令和3年11月第1週
11月1日(月曜)
愛知県名古屋市に生を受け、標準英語で云う所のpit girlや pin-up girl。和製英語のrace queen及びgravure idolや「仮面ライダー龍騎」出演等の芸能活動を経て、昨日に行われた第49回衆議院選挙で宮城5区の自民党候補として擁立された森下千里氏は、地道な活動で意外な健闘を見せるも落選。
拙作10月15日の項に登場した「パリピな自民党候補」こと松野未佳氏は比例東京ブロックで立候補したが、小選挙区落選からの復活組が多かった事も有り、名簿で24位の松野氏は当選を果たせなかった。昭和の明星、石原裕次郎氏の甥にして、嘗て長官や大臣に都知事も務めた小説家の石原慎太郎氏の令息。自身も自民党幹事長や環境庁長官、運輸大臣等を歴任して小なりと云えども派閥を率いていた石原伸晃氏も、東京8区で落選。石原家三男の宏高氏も東京3区で敗れたが、比例東京ブロックで復活当選となり、兄と明暗が分かれた。
比例復活にも失敗した伸晃氏の政界引退が囁かれる一方、「LGBTは生産性が無い」等の発言を繰り返している事で知られる杉田水脈氏は比例中国ブロックで無事に議席を確保。杉田氏を寵愛する安倍晋三氏、実弟の岸信夫氏の口利きで杉田氏が名簿順位17位と優遇される一方、「其の煽りを受けて、土壇場で代々の地盤を有する山口県から北関東ブロックへ放り出された」自民党候補も有ったとの報道有り。
石原氏に限らず、今回選挙では与野党共に閣僚経験者を含む古株議員の敗退が目立ったが、特筆すべきは甘利明氏の小選挙区落選。南関東ブロックで比例復活となるも、「自民党の現職幹事長が小選挙区で負ける」のは平成8年に小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、初の椿事。
日本テレビ系の選挙特番で司会の有働由美子氏から、自身の金銭授受疑惑が影響したかと問われた甘利氏は「其れが有るとしたら不徳」と言いつつも、関与に就いて改めて否定。進退に関する質問に「今、貴方方にお話しする場では無い」「一番最初にお話しするのは撮影機では無くて総裁」等と不快感を露わにするも、有働氏には「カメラの向こう側には国民が居る訳ですが?」と返されて面目が丸潰れ。
此の問答で心が折れた訳でも無かろうが、其の後に幹事長辞任を申し出た甘利氏に対し、本日に総理大臣の岸田文雄氏が慰留を試み、副総裁の麻生太郎氏も「こんな事で辞めてどうすんだ」「今回の選挙の功労者は貴方だ」等と説得。国民の審判を「こんな事」呼ばわりも如何かと思うが、甘利氏の意思は変わらなかったとの事。
山口4区では安倍晋三氏が8万448票と7割近い得票で圧勝して、十度目の当選。北海道で吐いた温暖化に関する暴言も九州迄は届かなかったのか、麻生太郎氏も福岡8区で十四度目の当選。先週火曜の項で紹介した安倍氏の元政策秘書、初村滝一郎氏が「長崎1区で対立候補に敗れ、重複立候補した比例九州ブロックでも復活当選せず」の結果から「元総理の神通力も幾分減弱したか」との印象が無くも無いものの、世人言う所の“3A”に関しては「一角が崩れようとも残る2Aは健在」と云う所か。
甘利氏後任の幹事長には外務大臣の茂木敏充氏が起用される模様。今回選挙を機に「野党も含めた日本政界の世代交代」を期待したいが、今回の小選挙区に於ける投票率は55.93%。過去最低の平成26年や平成29年の前回より僅かに改善したものの、戦後3番目に低い投票率に終わった。最も投票率が高かったのは山形県の64.34%。理由は不明だが、最低は安倍氏の御膝元たる山口県の49.67%で、投票率の減少幅が最も大きかったのも同県。改めて言わねばなるまい。「国民の質が其の国の政治の質を決定する」、此れは「水が低きに流れるのと同程度」に当然の論理だ、と。
11月2日(火曜)
先月31日の衆議院選挙で、日本維新の会は公示前の四倍近い41議席を獲得。2012年結党時の衆院選で獲得した54議席よりは少なく、解散を経て維新の党として臨んだ2014年衆院選と議席数は同じでも比例得票数は少なかった一方で「他党からの合流等の要因が無かった今回こそ、維新の実力が示された」との声有り。
