令和3年11月第2週
11月8日(月曜)
元総理大臣の安倍晋三氏、麻生太郎氏に支持されて「政権与党の頂点」に立った岸田文雄首相は当初、自民党内の第2派閥、49名を擁する麻生派から麻生氏を党副総裁に、甘利明氏を幹事長に任命。安倍氏が絶大な影響力を持つ87人の最大派閥、細田派から松野博一官房長官、福田達夫党総務会長、高木毅国会対策委員長を起用。自ら率いる41人の岸田派を含めた主要派閥で「政権基盤を安定させる道」を選択するも「最側近の萩生田氏を官房長官に、幹事長には高市氏の起用」を期待する安倍氏の意向には反する人事で、更に小泉政権下で安倍氏と不仲だったと言われる福田康夫氏の子息で在る達夫氏の起用が「安倍氏の機嫌を損ねた」との世評有り。
其の後に甘利氏が幹事長職から退く事を余儀無くされ、改めて萩生田氏か高市氏の幹事長就任を望むも実現せず「安倍氏の面子は丸潰れ」と囁かれる反面、昨年に自民党の政調会長を務めていた岸田氏が「当時の総理大臣、安倍氏との協議を経て、困窮世帯への30万円給付案を纏め、政府に実現を求めた」所、「幹事長の二階氏や公明党に反対された安倍氏が転向」、「方針転換を余儀無くされた岸田氏が恥辱を味わった」。其の後も「安倍氏からの禅譲を期待して前回総裁選で出馬を見送った岸田氏が、昨年8月の安倍氏辞任で支援を求めるも安倍氏は拒否」「総裁選で安倍路線を継承する菅義偉氏と対決するも、結果は菅氏が377票、岸田氏は68票と大敗」。岸田総理を生み出す発端となった党総裁選挙に関しても「安倍氏が高市氏を全面的に支援」、「河野氏を追い落とす一策だったと言われる反面、下手をすれば岸田氏が破れていたかも知れぬ情勢を安倍氏が作り出した」等々から「岸田氏の方こそ安倍氏に度重なる恨み有り」と見る者も居る模様。
自民党に於いては、其の他に凡そ50人の勢力で在る竹下派で「新幹事長の茂木敏充氏が会長代行を務めるも、人望が乏しく会長就任の予定無し」、「小渕優子氏を派閥の長に据えようとする勢力と軋轢が生じている」。党の実権を握って来た二階氏が幹事長職を追われた事で「非主流派に転落した」二階派では、約40人のうち半数が「総裁選に4回連続で敗れるも党員人気は高い」石破氏が率いる石破派と合流、或いは「石原伸晃氏の落選で会長不在となった」石原派の残党と結び付く可能性も有るか等の話も有るが、何れも噂の域を出ない。
本日は「Mahathir Mohamad氏が第四代首相として日本を雛形とした東方政策を提唱してから40周年となるマレーシアへ、来月上旬に安倍元総理を特使として派遣する」意向を岸田総理が固めた旨を「複数の政府関係者が明らかにした」事。細田博之氏が衆議院議長に選出されて派閥の会長を辞するのに伴い、「安倍氏が党内最大派閥の細田派に復帰し、次期会長に就任する見通しとなった」事が報じられた。前者に関しては「斯様な大任を委ねるのは岸田氏が安倍氏を信頼している証左」と素直に受け取る者も有れば、「岸田氏が謀を巡らす為に安倍氏を一時、遠方に追い遣るのだろう」と深読みする者も居る模様。
11月9日(火曜)
Johns Hopkins大学の集計に依ると、全世界に於けるCOVID-19の感染者数累計は本年1月下旬に1億人。8月初めに2億人を超えたが、其の後の約3カ月で更に5千万人を加え、日本時間9日午前11時の時点で2億5031万4842人を数えた由。ワクチン接種が進んだ英国や独逸でも打抜感染が広がり、死者数累計は505万人に達した。同じ集計で、日本の累計感染者は172万3782人。
東京都は本日に都内で新規30人の感染を確認。24日連続で50人を下回る一方、1週間前の火曜日より12人増え、8日に続いて前の週の同じ曜日を上回った由。第六波の到来かと恐れるには未だ早いものの、今後の推移を注視して行く必要有り。
新たな経済対策として、公明党が選挙公約に掲げた「18歳以下の子供を対象とした一律10万円の給付」を巡り、与党内で協議。自民幹事長の茂木氏が「何処までの子供に対して然う云ったものが必要だと云う事に就いては議論が必要では無いか」と指摘するも、公明幹事長の石井氏は「一律と云うのが我々の考え」「10万円相当と云う中で現金、或いは引換券なり得点なりと」「詳細に検討する」と引かず、協議は今日に持ち越された由。
