令和3年8月第3週
8月9日(月曜)
東京五輪の閉幕から一夜明けた本日に、国際五輪委員会(International Olympic Committee; IOC)会長のThomas Bach氏が会長が銀座を訪問。目撃情報を総合すると、polo shirt姿のバッハ会長が16時過ぎに高級店の立ち並ぶ銀座の中央通りに出現。警護人や五輪関係者を従えて街を闊歩して、付近の道路にも警察や五輪関係の車両が止まっていた由。通行人に求められて記念撮影に応じる様子の動画もtwitterで拡散したが、投稿者の一人で在る「都内在住の二十代女性」は某紙の取材に「通行人の小さなお子さんをあやしたり、写真撮影に一人一人対応したりしていた」ので「優しい方だと思った」と証言した由。
安い人気取りでも相手に依っては十分有効な事が証明されたが、常識的に考えれば感染再拡大の最中に五輪開催を強行し、選手に不要な外出を禁じたIOCの首脳が、自ら東京の中枢を観光して歩く等は言語道断の愚行。本日の新規感染者は全国で1万2073人で一万人超は7日連続。東京都は前週の月曜を689人上回り、2884人で、いずれも月曜日としては過去最多。全国の死者は12人。重症者は前日より52人増えて1190人となり、神奈川県でも過去最多の2166人が感染と、五輪前後で状況は悪化の一途を辿っている。
東京五輪の大会運営に対し、米国のNew York Times紙は、バブル方式に因って選手が「社会と切り離され、しばしば閉所恐怖症のような症状を起こした」と指摘。Washington Post紙は「コロナ禍で、運動選手や無償協力者は、ほろ苦い思いで閉幕を迎えた」と報じる一方、中国の環球時報は「コロナ禍での開催は素晴らしく、予想を上回る盛り上がりを見せた」、「東京大会に続き、北京大会も必ず成功させる」との記事を掲載したそうだが、本題は無論、後者の方だろう。
本年限定の三連休も、今日が最終日。妻の体調が回復したのは良かったが、東京では「世界ふしぎ発見!」の珍解答で知られる芸能人の野々村真氏が、先月31日に感染を公表した後に自宅療養を続けるも体調が悪化。今月5日に入院した際の画像検査で「肺が真っ白に映り、重度の肺炎となっていた」旨が所属事務所が公表した由。入院の翌日には血中酸素飽和度が急激に低下し、酸素吸入を行いつつ安静を余儀無くされている模様。回復を祈る。
8月10日(火曜)
昨日に発生した「IOCバッハ会長、銀座散策」の一件に関し、加藤勝信官房長官が本日の記者会見にて発言。大会関係者は「入国後14日間」に渡って「行動範囲が限定され、公共交通機関の不使用等がplaybookで定められている」一方で「入国後15日を経過した者は適用を受けない」との論旨を展開。「7月8日に入国したバッハ氏は行動制限の対象とならぬ」旨を主張したが、他の選手や関係者は大会を通じて厳しく行動を制限され、観光目的で外出した違反者が参加資格を剝奪された例も有り、腑に落ちない話だ。其の一方で「不要不急の外出」に該当せぬかと質問されると加藤氏は返答に窮し、「各人に、状況に応じて適切に判断して頂く」と曖昧な発言に終始。
東京五輪期間中の先月23日から昨日迄に新規感染者数が増加した件に就いては、加藤氏は「五輪が現在の感染拡大の直接の原因になっている訳では無い」と抗弁。五輪に関係する「入国者約4万3000人」のうち「新規感染者は累計151人」「入院は4人だった」、都内の繁華街では「五輪期間中の夜間滞留人口は減少している」等と述べる反面、「五輪開催が国民の気の緩みに繋がった」可能性を指摘されると「人の意識については申し上げ難い」「様々な見方が有ると思う」と明言を避けた。