同会の副代表にして大阪府知事、吉村洋文氏に関しては「大阪発のワクチンを昨年9月には実用化する、と無責任な発言」「斯様な短期間で実現する訳も無く、時間帯が経過」「期限が迫ると別の記者会見を開く」イソジン嗽で予防が可能と誤認させる様な記者会見を開いて茶を濁し、追及を逃れる」等の言行が記憶に残る。「信頼に足る人物では無い」との個人的印象に反して、世間では「新型コロナウイルス対応で知名度を上げた」と高評価を受けているらしく、「大阪府内は15選挙区で全勝」との戦果を挙げた。
しかし、同日夜に大阪市内の旅舎で記者会見に臨んだ同会代表兼大阪市長の松井一郎氏は厳しい表情を崩さずに「政権選択選挙なので我々は負けている訳でしょ」等と語る一方、「単独での法案提出が可能となる21議席」を大きく上回った状況に関して「厳しい戦いだったが、法案を単独で出せる力を頂いた」「政策を実現すべく、此れから死力を尽くしたい」と述べた由。
国政では「自民党と連立与党を構成」するも、大阪府市では「選挙、議会とも維新と協力」して来た公明党との関係に関しても、本日に松井氏が言及。「今すぐ宣戦布告する必要は無い」、「戦うにも大義が要る」と述べた上で、「共産党と公明党等が議席を争う3、5、6区は白票が多い」「選択肢が無いと云う声を受け止めるのも政治の役目だ」との表現で、将来の激突は否定しなかった由。公明府本部幹事長の土岐恭生氏も「国は自公で連立」「地方は地方で是々非々で臨む」と語ったとの事で、互いに暫くは衝突を避けて情勢を見守る構えか。
全国1位の得票率84.07%を獲得するも、総裁選不出馬後に脱退した者や今回選挙で落選した者が有り、水月会を名乗る自身の派閥が12人に減少した石破茂氏。地元の鳥取砂丘コナン空港で「訴えた政策をどれだけ具現化するか」「有権者の思いに応えないといけない」等と抱負を語りつつ、「正論を言っているからこそ多くの世論の支持があるが、言えば言うほど党内の支持を失う」と嘆いた由。氏に対しては以前から新党結成等の動きを期待、若しくは危惧する声が聞かれるものの、今の所は「憲法改正、集団的自衛権の全面的行使を可能とする」等の主張は自民党の方針と合致しているとの見解で、党を割る事は考えていない模様。
得票数の全国1位は、神奈川15区で21万515票を獲得した河野太郎前行革担当相。2005年に小泉純一郎氏が集めた19万7037票、2009年に鳩山由紀夫氏へ投じられた20万1461票と云う二人の首相が出した記録を超え、現行の小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降の歴代最多得票記録を塗り替えた由。此の二人が組んでも総裁選には勝てなかったが、其れも政治の一様相か。
今回の衆院選では全289小選挙区のうち、213選挙区で立憲民主、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の野党5党が統一候補を擁立し、更に160選挙区では立民候補、39選挙区では共産候補に一本化された。選挙当日に読売新聞社と日本テレビ系列各局が共同で実施した出口調査に依ると、立民候補に一本化した選挙区全体では野党統一候補が立民支持層の90%、共産支持層の82%に及ぶ票を集めた。しかし、共産候補に一本化した選挙区だと統一候補は共産支持層の80%を固めるも立民支持層は46%に留まり、20%が自民、11%が日本維新の会に票が流れたらしく「主力となるべき二党の協力関係が一枚岩で無かった」事が野党共闘の敗因と思われる。
衆院選での敗北を受けて、本日午後の立憲民主党役員会で同党代表の枝野幸男氏が「偏に私の力不足」と謝罪。同時に代表辞任の意向を表明した由。長らく旧民主党政権の残影を引き摺って来た同党も、遂に世代交代の季節を迎える事となるか。
11月3日(水曜)
塩野義製薬社長の手代木功氏が、一昨日に東京都内で記者会見。同社が開発中のCOVID用ワクチンに関して、年内に行うとされていた最終段階の臨床試験を「今月から国内外で実施」。最大の課題とされていた偽薬対照治験に関しては「越南を中心とした亜細亜地域を中心に実施する」事になる模様。来月に速報値が出て年内の承認申請と駒を進められた場合は「来年1月にも最初の商用ワクチンの製造を始める」事を目指す由。内服治療薬の開発も「年内の承認申請に向け順調に推移」しているが、国内の感染者数が減少している状況に伴い、同様に「治験を韓国や新嘉坡等で行う」方針が開発したワクチン、COVAXINの緊急使用を承認。WHO承認のワクチンとしては米国と独逸、英国、中国に続き、亜細亜では2ヶ国目となる。WHOによるとコバクシンは保管が容易な不活化ワクチンで、コバクシンの有効性は78%。低温保存設備の確保が難しい低・中所得国での使用に適しており、今回の承認に依ってワクチン共同調達の国際枠組み“COVAX”を通じた途上国への配布も可能になる由。塩野義ワクチンも後に続けるか否か。