公明党案に対し、嘗て大阪府知事や大阪市長を務めた橋下徹氏がフジテレビ系情報番組で「僕は天下の愚策だと思いますよ」と批判。「今の此の状况で、経済対策だったらもっと幅広く、全国民対象って云う風にやらなければいけない」、「18歳以下で少子化対策」ならば「10万円の給付じゃなくて、もっと中長期的に違う政策をやらなきゃいけない」との理由を挙げ、「本来だったら困窮者救済目的」で行うべき政策だが「日本はデジタル社会になっていないので、所得を事前に把握するってことがなかなか難しい」、野党の「吉村さんや玉木さん」が主張した様に「まずは一律に配ってしまって、後で税金で回収する」方法が妥当だが、連立破棄を恐れる自民党は「公明党の言う事をを聞かなきゃいけない状况になっている」と語った由。
公明党の主張する政策が「天下の愚策」と評されるのは、初めての事象では無い。魚住昭著「野中広務 差別と権力」に依ると、1999年に約七千億円の血税が費やし、政府が「十五歳以下の子供がいる家庭」に配布した地域振興券に関して、自民党の野中広務氏は派閥会合で「天下の愚策かもしれないが、七千億円の国会対策費だと思ってほしい」と述べた由。
元公明党参議院議員で党副幹事長も務めた福本潤一氏曰く「公明党の支持母体」は「ご承知のように創価学会」で「公明議員は創価学会信者」だが、「中でも最大の力を持っている婦人部」改め「今は女性部」の支援、「選挙活動があって当選できる」。しかし、その女性部から「あれだけ応援してあげても何の見返りもない」「福祉の党と言いながら、私たちは豊かにならない」との声が上がる事に、此の件の真因が有る。
即ち「自民党は連立維持」、「公明党は婦人部」の為に「バラまきをやってきた」訳だが「こうした婦人部からの要求が常態化」する事で過去にも「いくつかの給付が行われて」居り、「今回の“18歳以下に一律10万円”もその延長上」に在るとの事。真偽は不明だが前回の「天下の愚策」、地域振興券の費用は約6200億円。今度は2兆円。
11月10日(水曜)
先の衆議院選挙を受けて本日に招集された第206特別国会で、新たな衆議院議長として自民党の細田博之氏が、副議長として立憲民主党の海江田万里氏が選出された。引き続いて行われた総理大臣指名選挙で過半数の票を得た事で、岸田文雄氏が第101代の総理大臣に選出され、皇居での総理大臣の親任式と閣僚の認証式を経て、第二次岸田内閣が発足。
第一次岸田内閣の誕生から日が浅く、大臣の大半が再任される中で、茂木敏充氏の幹事長就任で空いた外務大臣の椅子は岸田派の林芳正氏が引き継ぐ事となった由。岸田氏が側近の林氏を起用した事に関しては、一部報道に依ると幹事長交代の翌日、今月5日の夕には「安倍、麻生両氏に電話で林氏の起用案を伝え、理解を求めた」模様。二人の長老は「林氏が2017年12月から日中友好議員連盟の会長を務めている」事から対中関係への影響を危惧し、林氏の外相就任に賛同しなかったが「それでも首相が譲らなかった」由。
東大法学部とハーバード大学大学院を卒業した林氏は「2004年に年金の未納が発覚」「2015年に補助金企業からの献金や政治資金規正法違反の疑惑」「文部科学大臣を務めていた2018年に公用車を使って東京都内のヨガ店を訪問」等の不祥事が記録されるものの、防衛相や経済財政担当相、農相2回を歴任。岸田派で座長、即ち派内第二位の席次を占めて、2012年には自民党総裁選に立候補した事も有り、自他共に認める未来の総理総裁候補との事。また「安倍元首相と林氏は地元山口で親子2代にわたって対立してきた“天敵”同士」と言われ、更に「次期衆院選から山口県の選挙区は定数4から定数3に1減」との事情も有って、今回の人事で岸田総理と安部氏との確執が深まったとの噂も聞かれるが、永田町内の実情は窺い知れぬ。
昨日の項に記した18歳以下の子供への10万円相当給付に関しては、「年内に5万円の現金」、「来年春頃に5万円相当のクーポンを支給する」事で自公両党が合意した由。しかし、双方が本気で相手を説き伏せようとした結果なのか。或いは事前に両党で合意が為されていたが支持者や国民の手前、暫く議論の応酬を装っただけなのかは定かでは無い。
