令和3年11月第3週
11月15日(月曜)
本日の新規感染は全国で79人、東京では7人で今年最少。沖縄では感染者の報告が無く、此れは「台風時除き約1年4ヶ月振り」との事。週明けで報告が減るとの事情を鑑みても、国内での感染再拡大は起きていない模様。本日に政府が公表した最新状況に依ると、ワクチン2回接種を終えた者は9513万3716人。接種年齢に満たぬ小児も含めた全人口の75.1%に達した由。
3回目の接種、即ち追加接種に関し、厚生労働省は当初「2回目の接種から概ね8ヶ月上経過した者」が対象と通知するも、以前から「半年後にはワクチンの効果が低下する」との海外報告が出ている事、今月11日の承認が「2回目の接種から少なくとも6か月以上間隔を空ければ、国内で3回目の接種に使用可」とされていた事等が問題となり、「2回目の接種から8か月以上」を標準としつつ「6ヶ月経った者も、自治体の判断で対象とする」方向で再調整。しかし、各地の自治体からは「8ヶ月で準備をしていたので方針が変更されると対応が困難」「準備が間に合わない」「混乱が起きる」等の苦情が相次ぎ、又も雲行が怪しくなって来た模様。
3回目の接種に際して「2回目迄と種類が異なるワクチン」の使用を認める国家が有り「一定の有効性や安全性も確認されている」との報告を踏まえて、厚生労働省の分科会は「2回目迄にモデルナやアストラゼネカのワクチンを接種した」者が「3回目にファイザーのワクチンを接種」する事も了承。また分科会は本日に「現在は対象となっていない5歳から11歳の小児を接種の対象に含めるか否か」の検討を開始。此の年代への接種が進行中の米国を含めた海外から届いた「当該世代に於いても2回目の接種から7日以降の発症予防効果が90.7%と確認」「2回目接種後から2ヶ月間の追跡期間で安全性も示された」等の報告が提示され、「感染しても軽症の子どもが多いのが現状」「積極的に進めるかどうか、慎重な判断が必要だ」、或いは「たまたま重症化していないだけで、接種の機会自体は確保すべきだ」と議論百出するも、引き続き議論が進められる予定との事。
また東京都北区では、今月1日迄に2回接種を終えた者が凡そ8割に対し、外国人住民に限定すると69%止まり。「言葉の壁」等で接種機会を逃す例が多いとの懸念に対し、同区は「外国人が予約無しで受けられる接種センター」を開設。同区に在住、若しくは通勤通学する外国人を対象とし、中国語や越南語、ベンガル語等の六ヶ国語に対応できる無償協力者の通訳も手配された由。2回接種済の裾野を広げる方略自体は良いが、先手を打たねば予防は出来ず、免疫が切れるのを待ってから追加接種を行うのは下策だろう。
先週12日に決定した感染対策で、政府は「ワクチンを接種できない者等を対象に、来年3月迄は予約せずとも無料PCR検査等を受けられるようにする」等と、検査対策に就いても言及。「ワクチン・検査パッケージ」が導入されると検査の需要が高まるのは理の当然だが、新型コロナウイルス、即ちSARS-CoV2の検査体制に詳しい東海大学教授の宮地勇人氏は「PCR検査は高度な技術が必要」で「急な体制拡充は難しい」、「PCR検査以外の検査法も有効に活用して行くべきだ」と主張。
SARS-CoV2の主たる検査に3型有り。検体は鼻咽頭や鼻腔を拭って得られる粘液、唾液、痰を用いる。核酸検出検査は、検体に含まれるウイルス遺伝子を人工的に増幅させて検出する検査法で、中でもPCR検査は最も感度が高いが、遺伝子の増幅や検体処理の手順を踏まねばならず、判定に1時間から3時間程度を要する。厚生労働省曰く「国内のPCR検査体制は今月11日時点で行政検査向けが一日当たり凡そ25万件、自費検査向けが凡そ10万件」との事。
抗原定性検査は「抗原検査キット」を用いれば専用の装置は不要で、30分程度で判定が可能。有症状者が陽性と判定されれば診断確定となるが、一定以上のウイルス量が無いと検出感度は低くなり、無症状者には非推奨。国が一般向けに承認した抗原検査キットは今年9月から調剤薬局での販売が認められ、更に此の度、規制改革担当大臣の牧島氏が「現行法では禁じられている一般人への電網販売、コンビニエンスストア販売を解禁」との規制緩和を検討している旨を発表。簡便且つ迅速に使用可能な検査だが、適正で有効に利用されるか如何かが問題となるか。
