域接種も始まる予定。2回目の接種から8か月が経過する前に接種券が郵送で届くことになっており、厚生労働省は「少なくとも来年9月までは3回目の接種を続ける」と発表。

 今回は「2回目までとは異なるメーカーのワクチンを接種する」交互接種も行われる事となったが、「先にファイザー製を接種した全員が、3回目もファイザーで受けられる量を確保できる見通しが立たぬ」状況が最大の理由か。今月や来年1月に接種対象となる約400万人分のファイザー製ワクチンは厚生労働省が既に確保済だが、2月と3月は約3400万人に対象者が急増するのに対し、現時点で国が用意可能なのは2000万人分止まり。故に厚生労働省は、安全性や有効性を検証したうえで「今後、モデルナ製ワクチンが承認されれば、ファイザーからモデルナに切り替える」事を認めたのだ、との世評有り。

 一方で自治体からは「交互接種を認めても、ファイザーを希望する住民が多ければ結局、ワクチンが不足するのではないか」と懸念する声有り。厚生労働省は「2回目の接種から8か月で希望者全員にファイザーのワクチンを打てるかは分からない」「其の場合はモデルナ製ワクチンの接種を検討して欲しい」との見解。また松野官房長官は、「原則2回目から8ヶ月以上」としていた追加接種の間隔に就いて「今後の感染状況の変化や自治体の準備状況、供給力」等を踏まえた上で「必要が有れば、改めて8ヶ月を待たずして接種を行う範囲に就いて、更に検討を行う」と述べ、少々及び腰ながらも接種間隔の前倒しを検討する意向を表明。

 令和3年度補正予算案に盛り込まれた「18歳以下に現金と引換券(クーポン)で十万円相当を給付する」政策に於いて、政府は「5万円をクーポンで配る場合の事務経費」として967億円を計上。此の件に対し、先月30日会見で公明(こうめい)(とう)代表の山口(やまぐち)那津男(なつお)氏が、(くだん)の金額は経費の「最大値を見積もったもの」と断った上で「現金給付で無い遣り方をすれば、一定の経費が現金給付より(かさ)むのは()むを()ない」と正当化を試みた所、昨日に日本(にほん)維新(いしん)(かい)の副代表にして大阪府知事の吉村(よしむら)洋文(ひろふみ)氏が噛み付いた。

 山口氏発言に対して「納税者が一生懸命働いて納税した御金(おかね)と云う意識が有るか無いかだ」、「必要の無い経費が900億円増える事は全く理解出来ない」。十万円給付自体に就いても「政策理念が無い所から開始(スタート)している」「あっち行ったり、こっち行ったりして良く分からない」等と痛烈な批判を重ねた由。

 維新の会は府内に於ける「公明党との選挙協力」は続ける一方、衆院選での躍進から将来を見据えて、自公の間に(くさび)を打ち込む作業も始める事にした様だ。アンジェスのワクチン開発に過大な期待を掛けた事、自身の発言通りに進展しなかったのを詫びもせず、(うがい)の話で誤魔化そうとした事等を考えると吉村氏に信頼は置けないが、今回の言い分は(もっと)も。全額を現金支給とするか、根本的に政策を見直すか。政府は早急に検討すべきだろう。


12月2日(木曜)

 昨日に米国の疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention; CDC)は「加州(カリフォルニア)桑港(サンフランシスコ)にてオミクロン株の感染者が確認された」と発表。米国内での確認は初。当該患者は「11月22日に南アフリカ共和国からカリフォルニア州に戻った旅行者」で「症状は軽度」。陽性判定後は自己隔離に入り、濃厚接触者の検査結果は全員陰性だった由。

 オミクロン株感染者の初確認に対し、カリフォルニア州とサンフランシスコ市の公衆衛生局が共同声明を発表。「警戒を続けねばならぬ」が「恐慌(パニック)を引き起こすものではない」、「此の新しい変異株を検出し、拡散を防ぐ為に、カリフォルニア州は空港での検査体制を拡充している」との見解が示され、「ワクチンの接種・追加接種」「屋内でのマスク着用」「症状が出た場合の検査」「体調が悪い場合の自宅待機」が要請された。同州知事のGavin Newsom氏は記者会見で「学校やビジネスの閉鎖は避けることができる」と述べ、自宅退避令等の可能性に就いては否定。米国では現在、5歳以上の全員がCOVID用ワクチン接種の対象で、18歳以上の全員が追加接種可能との事。