水際対策の一環として従前は「日本への入国者に14日間の待機」が求められて来たのに対し、先月の時点で「日本国内で承認されているワクチンを接種している」等を条件に待機期間が10日間に短縮されていたが、其の後も感染者数の増加なし。経済界から往来の緩和を求める声が強まった事から、「商取引を目的とした入国)に於ける待機期間を更に短縮する方向で、政府の方針が固まった模様。具体的には待機期間を「原則3日間」とし、4日目以降は「検査で陰性が確認され、企業が行動を管理する」事等を条件に「公共交通機関の利用や会食等の外出」も容認。原則停止とされて来た「外国人の新規入国」に関しても、商取引を目的とする短期滞在者や留学生に関しても「受け入れる企業や大学等が行動を管理する」事で入国を認める事になり、以上の措置を「早ければ来週8日から開始」。現在は「一日当たり3500人」の入国者上限も「今月下旬から5000人に引き上げる」方針。
待期期間の短縮に関して経済同友会の代表幹事、櫻田謙悟は2日の定例会見で「大賛成だ」「3日間から早く零になる様、期待したい」と諸手を挙げて賛同したそうだが、昨年中から再三議論されて来た通り、規制緩和に因る経済活性化は感染制御の後退と表裏一体。世界各地で報じられる感染再拡大の波及が懸念される状況となった場合、後手に回り勝ちな我が国の行政は、今度こそ迅速に感染対策の強化へと舵を切る事が出来るのだろうか。
先週土曜の項に記した如く、米国の紐育ではワクチン未接種の市職員、凡そ9000人が今月から休職扱い。其の一方で一昨日朝に「約2300人の消防職員が病気を理由に欠勤」したが、大半は抗議の意思を示す為の行動だった模様。同市の代表的な新聞、New York Times紙が“Japan’s Election Was Closer Than Usual, Even Though Party in Power Has Hit Snooze”なる記事を掲載。文責は同紙東京支局長のMotoko Rich氏と東京支局の取材記者、上乃久子氏の連名。
記事は日本の政治状況を「数十年に渡って、顔の無い首相には事欠かぬ」「退任すると共に忘れ去られる事、恰も指導者の回転扉」と揶揄する所から始まり、往々にして「不眠症治療中かと見紛う様なcommunication style」を見せた前任者に代わり、「国民に人気の一匹狼」や「初の女性首相になったかも知れぬ極右の国粋主義者」を抑えて新首相となった“Fumio Kishida”に対して痛烈に批判。
菅氏に比して「若干、詰まらなくは無い」ものの、日本国内の報道で屡々「退屈」と評される岸田氏は「国民、或いは支持者や友人」とさえ「繋がるのに苦労している」。「milquetoast(意気地無し)の性格」に因り、「黒幕が自分達の計画を投影する」為に選ばれた。主張していた新資本主義も次第に影を潜め、氏が当初主張していた金融所得課税の見直しから自民党らしい経済政策へと戻っている。「広島出身」として核兵器反対と鳩派の立場を取って来たが、首相候補となった後は原発再稼働の容認と対中国強硬派に転向した。
祖父も父親も衆議院議員だった岸田氏の政治的経歴は父親の秘書となる所から始まり、一族の出身は広島県だが、主に東京で生育。父の米国駐在に同行して紐育に3年間滞在した後、日本に戻ると「中途半端な野球選手」となり、東京大学の入試に3回望むも失敗して早稲田大学に入学した等の経歴が紹介された後は批判を再開。沖縄及び北方対策担当大臣だった岸田氏と同時期に厚生労働大臣を務めた舛添洋一から「閣議で毎週会ったのに、私は彼の記憶が無い」と言われている。礼儀正しい種類の犬の意で「チワワ」と外務省の役人から綽名されていた。誰の事を指すのかは不明だが「岸田氏が大学で出会い、親友の一人と評した議員」は、先の総裁選で河野太郎氏を支持した等々。