対して抗原定量検査は、SARS-CoV2に特徴的な蛋白質を専用装置で測定するもので、検査時間は30分程度と短い。しかし、PCR検査と同様に検査精度は高く、症状の有無に関わらず確定診断に利用可能。東京五輪やパラリンピックの選手団に於ける検査、空港検疫で活用されるも「精度の比較的低い抗原定性検査と混同される」等で真価が十分認識されていない嫌いが有る模様。国内での検査能力は今月10日時点で一日当たりおよそ7万7000件と厚労省は報告しているが、先述の宮地勇人教授は「抗原定量検査の装置自体は全国の多くの医療機関で別の検査のために使われている」故に「一日当たり30万件程度まで増やせる可能性有り」との見解を開陳している。
本日に内閣府が発表。本年7月から9月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてマイナス0.8%。これが1年間続いた場合の年率換算ではマイナス3.0%で、2期振りのマイナスとなった。期間中の緊急事態宣言発令で旅行や外食の需要が低迷した上に家電販売等も減少して、GDPの半分以上を占める「個人消費」が落ち込んだ事が主たる要因とされる。経世界的な半導体不足、東南アジアからの部品調達が停滞、そして自動車産業の減産と来て、経済の牽引役たる「輸出」も減り、「企業の設備投資」も減って「感染再拡大に因って日本経済の回復は足踏みを余儀無くされた」と評される一方、原油価格の高騰などで物価が上昇した事で、物価の変動を反映した名目のGDPの伸び率は、前の3か月と比べてマイナス0.6%、年率換算でマイナス2.5%と実質の減少幅より小さくなった由。
同じ7月から9月に於ける米国のGDP、実質の伸び率は年率換算でプラス2%。今年は2期連続で6%を超える成長を示した同国だったが、変異株の感染拡大や供給網の混乱が快進撃を妨げた模様。内閣府発表に拠ると、同時期に於ける中国のGDPも、年率換算でプラス0.8%と小幅な伸びに留まる一方、独逸や仏蘭西を含むユーロ圏19か国の同時期GDP、域内総生産は、先の四半期に比して年率で9.1%伸び、2期連続のプラスとの報告有り。
今年5月には40万人を超えた印度の一日当たり感染者数も、其の後は1万人程度に減少。同国政府は本日、凡そ1年半ぶりに海外からの観光客を本格的に受け入れ、一部の国を除けば「PCR陰性やワクチン接種の証明に因り、隔離無しで観光が可能」とした由。「多くの国との間で定期便の運航が停止している」情勢に変わりは無いものの、日本からは臨時便が運行されている模様。馬来西亜の行楽地、ランカウイ島でも、本日からワクチン接種を条件に隔離なしで海外観光客の受け入れを開始。
11月16日(火曜)
本日は全国で154人の新規感染、4人の死亡。東京都内も新規感染は15人で、31日連続で50人を下回ったのに対し、北海道は35人で一か月振りに30人を超え、前週同曜に比して22人増えた由。最北端から冬季の感染拡大が始まる事も懸念される情勢だが、ワクチン接種担当大臣の堀内詔子氏は、6ヶ月時点での追加接種に関して「地域の感染状況等を踏まえた例外的な取り扱い」に過ぎず、「2回目の接種から8ヶ月経った者を対象」にワクチンを準備して「飽く迄も8ヶ月間隔を基礎として配送して行く」と強調。
厚生労働大臣の後藤茂之氏も「地域の感染状況やクラスターの発生等、非常に特殊な状況に在る場合」のみ6ヶ月接種を容認するものの「自由に地域の判断に応じて8ヶ月から6ヶ月への前倒しを認めるものでは無い」と発言。接種から直ぐに免疫が強化される訳では無く、集団感染が起こってからでは後手に回る事を避けられぬが、岸田総理からも「原則、8ヶ月での接種」の方針に関して「自治体に丁寧に説明する」様に、との指示が出るに及んで泥縄式方針が確定。全国自治体からの圧力に政府が屈する形となったが、「切り札はワクチン接種」の一点張りで「圧力とも取れる働き掛け」を以て全国自治体に接種予定を早めさせた前総理の菅義偉氏ならば、或いは6ヶ月接種の方針を断固貫いたかも知れぬ。しかし、仮定の話をしても始まるまい。