 そして本日、紐育(ニューヨーク)州知事のKathy Hochul氏も「州内に住む5人がオミクロン株に感染していた事が確認された」と発表。感染経路等の詳細は不明だが全員軽症との事。布哇(ハワイ)州でも1人の感染が確認されたが、地元の保健当局は「感染者には渡航歴が無く、市中感染を疑う」旨を発表。西部Colorado州でも「阿弗利加(アフリカ)南部から帰国した女性の感染」を確認。

 また中西部Minnesota州の保健当局は本日、州内に住む男性のオミクロン株感染を発表したが、当該男性が「先月19日から21日まで、ニューヨーク市で開かれた“Anime NYC”に参加していた」事が判明。3日間で5万3000人が参加した催事に於ける感染拡大が懸念される事態に対し、ホークル知事は催事参加者に検査を促しながらも「斯様(かよう)な事態は驚くべき事では無く、いずれ州内でも感染が確認されるだろう」「ワクチンを接種して備えて欲しい」と述べ、冷静な対応を呼び掛けた由。

 米国を含む各国でオミクロン株感染者が相次いで報告される情勢に対し、本日に同国大統領のJoseph Robinette Biden Jr.氏が演説。「空路で入国する際に義務付けている検査を出発前の3日以内から、1日以内に短縮する」、「自ら検査が出来るキットの無料入手を支援する」等と感染対策強化の具体的方針を提示した上で、オミクロン株は「懸念材料では在る」が「混沌と混乱」では無く「科学と迅速性を以て対処する」、「去年より優位な状況で対応可能だ」と述べ、ワクチンや科学的知見を活用して的確な対応が取れる旨を主張。人々の移動や経済活動を厳しく制限する都市(ロック)封鎖(ダウン)は「行わない」と宣言した由。

 11月29日に国土交通省が「オミクロン株感染拡大に対する水際対策を強化する」として、航空各社に「1ヶ月に渡り、日本に到着する全ての国際線の新規予約の停止」を求めた件に関し、航空会社の関係者や海外在住の日本人から反発や困惑の声が出ていた件に関して、本日に国土交通省は予約停止の要請を取り下げ、日本人の帰国需要に十分配慮する様に航空会社へ改めて通知。

 (わず)か三日間で方針転換を迫られる形となった事に就いて、午前の記者会見で松野官房長官は「緊急避難的対応として予防的観点から講じた」要請が「一部関係者に混乱を招き」、「岸田総理大臣から国土交通省に日本人の帰国需要に十分配慮して対応する様、指示が有った」と説明。国土交通省は「一日当たりの入国者数上限3500人程度」の中で「比較的、予約数に余裕が有る週や曜日」を中心に対応すべく航空会社と調整を行う事となり、全日空と日本航空は受付再開に向けて準備を進めて「調整が付き次第、新規予約の申込受付を再開する」方針との事。

 朝立暮廃(ちょうりつぼはい)とも云うべき一連の対応に関して、本日午後に国土交通大臣の斉藤(さいとう) 鉄夫(てつお)氏が「年末年始の帰国需要にもう少し木目(きめ)細かな配慮をすべきだった」「混乱を招き、大変申し訳無く思う」と陳謝。更に問題の要請は「11月29日付けで行われた」ものの「斉藤大臣に報告されたのは1日夕方だった」事も公表され、「情報の共有が出来ていなかった期間が有る事は反省したい」「国民生活に大きな影響を与える事に就いて、危機感と緊張感を持って対応したい」と述べたそうだが。単なる「情報共有の不全」に留まらず、「就任から日の浅い大臣を無視して、此れ程の大事が官僚の独断で遂行された」と読めたのは当方の僻目(ひがめ)だろうか。


12月3日(金曜)