岸田氏は政治家特有の自信過剰や傲慢を持たず、他人の話を良く聞いて悪口を吐かぬ一方、大酒家として知られる。妻の裕子氏や息子達が応援する動画で「少し人気が高まっている」等の記述も見られるものの、此等が米国人に好印象を与える情報なのか如何かは怪しい。他国での評判は扨置、我が国の総理大臣として大いに働いて頂きたい。
11月4日(木曜)
韓国の中央防疫対策本部が発表した所に依ると、昨日0時の時点で一日当たりの新規感染者数は前日の1589人から1078人の増加。前日比の新規感染者数増加が千人を超えるのは初めてで、国内の患者数2667人も過去4番目に多く、2500人を上回るのは9月30日以来となる由。
欧州の独逸でも、冬が近づくにつれて感染者が急増。本日は一日当たりの新規感染者が3万4000人弱と過去最多を記録する一方、ワクチン接種完了率は7割未満で夏頃から停滞。昨日の死者数194人も5月以来の多数となった状況に対し、保健大臣のJens Spahn氏は「恐ろしい数字だ」、「第四波は来たれり」と語り、接種完了者全員への追加接種を含むワクチン推進策を検討。しかし、「既にワクチンパスポート等の恩恵を享受している接種完了者は追加接種に積極的では無い」「政府も追加接種の義務化にまでは踏み込んでいない」等の情勢で、どれだけの独逸国民が追加接種に応じるかは不明との事。
野党共闘の失敗、特に立憲民主党が議席を減らした理由に関して「党内の実力者同士、枝野幸男(氏と小沢一郎氏の不仲」との噂や「れいわ新選組の山本太郎氏が東京8区で立候補を表明したものの僅か3日で出馬断念に追い込まれた」件に象徴される「党の内外に於ける連携不十分」。解散直前に千葉6区の衆議院議員だった生方幸男が「拉致被害者は生きていない」と発言し、愛媛県第4区総支部長で立候補予定だった杉山啓氏が過去に「JKを視姦しに行く」、「幼女誘拐の才能がある」等とtweetしていた事を暴かれて出馬断念。
結党以来の支持母体で在る日本労働組合総連合会、略称連合に共産との共闘が受け入れられず、「組合員の票が行き場を失った」。全トヨタ労働組合連合会が推す組織内候補、愛知11区で6期連続して当選中の古本伸一郎氏が解散当日に出馬見送りを表明との椿事も発生。原因は定かでは無いが、やはり共産党への反発か、或いは「carbon-neutralの推進で雇用が失われる事への懸念からトヨタ自動車で労使共に政治離れが生じた」為か。
更に「諸外国では野党の方が若者から支持を得るのが一般的」で在るにも関わらず、直近4年間を通して民主党が「若者からの支持は一向に得られなかった」事の主たる理由に関し、若者の声を政策に反映させる事を目指す日本若者協議会、代表理事の室橋祐貴氏は「若者の政策ニーズとのズレ」「怒りっぽい人を嫌う風潮」「旧民主党と変わらない布陣」「コア支持者ばかりを見ている」の四点を挙げる。
第一の「若者の政策ニーズとのズレ」に関しては、最早「60代以上の高齢者」となった同党を初期から支えて来た層を意識して「将来的な持続可能性を高める年金制度改革」「現役世代の負担を軽減する後期高齢者の医療費負担増に反対」。「基本的には高齢者向きの政策が多い」一方で、「労働組合の要求をそのまま飲み」、「国家公務員の定年年齢の引き上げ」を推進。「自民党を消極的に支持している中道右派」からも支持を獲得せねば小選挙区制では勝てぬが、左傾が進んだ結果、むしろ中道左派の支持も失った模様。今回選挙に於いて経済政策に於ける「成長と分配の何れを重視するか」が一つの争点となったが、日本経済新聞の世論調査に依ると、若年層ほど「成長」の優先を望み、世代別に見ると18~39歳は「成長」が59%で「分配」の31%より多いが、年齢が上がるほど「分配」支持が増えて60歳以上では逆転した由。
60代以上と云う党の主たる支持層の意向には一致するものの、低成長が続く我が国に於いて「若者からすれば、日本が持続的に成長する」事こそが要求される。また「高齢世代の医療費負担を支えるために現役世代の社会保険料は増え続け」、既に「現役世代から高齢世代への再分配」が進行中。「現役世代から支持を得られていない」現状は、同党の目指すべき「国民の大多数である労働者のための政党」との懸隔が著しい。
