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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和3年9月最終週~10月第1週

9月27日(月曜)

 政府が19都道府県に発令中の緊急事態宣言を今月末で解除する方針を固めた事を踏まえて、各地で「飲食店での酒類提供再開」が検討された。大阪府では吉村洋文知事が「府民や事業者の協力で感染者は減少傾向に在る」「徐々に解除したい」と語り、感染対策を徹底した認証店に対しては酒類提供の再開を認め、20時(まで)として来た営業時間も21時への延長を容認する見通し。

 愛知県も大阪と概ね同様。東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県も酒類提供停止や営業時間短縮等を段階的に緩和する方向で一致しているが、飲食店への協力金支給に関する財政支援と段階的緩和の詳細を対処方針で示す事を国に求め、連名の要望書を提出した由。 

 明後日に投開票を迎える自民党総裁選に関し、今月25日と翌26日に共同通信社が全国の党員や党友へ電話調査。「新総裁にふさわしい候補」は河野(こうの)太郎(たろう)氏が47.4%で最多となるも、国会議員票は河野氏と岸田(きしだ)文雄(ふみお)前政調会長、高市(たかいち)早苗(さなえ)前総務相が拮抗していた模様。当の河野氏は「国民の広い支持を頂き、其れを基に勝ち抜くと云う戦略に変わりは無い」と昨日に語り、小泉(こいずみ)進次郎(しんじろう)環境相から総裁選の勝利を願って「叶の焼き印」を入れた(あん)パンの差し入れを受けたそうだが、未だ甘い夢想を味わうには早かろう。

 本日に厚生労働省の専門家部会で審査された結果、有効性や安全性が認められると判断された事を受けて、今夜に厚生労働省がGlaxoSmithKlineの抗体医薬、Sotrovimabの使用を正式に承認。新型コロナウイルスの治療薬の承認はレムデシビルとデキサメタゾン、バリシチニブ、それに抗体カクテル療法のカシリビマブとイムデビマブに続いて五番目だが、軽症患者にも使用可能な薬剤としては、抗体(こうたい)カクテル療法(りょうほう)に続いて二番目。

 重症化予防に繋がる事が期待される一方、アナフィラキシーや呼吸困難等の副作用は否定出来ず、当面は対象を入院患者に限定。GSK社の発表した所に拠ると、1057人を対象に海外で行われた治験で入院や死亡の危険性(リスク)を79%減らす効果が確認されるも、投与から24時間以内に発熱や呼吸困難、悪寒、眩暈(めまい)、発疹等の症状が確認され、アナフィラキシーを起こした者も1名有った由。

 先々月の名古屋場所で6連続休場から復帰し、大相撲で史上最多45回の優勝を果たした蒙古(モンゴル)出身の横綱、白鵬(はくほう)翔氏。直後のNHK取材に対して「体も彼方此方(あちこち)襤縷々々(ぼろぼろ)だ」「先の事は、ゆっくり考えたい」等と話し、秋場所に向けた合同稽古に姿を見せるも、其の後に同部屋力士がCOVID陽性。秋場所は初日から休場していたが、本日に師匠の宮城野親方を通じて相撲協会に現役を引退する意向を伝えた由。「痛めた右膝の状態」等から「今後、本場所で横綱として15日間土俵を務める事は出来ない」と判断し、引退することを決めたとの事。白鵬関は今年5月に年寄名跡を取得して居り、遠からず親方になる為の正式な手続きが行われるとの事。


9月28日(火曜)

 米国に於いては、Pfizer製ワクチンで「2回目の接種から少なくとも6か月が経った65歳以上」や「18歳以上で重症化の危険性(リスク)が高い」者、「感染リスクが高い職場で働く医療従事者」などを対象に、今月24日から公式に追加接種を開始。これを受けて大統領のJoe Biden氏は昨日、「自らが3回目の接種を受ける様子」を報道陣に公開した由。バイデン大統領は「ワクチン接種を終えていれば新型コロナウイルスに感染したとしても重症化を防ぐ事が出来る」上に「追加の接種でその状態を維持できる」と述べて接種の有効性を訴えると共に、同国内では未だに「18歳以上の23%がまだ1回もワクチンを接種していない」と指摘。「此等(これら)の人達が国に深刻な損害を(もたら)している」「追加の接種は重要だが、何よりも重要なのは、より多くの人が接種する事だ」「パンデミックは接種していない人達によって起きている」と述べ、改めて国民に接種を強く促したとの事。