丸川珠代五輪担当相も本日閣議後の記者会見にて「五輪の開催は感染拡大の原因にはなっていないものと考えている」と発言。バッハ氏の一件に関しても「先ず14日間、しっかりと防疫措置の中で過ごして頂いているかと云う事」が重要で「加えて不要不急で在るかと云う事は、此れもしっかり御本人が判断すべきもので在ります」と語ったが無論、「我慢に次ぐ我慢と自粛生活」を強いられて来た国民は激昂。「日本人よりバッハを守る丸川珠代」「自粛終了のお知らせ!」「これで遠慮なく上京できる」「観光も帰省も同じですよね」「五輪が関係ないなら、お盆の集まりも大丈夫」「これを政府関係者が言ってしまったらおしまい」等のtweetが続出した模様。
実母が薬物と酒精依存症の為、5歳で祖父や祖父の後妻の養子となり、注意欠陥多動性障害を抱えながらも6歳の頃に体操を始めると、2013年から2019年の世界体操競技選手権で通算25個の賞牌を獲得。2016年里約日内路五輪で女子団体、個人総合、跳馬、床で金牌を獲得して四冠を達成。メダル獲得の総数も金メダル19個も男女を通じて史上最多。世界的、歴史的に傑出した体操選手と評価されるSimone Biles氏だが、東京五輪に於いては先月 25日予選で期待通りの完璧な演技が出来ずに「世界中の重さが肩に伸し掛かっている」と訴えた後、27日の団体総合決勝の途中で「精神的重圧」を理由に演技を中止。
更に29日の個人総合決勝、8月1日の種目別決勝の跳馬と段違い平行棒を棄権。「体操選手の間で“twisties”と呼ばれる症状、演技の最中に特定の身体操作が困難になる状態が頻発していた」と報じられるも「順天堂大学の施設を特別に4日間、非公開で利用」して調整を重ね、今月3日の種目別の平均台決勝に出場して銅牌を獲得。氏の行動に対し、米国では概ね「勇断」「悪しき体質にreset buttonを押した」「自らの心と体を守る為に極めて重要な場面でも退く勇気を示した」等と好意的に評価され、逆に彼女を「幼稚な国民」と批判した「徳過瑟斯州の副検事長」は世論の総攻撃を浴び、数日中にバイルズ氏本人へ電話を掛けて謝罪した挙句に「彼女は真の愛国者」で「私達の時代で最も偉大な体操選手の一人」と媚び諂う羽目に陥った。バイルズ氏の行動と米国社会の反応は「精神衛生上の問題を理由に、全仏オープンで試合を辞退した大坂なおみ選手」を連想させる。バイルズ氏自身が「大坂選手に刺激を受けた」と語っていた、と云う記者の証言も有る模様。
体操の演技中に空中で体勢が乱れれば、競技の勝敗だけの問題に留まらず死傷の危険も生じる為、棄権が妥当なのは論議を俟たない。しかし、在米記者の岩田太郎氏は、別の視点から「退く勇気」は「一部の層にしか認められない特権」で在り「バイルズ選手や大坂選手の棄権を動機づけし得る商業的利益」が存在する、と興味深い指摘を行っている。
Forbes誌の推定に依ると、バイルズ氏は今大会参加選手中でも「最も市場価値の高い運動選手の一人」に相違無く、Athleta、SK-2、VISA、 United Airlines、菓子のOreo、Uber Eats、Facebook Watchを含めた十数社と交わした広告契約に依って「年に少なくとも500万弗」、日本円にして約5億5000万円の高額収入を得ている模様。此の中でAthleta社は伯剌西爾発祥の運動関連商標で氏の名前を冠した衣服を販売しているが、親会社のGAPを通して「最高の選手で在る事は、自分を守る事を意味する」「弊社はバイルズ選手の競技内外に於ける健康を支持する」等の声明を発表した。其の一方で同社を含むGAPの衣料製造下請けの労働環境に対しては、服飾企業の倫理や環境を監視する団体“Good On You”から「労働者の健康や安全に関する取り組みが十分ではない」と評価され、「正当な報酬が支払われていない疑い」も指摘されている。彼らの下で働く労働者達には事実上、自らの心と体を守るために極めて重要な場面でも退く」選択肢が与えられていない。
またバイルズ氏を自社のテレビ広告に起用している五輪支援企業、ユナイテッド航空は、彼女が棄権した決断を支持して称える声明を発表した。しかし、同社は昨年12月、米国でCOVID-19患者や死者が急増していた時期に「同じ機内で仕事をした同僚が検査で陽性になった」事を理由に自主隔離を求めた客室乗務員に対し、「勤務を続ける様に命じた」と報じられている。同社の従業員にも「極めて重要な場面でも退く」選択肢は事実上、同社の従業員にも与えられていなかった。