政府から提示された「ワクチン・検査パッケージ」制度の要綱案に関し、本日午前に政府分科会が討議。「飲食や催事での行動制限を緩和しようとする事業者は、予め制度の適用を都道府県に登録」し、利用者に対して「ワクチンの接種証明」若しくは「検査の陰性証明」の何れかを求める。接種証明に関しては「2回目の接種から14日以上経過している事」の確認を要するも「有効期限は当面、定めない」。検査の陰性証明は「有効期限は検体の採取日から3日以内」等の内容に対して「接種完了後や検査陰性でも感染の危険性は否定出来ぬ」、「感染が拡大し、一般医療の制限を要するlevel 3の状況に陥った場合は運用停止も検討すべし」、「今後は接種証明の有効期限に就いても要検討」等の意見が出るも、最終的には了承された由。
運用停止の判断に関して分科会の会長、尾身茂氏は「感染や医療の状況、適用される場面の危険性等」で判断するので在って「何が有っても継続する、停止すると云う考え方では無い」と説明。目安となるlevel 3の状況も「レベルが上がったばかりの初期」と「レベル4という最悪の事態が近づいている状況」に大別されるが、後者ならば「制度の対象になる催事等が制限」される可能性も有る。先ずは「制度を走らせながら、効果と限界を継続的に評価」した上で「適宜、見直して行く」姿勢が寛容なれども「接種から数ヶ月で感染を防ぐ効果が落ちる事」は確実。接種証明の有効期限に関しては「なるべく早く議論した方が良い」と云うのが「専門家の一致した見解」と述べた由。
要綱案が定める行動制限の緩和は「飲食」と「イベント」、「移動」の領域に及ぶ。「飲食」では「感染対策に関する第三者の認証を受けている」店舗が対象となり、制度の適用で利用者の人数が制限されなくなる。「イベント」に関しては、「感染防止安全計画を策定して都道府県の確認を受けた」催事ならば感染対策上の人数制限を課されず、本来の収容定員迄の参加が可能。「不要不急で都道府県を跨ぐ」様な「移動」の自粛が要請される事も無くなる一方、幼稚園や認定こども園から大学を含む学校の類に対して当該制度は適用されず、学校に於ける感染危険性の高い活動、部活動や課外活動に対する適用は文部科学省、団体旅行や宿泊施設での適用は観光庁で別途に規定される模様。
接種証明確の詳細に関しては「接種証明書や接種記録書等」を用いて「2回の接種を完了し、14日以上経っている」か否かを見届ける。「接種証明書等を撮影した画像や写し」の提示でも可だが、同時に本人確認も実施。海外で発行された接種証明でも「氏名や生年月日」「ワクチン名か製造会社」、「接種日と接種回数」が日本語、若しくは英語で記載されたものは使用可。
検査での陰性証明に際しては、精度が高いPCR検査や抗原定量検査を、厚生労働省が公表している「自費検査を提供する検査機関一覧」中の検査機関で受ける事が推奨され。医療機関や検査所が「被検者の氏名」「検査結果」「検査法」「検査所名」「受検日」「検査管理者の氏名」「有効期限」を記載した結果通知書を発行。「PCR等を事前に受けられない場合」に対応する為に、簡易な抗原定性検査も利用可能だが、有効期限は検査日から1日以内と短くなり、「薬事承認された検査キットの使用」、結果通知書に「受けた人の氏名」「検査結果」「用いた検査キットの製品名」「受検日」「事業者名、検査管理者の氏名」「有効期限」の記載が必要となる模様。陰性証明の対象は「6歳以上」で「同居する親等が同伴する場合」は未就学児も検査不要で制度を利用出来るが、6歳から11歳迄の児童は陰性証明を要する。
制度の抜け穴としては「接種証明書や結果通知書の偽造」、「児の年齢を5歳未満と偽る」等が想定されるも、先述した如く接種証明の有効期限に関する規定は無く、時間経過と共に対COVID感染防御が低下した者にも制度は適用される。一抹の不安を抱えつつも制度が動き出す事になり、本日閣議後の会見で斉藤国土交通大臣が「ワクチン・検査パッケージ制度を活用しつつ、Go Toトラベルの実施方法を見直して行く」方針に就いて言及した由。