 同国の紐育(ニューヨーク)州では、州内の病院や高齢者施設で働く医療従事者や職員に対して「27日までに新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも1回は接種する」事を義務付けたが、「個人の自由の制約だ」等と接種に反対する意見も根強く「州内の医療従事者およそ45万人のうち、1回も接種を受けていない数千人が本日以降に解雇される」可能性が発生。昨日にホークル知事は会見で「私の1番の仕事は人々の安全を守る」事、「まだ接種していない人たちはどうか正しい事をしてください」と述べて接種を強く促す一方、州内の病院が人員不足に陥る事態に備えて「医療の訓練を受けた州兵の動員や退職した医師や看護師の再雇用を検討している」旨を公表した由。

 昨日に同国の連邦(れんぽう)捜査(そうさ)(きょく)(Federal Bureau of Investigation, FBI)が発表した犯罪統計に依ると、昨年に全米で発生した殺人は推計2万1570件で、前年の1万6669件に比してべて4901件、率にして29.4%の増加。「1960年代に統計を取り始めて以来、最大の増加率」だが、このうち「銃が使われた割合は(およ)そ77%」と五年前に比して「9ポイント余り増加」。昨年は銃の購入数も急増しており、New York Times紙は「新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安を背景に、銃を持つ人が増えたことが殺人の増加に繋がったのではないか」との識者見解を報じたとの事。

 ワクチン接種完了者が人口の82%と高水準に達した新嘉坡(シンガポール)では、先月から行動制限の緩和が推進されるも、其の後に感染力の強いデルタ株の感染が拡大。一昨日には、一日の感染者数としては過去最多の1939人の感染が確認された。シンガポール政府は「過去28日の感染者の98%が軽症か無症状だ」と主張する一方、昨日から「飲食店での食事は1組当たり2人まで」「企業は原則在宅勤務とする」等と再び規制を強化した。新たな感染者数が連日1万人を超える(タイ)国でも全土に発令中の非常事態宣言を今年11月末まで延長すると共に、首都の盤谷(バンコク)では22時から4時迄の夜間外出を禁じる措置を継続。

 諸外国を見渡してもコロナ禍の収束とは行かぬ情勢が続く中で、本日9時に政府の基本(きほん)

(てき)対処(たいしょ)方針(ほうしん)分科(ぶんか)(かい)が会合。11時半頃に「19都道府県の緊急(きんきゅう)事態(じたい)宣言(せんげん)と8県の蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)」に関して「今月30日の期限を(もっ)(すべ)解除(かいじょ)する」との政府方針が了承された。

 分科会の尾身(おみ)(しげる)会長が「(みんな)、一気に元の生活に戻ろうとすると、感染の再拡大、反跳(リバウンド)が起きる蓋然(がいぜん)(せい)が高い」「少しずつ解除して下さいと云う事を国や自治体、専門家がone voiceで発信する事が重要」、「此れから冬の時期に掛けて飲み会等、機会が増えて感染が拡大する事も十分に在り得る」と述べるも、ほぼ同時刻に農林水産大臣の野上(のがみ)浩太郎(こうたろう)氏は、外食需要を喚起する「Go Toイート」食事券について「不確定要素が多く、現時点で方向性を予断する事は控えたい」が「今後の感染状況や各地域の執行状況を踏まえて、適切に判断して行く」と発言。正午頃に副総理兼財務大臣の麻生(あそう)太郎(たろう)氏も「酒が飲める等、此れ迄、抑えられていたものが外れ」て「料理店(レストラン」や催事(イベント)を含めて需要が増えて行くのは望ましい」が、「需要が急激に増え、簡単に景気の“気”の部分があがってくるだろうか」との懸念を語った。