第二の課題として、近年は「若年層に意見の対立を避けたがる」傾向が見られ、其れが「政治的な意見の対立を忌避する考えに繋がる」と一部専門家から指摘されるも、室橋氏の見解は多少異なり、若者達は忌避するのは対立自体では無く「生産性の低い、不毛なやり取り」や「ハラスメントのように、高圧的な態度を取る人」では無いか、との指摘有り。政治に関する本質的議論では無い様にも思えるものの、其の手の議員の代表格たる辻元清美氏、「公開パワハラ」とも批判された野党合同ヒアリングで語気鋭く官僚を詰問していた議員達が揃って落選しているのは厳然たる事実。
第三の障碍は、特に30代の有権者に於いて「民主党政権時代に経験した就職氷河期や不景気、外交の混乱」等が未だに負の印象として根強く残り、党代表の枝野氏を始めとする当時の執行部に不信感を抱いている事が挙がる。此れは「其れ以降に当選した若手が登用されていない」結果でも在り、「若手の登用は自民党の方が進んでいる印象」とも指摘されている。
最後に「上記全ての根底にあるのが、見ている対象」。小選挙区制では極力「中道の位置」に立たねば、有権者の過半数に支持されて勝利を得る事が出来ぬが、現在の立憲民主党は先述した如くに比較的高齢の支持層を重視しがちで、更にSNS上の偏向した意見を世論だと勘違いする事で、政策が「国民全体からは離れていく」のでは在るまいか、との事。何れの条々にも合点が行くと感じた。
11月5日(金曜)
抗体カクテル療法に用いられるRonapreveに関し、本日に厚生労働省が「発症予防を目的とした投与も認める」旨の適応拡大を特例承認。「患者の同居家族等の濃厚接触者」又は「無症状の感染者」、原則的には「重症化リスクの高い」者、且つ「ワクチン未接種」或いは「接種の効果が不十分な」者の全てを満たす事が条件だが、予防目的の治療薬としては初の承認となる。投与法は点滴使用に限定されていたが、今後は注射も認める由。
Merck等が開発した Molnupiravirが、昨日に英国で承認。内服薬の普及に期待が高まる中で本日、Pfizerが開発中のCOVID-19の経口治療薬開発中の新型コロナウイルス感染症の経口薬に関して発表有り。軽症から中等症の成人患者、凡そ1200人にモルヌピラビルか偽薬の何方かを投与した臨床試験の臨床試験の中間結果として「入院や死亡の危険性が89%減少」する事が占めされた由。最高経営責任者のAlbert Bourla氏は「世界的大流行を終わらせる為のgame changerだ」と語り、緊急使用許可の申請に向けて、近日中に米国の食品医薬品局に治験結果の資料を提出する方針との事。
今年4月に前総理大臣の菅氏と米国のバイデン大統領が首脳会談を経て共同声明を発表して「半世紀振りに台湾に言及」、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に対しても「深刻な懸念を共有する」等と中国を牽制。其れに対して衆議院選挙が終盤を迎えた10月25日、日中両国の識者が議論する場に送られた動画で、中国の外務大臣を務める王毅氏が台湾問題に関して「両国の政治的基盤に関わる」ので「一線を越えたり規約を破ったりしてはならない」と警告。
人権保護から考えても、世界平和や国益の観点から言っても、世界に覇を唱えんとする中国を傍観して台湾を見捨てるのは宜しく無かろう。然れども、1972年の日中共同声明で「台湾は中国の不可分の領土」とする中国の主張を理解し尊重すると宣言している辺りを突かれると、我が国としては苦しい。今こそ「此の難問を解く叡智を我に与えよ」との願いを天燈に託し、十分の夜空へ飛ばして見るか。
11月6日(土曜)
大阪府のAnGesが進めて来たワクチン開発は「主成分2瓱を2回接種する」設定で進められ、昨年6月末の時点に始まった国内初の治験は12月には中間段階へと進展。「1例目の国産ワクチンが誕生するか」と期待されるも、治験に参加した計560人分の情報を分析した結果、「先んじて用いられたファイザー製やモデルナ製に比べて効果が低く、最終段階の治験を断念」、今後は「今年8月から進めている改良ワクチンの治験に注力」して「2022年に最終段階の治験」を行い、「23年以降の実用化を目指す」事になったと昨日に報じられた。