其の他に、本日は「ファイザー製COVID用ワクチンの接種後に受けた流行性感冒用ワクチン」の副反応に関し、山形大学附属病院が「医師や看護師、医学生」を対象に調査した結果は「殆どが軽症」で、過去に経験したインフルエンザワクチン副反応と同等が67.7%、軽症15%との回答が大勢を占め、重症と感じたのは17.3%と少数。「在日米軍横須賀基地で働く日本人」が基地内でワクチン接種を受けるも「日本の予防接種法の対象外」となり、「国の機構に接種記録が登録されない」との問題と関連して、横須賀市長の上地克明市長が機構を運用するデジタル庁を訪問。接種証明書の電子申請や交付を利用出来ぬ等の不利益が懸念される状況に関し、対応を要請した等の報道有り。
11月17日(水曜)
来月1日から開始予定の3回目接種に関し、本日に厚生労働省が回線接続の説明会を非公開で開き、全国の自治体のワクチン接種の担当者が参加した由。二転三転を経て「原則8か月以上経った医療従事者等」から始めるに至った顛末は既報の通りだが、使用するワクチンに関しては現在、承認審査が行われているModerna製品も使用する方針に決し、「来月12月と来年2月にファイザーのワクチン、凡そ2000万回分」と「モデルナのワクチンも、来年1月に凡そ1700万回分」を配送する予定との事。
何れのワクチン接種を受けるかは「予約する段階で選べる様にする」方針と伝え聞くも、若年男性で稀に心筋炎や心膜炎を起こす旨が報告されているModerna製を好む者は少なく、Pfizer製に希望が集中する事が予想される。5歳から11歳への接種に関しても、厚生労働省は「此の年齢への使用が承認された場合」は「早ければ来年2月頃に接種を開始出来る可能性有り」、「接種に向けた準備を進める様に」と全国の自治体に通知。多少の紆余曲折が有ろうとも、接種事業は新たな段階へと進む模様。
またPfizerが開発中の経口抗ウイルス薬、PAXLOVIDに就いて、本日に同社は「軽症から中程度の症状が有り、重症化の危険性を有する成人患者に対する緊急使用」の許可を「FDAに申請した」旨を発表。此のパクスロビドは新規の抗ウイルス薬PF-07321332と、既存の抗HIV薬であるritonavirと組み合わせた製剤。主成分のPF-07321332は、SARS-CoV2の複製に必要な酵素で在る3CL proteaseの活性を阻害する事で、ウイルスの増殖を抑える。リトナビル併用にはPF-07321332を含む蛋白分解酵素阻害薬の血中濃度を高く維持する効果が有り、今回もリトナビル自身の抗ウイルス効果よりも作用増強を目的として合剤に組み込まれた由。
PAXLOVIDの効果に関しては、今月5日の時点でファイザー社から「約1200人のCOVID-19患者が登録された第2/3相臨床試験」の経過中に「偽薬と比較して入院、或いは死亡を89%減少させた」との報告有り。此の数値は英国で承認済のMerck製Molnupiravirの50%を大きく上回り、「真のgame changer登場か」との声が上がるも現時点では中間解析結果に過ぎず、未だ断定は出来ぬ。
日本政府観光局が発表した所に依ると、先月に日本を訪れた外国人旅行者は推計で2万2100人。COVID-19感染拡大以前の一昨年同月に比して99.1%の減少となるも、今月8日から条件付きでビジネス目的の入国を認め、外国人観光客の受入再開に関しても観光庁を中心に入国制限緩和の動き有り。COVID感染を徹底して封じ込める政策を採用している中国だが、先月中旬から各地で感染が広がり、一昨日迄の7日間に300人以上の新規感染者を確認。本日から北京市は「市内に入る全ての人間」を対象に「48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明の提示」を義務化し、「一人でも市中感染が確認された地区からの北京市入りを厳しく制限する」措置も継続するそうだが、来年2月には五輪開幕。日本国内で患者が減ろうとも海外で増えれば影響は不可避にして、入国制限の緩和が拍車を掛ける事も懸念される。