 13時に衆議院の議院運営委員会が始まり、菅総理大臣が緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置の全解除を報告。本日の日経平均株価終値は前日より56円10銭安い3万183円96銭。「緊急事態宣言などの解除による経済活動の本格的な再開への期待感から、値下がりした銘柄を買い戻す動きも出た」と関係者談。

 17時過ぎに総理大臣官邸で開かれた新型コロナウイルス対策本部の会合に菅総理大臣のほか、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣他が出席。緊急事態宣言と蔓延延防止等重点措置の30日解除を決定。18時台に東京都知事の小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏が「リバウンドによる再度の医療逼迫を避ける為にも感染を一層抑制して行く必要が有る」、「近隣3県ともワンボイスで連携しながら、実効性有る対策を段階的に実施する」。「リバウンド防止措置期間」に感染状況が悪化した場合は(すみ)やかに措置を強化するが、改善した場合は緩和の段階を更に進めるとの方針を示した。

 そして19時に菅総理が記者会見。「病床の使用率は全ての都道府県で50%を下回り、重症者は9月初めを頂点(ピーク)に減少傾向」「一時は全国で13万人を超えた自宅療養者も3万人となり、なお減り続けている」「現在の状況は、専門家から示された宣言解除の基準を満たしており解除を判断した」と述べた。長い一日が終わるも、(だい)六波(ろっぱ)の到来は恐らく不可避(ふかひ)。厚生労働省が「30分程度で結果が分かる新型コロナウイルスの抗原検査キット」に関して、一般人を対象に「薬局での販売を特例的に認める」と発表。また塩野(しおの)()製薬」が進めて来たCOVID治療用の内服薬に関し、第1段階の臨床試験の結果、今日の時点で安全性に大きな問題は指摘されず、昨日から次の段階の臨床試験に入った模様。


9月29日(水曜)

 本日に都内の旅舎(ホテル)自由(じゆう)民主(みんしゅ)(とう)総裁(そうさい)選挙(せんきょ)の投開票。先ず13時から所属国会議員に依る投票が行われ、岸田氏が議員票146票と党員票110票の計256票を獲得。事前予想で優位と報じられた河野氏は議員票86票、党員票169票の計255票と岸田氏より1票少なく、まさかの2位。議員票に限れば、河野氏は高市早苗氏の票数より少ない3位に過ぎない。推薦人20人からの伸び悩みが伝えられていた野田聖子氏は、議員票が34票と「予想よりも10人以上積み増し」、党員票29票と合わせて計63票となったと報じられた。有効投票数は議員票380票、党員票382票の計762票で、過半数は382票。

 更に第1回投票で首位となった岸田氏と次点の河野氏、上位2人が決選投票。結果は岸田氏が257票と、170票の河野氏を上回り、新しい総裁に選出された。決選投票の内訳は、岸田氏が議員票249票、党員票8票。河野氏が議員票131票、党員票39票だった由。

 紐育のBroadwayでは「出演者や職員にワクチン接種や定期的な検査を行う」と共に「観客にも原則としてワクチン接種を求める」等の厳しい措置を執った上で、先月から本格的に音楽的演劇(ミュージカル)公演を再開。しかし本日、「舞台関係者の新型コロナウイルスへの感染が確認された」事から、前日に再開されたばかりの人気演目“Aladdin”の公演が、開演30分前になって急遽中止。主催のDisney側は「舞台関係者は全員接種を完了して居たが、(ブレイク)(スルー)感染が起きた」と説明。PCR検査で「他に感染者が居ない」事が判明して明日から公演再開の運びとなったそうだが、先月の本格的公演再開から初の感染に因る公演中止に関し、米国内の報道機関は「勢いを取り戻さんとする娯楽(エンターテインメント)業界が直面する困難を浮き彫りにした」と伝えた模様。


9月30日(木曜)