更に検討中の経済対策に就いて、本日会見で岸田文雄総理が「厳しい経済状況に在る学生にも、修学継続の為、10万円の緊急給付金を支給する」と公表。同じく検討中の事業者向け給付金制度に関しては「1箇月の売上が一昨年から本年迄の何れかの同じ月と比べて30%以上減った」事業者を対象と氏、「今年11月から来年3月の5箇月分の売り上げ減少額」に基づいて「コロナ禍で売上が減少した企業に最大250万円」「個人事業主に最大50万円」が一括給付となる模様。先般の持続化給付金が「前年同月比の売上げが50%以上減少した中小法人等、個人事業者」に「法人は最大200万円」「個人事業者は最大100万円を給付する」とされていたのに比して、額は大きく、給付条件は緩やかに設定する事で、経営に打撃を受けた事業者を幅広く支援して景気回復を図る目算と思われる。
11月11日(木曜)
本日に東京都内で確認された新規感染者は31人。前週同曜より17人増えるも、26日連続で50人を下回った由。都の基準で集計した重症の患者は昨日より1人減って9人で、昨年7月16日以来の一桁となり、死亡者は1名だったとの事。
巣籠もり需要が一巡した後も通信販売が好調だった楽天グループ株式会社は、今年1月から9月迄の9ヶ月間の決算で昨年同時期より15%増の1兆2005億円を叩き出し、此の時期としては過去最高の売上を記録。その一方、携帯電話事業では領域拡大に必要な基地局の整備に費用が掛かり、企業集団全体の最終損益は922億円の赤字となった由。三木谷浩史社長はオンラインの会見で「通信エリアの拡大に合わせてマーケティングも強化していきたい」「目標としている携帯電話事業の2023年度の黒字化は十分可能だと考えている」と述べた由。
日本旅行が「来月14日に40億円ある今の資本金を1億円に減らす」手続き、即ち減資の断行を決めた旨を発表。JTB(JTB;Japan Travel Bureau)や藤田観光も既に1億円への減資を行っており、経済界の常識となって来た「資本規模が会社の格や信用力を左右する」と云う観念の崩壊を指摘する声も聞かれるが、基本的には「税制上の中小企業となり、負担を軽くする」事で自社の生存を図る戦略か。
感染者数の減少に伴い、観光関連業界も苦境を脱しつつ在るらしく、日本航空と全日空が「国内線の需要の増加が見込まれる」との判断から「年末年始の期間の運航を感染拡大前と同水準へ増便する」事を決定。本日から冬の営業を始めた北海道旭川市の旭山動物園は学校行事での団体予約が増え、修学旅行生や遠足の児童で例年に無い盛況を呈した。業界の雄たる星野リゾートの代表、星野佳路氏も本日に記者会見を開き、今後の観光需要に就いて「緊急事態宣言が解除されて予約が徐々に戻って来ている」「引き続き国内市場に力を入れて行きたい」と述べた。因みに株式会社星野温泉から始まった同社の資本金は、2016年時点で1000万円だった模様。
今月に5歳から11歳の児に対するワクチン接種が始まった米国にて、教育番組“Sesame Street”に出演しているBig Birdが“I got the COVID-19 vaccine today! ”(今日、ワクチンを打って貰ったよ)。“My wing is feeling a little sore, but ”(羽根が少し痛いけど)、“it'll give my body an extra protective boost that keeps me and others healthy.”(それで僕の体はもっと強く守られる様になって、僕と周りの人が健康で居られるんだ)。とTwitterへ投稿したのに対し、“like”即ち「いいね」の評価が28万件を超え、同国大統領のJoe Biden氏も゛Good on ya, @BigBird.” (やったね、ビッグ・バード)。゛Getting vaccinated is the best way to keep your whole neighborhood safe.”(予防接種を受けるのは皆を守る為の一番良い方法だよ」と称賛。其の一方で野党、共和党の上院議員Rafael Edward Cruz、通称Ted Cruz氏は゛Government propaganda…for your 5 year old!”(5歳児に対する政府の宣伝活動だ)と批判した由。因みにBig Birdの年齢は設定上、6歳とされて居て、5歳では無い模様。