翌4日のNBC取材で「元米国女子体操代表チーム担当のOsteopathic Medicine療法士、Larry Nassar受刑囚に依る自身への性的虐待」が「東京五輪における棄権に影響したか」と問われたバイルズ氏は「今考えて見れば、其れは脳裏に在ったかも知れない」「多分、影響したのだと思う」と稍曖昧な答えを返した由。しかし、ナサール氏が2016年11月に起訴され、2017年12月の時点で20年の実刑判決を受けた後、2018年2月に「40年から125年の刑」が追加されている。此の間もバイルズ氏の快進撃が続いた事を考えると、寧ろ「多分、影響しなかったのでは無いか」との印象を受ける。外傷体験の記憶が時を隔てて甦る可能性も否定は出来ないが、何方かと云えば「全米を騒がせた性的虐待事件を乗り越えた」と云う自身の経歴が生む「世間への訴求性」を維持する為に前述の発言が生まれた、と考える方が自然か。
指導者の一人が「バイルズ選手の叔母が五輪会期中に急死」、バイルズ氏に必要なものは何かと尋ねると「彼女は、時間が欲しいと答えた」との情報も有り、或いは此方が心因として大きかったのかも知れない。但し「バイルズ氏と叔母との関係性」に関する詳細は分からず、実際の影響は未知数。また孔球等で見られる類似の障害、“yips”に関しては、東京大学大学院総合文化研究科の工藤和俊氏が2008年「イップス (Yips) と脳」に於いて「イップスは精神科的疾患に非ず」との見解を公表。「同じ動作を過剰に繰り返す事に因って脳の構造が変化し、其処から生じる局所性dystonia若しくは職業性dystoniaこそがイップスの本質なり」として、神経疾患に分類される様になったと聞く。此の解釈が“twisties”にも合致するのならば、心因を彼是考える事は無意味となろう。
8月11日(水曜)
我が国では本日、COVID新規感染者1万5812人を確認して過去最多を更新。それを上回る2万人超の新規感染者が連日発生している泰国では「陽性時に一時金が支払われる保険金を狙って意図的に感染した」と疑われる事例が多数発生している模様。
年に100から500バーツ、邦貨にして330~1600円程度の安い保険料で「陽性と確認されれば年齢にほぼ関係なく10万~から十万バーツの一時金を受け取れる」型の保険を昨年から各社が販売。今年1月から3月の同型保険の加入は130万件、保険金請求は1億バーツだったが、感染が拡大した4から6月は加入1400万件、請求19億バーツに急増。「観光目的の入国や店内飲食が原則禁止」「旅舎や飲食店は相次ぎ閉鎖」、「数百万人の失業者が発生するも政府の支援は限定的」との状況から貧困層が拡大、保険金目当ての自発感染に繋がった模様。SNSでは「感染して保険金を受け取れると喜ぶ」「鼻腔に入れて使う事も有る嗅薬を感染者が使用後に販売する」等の動画が拡散。業界全体の一時保険金支払いが保険料収入を上回る見通しとなり、不正の有無を調査する人員不足を理由に、今月から当該商品の新規販売が各社一斉停止となった由。
出資者の最高位たるWorldwide Olympic Partnersの一角を占め、年間百億円とも二百億円とも言われる協賛金を提供しながらも、国内外で感染拡大の懸念が強まると見るや、速やかに五輪関連の広告を中止。開会式を含む公式行事に豊田章男社長を含めた同社関係者は出席せず、自社所属の後藤希友選手の金牌が河村たかし名古屋市長に汚される事件が起これば、社長名義で抗議文を出す等、トヨタ自動車が株を上げたと書いた所で実際の株価は如何。ふと気になって経済音痴なりに調べて見ると7月末から8月初め、東京五輪開始時に少し上がり、其の勢いを今日も保っている模様。当初は「製造瑕疵が在った場合のみ、組織委員会が窓口となり無償で対応する」、名古屋市長に噛まれようとも「其れ以外は対象外」とされていたが、交換を認めるべしとの輿論に押され、予備の金牌に交換する事をIOCと大会組織委員会が決定。此の方針転換もTOYOTAの要請に依って為された、との報道も有る。現代では何を遣るにも「先立つ物は金」で「働き掛けるべきは出資者」と云う事の様だ。