 自民党総裁選に勝利して、日本国の(だい)(ひゃく)(だい)総理(そうり)大臣(だいじん)への指名も確実と目される岸田氏。現代を生きる政治家としてTwitterの活用にも抜かりは無く、#岸田BOXで自分への質問を募集して、今月25日に回答。同日に地上波で放送された劇場版『鬼滅(きめつ)(やいば) 無限(むげん)列車(れっしゃ)(へん)』に関して「観ましたか?」「鬼滅で一番好きなキャラクターは?」と問われたのに対し、岸田新総裁が答えて(いわ)く「テレビは見れていませんが、『鬼滅の刃』は全巻読破しました」。「好きなキャラクターは、()()()です」と語った由。

 (ついで)に「私は漫画、アニメ、映画など日本のソフトパワー産業に関わっている方々の所得向上にも取り組みます」との所信(しょしん)表明(ひょうめい)を付け加えたのに対し、(インター)(ネット)上の大衆は他愛(たあい)も無く欣喜(きんき)雀躍(じゃくやく)。「やばい、これはリプせずにはいられない」「政治家なら無難に炭治郎と答えそうなところ、岸田さんまさかの猗窩座推し」「好感度めっちゃ上がりました」、「岸田さん、よくわかってらっしゃる」。或いは「あかざの良さがわかるなら日本を任せられますね」「ストイックな性格が好きということかな」。作中の台詞を(もじ)って「党総裁『おまえも自民党員にならないか?』」等と書き込む御調子者も現れ、大変に盛り上がったとの事。前任者を「パンケーキ総裁」として売り上げた件も含めて、自民党には(うで)()きの宣伝担当者が控えているものと見える。

 先月から「市内の中学校周辺に出没して子供達に接種反対の書面を手渡す」、今月21日も「決算委員会でマスクから鼻を出した儘で発言しようとし、議長が再三注意するも応じず退席」等と大分(おおいた)臼杵(うすき)市を騒がし続けた市議会議員。若林(わかばやし)純一(じゅんいち)氏に対して本日、遂に市議会から辞職勧告決議が出され、「一人退席の全会一致」で可決した由。若林市議は「辞職する心算(つもり)は毛頭無い」「マスクの強要や同調圧力に疑問を感じている人の代表として闘う」と述べたそうだが、見当(けんとう)(ちが)いも甚だしい。議会の様な公共の場でもマスクが着用出来ぬ様な人物は(いま)()ぐ議席を離れ、第六波が到来する前に人里離れた所での隠遁(いんとん)生活へ移行して頂きたい。


10月1日(金曜)

 本日18時台迄に全国で1447人の新規感染、34人の死亡に関する発表有り。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が出されていた19の都道府県を含めて全国的に減少傾向が続き、東京都内に於ける新規感染者も200人。6日連続の三百人以下となり、7日間平均252.6人は本年に入ってから最少。都の基準で集計した重症患者は93人で(およ)そ2か月振りに百人を下回り、重症患者を含む入院患者が千人を下回ったのは昨年11月以来、凡そ11か月振りとの事。

 全国の8400世帯を対象に「今後半年間の暮らし向きや自動車や家電製品が買い時になるかどうか」等を聞いて、消費者の心理を指数で示す消費(しょうひ)(しゃ)態度(たいど)指数(しすう)も感染状況の好転を受けたか。先月は「2人以上の世帯」の指数が37.8と、前月を1.1ポイント上回って二ヶ月振りに改善。今日は「乗合自動車(バス)旅行(ツアー)が再開」、「Tokyo Disneyland及びDisneySeaで入場者数制限を緩和」、「名古屋の某銀行では来春入行予定者の内定式を対面で開催」等の報道が相次ぎ、本日の閣議後会見で赤羽国土交通大臣が「10月中の技術実証の実施に向けて検討や準備を進めている」「実証実験の対象には、宿泊のみの旅行商品の他、バスや鉄道、航空機などを組み込んだツアー等、多様なものを選定したい」と語り、「観光分野に於ける業種別指針(ガイドライン)の新たな策定に繋げたい」と発言した。