今週火曜の項にも少し記したが、昨年6月に大阪府知事の吉村洋文氏が「是非、大阪でワクチンを実現させたい」「オール大阪で取り組む」と、同社のワクチン開発に関して積極支援を表明。日本政府も2020年度の第2次補正予算に計上したワクチン生産体制等緊急整備基金1377億円から、アンジェス社に93億円余りを補助。莫大な公金が注入される一方、昨春に500円前後だった同社の株価はワクチン開発が話題になると、昨年6月後半に一旦は2500円近くに高騰するも、PfizerやModernaのワクチンが日本国内でも汎用される情勢となり、今月5日は507円へと下落。電網上で「国費が投入されているのだから、きちんとした検証や事後報告が必要」「大阪府知事は自分の発言に責任を持ってほしい」等と批判が噴出。
自社の評価が暴落し兼ねぬ事態にアンジェス社も黙っては居らず、其の後に反論。「液性免疫、つまり抗体上昇」に関して「満足できる結果」が得られなかったのは事実だが「臨床試験において安全性の観点から問題ない」旨を確認した為、「引続き8月から高用量製剤の臨床試験を進めている」所との事。先の報道に於ける「改良ワクチン」とは、恐らく治験に用いられた製剤と全く別個のものでは無く、文中の「高容量製剤」を指すか。「さらに副反応が抑えられた安全性の高いDNAワクチンを実現したい」と願う同社は「当該ワクチンの開発を断念することなく進めています」と主張するが、此の文言で株主連を安堵させられるのか如何かは不明。
世界保健機関(World Health Organization; WHO)の欧州地域事務局によると、先月最終週は管内の新規感染者数が約180万人、死者数が約2万4千人を数え、事務局長のHans Kluge氏は「我々は再び震源地にいる」と述べると共に「来年2月迄に更に50万人が死亡する可能性が有る」と警告。「管内の接種完了率は未だ47%に過ぎぬ」「波羅的諸国や中東欧で接種率が低」「10月に感染が急速に拡大した露西亜も、1回でも接種を受けた者が昨日の時点で人口の39.4%に留まる」等と接種の停滞が問題となっている。しかし、約67%の国民が接種を終えた独逸でも感染拡大が加速して、昨日に発表された一日当たりの新規感染者数が3万7120人と2日連続で過去最多を記録。同国では希望者全員に3回目の接種を実行する方針が決定された由。
世界でも有数のワクチン接種先進国と評される以色列では、今年6月迄に人口約930万人の5割以上が2回接種を終えた後、デルタ株の感染拡大で9月上旬は一日当たりの新規感染者数が過去最多の約1万1300人に達するも、3回目接種が進むに連れて感染者数、死者数ともに大幅に減少。3回目の接種を終えた者が人口の4割を超えて、今月4日の感染者数は514人、死者数は0人で7月以来、最少となった。同国政府としては新たな感染拡大に備え、5~11歳への接種を進めたい意向で、今月4日にワクチン接種を巡る回線接続公聴会を開催。其処で政府は「子供は接種による副反応が稀」、「既に接種が進む12~15歳に於いて、接種を受けた者の感染防止率は未接種者の12倍」等と説明して市民に理解を求める一方、保健省高官が「5~11歳への接種を強制する心算は無い」と保障した由。
抑々(そもそも)、政府に依る上意下達で感染対策が推進されて来たイスラエルで「市民の意見を聞く公聴会」が開かれる事自体が異例だが、背景には「感染者数の減少」と「子供への接種に慎重な保護者の声」が有り、政府としても国民の反応を確認しながら対応して行く方針の様だ。我が国に於いても近い将来に同じ事が起き得るか。或いは此れを他山の石とし、最初から「低年齢への接種は保護者の判断に委ねる」とした方が賢明かも知れぬ。
11月7日(日曜)
我が国で発生したCOVID-19感染に因る死亡は昨年2月に初めて確認され、今春の感染第四波で増加。今年4月に1万人を突破し、5月18日には216人で最多となるも、今夏の第五波が収束した後は死者数が減少に転じていた。
本日は全国で162人の新規感染者を確認するも、新たな死者数の報告は昨年8月2日以来の零名。国内の死者累計は時事通信が1万8321人、日本放送協会(略称NHK)が1万8322人と僅かに異なる数が報告されているが、昨日から増えていない点は一致。重症者は前日と同じ100人だった由。
感染者と死者の減少に関しては、何れも「我が国で接種完了者が過半を占める様になった」事が主たる要因かと愚考する。他国での再拡大、今後の追加接種等の問題は残り、世界的大流行が此の儘、収束するとも思えぬが、今日の所は素直に喜ぼう。誰も死なずに済めば、其れに越した事は無い。