先週日曜、8日朝のTBS系番組に野球評論家の張本勲氏が遠隔生出演。東京五輪の拳闘女子フェザー級で入江聖奈氏が、女子ボクシングで日本初の金メダルの快挙を果たした事に関し、畑違いの張本氏が「女性でも殴り合いが好きな人がいるんだね」「見てて如何するのかな」「嫁入り前の御嬢ちゃんが顔を殴り合ってね」「こんな競技好きな人が居るんだ」と暴言を並べた挙句、最後は「其れにしても金だから天晴あげて下さい」と持ち上げて終わらせるも、当然の事ながら抗議が殺到。日本ボクシング連盟の内田貞信会長が、番組に対して抗議文を送る事態に発展した由。ビートたけし氏もテレビ出演で五輪開会式への不満を述べた直後に、「一番すごいのは女子の水球でしょうね」 「誰が見るんでしょうか」等と特定の競技や選手を嘲笑したが、此方も謝罪したと云う話は聞かない。
海外から参加した選手達からは「24時間営業のコンビニ」が「便利だった」と称賛されるも、東京五輪の主催者や運営に対する評価とは言えまい。事前に告知された「東京音頭(おんど」やアイヌ古式踊り、琉球エイサー」等の内容が米国の視聴者に受けないと判断した為か、NBCは恒例に反し、閉会式の概略紹介動画を公式サイトに上げなかった由。New York Times紙は「支持率低迷に苦しむ菅首相が秋の総選挙に向けて人気回復を見込んで開催を強行」するも「期間中の感染爆発で逆効果になりそうだ」、Washington Post紙も「急速な感染拡大が五輪に影を投げかけた」と報道。英国のBBCは、東京の感染者が1日5000人と記録的に急増した原因が「五輪が始まって人の気が緩み、対策が徹底されなくなった」事だと指摘されている件に就いて言及し、更に感染が拡大すれば「日本政府にとって大会続行が仇となる可能性が有る」と指摘。依然として「気付かぬうちに感染した選手や関係者が母国にウイルスを持ち帰る」可能性も懸念されており、また「平昌、東京と来て来年2月に北京で冬季大会も予定」との経緯を踏まえて「五輪が亜細亜色に染められようとしている」と嘆じる報道も有ったと聞く。
五輪の感染対策を記したplaybookは今年2月に発行された初版が33頁だったが、各国の感染症の専門家から不備を指摘され、また其の後の感染状況悪化に伴って4月の第二版は60頁、6月15日版は70頁に膨張。措置の追加、修正が行われる一方で、内容が周知徹底された訳では無かった模様。開会式の時点で複数の選手団がマスクを着用して居らず、各競技会場では各国選手団が大声で声援する様は大会終盤まで改善される事無し。札幌で行われた持久走や競歩では観戦自粛が呼び掛けられるも無視され、沿道に観客が密集。無観客の筈だった孔球でも職員か、無償協力者かと思われる大勢の観衆が競技を見守る光景が物議を醸した。競技の外では禁を破って選手村内公園で酒宴が開かれ、警察が出動。ジョージアの柔道メダリストが東京タワー観光が発覚して資格剥奪処分を受け、「選手村近くのコンビニ」や「都心の飲み屋」での目撃情報も相次ぐ等と選手村からの無断外出も続出。閉会式でもマスク未着用の選手団が散見。
世に言う「バブル方式」の祖となった2020 NBA Bubbleもしくは Disney Bubble或いはOrlando Bubbleは、米国のNational Basketball Associationが総額1億5000万ドル(約150億円)以上の巨資を投じ、フロリダ州のWalt Disney World Resort内に選手、関係者、報道陣を同一の施設内に隔離した上で、競技興行を進行させるもの。斯様に厳密なバブル方式の採用は「広域で規模の大きい五輪での運用は難しい」と本年初頭の時点で組織委幹部が認めていたにも関わらず、「何時の間にやらバブルの語だけが飛び交うようになっていた」不思議。今月1日の時点で「プレイブック違反による処分は参加資格剥奪の6 人を含め大会関係者28人」とされるも、報道や一般人からの通報により発覚した事例が大半で、実際は多くの違反が見逃されていたと考えられる。大会関係者の感染者数は491人、うち海外関係者164人で、選手村滞在者は34人。67万件を超える関係者の検査で陽性率は0.02%に留まり、集団感染はartistic swimmingの希臘代表6名に依る1件のみと報告されている。