 経済回復の期待が垣間見える一方で、先月に国内で販売された新車台数は1万8371台。昨年同月を32.2%下回って大幅な減少。自動車製造会社(メーカー)の取引先が多いマレーシアやベトナムで今夏に都市(ロック)封鎖(ダウン)が行われて工場稼働も停止した為に部品調達も滞り、「トヨタ自動車が当初計画の半分、凡そ43万台の減産」「各社も減産や工場の一時停止を余儀無くされる」等の状況も依然として続く。

 東南亜細亜の諸国でも感染状況は様々。中国では、北京環球影城/ Universal Studios Beijingが先月20日に開園すると、多くの若者や家族連れで(にぎ)わった。本日から国慶節の大型連休が始まると「延べ6億5000万人が国内を移動する」との推算有るも、其の後の感染再拡大が懸念される。越南(ベトナム)南部の胡志明(ホーチミン)では、昨日に新規感染者4300人余りが確認される等と感染拡大が続き、「地区に依っては食料を配給制にして一切の外出を認めない」「軍や警察が検問所で人々の移動を監視する」等と厳しい行動制限が続けられるも、7月以降の国内総生産成長率が前年同時期に比して大幅に落ち込む等と経済への影響が深刻。国民から上がった怨嗟(えんさ)の声に耐え切れず、政府は本日から行動制限を大幅に緩和する事になった由。

 感染の再拡大に備えて我が国では、大阪(おおさか)住之江(すみのえ)区にて整備されて来た「大規模な患者の受け入れ施設」が、本日に報道陣へ公開された。軽症や無症状の患者用の800床と中等症の患者用の200床、総計1000床を用意するとの計画に対し、現時点で「軽症と無症状の患者用の500床」の整備が完了。内部は「ベッドごとにパネルで仕切られていて、テレビが1人に1台設置」されて居り、「親子で感染した場合」も一緒に入所出来る様に「病床(ベッド)が二つ並べられている空間」や「症状悪化時に酸素投与を行う為の設備」も有る。中等症患者用の200床を含む残り500床も今月中に整備される予定で、視察した府知事の吉村氏は「想定を超える感染爆発が起き、病院や宿泊療養施設に入れなくなる様な時の施設として使う」「医師や看護師が常駐するので、自宅に居るよりも安心出来ると思う」と述べたが、当面は此の施設を使わず、「宿泊療養施設の使用率が50%を超えた」時点で「軽症と無症状の患者を受け入れる準備を始める」との事。

 感染拡大時には病床確保も大事だが、治療薬も重要不可欠。MerckとRidgeback Biotherapeuticsが開発して来たCOVID治療用の抗ウイルス薬、Molnupiravirに関して「入院や死亡の危険性を半減させる効果が試験で示された」との発表有り。米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可が下りれば、新型コロナウイルスの感染に対する初の経口治療薬となる。

メルク社の声明を信ずるならば「暫定分析では、モルヌピラビルは入院や死亡のリスクを約50%低減させた」。モルヌピラビルを投与された患者385人中のうち、「29日目迄に入院、又は死亡」との経過を辿ったのは無作為化の処理を行うと28人、割合にして7.3%だったのに対し、偽薬投与群に於ける入院や死亡の割合は377人中53人で14.1%。「29日迄の死者」はモルヌピラビル投与群では0人、偽薬投与群では8人だった。

 メルク社は「可能な限り早く」FDAに緊急使用許可を申請する方針だが、経口薬の投与が感染拡大を防ぐ事に寄与する可能性は比較的高く、米国立アレルギー感染症研究所の所長、Anthony Fauci氏も本日会見で、メルクの発表は「非常に良い情報(ニュース)」だと評した模様。


10月2日(土曜)

 緊急事態宣言の全面解除を受けて、鳥取県知事の平井(ひらい)伸治(しんじ)氏を頭目とする全国知事会が、本日にオンライン会議を開催。知事42名が出席した会議の席上では、奈良県知事の荒井(あらい)正吾(しょうご)氏から「対策の()()しを追究し、第六波に備える事が重要だ」、和歌山県知事の仁坂(にさか)吉伸(よしのぶ)氏から「今迄の対応がどうだったか反省し、次に備えなければならない」等の声有り。