 18歳以下への10万円相当給付に際して「5万円相当を引換券(クーポン)給付」にした場合、現金一括給付に比して「事務的経費967億円が嵩み、総額が1200億円に及ぶ」件に関して、財務大臣の鈴木(すずき)俊一(しゅんいち)氏が本日閣議後に会見。「過去の類似事業と比べて過大な水準では無い」と述べると共に、「子育て目的に限定し、有効期限を設定する」引換券給付が消費喚起に繋がり、「より無駄の無い給付が出来る」等の「合理性が有る」と主張。

 しかし、「抑々(そもそも)、給付案自体が妥当か否か」の論議が有る上に「クーポンの代わりに余った現金が貯蓄に回されるだけで、結果は同じ」との声も聞かれて居り、此の説明で納得する国民は多く有るまい。立憲民主党の国会対策委員長、馬淵(まぶち)澄夫(すみお)氏は、来週召集される臨時国会で本件に加えて、国際線新規予約停止を巡る騒動に関して追及して行く意向を表明した模様。

 軽症及び中等症向けのCOVID治療薬Molnupiravirに関しては、11月20日の項で「欧州医薬品庁(European Medicines Agency; EMA)が緊急時等の使用を認めた」旨を記したが、此度(このたび)、Merckが日本国内での使用許可を求めて厚生労働省へ承認申請を行った由。松野官房長官は午後の会見で「今日、特例承認を求める申請が有った」「年内の承認を目指し、まずはPMDA=医薬品医療機器総合機構で優先的、且つ迅速に審査を行って行く」と発言。モルヌピラビルは先月に英国が世界初の承認を行い、米国も近く緊急使用の許可を出すか否かを判断する予定だが、厚生労働省は既にメルク社から160万人分の供給を受ける事で合意。年内にも専門家部会が開かれ、承認の可否を判断する方針との事。

 Molnupiravirは細胞に侵入したウイルスに対して、増殖するのに必要な酵素の働きを抑え、ウイルスの増殖を防ぐ。感染確認後は可及的速やかに、発症後は5日以内に服用することが推奨され、COVID軽症から中等症の患者で、肥満や糖尿病を含む重症化の危険因子を一つ以上有する者が投与の適応となる模様。

 2021年10月の発表で「発症から5日以内の患者で、重症化リスクのある760人余り」を実薬投与群と偽薬(プラセボ)投与群に分けて経過を比較。後者は入院や死亡に至った者の割合が14.1%だったが、前者では7.3%だった事から「入院や死亡の危険性が凡そ50%低下した」と報告された。しかし、資料を追加した11月の発表では、1400人余りを二群に分けて経過を比較したところ、プラセボ投与群で「入院者や死亡者の比率が9.7%」、実薬投与群は6.8%。入院や死亡の危険性は「凡そ30%低下した」とされる一方、服薬に伴う副作用、有害事象出現の割合は二群で有意差が確認されなかった由。安全性に関して「大きな懸念は確認されなかった」と伝えられる一方、「胎児の成長に深刻な影響が出る可能性が否定出来ぬ」等の理由で、妊婦への使用は推奨されぬ由。

 NHKが本日16時の時点で(まと)めた情報に依ると、亜細亜では我が国の他に香港、韓国、印度(インド)新嘉坡(シンガポール)馬来西亜(マレーシア)錫蘭(スリランカ)阿西亜尼亜(オセアニア)ならば豪州(オーストラリア)。北米へ行くと米国に加奈陀(カナダ)、南米では伯剌西爾(ブラジル)。欧州では英国、独逸(ドイツ)仏蘭西(フランス)伊太利(イタリア)阿蘭陀(オランダ)白耳義(ベルギー)丁抹(デンマーク)捷克(チェコ)墺太利(オーストリア)瑞典(スウェーデン)芬蘭(フィンランド)諾威(ノルウェー)西班牙(スペイン)葡萄牙(ポルトガル)瑞西(スイス)愛蘭土(アイルランド)希臘(ギリシャ)