国内では「史上最多58個のメダルラッシュに日本は沸いた」、米国大統領から「素晴らしい成功を収めたと祝意を頂戴した」と「菅総理も御満悦」等と報じられるも、連日1万人超の新規感染者が発生。医療現場が疲弊し、病床は逼迫して入院できない自宅療養者が溢れ返る情勢で在ろうとも、パラリンピックは今月24日に開幕。9月5日まで続く予定との事。何処まで感染が拡大するやら、今は見当も付かぬ。
8月12日(木曜)
Golan高原派遣及び伊拉克人道復興支援で初代派遣部隊の隊長を務め、「髭の隊長」との異名を得た後、2007年に除隊。比例区公認候補として立候補して当選、自民党所属の参議院議員となり、現在は自民党外交部会長を務める佐藤正久氏が本日のBS―TBS報道番組に出演。「東京五輪開幕の7月23日に羽田空港で陽性反応が出た30代女性からラムダ株発見」、「7月26日に国立感染症研究所が国際機関に報告」となるも国民に公表されなかった件について「早く発表すべきだった」が「政府の中でも情報が共有されていなかった」、8月6日に厚労省が公表したのは「報道機関から問い合わせが有ったから答えた」と語った由。
五輪が有るから発表しなかったのでは無いか、と問われた佐藤氏は「もっと早く問い合わせが有れば答えたという感覚」、「ラムダ株に対する意識の高さが無かった」が「市中では見つかっていない」、「感染研は今では注目すべき変異株に指定している」等と弁明するも、元自衛官にして与党で重責を担う立場の政治家としては、世界的大流行から自国を護ろうとの意識が余りに乏しい。番組に出演した国際医療福祉大学大学院の松本哲哉教授は「ラムダ株は既に中南米を中心に広域に拡大している」、斯様な変異株が国内に入ったと分かれば「出た時点できちんと公開」し、デルタ株の蔓延を教訓として「今度はラムダへと体制を切り替える」べきものだと思われるが「五早めに公開しなかったというのは何かの意図が有ったと疑われても仕方が無い」と断じた由。嘗てはイラク派遣に関して「情報収集の名目で現場に駆け付け、敢えて巻き込まれる」形ならば武力を行使しても良いとの持論を語った氏だが、今は政府や自民党に対する専守防衛が過ぎる様だ。
米製薬会社Gilead Sciencesが本日に公表した所に依ると、Remdesivir、商品名ベクルリーが本日付で薬価収載。保険が適用される事になり、10月にも一般流通を開始する予定との事。レムデシビルは国内初のCOVID-19治療薬として2020年5月に特例承認された点滴静注用の抗ウイルス薬で、水性注射剤と凍結乾燥剤の2剤型が存在する。主に中等症や重症の患者が対象で、1注射用護謨栓瓶中に100瓱の薬価は6万3342円だが、薬価収載後も流通開始までは国が購入したレムデシビルの無償配分を継続。流通が開始され、保険が適用された後もCOVID-19が指定感染症で在る限り、患者負担は生じない。初年度の対象患者は約4万3000人、販売額は181億円と見込まれている由。
8月13日(金曜)
本日の新規感染者数は全国で2万365人。初の二万人超えで無論、過去最多。第三波の頂点が1月8日の7955人、第四波は5月8日の7234人だったが、其の三倍に相当する。東京都が5773人、神奈川県で2281人等と各地でも最多の感染者数が次々と発表された。また東京都で7人、千葉県で6人、大阪府で3人、神奈川県で3人、茨城県で3人、滋賀県で1人、福岡県で1人、鹿児島県で1人の総計25人が死亡した由。