同国でバイデン政権が「来年1月から従業員が百人以上の企業ではCOVID用ワクチン接種、若しくは少なくとも週に1回の検査を従業員に義務付ける」と宣言した事に対し、全米の半数を超える州が憲法違反との訴訟を起こした由。此の件に関し、調査会社のMorning Consultと政治専門の報道機関Politicoが「今月上旬に凡そ2000人の有権者を対象に行った世論調査」の結果を昨日に発表。「強く支持する」が35%で「ある程度支持する」20%。「強く反対する」31%に「ある程度反対」9%。接種義務化に賛同する者が55%と過半数を占める一方、与党たる民主党を支持する者に於いては「強く支持する」と「ある程度支持する」の合計が80%と高く、野党の共和党を支持する層だと30%と低い。「社会の分断が改めて浮き彫りとなった」と報じられたが、ビッグバードとクルーズ氏の一件に関しても背景は共通するか。
今月9日に開かれた厚生労働省の専門家会合で、国立感染症研究所がワクチンの有効性に関する解析結果を発表。今年8月末迄の1ヶ月間に関東地方の7箇所の発熱外来を受診した1353人を調べた所、期間中に検査で陽性を示したのはワクチン未接種者858人のうち498人、2回接種済252人のうち38人で、推定される2回接種完了後の有効性は87%になった。「当該期間の関東に於いては既にSARS-CoV-2の 9割以上がデルタ株に置き換わっていた」事から「デルタ株に対してもワクチンは極めて有効」と推定される由。
以上の発表と同時に、国立感染症研究所の感染症疫学センター長、鈴木基氏は「ワクチンの有効性が半年程度で弱まる」との海外報告を踏まえて「日本でも効果が弱まるのか引き続き分析していく」と述べたそうだが、情報の数や規模を考えると我が国でも類似の傾向が示される可能性は極めて高い。海外からは3回目の接種後に「中和抗体の値が2回目の約3.3倍に上昇した」と報告されて居り、減弱した有効性を復活させる方策は矢張り追加接種と云う事になるか。
本日に厚生労働省が「18歳以上を対象にPfizer製ワクチンを使用する」事を特例承認。此れに伴って3回目の接種、即ち追加接種が来月から「2回目から8ヶ月以上経った」医療従事者を対象として始まり、来年1月に高齢者へと続く予定との事。現時点では有効性や安全性を示す情報が不足しているとして、厚労省は18歳未満を対象から外すも「ファイザーから追加のデータが提出されれば、対象年齢の引き下げを検討する」との事。遅れを取ったModernaも、国内で流通を手掛ける武田薬品工業を通じて昨日中に申請を済ませ、審査を経て年内に承認されれば「来年3月を目処にモデルナのワクチンを使って職域接種でも3回目の接種を行う方針」との事。
先の衆院選で比例中国ブロックで初当選した石橋林太郎氏が本日の岸田派例会に於いて加入を許可された事に因り、同派の所属議員は42人となって第4派閥を維持。今週月曜の項に記した如く、自民党最大派閥の清和政策研究会、通称細田派の長に安倍晋三氏が就任。93人を抱える安倍派が誕生した由。今年3月に立憲民主党を含む野党3党が「新型コロナウイルスの影響で生活が困窮している世帯に絞って1人当たり10万円を給付する」為の法案を国会に提出するも、衆議院の解散で廃案となった。本日に立憲民主党が同様の法案を衆議院に再提出したそうだが、立憲民主党が構成する会派の国会議員数は、以前から連携している民社党を合わせても衆議院で97名、参議院で45人。第二党とは言うものの自民の一派閥と大差無い様では、数の論理に照らせば圧倒的不利。今回も廃案の未来は不可避と見られる。
11月12日(金曜)