 中東へ(おもむ)けば以色列(イスラエル)、Saudi Arabia、United Arab Emirates(UAE)。阿弗利加(アフリカ)大陸だと南阿弗利加、Botswana、Nigeria、Ghana、Zimbabwe。以上、世界36の国と地域でオミクロン株感染が確認されるも、軽症や無症状の報告多し。日本や中国を含む亜細亜(アジア)太平洋地域を管轄する世界保健機関西太平洋地域事務局の葛西(かさい)(たけし)事務局長も昨日の定例会見で「感染力が此れ迄の変異株より幾分(いくぶん)高い可能性が示唆される」も「重症化する危険性(リスク)が高い事を示す情報は現時点では明確に得られていない」と発言した由。


12月4日(土曜)

 本日は日本全国で131人の感染が確認されるも、死亡の発表無し。東京都内で19人の新規感染が発生。前週土曜に比して3人増えたものの、重症患者も2人と少なく、我が国では今も感染再拡大を抑えられている。

 しかし、諾威(ノルウェー)では、首都Osloで企業が開いた降誕祭(クリスマス)祝宴(パーティー)に120人以上が参加。全員が「ワクチンの接種を完了していた」上に「事前に受けた検査では陰性だった」そうだが、散会後に参加者50名以上が検査でCOVID陽性となり、うち1人がオミクロン株に感染していた。更なる検査で他の12人もオミクロン株に感染している事が判明して「オミクロン株の集団(クラスター)感染が発生」、「感染が確認される者は更に増える」と予想されている由。世界各国でオミクロン株の市中感染が確認され、ニューヨーク・タイムズ紙電子版によると、少なくとも40の国と地域でオミクロン株感染を確認。韓国・仁川で「教会関係者ら7人の感染」、豪州(オーストラリア)のシドニーで「生徒3人の感染が確認」等の報道有り。

 オミクロン株が最初に発見された南阿弗利加(アフリカ)では、一週間前の新規感染者数が2000人台だったのに対し、今月2日の時点で1万1535人に増加。感染者から採取した検体の遺伝子解析に於いて「先月は249の検体のうち、デルタ株が22%」「オミクロン株は74%を占めた」と感染の主体がデルタ株から急速に置き換わっている事が示唆され、感染急拡大はオミクロン株の影響と見られる。世界保健機関の報道官は昨日の時点で「此れ迄にオミクロン株に因る死亡例は確認していない」が「今後は死者が出る可能性有り」と警告。

 日本政府は対オミクロン株の水際対策として政府は「感染者が確認される等した国や地域」からの帰国者が「検疫所が指定する施設で3日間から10日間を過ごす」と云う「停留」の措置を執って来た。しかし、確保した施設が不足する恐れが生じた事から、「現状でオミクロン株感染が確認されていない国や地域」からの停留措置対象者でワクチン接種を完了した者に就いては、本日零時を以て「14日間の自宅待機」に切り替えた由。此の対応について、岸田総理大臣が訪問先の福島県会津若松市で記者団に対して説明。「待機施設を増やす」と共に「限られた医療資源を今大きな問題になっているオミクロン株に集中させる」措置だと語り、理解を求めた。

対して福岡県福岡市を訪れた立憲民主党の新代表、泉氏は「入国規制で政府が混乱している」、「施設に留められる期間が国に依って10日間、6日間、3日間となっているが、医学的な根拠が有るのか」「どんな人も10日間とし期間中に3回のPCR検査を実施する事が大事」と指摘。一理有るものの「14日間隔離で無く、10日間停留で良い」との科学的根拠も無さそうで、確保可能な施設や人員の限界も考慮せねばならず、総理の言い分も分からぬでは無い。

 ワクチン関連の話題としては「Moderna製を使用した若年男性で(ごく)(まれ)とは言え、心筋炎や心膜炎が報告される」件に関して、先月14日までに国内で「10代男性100万人当たり81.79人、20代で48.76人」、Pfizer製でも「10代で15.66人、20代で13.32人」の心筋炎や心膜炎の疑い症例が報告された旨の報告有り。従前から厚生労働省は「10代と20代の男性には危険性を伝える」事を自治体に求めて来たが、昨日の専門家部会で改めて検討。両社のワクチン添付文書の「重大な副反応」欄に「心筋炎と心膜炎を明記し、注意喚起を行う」事や、「被接種者に於いて28日以内に心筋炎等を認めた」場合は法律に基づいて医療機関へ詳しい報告を求める事等の提案が部会で了承され、厚生労働省は近く自治体に通知するとの事。