明後日に決定予定の経済対策に関し、自民党が今週15日と17日午後の政務調査会にて協議。政府側が「看護や介護、保育等の現場で働く人の収入を来年2月から引き上げる措置」や経済安全保障の取り組みを強化する目的で「先進的な重要技術の研究開発や実用化に向け、5000億円規模の支援を目指す」案を示したのに対し、大筋で了承された由。看護現場の収入に関しては、COVID対応を含む「一定の役割を担う医療機関に勤務する看護師等」を対象に、来年2月から「1%程度の処遇改善を図り、段階的に3%程度まで引き上げて行く」そうだが、当面の引上額は月額4000円。増えぬよりは良いが、命懸けの業務に対して十分な評価とは言えまい。
11月18日(木曜)
総務省が行った労働力調査に依ると、勤労意欲が有っても職が見つからぬ「完全失業者」は、本年7月から9月が月平均で191万人。国が雇用調整助成金等の支援を行い、失業者の大幅増加が抑えられる一方、求人の減少で再就職が難しく失業が長期化する傾向が続く状況を反映して、職を失った状態が1年以上続いている「長期失業者」は66万人。「完全失業者」のうちの34.6%とCOVID感染拡大以降で最多を記録した由。コロナ禍の状況を踏まえて、雇用保険の失業給付には特例が設けられるも、長い者でも360日で給付期間が終わり、長期失業者が生活に困窮する例は多い模様。
明日に政府が決定する経済対策の一部として「18歳以下を対象とする10万円相当の給付」が挙げられた事に関し、国民民主党代表の玉木雄一郎氏が記者会見で言及。「主な稼ぎ手の年収が960万円以上の世帯を除外する」との所得制限が設定される点に就いては、「今いちばん求められている困窮者の支援を速やかに行うには、いったん全員に10万円を配って、所得が高い人などから課税時に返してもらう形が最も効率的だ」と指摘。原油高対策についても「あまりにしょぼすぎて、衝撃を受けている」「此れでガソリン価格が下がるかどうかわからず、効果も公平感の観点からも非常に問題だ」と批判する一方、新体制発足後の立憲民主党と連携する可能性を問われると「共産党との関係が此れ迄のベッタリとした関係で在あれば連携出来ない」「政権を担う意思として、安全保障やエネルギー政策が現実的かどうか」等の問題点を挙げた由。
先週12日にも独逸の感染者数が過去最多の5万196人と最多を記録した旨を記したが、冬が訪れて其の後は更に増加。本日に新規感染6万5371人と感染死264人が報告されるに至り、北部のハンブルクでは「降誕祭の時期を迎えても、人気の温葡萄酒を提供する飲食店を利用出来るのは接種完了者と感染後に回復した者のみ」等と各地で規制が強められた模様。
米国でも感染者が増加しており、最近は新規感染者数の平均が8万3000人余、一日に5300人余が新たに入院する等の状況有り。感謝祭日を控えた来週には「旅行する人の数は感染拡大前の水準近くに戻る」と米国自動車協会が予測して居り、12月も降誕祭の時期に旅行や会食の機会が多く、感染のさらなる拡大が懸念されている由。CDCのワレンスキー所長が昨日の会見で「此の季節の最高の贈物は健康だ」と述べて、未だワクチンを接種していない者に改めて接種を呼び掛けると共に、接種完了者にも効果を高める為の追加接種を要請。
斯様な情勢なれども、日本政府は「一日当たり上限3500人」として来た水際対策を緩める事を決定。午前の記者会見で、官房長官の松野博一氏は「今月26日から一日当たりの上限を5000人程度に引き上げる」と発表。「新たな変異株の感染が拡大する」等と状況が悪化する場合は「機動的に対処して行く」そうだが、「引き続き国内外の感染状況やワクチン接種状況などを踏まえつつ」も「更なる緩和に向けて前向きに検討を続けて行く」と云う方が本音か。
11月19日(金曜)
本日の臨時閣議を以て、政府が新たな経済対策を正式決定。「新型コロナウイルスの感染拡大防止」「『ウィズコロナ』のもとでの社会経済活動の再開と次の危機への備え」「未来社会を切り開く『新しい資本主義』の起動」「防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保」の四つを柱に据え、国と地方の歳出が49兆7000億円程度、財政投融資を含めた財政支出の総額は55兆7000億円程度と最大規模の資金を投じ、対策に伴う民間の支出等も含めると事業規模は78兆9000億円程度となる模様。