 政府に対する提言として、第五波に於いて講じられた対策に関する効果の検証や総括、次なる感染拡大に備えた科学的根拠を踏まえた具体的な対策を求める等の内容が纏められ、また「政府が目指す3回目のワクチン接種」については対象者を早期に示す事が要望された由。

 当方は今週に三ヶ月振り、二度目の接種協力で出動。前回は60代超の高齢者が大半だったように記憶して居るが、今回は接種を受けるべく来場された方の大半が若く、中高生から20代、30代で、最年少は12歳だった。来場する市民は前回より多く、午後の交代する迄は気が遠くなる程に多忙だったが、此れも感染抑制の一助となれば良し。


10月3日(日曜)

 本日18時半迄に全国で968人の新規感染、及び17人の死亡が確認された旨の発表有り。東京都内では10歳未満から90代までの男女161人が新たに感染したが、前週日曜より138人減り、日曜日としては今年最小。三百人を下回るのも8日連続となり、本日迄の7日間平均206.3人を見ても感染の勢いが減じているとの印象を受けるも、緊急事態解除から初の初めての土曜日となった昨日の人出は「札幌(さっぽろ)駅付近、渋谷(しぶや)スクランブル交差点付近、名古屋(なごや)駅付近、大阪(おおさか)梅田(うめだ)駅付近、神戸(こうべ)市の(さん)(みや)駅付近、博多(はかた)駅付近に那覇(なは)市の県庁前駅付近と多くの地点で増加」を認め、「特に夜間の人出増加が目立つ」との分析有り。

 そして本日も、東京(とうきょう)では浅草(あさくさ)(かみなり)(もん)前に午前中から多数の観光客が訪れて、或いは記念写真を撮り、或いは浅草寺に続く(なか)見世(みせ)(どおり)を散策して、人力車に乗る者の姿も見られた由。大阪は浪速(なにわ)区に(そび)える(つう)(てん)(かく)の展望台には、家族連れ等が昇って来ては大阪市内の町並みを眺め、ビリケン尊像の足底を撫でるのは感染対策で禁じられるも、同じ仕草で現世(げんぜ)利益(りやく)を求める者達の姿有り。

 愛媛(えひめ)県に蔓延防止等重点措置が適用された今年8月20日から休館が続いた道後(どうご)温泉(おんせん)本館(ほんかん)も、凡そ40日振りに営業を再開。今日は引っ切り無しに観光客や地元の人が訪れたので、感染対策で設けられた入場者数が上限に達し、外で待つ人の姿も見られた由。青森(あおもり)県の感染対策を受けて先月は1ヶ月間休館となり、凡そ二千人分の修学旅行生の受入を断る事になった青森市の観光施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」も、一昨日に営業再開。本日は北海道からの修学旅行生が訪れる等と、宣言の対象では無かった地域でも都道府県を(また)いだ移動が増加して居る模様。斯様(かよう)な緊急事態宣言解除の影響が如何(いか)に現れるかは、二週程度のウイルス潜伏期を過ぎねば分からぬ。

 第五波の渦中に「病床逼迫の皺寄せを受けて、癌治療の緩和(かんわ)ケア病棟(びょうとう)は多くが新型コロナ病床に転用され、閉鎖や休止を余儀無くされていた」との報道有り。NHKが先月中旬、日本(にほん)ホスピス緩和(かんわ)ケア協会(きょうかい)に加盟する全国の医療機関378か所に取材。357の医療機関から得られた回答に依ると、緩和ケア病棟の閉鎖や休止の対応が取られた所は40箇所、即ち11.2%に上り、「一般病棟に移るも十分な手当(ケア)が受けられない」患者や「緩和ケアが出来なくなって自らの専門性が生かせず、辞職する」看護師も存在する由。深刻な問題なれども、感染拡大時に生じる諸問題は多岐(たき)に渡り、此れも氷山(ひょうざん)一角(いっかく)に過ぎぬものと推定される。

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