此の非常事態に対し、政府の分科会は「今月26日までの2週間、集中的に対策を強化」「東京都では人出を今回の緊急事態宣言が出される直前の7月前半に比べて5割減らす」等の緊急提言を提出。東京都知事の小池百合子氏は「外出避けてください」、「御盆で帰省に就いては先方への様々な影響が及ばないように、先ず中止して頂く様に御願いします」「大雨もコロナも同じです」「災害になります」と語る一方で、東京パラリンピックに関して「此れ迄の経験を生かし、安全安心な大会にしたい」「競技を見ると本当に感動する」「子供達に見せてあげたいと思う」と「児童生徒の現地観戦に意欲を見せた」由。昨日のモニタリング会議で専門家から「東京五輪の会場周辺で密集が出来ていた」と指摘されても「印象論で仰った」と断定。愈々(いよいよ)末世か。
変異株公表遅延の一件に関し、「ペルー滞在歴があり、検疫で陽性が判明」「国立感染症研究所の解析でラムダ株と確認された」30代女性が「五輪関係者だった」旨を共同通信が報道。取材に対して厚生労働省の検疫所業務管理室は、ラムダ株は「国立感染症研究所がVOC(Variant of Concern, 懸念される変異株)に位置付けていない」が「8月6日時点で御問い合わせが有ったので御答えした迄」と主張。昨日の項に記した佐藤氏発言と概ね合致しているが、其れが「感染力が強くワクチンの効果が落ちる可能性有り、と懸念されているラムダ株の発見を報告しなくとも良い理由となるのか」との疑問も共通。
国内初確認となった女性が羽田に到着したのは、折しも五輪開催直前。米国の報道サイト、Daily Beastは「匿名の国立感染症研究所職員」から得た情報として「五輪が終わってから公表するのが最善、との総意が厚生労働省に存在した」と報道。日本感染症学会の指導医にして東京歯科大学市川総合病院の呼吸器内科教授、寺嶋毅氏も「変異株は、国内の感染者数に影響します」、「第4波で中心になったアルファ株を含めた過去の経験」から考えると変異株は検出されてから其の後、急激に広まって行き」「どうしても対策が後手後手に回ってしまう」傾向が有るので「警戒感を高める為にも、検疫で検出された時点で公表されても良い」と主張したそうだが、「後手後手」こそ我が国の感染対策の枕詞に相応しい。
日本付近で停滞する前線の影響で、本日に九州では記録的な雨量となり、北陸や中国地方でも大雨。広島市には一時、大雨特別警報が出された由。気象庁曰く「前線の停滞は1週間程度は続く見込み」。東北から九州に掛けて「少なくとも15日迄は広範囲で大雨が続き、豪雨災害を齎す線状降水帯が何処で発生しても不思議では無い」状況が続くも、何時終わるかは不明との事。
8月14日(土曜)
一昨日から秋雨前線が停滞した結果、頻繁に線状降水帯が生じて九州北部を中心に記録的な降雨有り。殊に佐賀県嬉野市では、本日16時の時点で降り始めからの雨の量が1000粍に達したが、此れは8月に降る平均雨量の約3.6倍。年間雨量の4割超に及ぶ雨が僅か三四日で降って来た事になる由。佐賀市でも810.5粍、福岡県久留米市でも744.0粍と九州北部では800粍前後の雨が降る所が多く、中国から東海でも400mm前後。各地で土砂災害や河川氾濫が発生しているが、明日に掛けて九州や中国地方のみならず、東海や関東甲信でも未曾有の豪雨が発生する可能性が有り、特に大雨特別警報が出た福岡県、佐賀県、長崎県では今夜に活発な雨雲が通過する事で更なる被害拡大が懸念される状況との事。
台風や長雨の影響で、全国高校野球選手権も現時点で3日間順延。今後も悪天候が予想される一方で、今夏が25回目、過去最多の40校が出場した全国高校女子硬式 野球選手権も、史上初めて甲子園で決勝を行う事になっており、全国高校野球選手権の休養日となる今月24日に神戸弘陵学園と高知中央の決勝戦が予定されている。「雨の影響で女子も大会日程がずれ込んでいる」事に加えて、「26日から全国高校女子硬式野球ユース大会が始まる」為、「其方へも出場する両校が今夏に甲子園で試合が出来る猶予は、13日時点で残り二日間のみ」との事情も有り、更に雨天と中止順延が続いた場合は「全国高校野球選手権の準決勝2試合と女子の決勝を同日に行う1日3試合案」も検討される由。