四柱の第一は「新型コロナウイルスの感染拡大防止」。「公立病院等の病床をCOVID専用にする」「全国の医療機関の状況を一元的に把握する機構を活用する」等に依り、感染再拡大時は「確保した病床の8割以上を確実に稼働できる体制を築く」由。他に「ワクチンの追加接種も無料にする」「経口治療薬の年内実用化を目指し、承認された経口薬は国が買い上げて必要量を確保する」等も掲げられた。コロナ禍で悪化した生活や事業への支援も第一の柱に盛り込まれ、以前から論議を呼んでいた「18歳以下を対象に1人当たり10万円相当の給付」案も実行される模様。
10万円給付のうち5万円は児童手当の仕組みを活用して年内に現金で支給を始め、残りの5万円は来春に引換券給付となるも、給付に際しては「夫婦どちらかの年収が960万円以上の世帯」は基本的に対象から外される模様。他に「住民税が非課税の世帯に1世帯当たり10万円の現金給付」。「コロナ禍で売り上げが大きく減少した事業者」に「地域や業種を限定しない形で減収した分を給付」、「給付額は法人が事業規模に応じて上限250万円、個人事業主が上限50万円」等。先の中小企業向け持続化給付金で不正受給が相次いだ事に学び、今回は商工団体や金融機関等に事前確認を行わせて不正を防止する由。
四柱の第二「『ウィズコロナ』のもとでの社会経済活動の再開と次の危機への備え」では、「希望者全員へのワクチン接種」が促されると共に、多少の手直しを加えた上で「Go Toトラベル事業の再開」を準備。
第三柱の「未来社会を切り開く『新しい資本主義』の起動」に基づき、「大学の研究レベルを世界最高水準に高める」目的で「10兆円規模の大学ファンド」の運用を開始。経済安全保障の強化に向けて「半導体製造拠点の国内整備を促す基金を設ける」。分配戦略として「賃上げを行う企業への税制支援の抜本的な強化」「最低賃金引き上げへの対応を支援するための助成の拡充」。一昨日の項で言及した、COVID治療等に携わる看護師への賃上げも此処に含まれる模様。
最後の柱は「防災・減災、国土強じん化の推進など安全・安心の確保」で、我が国が近年に何度も経験した豪雨や地震等への備えを強化すると共に「東日本大震災からの復興に引き続き全力で取り組む」との事。新たな経済対策に就いて、総理大臣の岸田文雄氏からは「コロナ禍で厳しい影響を受けた方々に寄り添って万全の支援を行うと共に、成長戦略と分配戦略に依り新しい資本主義を起動して行くもの」で「直接の経済効果は国内総生産に換算して5.6%程度が見込まれる」「スピード感を持って執行して行く」等の発言有り。「スピード感」等と曖昧な言い回しを用いたがる昨今の風潮は個人的には嫌いで、「迅速に行う」と明確に言うべきだと思う。
経済の専門家達からは「18歳以下への10万円給付」に対して「一定の効果は有る」が「かなりの部分が貯蓄に回る」ので「経済対策としての費用対効果は高くない」。本来は「コロナ対策や物価高対策に支出を集約すべき」だが、それ以外の施策が多く「経済対策の規模を競って国民にアピールする『先に規模ありき』という印象が否めない」。財源の議論も「素通りになってしまっているのではないか」等の批判が出た模様。
今回の経済対策では「食事券利用等が最長でも今年12月で期限切れ」となるGo Toイート事業に対して「利用期限を延長」。また国土交通省がGo Toトラベル事業の修正案を纏め、中小のホテルや旅館にも利用が広がる様に「割引の上限額を従来の1人1泊当たり1万4000円から1万円に」「日帰りならば1人当たり7000円から3000円に引き下げる」等を盛り込み、年明け以降の再開を目指している等の話題有り。感染再拡大を避けつつ、経済を立て直す難事業の成否や如何に。