本日も新規感染者数は全国で201人、都内で22人と本邦では少なく抑えられていたが、海を挟んだ隣国の露西亜では「自国製のワクチンへの不信感」が強い所為か、今月6日の新規感染者数が過去最多の40210人を記録。以降も連日4万人前後と減らず、先月のプーチン大統領指示を受けて「同国各地で飲食店や商業施設の利用時に接種証明の提示を義務付ける」動きが広がるも、市民は日常生活に支障が出ると困惑している由。
欧州の独逸でも昨日の新規感染者が過去最多の5万196人を数え、感染による死者は235人を記録。一部の州で「今週から屋内の飲食店利用はワクチン接種完了者と回復済の既感染者に限る」等と規制が強化され、「首都ベルリンでも来週から同様の規制を開始」等の報道有り。感染拡大の背景として、露西亜よりは益しとは言え「ワクチン接種率が人口の7割弱で頭打ち」、「冬が近づいて気候が寒冷となり、屋内に人が集まる」等が挙げられる様だが、後者の状況は遠からず我が国にも訪れるだろう。
米国や中国、日本を含む21の国と地域が参加する亜細亜太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic Cooperation ; APEC)の首脳会議は、日本時間の今夜に回線接続形式で開催。凡そ3時間の評定を経て発表された首脳宣言では「COVID用ワクチンを公平に共有し、ワクチンの生産及び供給を拡大する国際的な取組を支援する」。「通関手続の最適化等を通して、COVIDワクチン及び関連する必要不可欠な医療品の貿易を円滑化する」。「世界的大流行への対応として行われている国境措置に関する理解と透明性を構築」して「不必要な輸出規制」「其の他の非関税障壁の撤廃を奨励する」。「COVIDワクチン及び関連する必要不可欠な新型コロナウイルス感 染症医療品の価格を、自主的に低下させる」等が宣言された。
また中国代表の習近平/Xí Jìnpíng国家主席は「地域経済の一体化を推し進め、高い水準の亜細亜太平洋自由貿易圏を作らなければならない」と発言。中国の環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Partnership Agreement; TPP)加入に改めて強い意欲を示したが、議長国たる新西蘭のJacinda Ardern首相は会議後の会見で「高い水準を満たす事を望むのならば、どんな国の加入申請も歓迎する」と述べ、夫々(それぞれ)TPP加入を希望している中国と台湾、双方に配慮する姿勢を示した由。
11月13日(土曜)
一昨日の午前に日本政府が対策本部の会合を持ち、感染第6波に備えた戦略を決定。「感染者数最多の今夏より3割増しの約3万7000人が入院できる体制を今月中に構築」、「情報技術を活用し、来月から医療機関毎の病床の確保状況や使用率を公表」。「来月から3回目のワクチン接種を開始」、「条件が整えば、来年3月を目途に職域接種を始める」。「軽症者向け内服薬の年内実用化を目指し、国内向けに160万回分を確保」「薬事承認が行われれば速やかに医療機関に供給する」。
健康上の理由等でワクチン接種を受けられぬ者には「来年3月迄は予約せずに無料PCR検査等を受けられる」様に、感染拡大時は「都道府県の判断で、無症状でも無料で検査を受けられる」様にする等の条項も盛り込まれ、全ての対策が目算通りに実行されれば相当に効力は高いと思われる。而して、其の第六波は何時到来するのか。NHKが5人の専門家に取材。
厚生労働省のクラスター対策班参与。数理モデルを使った感染症疫学の専門家、古瀬祐気氏は「ワクチン接種率が60代以上で90%、40代と50代で80%、20代と30代で75%」「ワクチンの効果は2回接種で感染予防70%」、「人と人との接触は、新型コロナ前の80%」「即ち20%低下」との想定で計算。当初は少なかった感染者数は「1か月後には増え始め、2か月後には急増」、人との接触を減らす事で第6波到来の時期は先送りされるも「接触を60%に抑え、40%低下させても5ヶ月ほどで流行の波が来る」との結果が出た由。但し、此の想定には追加接種の効果が考慮されておらず「3回目の接種が進めば、第6波の影響は小さくなる」との事。