 大阪に本社を置く塩野義製薬が「mRNAワクチンの2回接種から半年が経過した者」を対象に追加接種、即ち「3回目の接種」として、現在開発中の国産ワクチンを使う臨床試験を開始。3回目に「ファイザー製のワクチンを接種した100人」と「塩野義製のワクチンを接種した100人」を比較して、安全性と有効性が評価される模様。オミクロン株の世界的蔓延で改めてワクチンの安定的供給が求められ、其れが国産ワクチンの需要に繋がる事情は分かるが。僅か百人ばかりの比較で安全か危険か、有効か効果不十分かを判断して良いかは大いに疑問。

 米国に於いても、東部紐育(ニューヨーク)州や西部加州(カリフォルニア)で新たな変異株に感染した者が相次いで確認された。感染拡大への懸念が高まった為か、一日当たりのワクチン接種回数が220万回と本年5月以降で最も高い水準に達したが、うち100万回は追加接種。政府の首席医療顧問を務めるファウチ氏は「追加接種で抗体価を高める事はオミクロン株に対しても、少なくとも重症化を防ぐ効果を(もたら)すだろう」と述べ、国民に改めて接種を促したとの事。


12月5日(日曜)

 本日は国内で115人の新規感染が確認されるも、18時半迄に死亡の発表無し。都内でも20人の新たな感染が報告される程度で済んだが、世界的には新興変異株の猛威が(とど)まる所を知らぬ情勢。昨日から今日に掛けて中南米の墨西哥(メキシコ)、北欧の(アイス)(ランド)、北阿弗利加の突尼斯(チュニジア)。更に中南米の智利(チリ)、欧州の羅馬尼亜(ルーマニア)、阿弗利加の贊比亞(ザンビア)が加わり、日本を含めた42の国と地域で確認済と本日23時台にNHKが伝えた。米国でも東部や西武、中西部や南部に渡る12の州に拡大。

 問題のオミクロン株に関して、慶応(けいおう)大学(だいがく)医学部教授の小崎(こさき)健次郎(けんじろう)氏を中心とする研究者集団が「世界中の研究機関から登録されたウイルスの遺伝情報」に(もと)づく研究を進行中。変異ウイルスの起源を分析した結果、大流行の直近まで検出されて居らず、何処で生まれたのかが不明な事から「オミクロン株は遺伝子解析が十分行われていない地域で、アルファ株やデルタ株とは別の系統のウイルスに多くの変異が重なる事で出現した」と推測される由。最初の報告を出したのは「南阿弗利加(アフリカ)の研究所」だったが「先行してヨーロッパで市中感染が有った」との情報も有り、何処で生まれたのかは特定されて居ない模様。

 我が国を含む先進国が小康状態を迎えても、其れ以外の地域で発生した強力な変異株が次から次へと乗り込んで来る有様が続いては、(いたち)ごっこやら土竜(もぐら)(たた)きやら分からぬ。先週の会見で外務大臣の (はやし)芳正(よしまさ)氏は「日本国内で感染が収束したとしても世界の何処(どこ)かにウイルスが残っていれば危険性(リスク)は消えず、世界的な感染拡大防止の取り組みが不可欠だ」と発言。

 我が国は(すが)政権時代に「ワクチンを分配する国際的な枠組み」のCOVID-19 Vaccine Global Access Facility 。略称COVAX Facilityに10億(ドル)の支援、其れと別に6000万回分のワクチン供給を約束。「ベトナムに、我が国で製造したアストラゼネカ社製ワクチン、約100万回分を無償で提供する」等の直接供与、COVAXファシリティを通じた供与を合わせて先月迄に半数の3000万回分を提供済だが、今後も途上国にワクチンが早く行き届く様に「残る半数の供与を加速させ、支援を強化する」方針と聞く。古人(いわ)く、(なさ)けは人の(ため)ならず。

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