文部科学省が全国の大学や短期大学、高等専門学校を対象に行った調査に依ると、4月から8月に中途退学した学生は1万1862人、休学した学生は5万908人。何れも理由は「経済的困窮」が最多で、中途退学の約21%、休学の約16%を占めた。退学や休学に「新型コロナウイルスの影響が有った」との回答は、中途退学で701人、休学で4418人。合計5119人は昨年度同時期に比して2057人も多く、1.6倍以上の増加。学生達の苦しい経済状況を鑑みて「略全ての学校が授業料納付を猶予している」事も調査で明らかになった由。政府としては困窮学生への緊急給付金も計画しているらしく、将来の我が国を担う若人達が一人でも救われる事を望む。
我が国の厚生労働省はCOVID用ワクチンの導入に於いて、審査の手続きを簡略化する特例承認を適用したが、国内での承認は米国や欧州連合より2ヶ月から5ヶ月も遅れた。米国の「生命に関わる緊急の状況で且つ代替薬が無い場合は特別に使用を認める」と云う緊急使用制度と同様の制度を創設するべく、昨夜に厚労省の専門家部会が検討を始め、年内に結論を纏める模様。
制度の本家たる米国では、昨日の項に記したファイザー社のPAXLOVIDに関し、バイデン大統領が「1000万回分を購入した」、FDAから許可が出た暁には「国民に速やかに無料で提供したい」と発表。来月末から医療機関等に配布を始めるとの話も有り、申請中とされていた緊急使用も遠からず認められる様だが、同じく緊急使用許可が申請されているメルク社のMolnupiravirに関しても「バイデン政権が310万回分を確保する見通し」との事。厚労省が重い腰を上げた事で、我が国でも必要な承認が迅速に行われる様になれば良い。
11月20日(土曜)
本日も感染者は全国で112人、都内で16人。死亡が全国で5人、東京都で2人。今年に入って最少の水準が続くも、北海道では三日前に40人と前週同曜より32人も増加。昨年の感染第一波では「2月下旬に北海道で国内最初の感染拡大」が確認されたのに対して「東京では3月中旬以降」、秋冬の第三波でも「北海道は10月下旬から感染者数の増加」「東京都では11月中旬以降」と、寒冷期を迎えた北の大地では「本土に先んじて感染が拡大する」傾向有り。国内で「閉め切った環境では感染し易い」事が確認されたのも、昨年2月の「さっぽろ雪まつり」の事例が発端となった。
道の新型コロナウイルス感染症対策本部は「感染者が増えているのは札幌市と旭川市が中心」だが、札幌市は「医療機関でクラスターが発生したことで感染者が増えた」ものの「市中で広がっているような状況では無い」。「飲食店等で感染集団が発生」した旭川市に於いては「感染者が今後も散発的に出る」と思われるが、「感染が一気に拡大する兆候は見られていない」。更に「新たに感染しているのは、ワクチンを接種していない人が殆ど」等と報告して居り、現状で第六波が襲来している訳でも無さそうだが、今後も警戒を要する。
欧州連合(European Union; EU)の域内で急速な感染拡大が続く中、今月15日から墺太利全土で「未接種者の外出を制限する」措置が執られるも、一昨日の新規感染者は1万5000人を突破。過去最多を更新するに及んで、本日に同国首相のAlexander Schallenberg氏が更なる規制強化を発表。11月22日から最長20日間に渡って「接種完了者を含めて、通勤等を除く不要不急の外出が制限」「生活必需品を取り扱う店を除く殆どの店舗は営業禁止」等が求められ、来年2月1日から「接種を義務化する」事も決定した模様。独逸や阿蘭陀でも規制を強化する動きが広がったのに対し、オランダ第二の都市、鹿特堤では昨日、規制に抗議する街頭宣伝の一部が放火を伴う暴動に発展。出動した警官隊が発砲や放水で鎮圧を図り、警官を含む7人が負傷する騒ぎとなった由。
欧州連合に於ける規制当局の欧州医薬品庁(European Medicines Agency; EMA)では、未だMolnupiravirの審査が終わって居なかったが、感染再拡大を堰き止める必要性が生じた為か。昨日の時点で「発症から5日以内にモルヌピラビル服用を始めれば、入院や死亡の危険性を抑えられる」との見解が示されると共に「緊急時等に成人への使用を認める」との発表有り。英国では今月4日に承認済だが、今回発表に伴い、他の加盟国も各々で使用の可否を判断する事になる模様。米国では、Pfizer製とModerna製を用いた3回目のワクチン接種は「65歳以上」と「18歳以上で重症化危険性の高い」者、「感染危険性の高い職場で働いている」者に限定されていたが、昨日の専門家委員会が再検討を行った結果、接種対象を「18歳以上の全員に拡大する」事を全会一致で容認。CDCも「2回目の接種を終えて6ヶ月が経過した18歳以上」の国民に「3回目の接種を推奨する」と正式に発表した由。