名古屋工業大学の平田晃正教授は人工知能( artificial intelligence; AI)に「感染者数の推移や気温、湿度、人流、緊急事態宣言発令の有無等」の多岐に渡る情報を学習させ、今後の東京都の状況に関して「ワクチン接種率、3回目接種の時期等」の条件を変えた27種類の模擬実験をAIに行わせた。「AIが予測した第6波の流行の山は、どうしても来年1月初旬に出てしまう」との結果で、「ウイルスの潜伏期間を考えると、降誕祭から年末年始に掛けて、どれだけ人々が遊びに出て、家族や親族での集まりで如何に広がるかに掛かっている」。「3回目の接種を行う等、人口全体でワクチンの有効率を高い水準で保ち続ける」事が重要だが「日本ではワクチン接種が急速に進んだので、ワクチンの効果の低下も急速に訪れる可能性が有る」との指摘有り。
厚生労働省の専門家会合の構成員で、感染症を含む公衆衛生を専攻する国際医療福祉大学教授の和田耕治氏も「寒さや湿度等の季節性の要因、人の動きとの関連」の視点から「年会、新年会などで動きが活発になる年末年始のシーズンが一番感染が広がりやすく注意が必要だ」と指摘する一方、接種が先行した英国で30代から50代を中心に多くの感染者が生じるも重症例が減っている情勢を踏まえて「重症を予防する効果は比較的続いている」、「接種者の割合が少ない10代以下の年代では感染者が増える」としても「此の世代は元々、重症化し難く、重症化の割合は可成り少ない筈」。何れにしても「各国の症例を見ると今後、感染が広がって重症化するのは、ワクチンを接種していない人が中心になるのは間違いない」との見解が語られた由。
感染症対策の専門家として、厚生労働省の専門家会合にも参加している、沖縄県立中部病院の高山義浩氏は「恐らく大都市圏と地方では考え方が変わってくる」と語る。都市部では「感染がずっと続いて燻っている様な地点」が有り、「其処で人と人の接触が活発になると導火線に火が点く様に感染が燃え上がってしまう」可能性有り。対して「流行そのものが下火になり」「感染者が確認されない」地方では、「都市部からの感染の流入」を抑える事、「『ワクチン・検査パッケージ』の様な制度の実効性や「一定規模の流行が起きた時に来県を控えて貰う様、呼び掛けが出来るか如何か」等が重要となるが、「此の言説は大都市圏で積極的に発信して貰わないと意味が無い」。「対策をしっかり行っても、ある程度は感染が地方に持ち込まれてしまうと考えられるのが年末年始の期間」で、今こそ第6波対策を進める必要が有ると主張した由。
全ての専門家が「今冬に第六波到来」と予想する状況に対し、東京財団政策研究所の博士研究員、千葉安佐子氏は、国勢調査等の資料を基に住民の年齢構成や職業、家族構成等が実際の東京都が酷似した人口7万人余りの小型模型、「ミニ東京」を設定し、感染拡大の模擬実験を実行。ミニ東京に於ける1日の新規感染者数を4人、現実の東京ならば800人規模とし、時期は本年10月以降を想定した実験の結果、「人出がコロナ以前と比べ3割少ない状態が続いた」場合は「ワクチンの効果が下がってきても感染者数は横這い」、更に3回目接種の進展で「感染者数は減少傾向」となるが、「人出の減少幅を2割」だと、3回目の接種が進んでも「感染者数は増加傾向になる」との結果。千葉氏の試算では、「ワクチンを接種した人等の人出」がコロナ禍以前の水準に戻ったとしても、「其れ以外の人の人出」を50%減に抑えれば「感染者数は減少傾向になる」。社会経済を考えると「一律に人出を減らした状態を続けるのは難しい」ので、ワクチン・ 検査パッケージ類似の政策に関して「議論を進めるべきだ」との事。
流行性感冒に関して、長崎大学を中心とした研究者達が「新型コロナウイルスと同時に感染する可能性」が有り、更に同時感染が起こった場合は「どちらか一方のウイルスに感染した時よりも肺炎が重症化し、症状が長引く恐れが有る」との研究結果を発表。彼等の実験では「インフルエンザ感染から4日後」、「新型コロナ感染から6日後」に「肺炎の症状が最も悪化した」が、「同時に感染した場合は8日後」で「症状は更に重く、回復にも時間が掛かった」由。昨年にインフルエンザの大流行が見られなかった要因の一つは「SARS-CoV2とのウイルス干渉」と言われているが、ウイルス干渉の機構には未だ不明な点も多く、今年も流行しないと楽観は出来ぬ。「予防と言えばワクチン」と云う展開は同様だが、此方にもCOVID-19世界的大流行の遷延が影響。