猛暑が和らぐのは助かるものの、外を思う様に歩けない影響は大きい。屋内での鍛錬種目も色々と考案して見るも、健康と体型を維持しようとする者にとって矢張り長雨は有り難くない。「換気が遣り辛くなる」上に「内部が蒸れるのでマスクも外したくなる」事を考えると、悪天候の持続が感染拡大を煽る恐れも有るが、天災ならば是非も無し。耐え忍ぶ他は有るまい。
8月15日(日曜)
河村たかし氏が今週12日に名古屋市役所で会見。金牌噛み付き事件に関して「尊敬に欠けとった」「行き過ぎた発言が御座いまして、深く反省して居ります」等と謝罪を試みるも、「行き過ぎた発言」に関しては「緊張緩和して頂く為に言うんですけど」と早速の自己弁護。sexual harassmentの認識は有りや無しやと問われても「まあ、セクハラだと思った場合は言いませんので」「まあ、認識が甘いなら甘いのかも分かりませんけど」、「彼女、居るかね」「彼氏居るかね」と尋ねると「一気に若い子の場合はリラックスして」、「小さい子」にも「大好きな女の子居る」かと質問すれば「皆、喜びますわな」と常習犯の論旨を展開。「市としてハラスメント防止の規則や指針を作る」「翌13日に自身も講習会を受講する」等と話したそうだが、未だに斯様な発言をして恥じない様な受講者が相手では講師も困惑した事だろう。
報道陣からは進退の意向に就いて問われると「無いと言うと感じが悪いでしょう」「無責任な事は言えません」「勘弁させてくれんかな」と述べる辺り、辞任の意思は微塵も無い模様。自身の責任を繰り返し問われると苛立ち、「誠に申し訳なかったと繰り返して言うしか仕様が無いでしょ」と投げ遣りに言い放った由。「東京パラリンピック聖火の採火式」及び「県の集火式」の欠席も決定。「パラ五輪というのは別格な、大変価値の高い話」なので「其処は是非」出たいとの欲が有り、河村氏本人は直前まで諦めが付かなかったそうだが、周囲から「やっぱり自粛すべきだ」と重ねて説得されるに及んで遂に断念したとの事情が、氏独特の名古屋弁らしき言語で語られた模様。
そして本日に名古屋市で採火式。熱田神宮で子供達の起こした火が提灯に灯される場に河村氏の姿は無く、杉野みどり副市長が代理で出席した由。河村氏には「彼が主導した大村秀章愛知県知事に対するリコール運動で発覚した署名偽造」への関与、「ビートたけし氏が監督した映画の名古屋に於ける舞台挨拶で『最後、自殺するんですよ』と結末を喋ってしまう」様な粗野が以前から指摘されて来た。本年4月9日に名古屋城の屋根から降ろされた金の鯱に触れられる特別展覧の開会式に出席した際も、感染予防の為に「手指消毒の上、鼻先の一部だけしか触れない様に」と指示されていたのを無視してマスクを外し、雄鯱に噛み付いた前科有り。日本有数の大都市の首長で在りながら数々の愚行を重ね、剰え日本の恥を世界に晒した河村氏は辞任が妥当と思われるが、審判は名古屋市民に委ねよう。
東京パラリンピックに出場するために来日した惹爾日亜選手団。うち1名がCOVID陽性と判定され、他の選手も濃厚接触者として都内の旅舎に隔離。此の状況下で同国の「柔道代表の男性選手」が今週12日に旅舎内で飲酒した挙句、60代の男性警備員を突き飛ばして肋骨骨折の重傷を負わせた事が判明。警備員は傷害容疑で被害届を提出して「男性選手は部屋を出て来て、行成無言で自分に向かって来た」と訴え、警視庁が経緯を調べている由。勝利や賞牌の華を添えたいのは無論として、彼等は皆、五輪と云う祭典を楽しむ為に遥々(はるばる)日本へと遣って来たので在って、狭い部屋に監禁される事は望んで居ない。一方で五輪開始時よりも感染状況が悪化している以上、我が国としては感染対策の鉄環を緩める事は出来ない。感染拡大の最中でパラリンピックが始まり、両者の齟齬が更に深まる事を恐れる。