国内では「長期化するコロナ禍が精神状態に与える影響」に就いて「本年6月から7月、全国の妊婦1022人」を対象に近畿大学東洋医学研究所が調査、「鬱や不安障害が疑われた妊婦」は385人全体の37.7%に相当、「3人に1人が心理的な問題を抱えている」可能性が示唆された。沖縄県石垣市が大手航空会社や電機製造会社と連携、「PCR検査の陰性証明書を示さずとも顔認証で割引等の優待を受けられる機構」の実証実験を開始。水際対策が緩和され、受入団体や施設が行動管理などに責任を持つ場合は「特定技能や技能実習等の制度に基づく入国」が許可されて「経済連携協定(Economic Partnership Agreement;EPA)に基づく人材」も受入再開となり、予定の4ヶ月遅れで「先月に比律賓から介護福祉士や看護師を目指す男女234人が入国」、2週間の隔離を終えて「今月8日から日本語や介護の実技の研修が始まった」等の報道有り。
11月21日(日曜)
本日も全国の感染発表は143人で、感染死は無し。東京都に於ける新規感染は20人と少なく、北海道内も新規感染者は12人のみ。内訳は旭川市が7人、札幌市が再陽性の1人を含む5人で他の地域に蔓延している訳では無い模様。
しかし、日本海を挟んだ隣国の露西亜では、昨日に一日当たりの新規感染者数は3万7120人となり、死者の数は1254人と過去最多。極東の沿海地方では医療機関の病床使用率が凡そ9割に達し、札幌と北緯43度線で繋がる浦塩斯徳の診療所には連日、250件程も往診依頼の連絡が入り、医師達は対応に追われている由。
先月27日に過労を訴えて今年二度目の入院。今月2日の退院後は自宅静養を経て、遠隔勤務をしていた東京都知事の小池百合子氏が四週間振りに公の場に姿を現し、本日に登庁。回線 (オン) 接続で行われた全国知事会にも都庁から出席。12時過ぎからの発言に際して、知事会の司会から「応援しています」「頑張って下さい」と言われると満面の笑みを見せ、感染譲許に関しては「新規陽性者数の少なさや入院患者の減少」に就いて言及しつつも「海外の事情を見ていると感染が再拡大している所も有る」と指摘し、感染防止対策の継続を呼び掛けた。
16時過ぎに退庁する際、小池氏が都庁入口にて報道陣の取材に答えて「心機一転」、「職員の皆さん」が「此の間、連携取りながら、しっかりとやってくれてい」為に「都政の停滞と云う所は有りません」。「此れから更に『爆速』で進めて行きたいと思います」と豪語。更に「都民ファーストの会に在籍していた今年7月、東京都議会選挙の期間中に無免許運転で当て逃げ事故を起こした」事から始まる騒動で物議を醸している都議会議員の木下富美子氏についても言及。
小池氏曰く、木下氏には「二度も議会から辞職と云う決議が行われている」上に「日々、都民の皆様方からも苦情が都にも寄せられて」居て、「更には都政の停滞が懸念されている」等と問題山積の状況に就いて指摘。然れども「本人がしっかりと客観的に理解され」るべきで「体調も悪いと云う事」なので、「先ず体調を回復されまして」。「人生長い訳ですから」等と木下氏を励ますような発言の後に「理解出来ない人では無い」と「私は考えておりますし」、「自らが出処進退を正して行く事に就いて彼女自身が決する」事を「私は確信している所で御座います」との事。
独特の言い回しだが、長らく小池氏が身を潜めていた理由は「純粋な健康問題」、「新党『ファーストの会』で国政選挙に打って出る計画が挫折した件に関し、熱りが冷めるのを待った」等に加えて、「悪足掻きで小池氏にまで火の粉を飛ばす木下氏に身を引く様、言い含める」為に必要な時間と云う事も有ったかと愚考した。