COVID用ワクチンを作り出す過程で用いられる細菌等を除去する濾過機は、インフルエンザ用ワクチンの製造にも必要。フィルター確保の遅延がワクチン供給の遅れに直結し、今年のインフルエンザ用ワクチンは「来月中旬に掛けて断続的に行われ、徐々に増えて行く」見通しだが、厚生労働省の発表した今季の供給量は成人の投与量で5636万人分。昨季より16%程度少なくなったが、厚生労働省の担当者は「供給量は平年並み」「或る程度、賄える」と主張。
昨季に国内外で流行性感冒が少なかった事は「多くの人が免疫を得る機会を得られなかった」事にも通じるが、既に「印度や中国でインフルエンザ感染が見られ、現時点ではB型が主流」との報告有り。COVID用ワクチンの3回目接種とインフルエンザ用ワクチン接種の間隔に関して、先述の和田耕治教授は「特に高齢者はインフルエンザによる重症化を避けるためにも今のうちにワクチンを接種して欲しい」、更に「2週間の間隔を空けて新型コロナのワクチン接種をするのが良い」と説いている由。
しかし、日本国政府は「全国一律に停止しているGo Toトラベル事業を再開」する方向で検討を開始。観光需要が特定の期間に集中しない様に「平日の旅行に対する補助を手厚くする」等の手直しを行った上で「来年2月頃に再開すべき」との意見が主流だが、国土交通省を中心に「年内に再開」との声も有り、調整中との事。役所同士の根回しが済んで事業が再開される頃には「COVID感染の再拡大かインフルエンザの流行、或いは同時流行が起こる」との事態も懸念されるが、如何なる事やら。
11月14日(日曜)
先月末の衆院選敗北の責任を取って辞任した枝野幸男氏の後任を選ぶべく、今月19日に立憲民主党代表選挙の告示、30日に投開票が行われる由。候補者として名前が挙がるのは泉健太、大串博志、 小川淳也、西村智奈美の四氏。「憲法論議に応じ、中道に支持層を広げるか」「共産との共闘体制を維持するか、終了するか」等が論点となる模様。
本日にNHKの「日曜討論」に「新人議員と若手論客 これからの日本の政治は」と題して自民、立民、維新の三党から新人議員が出演。番組冒頭で維新の衆議院議員、池下卓氏が「まずは政治家が見得を切る改革」「歳費のカット、文書交通滞在費をわかりやすく情報公開」との自党方針を説明した上で、10月分の文書通信交通滞在費に関して「此れ、税金で出ている訳ですが」、10月31日に議員となって「任期たった一日で100万円出ると云う、世間の常識では考えられない様な事が有りました」と発言。「斯う云う事から先ず、しっかり変えて行かないと、皆さんの豊かさは追及出来ない」と述べた由。
本件に関しては一昨日の時点で、同じく維新新人の小野泰輔衆院議員が電網上の基盤、noteで「国会の常識、世間の非常識」なる一文を以て告発。維新副代表の吉村洋文知事が問題視する等と党を挙げての批判を展開している所だったが、同党の後見人とも云うべき元大阪府知事の橋下徹氏もTwitterから参戦。橋下氏は「維新スピリッツ」なる単語を連呼しつつ、「立憲民主も国民民主もれいわも共産も起きてまっか?」「山本太郎さんも4時間で200万円相当の収入を丸取りでっか?」「丸取りならあんたらの言うこと信用ならんで!」等と挑発。其の後は「ここは手柄がどこの党になるやらどうのこうのは関係なく、野党一致団結で文通費を正しましょうよ!」と纏めた模様。
国会議員の特権を批判すれば一般市民の共感には繋がり易く、自らの利益を削って見せれば人気も出るだろうが、其れが真に国民の利益となるのか如何は疑問。個人的には「厚遇されるに値する働きさえ見せてくれれば文句無し」と思っているが、各氏の華麗なSNS遣いに関しては「成程、此れが現代の政治活動か」と些か感服した。嘗て「茶髪の風雲児」の異名を取った橋下氏の衣鉢を継いだ維新の議員は氏と同様、時に軽佻浮薄の誹りを免れぬ反面、自己主張に長けているとの印象有り。




